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プリミエ・コレクション 70
「こと」の認識 「とき」の表現
フランス語のquand 節と半過去
A5上製, 240 pages
ISBN: 9784814000173
pub. date: 03/16
フランス語では「……していた」は「半過去形」で表現される.このありふれた時制表現のなかに,驚きの世界が隠れている.小説で,失恋の歌で,さらには昔話で……,半過去がみせる微妙な裏技の数々を,この一冊が語る.
『フランス語学研究』第51号、75-77頁、評者:井元秀剛氏
高橋 克欣(たかはし かつよし)
京都外国語大学講師(4月より)
1978年神奈川県生まれ。2001年早稲田大学第一文学部文学科フランス文学専修卒業。2003年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。2006年ストラスプール第2大学(マルク・ブロック大学)にてDEA(言語科学)の学位取得。2011年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2014年京都大学にて博士(人間・環境学)の学位取得。
主要論文
「補文節における時制解釈のメカニズム」『関西フランス語フランス文学』13 (日本フランス語フランス文学会関西支部,2007年)
「« quand+imparfait »と談話的時制解釈」関西フランス諦フランス文学』18 (日本フランス語フランス文学会関西支部,2012年)
「時を表す副詞節における半過去と談話的時制解釈」『フランス語学の最前線2』 (ひつじ書房,2014年)
京都外国語大学講師(4月より)
1978年神奈川県生まれ。2001年早稲田大学第一文学部文学科フランス文学専修卒業。2003年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。2006年ストラスプール第2大学(マルク・ブロック大学)にてDEA(言語科学)の学位取得。2011年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2014年京都大学にて博士(人間・環境学)の学位取得。
主要論文
「補文節における時制解釈のメカニズム」『関西フランス語フランス文学』13 (日本フランス語フランス文学会関西支部,2007年)
「« quand+imparfait »と談話的時制解釈」関西フランス諦フランス文学』18 (日本フランス語フランス文学会関西支部,2012年)
「時を表す副詞節における半過去と談話的時制解釈」『フランス語学の最前線2』 (ひつじ書房,2014年)
序章 言語の世界と時間の概念
1 言語の世界における「時間」の問題
2 事態の認識と時間の概念
3 言語ごとに異なる時間の表し方
4 フランス語における時制形式の体系
5 時間表現の多様性と外国語学習
6 本書の目的と構成
コラム1 名脇役! その名は半過去
第1章 quand 節に現れる半過去とは何か
——先行研究の概観と本書における仮説の提示
l はじめに
2 半過去の用法の多様性
3 quand 節における半過去の使用制約
4 quand 節に現れる半過去に関する統計的研究
5 quand 節に現れる半過去の意味的特徴
6 quand 節における半過去の使用制約に対する説明
6.1 quand 節の「意味の希薄性」
6.2 quand 節と「不安定な要素としての半過去」
7 半過去の未完了性
7.1 未完了性とは何か
7.2 未完了性と事態の成立・不成立
7.3 未完了性と「不安定な要素としての半過去」
7.4 半過去と完了性
7.5 事態の成立・不成立とquand 節における半過去の使用制約
8 quand 節と「時の定位」
8.1 岩田(1997)の分類①「習慣・反復を表すもの」
8.2 岩田(1997)の分類②「事態の開始点を表すもの」
8.3 岩田(1997)の分類③「一定の期間を表すもの」
8.4 岩田(1997)の分類④「時を表す副詞が先行するもの」
8.5 「時の定位」の概念の妥当性
9 談話解釈におけるquand 節の機能
10 文単位の考察の限界と談話単位の考察の必要性
11 本書の仮説
12 第1章のまとめ
コラム2 なぜ昔話は il était une fois で始まることが多いのか?
第2章 談話的時制解釈モデルと半過去による事態の係留
1 はじめに
2 談話的時制解釈モデルの必要性
3 時制形式と事態の定位操作
3,1 事態の定位操作と時間軸
3.2 事態の定位操作と発話様態
3.3 「投錨」
3.4 「係留」
4 半過去による事態の係留
4.1 半過去による事態の相対的な定位
4.2 半過去による時間的定位と意味的定位
4.3 「部分照応的半過去説」の概要
4.4 「部分照応的半過去説」に対する批判
4.5 半過去による「係留」と「部分—全体性」
5 半過去の具体例の分析
5.1 他の自立的な過去時制との同時性を表す半過去
5.2 「因果関係」を表す半過去
5.3 「談話」の発話様態と半過去の解釈
5.4 非言語的情報を参照して解釈される半過去
5.5 話し手と聞き手の共有体験を参照して解釈される半過去
6 第2章のまとめ
コラム3 失われた恋を語る歌には半過去がよく似合う?
第3章 quand 節に現れる半過去と談話的時制解釈
l はじめに
2 先行研究のまとめ
3 quand 節の位置と機能
4 「部分—全体スキーマ」による場面の特定
4.1 「部分—全体スキーマ」… 137
4.2 「部分—全体スキーマ」とquand 節による場面の特定
5 quand 節に現れる半過去の実例の分析
5.1 共有知識に基づく場面の特定
1) 「人生の一時期」ゃ「年齢」を表す半過去
2) 一日の中で定まった時間帯に生起する事態を表す半過去
3) 史実を表す半過去
5.2 言語文脈に基づく場面の特定
1) 作例に基づく考察
2) 文学作品からの引用例に基づく考察
5.3 発話状況に基づく場面の特定
5.4 話し手と聞き手の共有体験に基づく場面の特定
6 quand 節による場面の特定と時の副詞句のはたらき
7 quand 節と場面の選択機能
8 先行研究における記述や説明の偏向とその原因
9 第3章のまとめ
コラム4 「語りのwhen 節」とは?
第4章 逆従属構文に現れる半過去と談話的時制解釈
1 はじめに
2 逆従属構文の特徴
3 逆従属構文と発話様態
4 「語り」の発話様態と「語りの母時空間」の設定
5 逆従属構文の主節に現れる半過去による事態の係留
6 逆従属構文とquand 節に半過去が現れる構文の比較
7 逆従属構文として解釈されるquand 節に現れる半過去
8 第4章のまとめ
コラム5 ……半過去は名カメラマン?
終章
本書のまとめ
本書の意義
半過去の統一的な理解を目指して
「こと」の認識「とき」の表現
あとがき
参考文献
索 引
1 言語の世界における「時間」の問題
2 事態の認識と時間の概念
3 言語ごとに異なる時間の表し方
4 フランス語における時制形式の体系
5 時間表現の多様性と外国語学習
6 本書の目的と構成
コラム1 名脇役! その名は半過去
第1章 quand 節に現れる半過去とは何か
——先行研究の概観と本書における仮説の提示
l はじめに
2 半過去の用法の多様性
3 quand 節における半過去の使用制約
4 quand 節に現れる半過去に関する統計的研究
5 quand 節に現れる半過去の意味的特徴
6 quand 節における半過去の使用制約に対する説明
6.1 quand 節の「意味の希薄性」
6.2 quand 節と「不安定な要素としての半過去」
7 半過去の未完了性
7.1 未完了性とは何か
7.2 未完了性と事態の成立・不成立
7.3 未完了性と「不安定な要素としての半過去」
7.4 半過去と完了性
7.5 事態の成立・不成立とquand 節における半過去の使用制約
8 quand 節と「時の定位」
8.1 岩田(1997)の分類①「習慣・反復を表すもの」
8.2 岩田(1997)の分類②「事態の開始点を表すもの」
8.3 岩田(1997)の分類③「一定の期間を表すもの」
8.4 岩田(1997)の分類④「時を表す副詞が先行するもの」
8.5 「時の定位」の概念の妥当性
9 談話解釈におけるquand 節の機能
10 文単位の考察の限界と談話単位の考察の必要性
11 本書の仮説
12 第1章のまとめ
コラム2 なぜ昔話は il était une fois で始まることが多いのか?
第2章 談話的時制解釈モデルと半過去による事態の係留
1 はじめに
2 談話的時制解釈モデルの必要性
3 時制形式と事態の定位操作
3,1 事態の定位操作と時間軸
3.2 事態の定位操作と発話様態
3.3 「投錨」
3.4 「係留」
4 半過去による事態の係留
4.1 半過去による事態の相対的な定位
4.2 半過去による時間的定位と意味的定位
4.3 「部分照応的半過去説」の概要
4.4 「部分照応的半過去説」に対する批判
4.5 半過去による「係留」と「部分—全体性」
5 半過去の具体例の分析
5.1 他の自立的な過去時制との同時性を表す半過去
5.2 「因果関係」を表す半過去
5.3 「談話」の発話様態と半過去の解釈
5.4 非言語的情報を参照して解釈される半過去
5.5 話し手と聞き手の共有体験を参照して解釈される半過去
6 第2章のまとめ
コラム3 失われた恋を語る歌には半過去がよく似合う?
第3章 quand 節に現れる半過去と談話的時制解釈
l はじめに
2 先行研究のまとめ
3 quand 節の位置と機能
4 「部分—全体スキーマ」による場面の特定
4.1 「部分—全体スキーマ」… 137
4.2 「部分—全体スキーマ」とquand 節による場面の特定
5 quand 節に現れる半過去の実例の分析
5.1 共有知識に基づく場面の特定
1) 「人生の一時期」ゃ「年齢」を表す半過去
2) 一日の中で定まった時間帯に生起する事態を表す半過去
3) 史実を表す半過去
5.2 言語文脈に基づく場面の特定
1) 作例に基づく考察
2) 文学作品からの引用例に基づく考察
5.3 発話状況に基づく場面の特定
5.4 話し手と聞き手の共有体験に基づく場面の特定
6 quand 節による場面の特定と時の副詞句のはたらき
7 quand 節と場面の選択機能
8 先行研究における記述や説明の偏向とその原因
9 第3章のまとめ
コラム4 「語りのwhen 節」とは?
第4章 逆従属構文に現れる半過去と談話的時制解釈
1 はじめに
2 逆従属構文の特徴
3 逆従属構文と発話様態
4 「語り」の発話様態と「語りの母時空間」の設定
5 逆従属構文の主節に現れる半過去による事態の係留
6 逆従属構文とquand 節に半過去が現れる構文の比較
7 逆従属構文として解釈されるquand 節に現れる半過去
8 第4章のまとめ
コラム5 ……半過去は名カメラマン?
終章
本書のまとめ
本書の意義
半過去の統一的な理解を目指して
「こと」の認識「とき」の表現
あとがき
参考文献
索 引