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飛行機をはじめ,様々な乗物に応用される空気力学.それは大気中の運動原理を追い求める科学者たちの姿勢から生まれ,物理学の理論とともに発展を重ねつつ,航空技術の開発へつながってゆく.どのようにして空気抵抗を抑え,揚力を増すことができるのか? 空飛ぶ理想を実現した彼らの足跡を,古代・中世から20世紀まで網羅する.
『京都新聞』'09年12月6日朝刊「読書面」
『航空と文化』2015 No.111 夏季号「航空図書館だより 推薦図書」
『航空と文化』2015 No.111 夏季号「航空図書館だより 推薦図書」
著者紹介
ジョン・D・アンダーソン Jr.(John D・Anderson Jr.)
1937年アメリカ・ペンシルヴァニア州生まれ.フロリダ大学航空工学学士卒業,オハイオ州立大学Ph.D(航空工学).本書の執筆時点でメリーランド大学航空工学科教授、メリーランド大学の科学に関する歴史哲学委員会教授,スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学特別教員.現在,メリーランド大学名誉教授,スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学専門学芸員.他にもIntroduction to Flight (McGraw Hill), Modern Compressible Flow (McGraw Hill) など多数の著作がある.
訳者紹介
織田 剛(おだ つよし)
1967年北海道生まれ.1990年京都大学工学部機械工学科卒業,1992年京都大学大学院工学研究科修士,1992年より(株)神戸製鋼所 技術開発本部 機械研究所勤務,2003年京都工芸繊維大学博士(工学).現在,(株)神戸製鋼所 技術開発本部 機械研究所 流熱技術研究室 主任研究員.
ジョン・D・アンダーソン Jr.(John D・Anderson Jr.)
1937年アメリカ・ペンシルヴァニア州生まれ.フロリダ大学航空工学学士卒業,オハイオ州立大学Ph.D(航空工学).本書の執筆時点でメリーランド大学航空工学科教授、メリーランド大学の科学に関する歴史哲学委員会教授,スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学特別教員.現在,メリーランド大学名誉教授,スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学専門学芸員.他にもIntroduction to Flight (McGraw Hill), Modern Compressible Flow (McGraw Hill) など多数の著作がある.
訳者紹介
織田 剛(おだ つよし)
1967年北海道生まれ.1990年京都大学工学部機械工学科卒業,1992年京都大学大学院工学研究科修士,1992年より(株)神戸製鋼所 技術開発本部 機械研究所勤務,2003年京都工芸繊維大学博士(工学).現在,(株)神戸製鋼所 技術開発本部 機械研究所 流熱技術研究室 主任研究員.
はしがき
筆者のはしがき
第1部 培養期間
第1章 空気力学——空気力学とは何か
空気力学:技術上の予備知識
空気力学の方程式
まとめと対照年表
第2章 空気力学の初期の歴史——古代からダ・ビンチまで
アリストテレスと空気力学への道の始まり
アルキメデス:流体静力学の創始者
数世紀を超えてダ・ビンチまでの飛躍
ダ・ビンチの空気力学
古代から1500年までの航空の発展
第3章 空気力学的思考の夜明け
——ジョージ・ケイリーと現代的な構成を持つ飛行機の概念まで
ガリレオと合理科学の始まり
流速二乗則:空気力学での最初の躍進
ニュートンと合理科学の開花
迎え角効果とニュートンの正弦二乗法則
空気力学へのニュートンの貢献
流体力学の日の出:ダニエル・ベルヌーイと圧力速度概念
ジャン・ル・ロン・ダランベールと彼の背理
18世紀流体力学の全盛期:レオンハルト・オイラーと流体運動の支配方程式
最後の仕上げ:ラグランジュとラプラス
実験空気力学の高揚
中間総括:ジョージ・ケイリーが受け継いだ空気力学の最先端技術
ジョージ・ケイリーの空気力学
ケイリーの1804年グライダーに反映された最先端技術
1600年から1804年までの航空の発展
対照年表についての考察
第2部 幼年期と成長に伴う痛み
第4章 空気力学の幼年期
摩擦を考慮した理論空気力学:ナビエとストークスの功績
中間総括:1850年における理論空気力学の状況
渦度と渦糸の概念:ヘルムホルツによる理論的進歩
不連続面:抗力の予測における袋小路
レイリー卿に関する記録と空気力学への彼の貢献
オズボーン・レイノルズと乱流の研究
19世紀の応用空気力学:霧は深く
英国航空協会:希望の光明
フランシス・ウェナムと風洞の開発
ウェナム:航空学の父か
ホレイショー・フィリップス:キャンバー翼型と2番目の風洞
フィリップスの風洞データ:解釈の不備
中間総括:空気力学の幼年期
応用空気力学における飛躍的前進:オットー・リリエンタールの業績
空中への飛躍:グライダーマンのオットー・リリエンタール
サミュエル・ラングレーの空気力学実験
予備考察
空気力の直接計測
平板落下実験
滑空実験と圧力成分記録計
プロペラ実験
圧力中心計測
ラングレーの法則
ラングレーのエアロドローム
ハフェイカーとラングレーのキャンバー翼型実験
リリエンタールのグライダーとラングレーのエアロドロームに反映された最先端技術
1804年から1896年の航空の発展:シャヌートによる飛行機の進歩
第3部 成年期
第5章 応用空気力学の成年期
1896年までのライト兄弟
既存の最先端技術(1896〜1901年):ライト兄弟の過ち
風洞実験(1901〜02年):ライト兄弟が「真の空気力学」を発見する
リリエンタールの表とそれに対するライト兄弟の見方
ラングレーとライト兄弟:交差した道
ライト兄弟の飛行機
1903年のラングレーとライト兄弟:失敗と成功
ライトフライヤーに反映された最先端技術
第6章 理論空気力学の成年期
揚力に関する新しい思考:フレデリック・ランチェスター
揚力循環理論の定量的展開:クッタとジューコフスキー
抗力に関する新しい思考:ルートヴィヒ・プラントルと彼の境界層理論
境界層理論における初期の進展
ルートヴィヒ・プラントル
学術としての科学が飛行機と出会う
新しい空気力学理論:飛行機への影響
第4部 20世紀の空気力学
第7章 支柱とワイヤを持つ複葉機の時代の空気力学
ギュスターヴ・エッフェル:鉄と空気の人
翼と翼型の理論:プラントル,ベッツ,そしてムンク
空気力学における1920〜26年の異文化ショック:理論対経験主義
アメリカの空気力学が再び目を覚ます:NACAの創設
風洞の発展:ライトフライヤー後の20年
翼形設計の進化:ライトフライヤー後の25年間
空気力学係数:現代用語体系の進化
第一次世界大戦の航空機に反映された最先端技術
第8章 高度なプロペラ推進飛行機の時代の空気力学
摩擦抗力、形状抗力、および誘導抗力
流線型化:時代が求めた発想
成熟期を迎えた風洞
流線型化での成功:NACAカウリング
翼型空気力学:系統的な進歩
抗力クリーンアップ
一つの時代の終わり
飛行機への影響
第9章 ジェット推進飛行機の時代の空気力学
音速
高速空気力学の初期
圧縮性問題:最初の兆候(1918〜1923年)
圧縮性剥離泡:将来に大きな影響を与えたNACAの研究(1924〜29年)
最初の圧縮性補正理論:プラントル−グロワートの法則
圧縮性効果に対する初期のイギリスでの実験的研究
ジョン・スタックと1930年代のNACAでの圧縮性流れ研究
1935年ボルタ会議:現代高速空気力学の出発点と後退翼の概念
高速研究飛行機
ベルX-1:対立する目的
音の壁を突破する
遷音速空気力学:神秘を探る
エリアルールとスーパークリティカル翼型
超音速空気力学理論:その初期段階
後退翼:高速飛行における空気力学の飛躍的進歩
後退翼:飛行機への影響
エンジニアリング科学と航空機設計:ジェット時代の技術移転
超音速風洞:初期の発展
空気力学における現代の発展:極超音速と計算流体力学
結びの言葉
巻末添付資料
A オイラー方程式
B ナビエ・ストークス方程式
C 大半径アームの利点を示す回転アーム計算
D 迎え角ゼロでのラングレーの平板の抗力計算
E ラングレーの平板模型に対する所要動力曲線の計算
F 凧のように飛ぶグライダーの揚力と抗力の計算
G ライトの1900年グライダーにおけるアスペクト比効果
H クッタによる揚力係数
I コールドウェルとファルスがデータ整理で誤った圧縮性の取り扱い(1920年)
訳者による巻末添付資料
ナビエ・ストークス方程式の無次元化
参考文献
索引
筆者のはしがき
第1部 培養期間
第1章 空気力学——空気力学とは何か
空気力学:技術上の予備知識
空気力学の方程式
まとめと対照年表
第2章 空気力学の初期の歴史——古代からダ・ビンチまで
アリストテレスと空気力学への道の始まり
アルキメデス:流体静力学の創始者
数世紀を超えてダ・ビンチまでの飛躍
ダ・ビンチの空気力学
古代から1500年までの航空の発展
第3章 空気力学的思考の夜明け
——ジョージ・ケイリーと現代的な構成を持つ飛行機の概念まで
ガリレオと合理科学の始まり
流速二乗則:空気力学での最初の躍進
ニュートンと合理科学の開花
迎え角効果とニュートンの正弦二乗法則
空気力学へのニュートンの貢献
流体力学の日の出:ダニエル・ベルヌーイと圧力速度概念
ジャン・ル・ロン・ダランベールと彼の背理
18世紀流体力学の全盛期:レオンハルト・オイラーと流体運動の支配方程式
最後の仕上げ:ラグランジュとラプラス
実験空気力学の高揚
中間総括:ジョージ・ケイリーが受け継いだ空気力学の最先端技術
ジョージ・ケイリーの空気力学
ケイリーの1804年グライダーに反映された最先端技術
1600年から1804年までの航空の発展
対照年表についての考察
第2部 幼年期と成長に伴う痛み
第4章 空気力学の幼年期
摩擦を考慮した理論空気力学:ナビエとストークスの功績
中間総括:1850年における理論空気力学の状況
渦度と渦糸の概念:ヘルムホルツによる理論的進歩
不連続面:抗力の予測における袋小路
レイリー卿に関する記録と空気力学への彼の貢献
オズボーン・レイノルズと乱流の研究
19世紀の応用空気力学:霧は深く
英国航空協会:希望の光明
フランシス・ウェナムと風洞の開発
ウェナム:航空学の父か
ホレイショー・フィリップス:キャンバー翼型と2番目の風洞
フィリップスの風洞データ:解釈の不備
中間総括:空気力学の幼年期
応用空気力学における飛躍的前進:オットー・リリエンタールの業績
空中への飛躍:グライダーマンのオットー・リリエンタール
サミュエル・ラングレーの空気力学実験
予備考察
空気力の直接計測
平板落下実験
滑空実験と圧力成分記録計
プロペラ実験
圧力中心計測
ラングレーの法則
ラングレーのエアロドローム
ハフェイカーとラングレーのキャンバー翼型実験
リリエンタールのグライダーとラングレーのエアロドロームに反映された最先端技術
1804年から1896年の航空の発展:シャヌートによる飛行機の進歩
第3部 成年期
第5章 応用空気力学の成年期
1896年までのライト兄弟
既存の最先端技術(1896〜1901年):ライト兄弟の過ち
風洞実験(1901〜02年):ライト兄弟が「真の空気力学」を発見する
リリエンタールの表とそれに対するライト兄弟の見方
ラングレーとライト兄弟:交差した道
ライト兄弟の飛行機
1903年のラングレーとライト兄弟:失敗と成功
ライトフライヤーに反映された最先端技術
第6章 理論空気力学の成年期
揚力に関する新しい思考:フレデリック・ランチェスター
揚力循環理論の定量的展開:クッタとジューコフスキー
抗力に関する新しい思考:ルートヴィヒ・プラントルと彼の境界層理論
境界層理論における初期の進展
ルートヴィヒ・プラントル
学術としての科学が飛行機と出会う
新しい空気力学理論:飛行機への影響
第4部 20世紀の空気力学
第7章 支柱とワイヤを持つ複葉機の時代の空気力学
ギュスターヴ・エッフェル:鉄と空気の人
翼と翼型の理論:プラントル,ベッツ,そしてムンク
空気力学における1920〜26年の異文化ショック:理論対経験主義
アメリカの空気力学が再び目を覚ます:NACAの創設
風洞の発展:ライトフライヤー後の20年
翼形設計の進化:ライトフライヤー後の25年間
空気力学係数:現代用語体系の進化
第一次世界大戦の航空機に反映された最先端技術
第8章 高度なプロペラ推進飛行機の時代の空気力学
摩擦抗力、形状抗力、および誘導抗力
流線型化:時代が求めた発想
成熟期を迎えた風洞
流線型化での成功:NACAカウリング
翼型空気力学:系統的な進歩
抗力クリーンアップ
一つの時代の終わり
飛行機への影響
第9章 ジェット推進飛行機の時代の空気力学
音速
高速空気力学の初期
圧縮性問題:最初の兆候(1918〜1923年)
圧縮性剥離泡:将来に大きな影響を与えたNACAの研究(1924〜29年)
最初の圧縮性補正理論:プラントル−グロワートの法則
圧縮性効果に対する初期のイギリスでの実験的研究
ジョン・スタックと1930年代のNACAでの圧縮性流れ研究
1935年ボルタ会議:現代高速空気力学の出発点と後退翼の概念
高速研究飛行機
ベルX-1:対立する目的
音の壁を突破する
遷音速空気力学:神秘を探る
エリアルールとスーパークリティカル翼型
超音速空気力学理論:その初期段階
後退翼:高速飛行における空気力学の飛躍的進歩
後退翼:飛行機への影響
エンジニアリング科学と航空機設計:ジェット時代の技術移転
超音速風洞:初期の発展
空気力学における現代の発展:極超音速と計算流体力学
結びの言葉
巻末添付資料
A オイラー方程式
B ナビエ・ストークス方程式
C 大半径アームの利点を示す回転アーム計算
D 迎え角ゼロでのラングレーの平板の抗力計算
E ラングレーの平板模型に対する所要動力曲線の計算
F 凧のように飛ぶグライダーの揚力と抗力の計算
G ライトの1900年グライダーにおけるアスペクト比効果
H クッタによる揚力係数
I コールドウェルとファルスがデータ整理で誤った圧縮性の取り扱い(1920年)
訳者による巻末添付資料
ナビエ・ストークス方程式の無次元化
参考文献
索引