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「同じモノやコトが、同時に複数の姿をとる」などあり得るのか? アインシュタインが提起したパラドックス【EPR】。量子力学の創業者たちを当惑させた「理論」が、21世紀の先端技術を目指す量子情報研究で「何の疑いもせずに」使われている。真理と制度をめぐり【科学とは何か】で揺れる現代物理学の転換期を、「物理学の世紀」で消されたマッハにまで遡り、【物理帝国の埋蔵金】を理論物理学の泰斗がスリリングに描く。
『数学セミナー』'09年9月号、84頁、評者:菊池誠氏
『数理科学』'09年12月号、63頁、評者:福田礼次郎氏
『日本物理学会誌』'10年4月号、279-280頁、評者:堀田昌寛氏
『日経サイエンス』'14年12月号、130頁、評者:谷村省吾氏
『日本経済新聞』'20年2月16日付朝刊文化面、著者寄稿記事「アインシュタインと量子」
『数理科学』'09年12月号、63頁、評者:福田礼次郎氏
『日本物理学会誌』'10年4月号、279-280頁、評者:堀田昌寛氏
『日経サイエンス』'14年12月号、130頁、評者:谷村省吾氏
『日本経済新聞』'20年2月16日付朝刊文化面、著者寄稿記事「アインシュタインと量子」
佐藤 文隆(さとう ふみたか)
1938年生まれ。京都大学名誉教授。1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授、教授、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、甲南大学教授を歴任。“裸の特異点”の存在を示唆するアインシュタイン方程式における「富松-佐藤の解」を発見。この業績によって仁科記念賞を受賞。一般相対論、宇宙物理を専攻。湯川秀樹の全集、ビデオなどを編纂、湯川記念財団理事長。
著書 『物理学の世紀--アインシュタインの夢は報われるか』(集英社)、『孤独になったアインシュタイン』(岩波書店)、『異色と意外の科学者列伝』(岩波書店)、ほか多数。
1938年生まれ。京都大学名誉教授。1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授、教授、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、甲南大学教授を歴任。“裸の特異点”の存在を示唆するアインシュタイン方程式における「富松-佐藤の解」を発見。この業績によって仁科記念賞を受賞。一般相対論、宇宙物理を専攻。湯川秀樹の全集、ビデオなどを編纂、湯川記念財団理事長。
著書 『物理学の世紀--アインシュタインの夢は報われるか』(集英社)、『孤独になったアインシュタイン』(岩波書店)、『異色と意外の科学者列伝』(岩波書店)、ほか多数。
はしがき
第1章 「起こる」と「知る」の差EPR——パラドックス
「手袋事件」
手袋事件の原子版
EPR論文の衝撃とシュレーディンガーの猫
学界はEPRを無視
無視しても支障ないことの不思議
コペンハーゲン精神
統計理論か?
隠れた変数
ベルの不等式
コラム1 ベル不等式の証明
実験で量子力学に軍配
アスペの実験
局所因果性
量子的絡み合いとホリズム
第2章 アインシュタインと量子力学——創業者の反逆?
「月は見ているときしか存在しない?」
“ハイテクの父”アインシュタイン
「物理学の世紀」
原子の世界へ——量子の発見
相対論とは何か
ボーアの大方針——古典論から新理論へ
数理理論の構築へ——行列力学と波動力学
アインシュタインの関与
強引な伝道師ボーア
物理的総仕上げ——不確定性関係
ボーア—アインシュタイン論争
ナチスのアインシュタイン攻撃
アメリカ亡命
アインシュタインの誤り
「孤独になったアインシュタイン」
第3章 量子力学解釈問題小史——「世界」と「歴史」の作り方
「驚天動地のスーパーサイエンス物語」
『ネーチャー』のスタンス
量子情報のアインシュタイン
異端の列伝
「不可分の宇宙」——ボーム
「多世界」——エヴェレ
「遅れた選択干渉実験」——ホイラー
「隠れた変数」——ベル
古典と量子の切り替へ——デコヒーレンス
古典的存在論——無撞着歴史
人類の特殊性を炙り出す
コラム2 ヒュー・エヴェレ(Hugh Everett 1930.11.11—1982.6.19)
第4章 力学理論の構造——「起こる」か?「ある」か?
基礎概念の定義不在
作用量子——非連続
小さい作用量
古典と量子
古典力学の拡張
境界条件
最小作用原理
配位空間と位相空間
解析力学——演算子、正準変換、ハミルトン・ヤコビ方程式
解析力学の言葉と量子力学の言葉
有限の状態数
“出来事がある”
量子力学の三要素
水素原子の波動関数——誤解の源泉
ベクトルのイメージ
状態ベクトルへの飛躍
素材と情報
状態ベクトルの変化——UとR
写像と復元
ミクロのマクロへの還元
第5章 量子力学理論の切り分け——hのない量子力学
量子コンピュータ
多世界解釈
ビットからq—ビットへ
hのない量子力学
どっちが幹でどっちが小枝か?
思わぬ伏兵参入
コンピュータは電子で動くのか? OSで動くのか?
量子情報のハードとソフト
論理ゲート
物理過程か?情報処理か?
量子テレポテーションと量子暗号
デコヒーレンス
宇宙は計算過程
第6章 量子力学とマッハの残照
ハイゼンベルグの一九二五年論文
物理学者マッハ
「アインシュタインの立場」
マッハの過ち
アインシュタインとの対話
マッハをめぐる思想状況の変化
マッハとは何者か
名士マッハ
物理学では負け組となった大人物
20世紀のマッハ
「職業としての学問」
「唯物論と経験批判論」
マッハの真骨頂
マッハの時代の終焉
マッハ再論
第7章 「非決定論」のウイーン
「ボルツマン」の継承とは?
三つの座標軸
文理融合の学問を求めて——エクスナー
自由人——マッハ
専門科学界の守護神——プランク
力学の統計——ボルツマン
情報の学問
一元論主義——オストワルド
再び大教授エクスナー
学者の一家
非決定論思潮
第8章 湯川秀樹にとっての量子力学
湯川の世界一周
「アメリカ日記」
アインシュタインとの対話
量子力学不信
解析力学経由で量子力学へ
量子力学の最前線に追いつく
意外と国際的な日本
「向こう側」からみる
「観測の理論」一九四七—四八年
遠隔相関でないEPR
「人間的立場の二重性」
「ひとつの法」
第9章 確率と不安——ランダムか情報不足か
不安解消?
ラプラスの「無知の度合い」
過去未来の対称、非対称
ランダム
形式主義と直観主義
違うものの同一視
コロモゴロフの公理——予測を数字へ「写像」
写像と復元
「再チャレンジ」
統計と推測
大数の法則
ギブスのアンサンブル=多世界解釈
年金記録騒動とデカルト的座標系
第10章 「科学」という制度をマッハから問う
量子力学の魔性に見るもの
万事平常な量子力学の姿
言葉の健康度
マッハの知覚とは
測定機器で拡大した知覚
実在論批判
ポジテヴィズムと科学
動機的実在論
「三つの世界」
「真の理論」か「良い理論」か?
「ウソを教えない工夫」
あとがき
引用・参考文献
図版出典一覧
光子によるヤング干渉の誤解を正す
索引
第1章 「起こる」と「知る」の差EPR——パラドックス
「手袋事件」
手袋事件の原子版
EPR論文の衝撃とシュレーディンガーの猫
学界はEPRを無視
無視しても支障ないことの不思議
コペンハーゲン精神
統計理論か?
隠れた変数
ベルの不等式
コラム1 ベル不等式の証明
実験で量子力学に軍配
アスペの実験
局所因果性
量子的絡み合いとホリズム
第2章 アインシュタインと量子力学——創業者の反逆?
「月は見ているときしか存在しない?」
“ハイテクの父”アインシュタイン
「物理学の世紀」
原子の世界へ——量子の発見
相対論とは何か
ボーアの大方針——古典論から新理論へ
数理理論の構築へ——行列力学と波動力学
アインシュタインの関与
強引な伝道師ボーア
物理的総仕上げ——不確定性関係
ボーア—アインシュタイン論争
ナチスのアインシュタイン攻撃
アメリカ亡命
アインシュタインの誤り
「孤独になったアインシュタイン」
第3章 量子力学解釈問題小史——「世界」と「歴史」の作り方
「驚天動地のスーパーサイエンス物語」
『ネーチャー』のスタンス
量子情報のアインシュタイン
異端の列伝
「不可分の宇宙」——ボーム
「多世界」——エヴェレ
「遅れた選択干渉実験」——ホイラー
「隠れた変数」——ベル
古典と量子の切り替へ——デコヒーレンス
古典的存在論——無撞着歴史
人類の特殊性を炙り出す
コラム2 ヒュー・エヴェレ(Hugh Everett 1930.11.11—1982.6.19)
第4章 力学理論の構造——「起こる」か?「ある」か?
基礎概念の定義不在
作用量子——非連続
小さい作用量
古典と量子
古典力学の拡張
境界条件
最小作用原理
配位空間と位相空間
解析力学——演算子、正準変換、ハミルトン・ヤコビ方程式
解析力学の言葉と量子力学の言葉
有限の状態数
“出来事がある”
量子力学の三要素
水素原子の波動関数——誤解の源泉
ベクトルのイメージ
状態ベクトルへの飛躍
素材と情報
状態ベクトルの変化——UとR
写像と復元
ミクロのマクロへの還元
第5章 量子力学理論の切り分け——hのない量子力学
量子コンピュータ
多世界解釈
ビットからq—ビットへ
hのない量子力学
どっちが幹でどっちが小枝か?
思わぬ伏兵参入
コンピュータは電子で動くのか? OSで動くのか?
量子情報のハードとソフト
論理ゲート
物理過程か?情報処理か?
量子テレポテーションと量子暗号
デコヒーレンス
宇宙は計算過程
第6章 量子力学とマッハの残照
ハイゼンベルグの一九二五年論文
物理学者マッハ
「アインシュタインの立場」
マッハの過ち
アインシュタインとの対話
マッハをめぐる思想状況の変化
マッハとは何者か
名士マッハ
物理学では負け組となった大人物
20世紀のマッハ
「職業としての学問」
「唯物論と経験批判論」
マッハの真骨頂
マッハの時代の終焉
マッハ再論
第7章 「非決定論」のウイーン
「ボルツマン」の継承とは?
三つの座標軸
文理融合の学問を求めて——エクスナー
自由人——マッハ
専門科学界の守護神——プランク
力学の統計——ボルツマン
情報の学問
一元論主義——オストワルド
再び大教授エクスナー
学者の一家
非決定論思潮
第8章 湯川秀樹にとっての量子力学
湯川の世界一周
「アメリカ日記」
アインシュタインとの対話
量子力学不信
解析力学経由で量子力学へ
量子力学の最前線に追いつく
意外と国際的な日本
「向こう側」からみる
「観測の理論」一九四七—四八年
遠隔相関でないEPR
「人間的立場の二重性」
「ひとつの法」
第9章 確率と不安——ランダムか情報不足か
不安解消?
ラプラスの「無知の度合い」
過去未来の対称、非対称
ランダム
形式主義と直観主義
違うものの同一視
コロモゴロフの公理——予測を数字へ「写像」
写像と復元
「再チャレンジ」
統計と推測
大数の法則
ギブスのアンサンブル=多世界解釈
年金記録騒動とデカルト的座標系
第10章 「科学」という制度をマッハから問う
量子力学の魔性に見るもの
万事平常な量子力学の姿
言葉の健康度
マッハの知覚とは
測定機器で拡大した知覚
実在論批判
ポジテヴィズムと科学
動機的実在論
「三つの世界」
「真の理論」か「良い理論」か?
「ウソを教えない工夫」
あとがき
引用・参考文献
図版出典一覧
光子によるヤング干渉の誤解を正す
索引