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人間社会をふさわしく形づくる文明とは何か?近代西洋においてその視座は,空間的把握から時間的把握へと転換した。これに対し水田洋は,個々の背景と文脈への理解を重視する思想史学を構想し,国内外を問わず学者たちとの交わり,自由でゆるやかなつながりを形成してきた。その手法に触れ,体得した日本人思想史家たちによる練達の論集。
『イギリス哲学研究』第35号(2012年)、93-95頁、評者:森岡邦泰氏
[編著者紹介]
佐々木 武(ささき たけし)
東京医科歯科大学名誉教授。研究テーマ:近代初期英国(イングランド,スコットランド,北米英領植民地,アイルランド)政治思想史。
主要業績:共著『主権国家と啓蒙【講座「世界史」16】』(岩波書店,1999年)。共著『アメリカ独立革命』(東京大学出版会,1982年)。共訳,シェルドン・ウォーリン『政治とヴィジョン』(福村出版,2007年)。
田中秀夫(たなか ひでお)
京都大学大学院経済学研究科教授。研究テーマ:啓蒙と経済学の形成。
主要業績:『啓蒙と改革 ジョン・ミラー研究』(名古屋大学出版会,1999年)。『共和主義の思想空間』(共編著,名古屋大学出版会,2006年)。『啓蒙のエピステーメーと経済学の生誕』(編著,京都大学学術出版会,2008年)。The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment, eds. by T. Sakamoto and H. Tanaka, Routledge, 2003. D. ヒューム『政治論集』(訳,京都大学学術出版会,2010年)。J.G.A.ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(共訳,名古屋大学出版会,2008年)。H.ディキンスン『自由と所有』(監訳,ナカニシヤ出版,2006年)。その他。
[執筆者紹介(執筆順)]
佐々木武(ささき たけし)[はしがき,第1章]
上記を参照。
田中秀夫(たなか ひでお)[第11章,あとがき]
上記を参照。
山田園子(やまだ そのこ)[第2章]
広島大学大学院社会科学研究科教授。
研究テーマ:イギリス革命の政治思想。
前田俊文(まえだ としふみ)[第3章]
久留米大学法学部国際政治学科教授。博士(法学)。
研究テーマ:プーフェンドルフ自然法学とスコットランド啓蒙思想におけるその受容。
村松茂美(むらまつ しげみ)[第4章]
熊本学園大学経済学部教授。
研究テーマ:合邦期スコットランド思想史。
米田昇平(よねだ しょうへい)[第5章]
下関市立大学経済学部教授。
研究テーマ:経済学のフランス的起源。
篠原 久(しのはら ひさし)[第6章]
関西学院大学経済学部教授。
研究テーマ:アダム・スミスとスコットランド啓蒙思想。
只腰親和(ただこし ちかかず)[第7章]
横浜市立大学国際総合科学部教授。
研究テーマ:18—19世紀経済思想史。
坂本達哉(さかもと たつや)[第8章]
慶應義塾大学経済学部教授。
研究テーマ:英語圏を中心とする社会思想史。スコットランド啓蒙思想史。
渡辺恵一(わたなべ けいいち)[第9章]
京都学園大学経済学部教授。
研究テーマ:アダム・スミス研究。
新村 聡(にいむら さとし)[第10章]
岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。
研究テーマ:アダム・スミスの倫理・法・経済思想,平等論の歴史。
安藤隆穂(あんどう たかほ)[第12章]
名古屋大学大学院経済学研究科教授。
研究テーマ:ヨーロッパ社会思想史,公共圏の思想史。
奥田 敬(おくだ たかし)[第13章]
甲南大学経済学部教授。
研究テーマ:ナポリ啓蒙。
原田哲史(はらだ てつし)[第14章]
関西学院大学経済学部教授。
研究テーマ:ドイツ社会・経済思想史。
生越利昭(おごせ としあき)[第15章]
兵庫県立大学経済学部教授。
研究テーマ:イギリス経済思想史および明治啓蒙思想。
佐々木 武(ささき たけし)
東京医科歯科大学名誉教授。研究テーマ:近代初期英国(イングランド,スコットランド,北米英領植民地,アイルランド)政治思想史。
主要業績:共著『主権国家と啓蒙【講座「世界史」16】』(岩波書店,1999年)。共著『アメリカ独立革命』(東京大学出版会,1982年)。共訳,シェルドン・ウォーリン『政治とヴィジョン』(福村出版,2007年)。
田中秀夫(たなか ひでお)
京都大学大学院経済学研究科教授。研究テーマ:啓蒙と経済学の形成。
主要業績:『啓蒙と改革 ジョン・ミラー研究』(名古屋大学出版会,1999年)。『共和主義の思想空間』(共編著,名古屋大学出版会,2006年)。『啓蒙のエピステーメーと経済学の生誕』(編著,京都大学学術出版会,2008年)。The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment, eds. by T. Sakamoto and H. Tanaka, Routledge, 2003. D. ヒューム『政治論集』(訳,京都大学学術出版会,2010年)。J.G.A.ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(共訳,名古屋大学出版会,2008年)。H.ディキンスン『自由と所有』(監訳,ナカニシヤ出版,2006年)。その他。
[執筆者紹介(執筆順)]
佐々木武(ささき たけし)[はしがき,第1章]
上記を参照。
田中秀夫(たなか ひでお)[第11章,あとがき]
上記を参照。
山田園子(やまだ そのこ)[第2章]
広島大学大学院社会科学研究科教授。
研究テーマ:イギリス革命の政治思想。
前田俊文(まえだ としふみ)[第3章]
久留米大学法学部国際政治学科教授。博士(法学)。
研究テーマ:プーフェンドルフ自然法学とスコットランド啓蒙思想におけるその受容。
村松茂美(むらまつ しげみ)[第4章]
熊本学園大学経済学部教授。
研究テーマ:合邦期スコットランド思想史。
米田昇平(よねだ しょうへい)[第5章]
下関市立大学経済学部教授。
研究テーマ:経済学のフランス的起源。
篠原 久(しのはら ひさし)[第6章]
関西学院大学経済学部教授。
研究テーマ:アダム・スミスとスコットランド啓蒙思想。
只腰親和(ただこし ちかかず)[第7章]
横浜市立大学国際総合科学部教授。
研究テーマ:18—19世紀経済思想史。
坂本達哉(さかもと たつや)[第8章]
慶應義塾大学経済学部教授。
研究テーマ:英語圏を中心とする社会思想史。スコットランド啓蒙思想史。
渡辺恵一(わたなべ けいいち)[第9章]
京都学園大学経済学部教授。
研究テーマ:アダム・スミス研究。
新村 聡(にいむら さとし)[第10章]
岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。
研究テーマ:アダム・スミスの倫理・法・経済思想,平等論の歴史。
安藤隆穂(あんどう たかほ)[第12章]
名古屋大学大学院経済学研究科教授。
研究テーマ:ヨーロッパ社会思想史,公共圏の思想史。
奥田 敬(おくだ たかし)[第13章]
甲南大学経済学部教授。
研究テーマ:ナポリ啓蒙。
原田哲史(はらだ てつし)[第14章]
関西学院大学経済学部教授。
研究テーマ:ドイツ社会・経済思想史。
生越利昭(おごせ としあき)[第15章]
兵庫県立大学経済学部教授。
研究テーマ:イギリス経済思想史および明治啓蒙思想。
はしがき
第Ⅰ部 初期啓蒙の諸問題
第1章 「問題」としてのアイルランド—その'nature and origins'を求めて [佐々木武]
はじめに—"The Irish problem is the English problem."
第一節 「問題」の限定
第二節 「デイヴィス問題」
第三節 「アイルランドの実情」一六〇〇年
第四節 「モリヌゥ問題」
エピローグ 「アイルランドの対話」—Lodowick Bryskett, A Discourse of Civil Life(1606)に寄せて
第2章 ジョン・ロックの教会論—エドワード・スティリングフリート論をもとに [山田園子]
はじめに
第一節 ロックとスティリングフリート—研究史
第二節 スティリングフリートの教会論概要
第三節 ロックのスティリングフリート論
(1)教会の本質
(2)国教会の存在と非国教徒の分離
(3)寛容と包容
(4)聖職者・教会と王・世俗為政者
おわりに
第3章 カーマイケルの思想形成をめぐる一断面—『倫理学講義』と『義務論』の二つの注釈版から見えてくるもの [前田俊文]
はじめに
第一節 なぜプーフェンドルフが選ばれたのか
第二節 『倫理学講義』と『義務論』注釈版のつながりについて
第三節 ライプニッツ・インパクトと第二版の改訂について
おわりに
第4章 フレッチャーにおける「国民的政治共同体」と国際世界—「ダヴナント的慎慮」から「新たな市民的美徳」へ [村松茂美]
はじめに
第一節 一七世紀における「国家的利益」をめぐる言説—ロアンとテンプル
第二節 スペインの復興と海洋帝国
(1)『スペイン論』の意図
(2)スペイン衰退の原因と復興案
(3)世界帝国への道
(4)「軍人的精神」、「インダストリ精神」および「名誉心」
第三節 「真実の利益」とヨーロッパ連邦構想
むすびにかえて
第5章 経済学の起源とピエール・ニコル—ボワギルベールとの関連で [米田昇平]
第一節 ニコルにおける人間と社会
第二節 自己愛の自己抑制と礼節
第三節 政治的秩序と神慮
第四節 ニコルからボワギルベールへ—むすびに代えて
第Ⅱ部 スコットランド啓蒙
第6章 スコットランド啓蒙における「徳性の涵養」と「精神の解剖」 [篠原 久]
第一節 「穏健派」と「民衆派」
第二節 「二号雑誌」としての『エディンバラ評論』
第三節 ヒュームと「福音派」
第7章 ハチスン『探求』におけるニュートン的方法の問題 [只腰親和]
本章の課題
第一節 道徳学的ニュートン主義への接近法
第二節 目的因の科学方法論的意義
第三節 『探求』におけるニュートン的方法の特徴
第四節 勤労論とニュートン的方法
むすび
第8章 いわゆる「初期覚え書き」とヒューム経済思想の形成 [坂本達哉]
第一節 問題の所在と研究史
第二節 ステュアート説の画期的意義となお残る問題点
第三節 「一七四〇年代後半説」の提示
第四節 ヒューム経済論の成立過程
第五節 ヒュームとウォレス—結びにかえて
第9章 『道徳感情論』における徳の政治学 [渡辺恵一]
問題提起
第一節 「信義」問題とスミスの市民像
第二節 義務論と有徳論
第三節 「商業社会」における徳の政治学
第四節 『道徳感情論』徳性論の古典的枠組みと「同感」倫理学の展開
第10章 D・ヒュームとA・スミスの社会契約論批判と統治原理論 [新村 聡]
はじめに
第一節 D・ヒュームの社会契約論批判と統治原理論の発展
(1)『人間本性論』の統治原理論
(2)『道徳政治論集』「統治の第一原理」の統治原理論
第二節 A・スミスの社会契約論批判と権威原理論の発展
(1)社会契約論から市民社会史論へ
(2)ルソー『不平等起源論』の社会契約論批判
(3)『法学講義』Aノートの権威原理論
(4)権威原理による抵抗権の正当化
(5)AノートからBノートへ
(6)『法学講義』Bノートの権威原理論
(7)『国富論』の権威原理論
第三節 A・スミスの効用原理論の発展
(1)社会契約論とヒュームの統治効用論
(2)『法学講義』の効用原理論
(3)『国富論』の効用原理論
むすび
第Ⅲ部 ヨーロッパ、アメリカ、日本の啓蒙
第11章 アメリカの啓蒙と国民の鍛造—ベンジャミン・ラッシュの苦闘 [田中秀夫]
第一節 ラッシュの旅—エディンバラからロンドン
第二節 急進派との出会い—ロンドンからパリ
第三節 奴隷制批判、アメリカ独立、監獄改革
第四節 教育論—アメリカにエディンバラ大学を
第12章 スミスを読むフランス—コンドルセとコンスタンの系譜 [安藤隆穂]
はじめに
第一節 スミスとコンドルセ
第二節 スミスとコンスタン
むすび
第13章 啓蒙の南限—ジェノヴェージ〈市民の経済〉の生成 [奥田 敬]
第一節 〈エコノミーア・チヴィーレ〉の現在
第二節 〈商業の歴史〉から〈市民の経済〉へ
第三節 「勤労」の展開としての「生計」の変遷
第四節 〈調整者としての君主〉
第五節 〈相互的扶助〉と〈公共の信義〉
第六節 〈巨富〉の末路、あるいは〈帝国〉への挽歌
第14章 ユストゥス・メーザーにおける啓蒙と啓蒙批判 [原田哲史]
第一節 出口勇蔵の視座から
第二節 小林昇のリスト研究を手掛りに
第三節 ロッシャーの叙述から 379
(1)多様性論、ならびにモンテスキューへの賛意とヴォルテールへの批判
(2)古代ギリシアの都市共和国と近代的な商工業
むすび
第15章 明治啓蒙における経済思想の展開—福沢諭吉を中心に [生越利昭]
第一節 「明治啓蒙」とは何か
第二節 「啓蒙」の特質
第三節 「明治啓蒙」の特質
第四節 福沢諭吉の啓蒙思想
(1)公智公徳の形成
(2)独立自尊と経済的独立
(3)「実学」の必要性
(4)エリート主義
(5)福沢における「自主独立」と「文明開化」の問題
第五節 福沢諭吉の経済思想
(1)保護主義と自由主義の併存の問題
(2)実業の担い手
(3)経済人の条件
(4)資本形成の問題
(5)労働の問題
あとがき
人名索引
事項索引
第Ⅰ部 初期啓蒙の諸問題
第1章 「問題」としてのアイルランド—その'nature and origins'を求めて [佐々木武]
はじめに—"The Irish problem is the English problem."
第一節 「問題」の限定
第二節 「デイヴィス問題」
第三節 「アイルランドの実情」一六〇〇年
第四節 「モリヌゥ問題」
エピローグ 「アイルランドの対話」—Lodowick Bryskett, A Discourse of Civil Life(1606)に寄せて
第2章 ジョン・ロックの教会論—エドワード・スティリングフリート論をもとに [山田園子]
はじめに
第一節 ロックとスティリングフリート—研究史
第二節 スティリングフリートの教会論概要
第三節 ロックのスティリングフリート論
(1)教会の本質
(2)国教会の存在と非国教徒の分離
(3)寛容と包容
(4)聖職者・教会と王・世俗為政者
おわりに
第3章 カーマイケルの思想形成をめぐる一断面—『倫理学講義』と『義務論』の二つの注釈版から見えてくるもの [前田俊文]
はじめに
第一節 なぜプーフェンドルフが選ばれたのか
第二節 『倫理学講義』と『義務論』注釈版のつながりについて
第三節 ライプニッツ・インパクトと第二版の改訂について
おわりに
第4章 フレッチャーにおける「国民的政治共同体」と国際世界—「ダヴナント的慎慮」から「新たな市民的美徳」へ [村松茂美]
はじめに
第一節 一七世紀における「国家的利益」をめぐる言説—ロアンとテンプル
第二節 スペインの復興と海洋帝国
(1)『スペイン論』の意図
(2)スペイン衰退の原因と復興案
(3)世界帝国への道
(4)「軍人的精神」、「インダストリ精神」および「名誉心」
第三節 「真実の利益」とヨーロッパ連邦構想
むすびにかえて
第5章 経済学の起源とピエール・ニコル—ボワギルベールとの関連で [米田昇平]
第一節 ニコルにおける人間と社会
第二節 自己愛の自己抑制と礼節
第三節 政治的秩序と神慮
第四節 ニコルからボワギルベールへ—むすびに代えて
第Ⅱ部 スコットランド啓蒙
第6章 スコットランド啓蒙における「徳性の涵養」と「精神の解剖」 [篠原 久]
第一節 「穏健派」と「民衆派」
第二節 「二号雑誌」としての『エディンバラ評論』
第三節 ヒュームと「福音派」
第7章 ハチスン『探求』におけるニュートン的方法の問題 [只腰親和]
本章の課題
第一節 道徳学的ニュートン主義への接近法
第二節 目的因の科学方法論的意義
第三節 『探求』におけるニュートン的方法の特徴
第四節 勤労論とニュートン的方法
むすび
第8章 いわゆる「初期覚え書き」とヒューム経済思想の形成 [坂本達哉]
第一節 問題の所在と研究史
第二節 ステュアート説の画期的意義となお残る問題点
第三節 「一七四〇年代後半説」の提示
第四節 ヒューム経済論の成立過程
第五節 ヒュームとウォレス—結びにかえて
第9章 『道徳感情論』における徳の政治学 [渡辺恵一]
問題提起
第一節 「信義」問題とスミスの市民像
第二節 義務論と有徳論
第三節 「商業社会」における徳の政治学
第四節 『道徳感情論』徳性論の古典的枠組みと「同感」倫理学の展開
第10章 D・ヒュームとA・スミスの社会契約論批判と統治原理論 [新村 聡]
はじめに
第一節 D・ヒュームの社会契約論批判と統治原理論の発展
(1)『人間本性論』の統治原理論
(2)『道徳政治論集』「統治の第一原理」の統治原理論
第二節 A・スミスの社会契約論批判と権威原理論の発展
(1)社会契約論から市民社会史論へ
(2)ルソー『不平等起源論』の社会契約論批判
(3)『法学講義』Aノートの権威原理論
(4)権威原理による抵抗権の正当化
(5)AノートからBノートへ
(6)『法学講義』Bノートの権威原理論
(7)『国富論』の権威原理論
第三節 A・スミスの効用原理論の発展
(1)社会契約論とヒュームの統治効用論
(2)『法学講義』の効用原理論
(3)『国富論』の効用原理論
むすび
第Ⅲ部 ヨーロッパ、アメリカ、日本の啓蒙
第11章 アメリカの啓蒙と国民の鍛造—ベンジャミン・ラッシュの苦闘 [田中秀夫]
第一節 ラッシュの旅—エディンバラからロンドン
第二節 急進派との出会い—ロンドンからパリ
第三節 奴隷制批判、アメリカ独立、監獄改革
第四節 教育論—アメリカにエディンバラ大学を
第12章 スミスを読むフランス—コンドルセとコンスタンの系譜 [安藤隆穂]
はじめに
第一節 スミスとコンドルセ
第二節 スミスとコンスタン
むすび
第13章 啓蒙の南限—ジェノヴェージ〈市民の経済〉の生成 [奥田 敬]
第一節 〈エコノミーア・チヴィーレ〉の現在
第二節 〈商業の歴史〉から〈市民の経済〉へ
第三節 「勤労」の展開としての「生計」の変遷
第四節 〈調整者としての君主〉
第五節 〈相互的扶助〉と〈公共の信義〉
第六節 〈巨富〉の末路、あるいは〈帝国〉への挽歌
第14章 ユストゥス・メーザーにおける啓蒙と啓蒙批判 [原田哲史]
第一節 出口勇蔵の視座から
第二節 小林昇のリスト研究を手掛りに
第三節 ロッシャーの叙述から 379
(1)多様性論、ならびにモンテスキューへの賛意とヴォルテールへの批判
(2)古代ギリシアの都市共和国と近代的な商工業
むすび
第15章 明治啓蒙における経済思想の展開—福沢諭吉を中心に [生越利昭]
第一節 「明治啓蒙」とは何か
第二節 「啓蒙」の特質
第三節 「明治啓蒙」の特質
第四節 福沢諭吉の啓蒙思想
(1)公智公徳の形成
(2)独立自尊と経済的独立
(3)「実学」の必要性
(4)エリート主義
(5)福沢における「自主独立」と「文明開化」の問題
第五節 福沢諭吉の経済思想
(1)保護主義と自由主義の併存の問題
(2)実業の担い手
(3)経済人の条件
(4)資本形成の問題
(5)労働の問題
あとがき
人名索引
事項索引