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心理療法の「個別性」から何を導くか。まず、心理療法の始まりから終結までに生じるさまざまな事象を考察し、その本質にかかわる重要な要素としての「言葉」に焦点を当てる。さらに、心理療法に現れ出てきた事象を基盤にして人間の生成過程を理解するという臨床人間形成学の立場から、神経症・境界例・精神病を病むという人間存在のあり方の本質に迫る。
『精神療法』Vol.38 No.4、565頁、評者:小坂和子氏
伊藤 良子 (いとう よしこ)
学習院大学文学部教授,京都大学博士(教育学),専門は臨床心理学,臨床心理士.
1968年神戸女学院大学卒業,神戸市民生局奉職後,京都大学大学院教育学研究科博士課程修了,神戸女学院大学教授,京都大学大学院教育学研究科教授を経て,2009年より現職,京都大学名誉教授.
【主な著書】
『心理治療と転移—発話者としての<私>の生成の場—』(誠信書房,2001),『臨床心理面接技法I』臨床心理学全書8(編著)(誠信書房,2004),『遊戯療法と子どもの今』(共編著)(創元社,2005),『遺伝相談と心理臨床』(監修著)(金剛出版,2005),『臨床心理面接研究セミナー』「現代のエスプリ」別冊(編著)(至文堂,2006),『臨床心理学;全体的存在として人間を理解する』(編著)(ミネルヴァ書房,2008),『発達障害と心理臨床』(共編著)(創元社,2009),『身体の病と心理臨床』(共編著)(創元社,2009),『心理臨床関係における身体』(共編著)(創元社,2009)ほか.
学習院大学文学部教授,京都大学博士(教育学),専門は臨床心理学,臨床心理士.
1968年神戸女学院大学卒業,神戸市民生局奉職後,京都大学大学院教育学研究科博士課程修了,神戸女学院大学教授,京都大学大学院教育学研究科教授を経て,2009年より現職,京都大学名誉教授.
【主な著書】
『心理治療と転移—発話者としての<私>の生成の場—』(誠信書房,2001),『臨床心理面接技法I』臨床心理学全書8(編著)(誠信書房,2004),『遊戯療法と子どもの今』(共編著)(創元社,2005),『遺伝相談と心理臨床』(監修著)(金剛出版,2005),『臨床心理面接研究セミナー』「現代のエスプリ」別冊(編著)(至文堂,2006),『臨床心理学;全体的存在として人間を理解する』(編著)(ミネルヴァ書房,2008),『発達障害と心理臨床』(共編著)(創元社,2009),『身体の病と心理臨床』(共編著)(創元社,2009),『心理臨床関係における身体』(共編著)(創元社,2009)ほか.
まえがき
第1部 心理療法の過程について
第1章……心理療法過程に生じること
1 はじめに
2 心理療法過程の四段階
3 おわりに
第2章……初回面接について
1 はじめに
2 初回面接とは
3 誰が初回面接を行うか
4 誰がクライエントか
5 出会いの場—良くなるのでしょうか?
6 主訴—なぜ
7 診断・判断・決断
8 おわりに—初回夢について
第3章……心理療法の終結—結果・効果を越えた地平
1 はじめに
2 終結と結果・効果
3 終結の多様な水準
4 クライエントのあり方と終結
5 おわりに—よい別れに向けて
第4章……セラピストの機能としての書き印す行為
1 はじめに
2 面接場面の記録
3 青年期の特殊性—言葉と転移
4 「書き印す」行為の三段階
5 セラピストの機能としての「書き印す」行為
6 おわりに
第5章……心理療法における料金支払いの意義—命と金
1 はじめに
2 〈命〉と〈金〉
3 強迫神経症の場合
4 ヒステリーの場合
5 転移の解消に向けて
第2部 心理療法過程に学ぶ人間理解
第6章……臨床人間形成学と人間の二重性
第7章……人間の根源にある不安を支えるもの
1 はじめに
2 ある青年が一〇歳ころまでに繰り返し見た夢
3 「癌の宣告の夢」が現れるまで
4 「宇宙の夢」から症状へ、そして、その体験の歩み直しの過程
5 一〇歳のころ—「自我体験」と「チャムシップ」
6 一〇歳のころの体験を支える「想像の仲間」
7 おわりに
第8章……無意識的罪悪感
1 はじめに
2 フロイト理論と強迫神経症のメカニズム
3 情動の置き換えによる防衛機制としての強迫症状
4 欲動の両価性
5 無意識的罪悪感
6 おわりに
第9章……境界例と心的外傷
1 はじめに
2 境界例について
3 「境界性人格障害」という疾患単位について
4 「境界性人格障害」という疾患単位がもつ危険性
5 「境界性人格障害」と「心的外傷」の関連性に関する研究
6 フロイトの「心的外傷」と「事後性」
7 境界例の心理療法の二つの観点
8 境界例の心理療法に向けて
9 おわりに
第10章……精神病と排除の機制
1 はじめに
2 精神病の症状
3 神経症と精神病
4 妄想と投射
5 排除について
6 原初的な結合としての肯定
7 主体の他律性と無意識的罪悪感
8 心理療法に向けて
9 家族との関係、社会との関係
第11章……心理臨床の研究—普遍性といかに出会うか
1 はじめに
2 普遍性は個の固有性の極まれるところに現れる
3 普遍性との出会いの手がかりを与えるもの
4 おわりに
あとがき
初出一覧
参考文献
索 引
第1部 心理療法の過程について
第1章……心理療法過程に生じること
1 はじめに
2 心理療法過程の四段階
3 おわりに
第2章……初回面接について
1 はじめに
2 初回面接とは
3 誰が初回面接を行うか
4 誰がクライエントか
5 出会いの場—良くなるのでしょうか?
6 主訴—なぜ
7 診断・判断・決断
8 おわりに—初回夢について
第3章……心理療法の終結—結果・効果を越えた地平
1 はじめに
2 終結と結果・効果
3 終結の多様な水準
4 クライエントのあり方と終結
5 おわりに—よい別れに向けて
第4章……セラピストの機能としての書き印す行為
1 はじめに
2 面接場面の記録
3 青年期の特殊性—言葉と転移
4 「書き印す」行為の三段階
5 セラピストの機能としての「書き印す」行為
6 おわりに
第5章……心理療法における料金支払いの意義—命と金
1 はじめに
2 〈命〉と〈金〉
3 強迫神経症の場合
4 ヒステリーの場合
5 転移の解消に向けて
第2部 心理療法過程に学ぶ人間理解
第6章……臨床人間形成学と人間の二重性
第7章……人間の根源にある不安を支えるもの
1 はじめに
2 ある青年が一〇歳ころまでに繰り返し見た夢
3 「癌の宣告の夢」が現れるまで
4 「宇宙の夢」から症状へ、そして、その体験の歩み直しの過程
5 一〇歳のころ—「自我体験」と「チャムシップ」
6 一〇歳のころの体験を支える「想像の仲間」
7 おわりに
第8章……無意識的罪悪感
1 はじめに
2 フロイト理論と強迫神経症のメカニズム
3 情動の置き換えによる防衛機制としての強迫症状
4 欲動の両価性
5 無意識的罪悪感
6 おわりに
第9章……境界例と心的外傷
1 はじめに
2 境界例について
3 「境界性人格障害」という疾患単位について
4 「境界性人格障害」という疾患単位がもつ危険性
5 「境界性人格障害」と「心的外傷」の関連性に関する研究
6 フロイトの「心的外傷」と「事後性」
7 境界例の心理療法の二つの観点
8 境界例の心理療法に向けて
9 おわりに
第10章……精神病と排除の機制
1 はじめに
2 精神病の症状
3 神経症と精神病
4 妄想と投射
5 排除について
6 原初的な結合としての肯定
7 主体の他律性と無意識的罪悪感
8 心理療法に向けて
9 家族との関係、社会との関係
第11章……心理臨床の研究—普遍性といかに出会うか
1 はじめに
2 普遍性は個の固有性の極まれるところに現れる
3 普遍性との出会いの手がかりを与えるもの
4 おわりに
あとがき
初出一覧
参考文献
索 引