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森棲みの社会誌
アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 II
菊上製・418頁
ISBN: 9784876989539
発行年月: 2010/03
第三世代京大アフリカ学の到達点
[推薦]松田素二(京都大学大学院教授)
かつて人類進化の謎を探るために、類人猿研究の延長上に生まれた京大のアフリカ熱帯林社会研究。熱帯林で暮らす狩猟採集民の生態人類学的調査から出発した画期的な研究は、半世紀を経て多線的な進化をとげ、その一つは激動する現代を生き抜くアフリカ社会の総体を多角的に描き出す総合人文学へと発展した。「大変動」時代を生きる森の民の姿を活写する、京大式フィールドワークのエッセンス。
近代化の波のなかでアフリカの森はどう変わったか。そこに暮らしてきた狩猟採集民たちは定住化を迫られ、農耕民とともに市場経済に呑み込まれてゆく。「森の文化」も大きく変容しつつある。40年以上、数十人にのぼるフィールドワーカーが、生態人類学研究を総括し、グローバル化のなかで地域社会が独自性を保持してゆく道を探る。
市川光雄(いちかわ みつお)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
1946年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,理学博士。
主な著書に,『森の狩猟民—ムブティ・ピグミーの生活』(人文書院),『人類の起源と進化』(有斐閣,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著)など。
大石高典(おおいし たかのり)
京都大学こころの未来研究センター特定研究員
1978年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程研究指導認定退学,修士(理学)。
主な著作に,「モノノケの民族生態学—国家に抗するモノノケたち—」『あらはれ』11: 142—165。
亀井伸孝(かめい のぶたか)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員
1971年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著作に,『森の小さな〈ハンター〉たち—狩猟採集民の子どもの民族誌』(京都大学学術出版会),『アフリカのろう者と手話の歴史—A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』(明石書店),『遊びの人類学ことはじめ—フィールドで出会った〈子ども〉たち』(昭和堂,編著)。
北西功一(きたにし こういち)
山口大学教育学部准教授
1965年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,共著)。
木村大治(きむら だいじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
1960年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ヒトの自然誌』(平凡社,共著),『人間性の起源と進化』(昭和堂,共著),『共在感覚—アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会)。
小松かおり(こまつ かおり)
静岡大学人文学部准教授
1966年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『沖縄の市場〈マチグヮー〉文化誌』(ボーダーインク),「バナナ栽培文化のアジア・アフリカ地域間比較」『アジア・アフリカ地域研究』6 (1): 77—119(共著),『朝倉世界地理講座—大地と人間の物語—12 アフリカII』(朝倉書店,共著)。
坂梨健太(さかなし けんた)
京都大学大学院農学研究科博士課程
1981年生まれ,京都大学大学院農学研究科修士課程修了,修士(農学)。
主な著作に,「カメルーン南部熱帯雨林におけるファンの農耕と狩猟活動」『アフリカ研究』74: 37—50
佐々木重洋(ささき しげひろ)
名古屋大学大学院文学研究科准教授
1966年生まれ,京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了,博士(人間・環境学)。
主な著作に,『仮面パフォーマンスの人類学—アフリカ,豹の森の仮面文化と近代』(世界思想社),「感性という領域への接近—ドイツ美学の問題提起から感性を扱う民族誌へ」『文化人類学』73 (2): 200—220,『現代アフリカの民族関係』(明石書店,共著)。
澤田昌人(さわだ まさと)
京都精華大学人文学部教授
1958年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,理学博士。
主な著作に,『民族音楽叢書7 環境と音楽』(東京書籍,共著),『アフリカ狩猟採集社会の世界観』(京都精華大学創造研究所,編著),『現代アフリカの社会変動—ことばと文化の動態観察』(人文書院,共著)。
都留泰作(つる だいさく)
富山大学人文学部准教授
1968年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『アフリカ狩猟採集社会の世界観』(京都精華大学創造研究所ライブラリー,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),「バカ・ピグミーの精霊儀礼」『アフリカ研究』49: 53—76。
戸田美佳子(とだ みかこ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程/日本学術振興会特別研究員(DC1)
1983年生まれ,神戸大学理学部卒業。
主な著作に,『カメルーンの「障害者」—生活実践とその社会的コンテクスト』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文),『ケアをめぐる実践(2008年度大学院教育改革支援プログラム院生発案型共同研究報告書)』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科大学院教育改革支援プログラム支援室,共著)。
服部志帆(はっとり しほ)
京都大学大学院理学研究科/日本学術振興会特別研究員(PD)
1977年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,「自然保護計画と狩猟採集民の生活—カメルーン東部州熱帯林におけるバカ・ピグミーの例から」 『エコソフィア』13: 113-127,「狩猟採集民バカの植物名と利用法に関する知識の個人差」『アフリカ研究』71: 21—40。
塙 狼星(はなわ ろうせい)
空堀ことば塾主宰
1963年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『続 自然社会の人類学−変貌するアフリカ』(アカデミア出版会,共著),『エスノ・サイエンス』(京都大学学術出版会,共著),『半栽培の環境社会学—これからの人と自然』(昭和堂,共著)。
分藤大翼(ぶんどう だいすけ)
信州大学全学教育機構准教授
1972年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『見る,撮る,魅せるアジア・アフリカ!—映像人類学の新地平』(新宿書房,共著),『インタラクションの境界と接続』(昭和堂,共著)。
松浦直毅(まつうら なおき)
京都大学大学院理学研究科研究員
1978年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著作に,天isiting patterns of two sedentarized central African hunter-gatherers: Comparison of the Babongo in Gabon and the Baka in Cameroon* African Study Monographs 30(3): 137—159,「ガボン南部バボンゴ・ピグミーと農耕民マサンゴの儀礼の共有と民族間関係」『アフリカ研究』70: 1—13。
矢野原佑史(やのはら ゆうし)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
1981年生まれ,立命館大学国際関係学部卒業。
主な著作に,『カメルーン都市部においてアングロフォンの若者が実践するヒップホップ・カルチャーに関する研究』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文)。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
1946年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,理学博士。
主な著書に,『森の狩猟民—ムブティ・ピグミーの生活』(人文書院),『人類の起源と進化』(有斐閣,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著)など。
大石高典(おおいし たかのり)
京都大学こころの未来研究センター特定研究員
1978年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程研究指導認定退学,修士(理学)。
主な著作に,「モノノケの民族生態学—国家に抗するモノノケたち—」『あらはれ』11: 142—165。
亀井伸孝(かめい のぶたか)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員
1971年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著作に,『森の小さな〈ハンター〉たち—狩猟採集民の子どもの民族誌』(京都大学学術出版会),『アフリカのろう者と手話の歴史—A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』(明石書店),『遊びの人類学ことはじめ—フィールドで出会った〈子ども〉たち』(昭和堂,編著)。
北西功一(きたにし こういち)
山口大学教育学部准教授
1965年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,共著)。
木村大治(きむら だいじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
1960年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ヒトの自然誌』(平凡社,共著),『人間性の起源と進化』(昭和堂,共著),『共在感覚—アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会)。
小松かおり(こまつ かおり)
静岡大学人文学部准教授
1966年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『沖縄の市場〈マチグヮー〉文化誌』(ボーダーインク),「バナナ栽培文化のアジア・アフリカ地域間比較」『アジア・アフリカ地域研究』6 (1): 77—119(共著),『朝倉世界地理講座—大地と人間の物語—12 アフリカII』(朝倉書店,共著)。
坂梨健太(さかなし けんた)
京都大学大学院農学研究科博士課程
1981年生まれ,京都大学大学院農学研究科修士課程修了,修士(農学)。
主な著作に,「カメルーン南部熱帯雨林におけるファンの農耕と狩猟活動」『アフリカ研究』74: 37—50
佐々木重洋(ささき しげひろ)
名古屋大学大学院文学研究科准教授
1966年生まれ,京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了,博士(人間・環境学)。
主な著作に,『仮面パフォーマンスの人類学—アフリカ,豹の森の仮面文化と近代』(世界思想社),「感性という領域への接近—ドイツ美学の問題提起から感性を扱う民族誌へ」『文化人類学』73 (2): 200—220,『現代アフリカの民族関係』(明石書店,共著)。
澤田昌人(さわだ まさと)
京都精華大学人文学部教授
1958年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,理学博士。
主な著作に,『民族音楽叢書7 環境と音楽』(東京書籍,共著),『アフリカ狩猟採集社会の世界観』(京都精華大学創造研究所,編著),『現代アフリカの社会変動—ことばと文化の動態観察』(人文書院,共著)。
都留泰作(つる だいさく)
富山大学人文学部准教授
1968年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『アフリカ狩猟採集社会の世界観』(京都精華大学創造研究所ライブラリー,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),「バカ・ピグミーの精霊儀礼」『アフリカ研究』49: 53—76。
戸田美佳子(とだ みかこ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程/日本学術振興会特別研究員(DC1)
1983年生まれ,神戸大学理学部卒業。
主な著作に,『カメルーンの「障害者」—生活実践とその社会的コンテクスト』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文),『ケアをめぐる実践(2008年度大学院教育改革支援プログラム院生発案型共同研究報告書)』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科大学院教育改革支援プログラム支援室,共著)。
服部志帆(はっとり しほ)
京都大学大学院理学研究科/日本学術振興会特別研究員(PD)
1977年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,「自然保護計画と狩猟採集民の生活—カメルーン東部州熱帯林におけるバカ・ピグミーの例から」 『エコソフィア』13: 113-127,「狩猟採集民バカの植物名と利用法に関する知識の個人差」『アフリカ研究』71: 21—40。
塙 狼星(はなわ ろうせい)
空堀ことば塾主宰
1963年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『続 自然社会の人類学−変貌するアフリカ』(アカデミア出版会,共著),『エスノ・サイエンス』(京都大学学術出版会,共著),『半栽培の環境社会学—これからの人と自然』(昭和堂,共著)。
分藤大翼(ぶんどう だいすけ)
信州大学全学教育機構准教授
1972年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『見る,撮る,魅せるアジア・アフリカ!—映像人類学の新地平』(新宿書房,共著),『インタラクションの境界と接続』(昭和堂,共著)。
松浦直毅(まつうら なおき)
京都大学大学院理学研究科研究員
1978年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著作に,天isiting patterns of two sedentarized central African hunter-gatherers: Comparison of the Babongo in Gabon and the Baka in Cameroon* African Study Monographs 30(3): 137—159,「ガボン南部バボンゴ・ピグミーと農耕民マサンゴの儀礼の共有と民族間関係」『アフリカ研究』70: 1—13。
矢野原佑史(やのはら ゆうし)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
1981年生まれ,立命館大学国際関係学部卒業。
主な著作に,『カメルーン都市部においてアングロフォンの若者が実践するヒップホップ・カルチャーに関する研究』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文)。
巻頭図
まえがき
第Ⅰ部 総 説
第1章 アフリカ熱帯林の社会(1)—中部アフリカ農耕民の社会と近現代史— [小松かおり]
1—1 熱帯雨林の住人たち
1—2 バントゥー系言語集団の起源と森林への移動
1—3 西バントゥー諸社会の特質
1—4 社会の多様な展開
1—5 ヨーロッパの到来と大西洋交易
1—6 植民地下の社会
1—7 独立後の社会体制
1—8 紛争とエスニシティ
第2章 アフリカ熱帯林の社会(2)—ピグミーと農耕民の関係— [北西功一]
2—1 支配と従属vs. 協力 搾取vs. 相互依存
2—2 「ピグミー」とは?
2—3 言 語
2—4 生態学的,経済的な関係
2—5 社会的な関係
2—6 今後の課題
第3章 ピグミー系狩猟採集民における文化研究 [都留泰作]
3—1 エスノ・サイエンス
3—2 遊びへのまなざし
3—3 社会的心性
第4章 アフリカ熱帯林における宗教と音楽 [分藤大翼]
4—1 ピグミーの歌と踊り
4—2 「発見」された人びと
4—3 「発見」された世界観
4—4 森と人と精霊
4—5 音(楽)と精霊
4—6 農耕社会の儀礼研究
4—7 かわること,かわらないこと
第5章 農耕民と狩猟採集民における相互行為研究 [木村大治]
5—1 アフリカ熱帯林における相互行為研究の源流
5—2 研究史と本書の論文の位置付け
第Ⅱ部 バントゥーの社会
第6章 熱帯雨林のローカル・フロンティア
—コンゴ共和国北部,バントゥー系焼畑農耕民の事例— [塙狼星]
6—1 分節社会と「部族」社会
6—2 移動と移住の歴史
6—3 家族的な社会編成
6—4 焼畑農耕と集団編成
6—5 中部アフリカにおけるローカル・フロンティアの社会像
第7章 森の「バカンス」
—カメルーン東南部熱帯雨林の農耕民バクウェレによる漁撈実践を事例に— [大石高典]
7—1 はじめに
7—2 調査地と人びとの概要
7—3 バクウェレによる漁撈実践
7—4 漁撈キャンプにおける社会関係の諸相
7—5 考察:森棲み感覚と「バカンス」
第8章 中部アフリカ熱帯雨林カカオ生産における労働力利用
—カメルーン南部に暮らすバントゥー系農耕民ファンを事例として—[坂梨健太]
8—1 中部アフリカの労働力問題
8—2 ファンの経済活動
8—3 世帯外からの労働力確保
8—4 カカオ収穫期における労働実態
8—5 カカオ生産と熱帯雨林
Field essay 1 イトゥリの森の3兄弟 [市川光雄]
第Ⅲ部 ピグミーと隣人たち
第9章 ピグミーと農耕民の民族関係の再考
—ガボン南部バボンゴ・ピグミーと農耕民マサンゴの「対等な」関係— [松浦直毅]
9—1 一風変わったピグミーとの出会い
9—2 ピグミーと近隣農耕民の関係
9—3 バボンゴとマサンゴの関係
9—4 関係形成の過程
9—5 なぜ「対等な」関係が築かれてきたのか
第10章 森の民バカを取り巻く現代的問題 —変わりゆく生活と揺れる民族関係— [服部志帆]
10—1 うつろな眼差し
10—2 調査地と方法
10—3 バカの生活とその変容
10—4 外部社会との関係
10—5 変わりゆく生活と揺れる民族関係
第11章 カメルーン熱帯雨林地帯の「障害者」
—身体障害を持つ人びとの生活実践とその社会的コンテクスト— [戸田美佳子]
11—1 「隠された障害者」という神話
11—2 調査地域に暮らす人びと
11—3 身体障害者の生活実践とその社会的コンテクスト
11—4 考察
Field essay 2 仲なおりの魔法 [服部志帆]
第Ⅳ部 相互行為の諸相
第12章 バカ・ピグミーは日常会話で何を語っているか [木村大治]
12—1 フィールドにおける会話分析
12—2 狩猟採集民的心性
12—3 他者たちとの関係
12—4 会話から覗く社会
第13章 所有者とシェアリング —アカにおける食物分配から考える— [北西功一]
13—1 狩猟採集民の所有・分配・平等の研究における課題
13—2 調査地とそこに住む人びと
13—3 食物分配における所有者の役割
13—4 シェアリングと平等
13—5 物のやりとりとその解釈
13—6 今後の課題
第14章 「子どもの民族誌」の可能性を探る —狩猟採集民バカにおける遊び研究の事例— [亀井伸孝]
14—1 「子どもの民族誌」は可能か
14—2 子どもという「異民族」に出会う
14—3 バカの子どもたちの遊びの実際
14—4 子どもの民族誌の視点と技法
14—5 子どもの民族誌から多様なサブグループの民族誌へ
第15章 ピグミー系狩猟採集民バカにおける歌と踊り —「集まり」の自然誌に向けて— [都留泰作]
15—1 「規範なき社会」でヒトはなぜ集まるのか?
15—2 バカの「ベ」と社会的背景
15—3 「ベ」の比較分析
15—4 「個のコネクション」が集団を産出する?
Field essay 3 音響空間としての森と子どもたち [矢野原佑史]
第Ⅴ部 見えない世界
第16章 音声の優越する世界
—仮面結社の階梯と秘密のテクスト形態— [佐々木重洋]
16—1 熱帯雨林における生活と人間の五感
16—2 クロス・リヴァー諸社会の「豹」結社
16—3 「豹」結社における階梯と秘密のテクスト形態
16—4 音声の優越,生態環境としての熱帯雨林
16—5 熱帯雨林におけるコミュニケーション形態
16—6 視覚の制限と想像力
16—7 音声の優越する世界
第17章 エフェにおける死生観の変遷を考える [澤田昌人]
17—1 死後の世界
17—2 死者との距離
17—3 死生観のゆくえ
17—4 死生観の激変
あとがき
引用文献
まえがき
第Ⅰ部 総 説
第1章 アフリカ熱帯林の社会(1)—中部アフリカ農耕民の社会と近現代史— [小松かおり]
1—1 熱帯雨林の住人たち
1—2 バントゥー系言語集団の起源と森林への移動
1—3 西バントゥー諸社会の特質
1—4 社会の多様な展開
1—5 ヨーロッパの到来と大西洋交易
1—6 植民地下の社会
1—7 独立後の社会体制
1—8 紛争とエスニシティ
第2章 アフリカ熱帯林の社会(2)—ピグミーと農耕民の関係— [北西功一]
2—1 支配と従属vs. 協力 搾取vs. 相互依存
2—2 「ピグミー」とは?
2—3 言 語
2—4 生態学的,経済的な関係
2—5 社会的な関係
2—6 今後の課題
第3章 ピグミー系狩猟採集民における文化研究 [都留泰作]
3—1 エスノ・サイエンス
3—2 遊びへのまなざし
3—3 社会的心性
第4章 アフリカ熱帯林における宗教と音楽 [分藤大翼]
4—1 ピグミーの歌と踊り
4—2 「発見」された人びと
4—3 「発見」された世界観
4—4 森と人と精霊
4—5 音(楽)と精霊
4—6 農耕社会の儀礼研究
4—7 かわること,かわらないこと
第5章 農耕民と狩猟採集民における相互行為研究 [木村大治]
5—1 アフリカ熱帯林における相互行為研究の源流
5—2 研究史と本書の論文の位置付け
第Ⅱ部 バントゥーの社会
第6章 熱帯雨林のローカル・フロンティア
—コンゴ共和国北部,バントゥー系焼畑農耕民の事例— [塙狼星]
6—1 分節社会と「部族」社会
6—2 移動と移住の歴史
6—3 家族的な社会編成
6—4 焼畑農耕と集団編成
6—5 中部アフリカにおけるローカル・フロンティアの社会像
第7章 森の「バカンス」
—カメルーン東南部熱帯雨林の農耕民バクウェレによる漁撈実践を事例に— [大石高典]
7—1 はじめに
7—2 調査地と人びとの概要
7—3 バクウェレによる漁撈実践
7—4 漁撈キャンプにおける社会関係の諸相
7—5 考察:森棲み感覚と「バカンス」
第8章 中部アフリカ熱帯雨林カカオ生産における労働力利用
—カメルーン南部に暮らすバントゥー系農耕民ファンを事例として—[坂梨健太]
8—1 中部アフリカの労働力問題
8—2 ファンの経済活動
8—3 世帯外からの労働力確保
8—4 カカオ収穫期における労働実態
8—5 カカオ生産と熱帯雨林
Field essay 1 イトゥリの森の3兄弟 [市川光雄]
第Ⅲ部 ピグミーと隣人たち
第9章 ピグミーと農耕民の民族関係の再考
—ガボン南部バボンゴ・ピグミーと農耕民マサンゴの「対等な」関係— [松浦直毅]
9—1 一風変わったピグミーとの出会い
9—2 ピグミーと近隣農耕民の関係
9—3 バボンゴとマサンゴの関係
9—4 関係形成の過程
9—5 なぜ「対等な」関係が築かれてきたのか
第10章 森の民バカを取り巻く現代的問題 —変わりゆく生活と揺れる民族関係— [服部志帆]
10—1 うつろな眼差し
10—2 調査地と方法
10—3 バカの生活とその変容
10—4 外部社会との関係
10—5 変わりゆく生活と揺れる民族関係
第11章 カメルーン熱帯雨林地帯の「障害者」
—身体障害を持つ人びとの生活実践とその社会的コンテクスト— [戸田美佳子]
11—1 「隠された障害者」という神話
11—2 調査地域に暮らす人びと
11—3 身体障害者の生活実践とその社会的コンテクスト
11—4 考察
Field essay 2 仲なおりの魔法 [服部志帆]
第Ⅳ部 相互行為の諸相
第12章 バカ・ピグミーは日常会話で何を語っているか [木村大治]
12—1 フィールドにおける会話分析
12—2 狩猟採集民的心性
12—3 他者たちとの関係
12—4 会話から覗く社会
第13章 所有者とシェアリング —アカにおける食物分配から考える— [北西功一]
13—1 狩猟採集民の所有・分配・平等の研究における課題
13—2 調査地とそこに住む人びと
13—3 食物分配における所有者の役割
13—4 シェアリングと平等
13—5 物のやりとりとその解釈
13—6 今後の課題
第14章 「子どもの民族誌」の可能性を探る —狩猟採集民バカにおける遊び研究の事例— [亀井伸孝]
14—1 「子どもの民族誌」は可能か
14—2 子どもという「異民族」に出会う
14—3 バカの子どもたちの遊びの実際
14—4 子どもの民族誌の視点と技法
14—5 子どもの民族誌から多様なサブグループの民族誌へ
第15章 ピグミー系狩猟採集民バカにおける歌と踊り —「集まり」の自然誌に向けて— [都留泰作]
15—1 「規範なき社会」でヒトはなぜ集まるのか?
15—2 バカの「ベ」と社会的背景
15—3 「ベ」の比較分析
15—4 「個のコネクション」が集団を産出する?
Field essay 3 音響空間としての森と子どもたち [矢野原佑史]
第Ⅴ部 見えない世界
第16章 音声の優越する世界
—仮面結社の階梯と秘密のテクスト形態— [佐々木重洋]
16—1 熱帯雨林における生活と人間の五感
16—2 クロス・リヴァー諸社会の「豹」結社
16—3 「豹」結社における階梯と秘密のテクスト形態
16—4 音声の優越,生態環境としての熱帯雨林
16—5 熱帯雨林におけるコミュニケーション形態
16—6 視覚の制限と想像力
16—7 音声の優越する世界
第17章 エフェにおける死生観の変遷を考える [澤田昌人]
17—1 死後の世界
17—2 死者との距離
17—3 死生観のゆくえ
17—4 死生観の激変
あとがき
引用文献