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京都大学講義「偏見・差別・人権」を問い直す
A5並製・289頁
ISBN: 9784876987306
発行年月: 2007/10
インターネット放送 iiV BookLoungeで、本書の紹介番組を掲載。
大学で人権を語るなど、どこか胡散臭い。 話す前から、「人権は大切」というオチが見えるからだ。でも人権という言葉を切実に必要としている人びとがいのもまた確かだ。では、どう語れば良いのか。無意識の恐れに満ちた社会にあって、人権を語るとは希望を語ることなのだ。大学人が自らの戸惑いや痛みを隠さずに語る型破りの人権本。
『京都新聞』'07年10月12日朝刊、27面
『朝日新聞』(南京都版)'07年10月20日朝刊、26面
『全私学新聞』'07年11月13日、5面
『日本教育新聞』'08年7月14日、20面、評者:野口芳宏氏
『朝日新聞』(南京都版)'07年10月20日朝刊、26面
『全私学新聞』'07年11月13日、5面
『日本教育新聞』'08年7月14日、20面、評者:野口芳宏氏
■竹本 修三(たけもと しゅうぞう)
1942年生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業,京都大学防災研究所助手,同理学部・理学研究科助教授を経て,理学研究科教授。この間,日本学術会議測地学研究連絡委員会委員長,日本測地学会会長,国際測地学協会地球潮汐委員会委員長などを歴任。現在,京都大学名誉教授。専門は,固体地球物理学・測地学。
主な著書に,『レーザホログラフィと地震予知』共立出版株式会社:1987LaserHolographyinGeophysics,EllisHorwood Ltd.(Chichester, UK:1989)など。
■駒込 武(こまごめ たけし)
1962年生まれ。東京大学教育学部卒業,東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在,京都大学大学院教育学研究科准教授。専門は,植民地教育史,東アジア近代史。
主な著書に,『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店:1996年,『日本の植民地支配—肯定・賛美論を検証する』岩波書店:2001年,水野直樹らと共編,『帝国と学校』昭和堂:2007年,橋本伸也と共編。
■伊藤 公雄(いとう きみお)
1951年,埼玉県生まれ。京都大学文学部卒,同大大学院文学研究科博士課程学修退学。京都大学文学部助手,大阪大学人間科学部助教授,教授を経て,現在,京都大学大学院文学研究科教授。
主な著書に,『〈男らしさ〉のゆくえ』新曜社:1993年,『男性学入門』作品社:1996年,『「男らしさ」という神話』NHK出版:2003年,『「男女共同参画」が問いかけるもの』インパクト出版会:2003年他がある。
■友澤 悠季(ともざわ ゆうき)
1980年,横浜市生まれ。京都大学農学部生産環境科学科卒業。現在,京都大学大学院農学研究科博士後期課程在籍。
主な著作に,「「被害」を規定するのは誰か—飯島伸子における「被害構造論」の視座」『ソシオロジ』158号,2007年。
■野田 公夫(のだ きみお)
1948年,名古屋市生まれ。京都大学農学部農林経済学科卒業,京都大学大学院農学研究科博士課程修了。現在,京都大学大学院農学研究科教授。専門は,近現代日本農業史,比較農業論。
主な著書に,『21世紀の農学・生物資源から考える 第7巻 生物資源問題と世界』京都大学学術出版会:2007年,編著,「世界農業類型と日本農業—小農社会における農業・農村主体性」『季刊あっと』太田出版6号,2006年。
■前平 泰志(まえひら やすし)
1949年和歌山県生まれ。京都大学教育学部卒,同大大学院教育学研究科博士課程学修退学。ユネスコ教育研究所員,京都大学教育学部助手,甲南女子大学文学部助教授,教授を経て,現在,京都大学大学院教育学研究科教授。
主な共著・訳書として,『生涯教育—抑圧と解放の弁証法』エットーレ=ジェルピ著,東京創元社:1983年,『生涯学習と計画』松籟社:1999年他。
■脇中 洋(わきなか ひろし)
1959年生まれ。京都大学農学部林学科卒業。立命館大学大学院文学研究科単位取得退学。現在,花園大学文学部教授。専門は,発達心理学および法心理学。
主な著書に,『生み出された物語 目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか』北大路書房:2003年,共著,『嘘とだましの心理学』(有斐閣:2006年,共著)。
●片田 晶 かただ あき
1982年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。現在,京都大学文学研究科修士課程社会学専修在籍。
【なぜ本書に?】
自分を「何人でもない」と感じ,「在日」について考えることもありませんでしたが,学部時代,偶然のきっかけから在日韓国学生同盟の活動に出会いました。同時に京大で駒込武先生の授業を受け,京都朝鮮第三初級学校に足を踏み入れ,その後,学校紹介ビデオ制作に参加したことで,朝鮮学校についてわずかながら知り,考えることになりました。
●北村 直也 きたむら なおや
1985年生まれ。京都大学工学部地球工学科在籍。
【なぜ本書に?】
生まれつき障害を持っており,さらに全学共通教育科目の「偏見・差別・人権」という講義を受講したことがあるということで,今回この本を出すにあたってこの本の著者の方々に執筆を依頼されました。
●西郷 甲矢人 さいごう はやと
1983年生まれ。京都大学理学部理学科卒業。現在,同大学院理学研究科修士課程在籍。
【なぜ本書に?】
「この京都大学で部落差別事件が起こっている」という事実に衝撃を受けたところから,部落差別問題への関心が引き起こされました。単なる「一般論」や「空論」ではなく,生きた人間に密着した立場から差別問題や社会問題を考えていきたいと思うようになりました。私のささやかな文章をきっかけに,ひとりでも多くの学友が,この問題に向き合う仲間になってくれたらとの思いで執筆しました。
●戸梶 民夫 とかじ たみお
1970年生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒業。現在,京都大学大学院文学研究科社会学専修博士後期課程在籍。専門はセクシュアリティ研究。
【なぜ本書に?】
直接には伊藤公雄先生に声をかけていただいたことですが,性的少数者の存在は日本では年々「可視化」されてきているものの,「人権」の問題としてはまだ十分にとらえられていません。その現状と困難を少しでも知ってもらえたらと思いました。
●松延 秀一 まつのぶ しゅういち
1955年生まれ。京都大学文学部史学科卒業,同大学院博士後期課程満期退学。現在,京都大学人間・環境学研究科総合人間学部図書館職員。
【なぜ本書に?】
執筆者の脇中洋氏から紹介がありました。彼とは,1980年代初めに教育学部の聴覚障害学生支援活動で知り合い,その後彼の子供さんが,京大の手話サークルに入ってきたことをきっかけに再会する機会があり,そういう縁から,本書への執筆依頼があったのだろうと思います。
●丸山 里美 まるやま さとみ
1976年生まれ。京都大学文学研究科社会学専修博士課程単位取得退学。現在,日本学術振興会特別研究員。専門はジェンダー研究。
主な著作に,「自由でもなく強制でもなく」『現代思想』34-92006など。
【なぜ本書に?】
伊藤公雄先生に声をかけていただいたのですが,私の聞いた弱い立場におかれている人の声を伝えていけたらと思い参加しました。私たちひとりひとりが少しでも生きやすい世の中をつくっていくことを目指して,弱い立場にある人々の声を聞き,文章を書いていきたいと思っています。
●安岡健一 やすおか けんいち
1979年生まれ。京都大学農学部生産環境科学科卒業。現在,京都大学大学院農学研究科博士後期課程在籍。専門は農業・農民史。
【なぜ本書に?】
これから考えていきたいテーマとして,自分の権利が侵されていることに気がつくことの困難さ,があります。虐げられていることを認識するということ自体が,非常に負荷が伴うという印象を深めています。わたしたちひとりひとりの<弱さ>を見据えていきたいです。
1942年生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業,京都大学防災研究所助手,同理学部・理学研究科助教授を経て,理学研究科教授。この間,日本学術会議測地学研究連絡委員会委員長,日本測地学会会長,国際測地学協会地球潮汐委員会委員長などを歴任。現在,京都大学名誉教授。専門は,固体地球物理学・測地学。
主な著書に,『レーザホログラフィと地震予知』共立出版株式会社:1987LaserHolographyinGeophysics,EllisHorwood Ltd.(Chichester, UK:1989)など。
■駒込 武(こまごめ たけし)
1962年生まれ。東京大学教育学部卒業,東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在,京都大学大学院教育学研究科准教授。専門は,植民地教育史,東アジア近代史。
主な著書に,『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店:1996年,『日本の植民地支配—肯定・賛美論を検証する』岩波書店:2001年,水野直樹らと共編,『帝国と学校』昭和堂:2007年,橋本伸也と共編。
■伊藤 公雄(いとう きみお)
1951年,埼玉県生まれ。京都大学文学部卒,同大大学院文学研究科博士課程学修退学。京都大学文学部助手,大阪大学人間科学部助教授,教授を経て,現在,京都大学大学院文学研究科教授。
主な著書に,『〈男らしさ〉のゆくえ』新曜社:1993年,『男性学入門』作品社:1996年,『「男らしさ」という神話』NHK出版:2003年,『「男女共同参画」が問いかけるもの』インパクト出版会:2003年他がある。
■友澤 悠季(ともざわ ゆうき)
1980年,横浜市生まれ。京都大学農学部生産環境科学科卒業。現在,京都大学大学院農学研究科博士後期課程在籍。
主な著作に,「「被害」を規定するのは誰か—飯島伸子における「被害構造論」の視座」『ソシオロジ』158号,2007年。
■野田 公夫(のだ きみお)
1948年,名古屋市生まれ。京都大学農学部農林経済学科卒業,京都大学大学院農学研究科博士課程修了。現在,京都大学大学院農学研究科教授。専門は,近現代日本農業史,比較農業論。
主な著書に,『21世紀の農学・生物資源から考える 第7巻 生物資源問題と世界』京都大学学術出版会:2007年,編著,「世界農業類型と日本農業—小農社会における農業・農村主体性」『季刊あっと』太田出版6号,2006年。
■前平 泰志(まえひら やすし)
1949年和歌山県生まれ。京都大学教育学部卒,同大大学院教育学研究科博士課程学修退学。ユネスコ教育研究所員,京都大学教育学部助手,甲南女子大学文学部助教授,教授を経て,現在,京都大学大学院教育学研究科教授。
主な共著・訳書として,『生涯教育—抑圧と解放の弁証法』エットーレ=ジェルピ著,東京創元社:1983年,『生涯学習と計画』松籟社:1999年他。
■脇中 洋(わきなか ひろし)
1959年生まれ。京都大学農学部林学科卒業。立命館大学大学院文学研究科単位取得退学。現在,花園大学文学部教授。専門は,発達心理学および法心理学。
主な著書に,『生み出された物語 目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか』北大路書房:2003年,共著,『嘘とだましの心理学』(有斐閣:2006年,共著)。
●片田 晶 かただ あき
1982年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。現在,京都大学文学研究科修士課程社会学専修在籍。
【なぜ本書に?】
自分を「何人でもない」と感じ,「在日」について考えることもありませんでしたが,学部時代,偶然のきっかけから在日韓国学生同盟の活動に出会いました。同時に京大で駒込武先生の授業を受け,京都朝鮮第三初級学校に足を踏み入れ,その後,学校紹介ビデオ制作に参加したことで,朝鮮学校についてわずかながら知り,考えることになりました。
●北村 直也 きたむら なおや
1985年生まれ。京都大学工学部地球工学科在籍。
【なぜ本書に?】
生まれつき障害を持っており,さらに全学共通教育科目の「偏見・差別・人権」という講義を受講したことがあるということで,今回この本を出すにあたってこの本の著者の方々に執筆を依頼されました。
●西郷 甲矢人 さいごう はやと
1983年生まれ。京都大学理学部理学科卒業。現在,同大学院理学研究科修士課程在籍。
【なぜ本書に?】
「この京都大学で部落差別事件が起こっている」という事実に衝撃を受けたところから,部落差別問題への関心が引き起こされました。単なる「一般論」や「空論」ではなく,生きた人間に密着した立場から差別問題や社会問題を考えていきたいと思うようになりました。私のささやかな文章をきっかけに,ひとりでも多くの学友が,この問題に向き合う仲間になってくれたらとの思いで執筆しました。
●戸梶 民夫 とかじ たみお
1970年生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒業。現在,京都大学大学院文学研究科社会学専修博士後期課程在籍。専門はセクシュアリティ研究。
【なぜ本書に?】
直接には伊藤公雄先生に声をかけていただいたことですが,性的少数者の存在は日本では年々「可視化」されてきているものの,「人権」の問題としてはまだ十分にとらえられていません。その現状と困難を少しでも知ってもらえたらと思いました。
●松延 秀一 まつのぶ しゅういち
1955年生まれ。京都大学文学部史学科卒業,同大学院博士後期課程満期退学。現在,京都大学人間・環境学研究科総合人間学部図書館職員。
【なぜ本書に?】
執筆者の脇中洋氏から紹介がありました。彼とは,1980年代初めに教育学部の聴覚障害学生支援活動で知り合い,その後彼の子供さんが,京大の手話サークルに入ってきたことをきっかけに再会する機会があり,そういう縁から,本書への執筆依頼があったのだろうと思います。
●丸山 里美 まるやま さとみ
1976年生まれ。京都大学文学研究科社会学専修博士課程単位取得退学。現在,日本学術振興会特別研究員。専門はジェンダー研究。
主な著作に,「自由でもなく強制でもなく」『現代思想』34-92006など。
【なぜ本書に?】
伊藤公雄先生に声をかけていただいたのですが,私の聞いた弱い立場におかれている人の声を伝えていけたらと思い参加しました。私たちひとりひとりが少しでも生きやすい世の中をつくっていくことを目指して,弱い立場にある人々の声を聞き,文章を書いていきたいと思っています。
●安岡健一 やすおか けんいち
1979年生まれ。京都大学農学部生産環境科学科卒業。現在,京都大学大学院農学研究科博士後期課程在籍。専門は農業・農民史。
【なぜ本書に?】
これから考えていきたいテーマとして,自分の権利が侵されていることに気がつくことの困難さ,があります。虐げられていることを認識するということ自体が,非常に負荷が伴うという印象を深めています。わたしたちひとりひとりの<弱さ>を見据えていきたいです。
人権という言葉の廃墟から—もうひとつの「講義」への出発(駒込 武・友澤悠季)
第1講 「地球を救う」は人を救うか?—「環境問題」に潜む権力性(野田公夫・友澤悠季)
Column1 学問のなりたちを問い直す—「自主講座公害原論」から,いまへ
第2講 それぞれの夢の行方—〈私〉のなかの民族問題を考える(駒込 武・片田 晶・安岡健一)
Column2 朝鮮学校の歴史を知っていますか?
Column3 日本軍「慰安婦」問題と日本社会の世論
第3講 ジェンダーから点検する社会—性差別と向き合う(伊藤公雄)
Column4 なぜ彼女は野宿を続けるのか
Column5 性的少数者の多元的な「可視化」
第4講 自らを受け止めるとは—「障害」をめぐって(脇中 洋)
Column6 障害者として生きること
Column7 京都大学の身体障害者受入れについて
Column8 犯罪に巻き込まれる障害者
第5講 無関心な人々の共謀—部落差別の内実を問い返す(前平泰志)
Column9 事実として起こっている部落差別事件
演 習 メール討論 「障害」のある人・「障害者」であることをめぐって
京都大学・全学共通科目「偏見・差別・人権」に関して —あとがきに代えて(竹本修三)
謝 辞
第1講 「地球を救う」は人を救うか?—「環境問題」に潜む権力性(野田公夫・友澤悠季)
Column1 学問のなりたちを問い直す—「自主講座公害原論」から,いまへ
第2講 それぞれの夢の行方—〈私〉のなかの民族問題を考える(駒込 武・片田 晶・安岡健一)
Column2 朝鮮学校の歴史を知っていますか?
Column3 日本軍「慰安婦」問題と日本社会の世論
第3講 ジェンダーから点検する社会—性差別と向き合う(伊藤公雄)
Column4 なぜ彼女は野宿を続けるのか
Column5 性的少数者の多元的な「可視化」
第4講 自らを受け止めるとは—「障害」をめぐって(脇中 洋)
Column6 障害者として生きること
Column7 京都大学の身体障害者受入れについて
Column8 犯罪に巻き込まれる障害者
第5講 無関心な人々の共謀—部落差別の内実を問い返す(前平泰志)
Column9 事実として起こっている部落差別事件
演 習 メール討論 「障害」のある人・「障害者」であることをめぐって
京都大学・全学共通科目「偏見・差別・人権」に関して —あとがきに代えて(竹本修三)
謝 辞