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教育の公平性は国家建設にとって,最も重要な問題である。とりわけ多民族国家においては,その失敗は,深刻 な亀裂に直結する。社会主義国家建設から南北統一,そして市場経済へ移行という僅か半世紀の大変動期,54もの少数民族をかかえるベトナムがそれをどう達成しようとしたか。詳細な民族誌と政策分析の双方からその秘 密に迫る。
『教育社会学研究』第95集、260-262頁、評者:乾美紀氏
『東南アジア研究』53巻1号、170-172頁、評者:野津隆志氏
『アジア経済』Vol.57 No.1(2016.3)、101-105頁、評者:矢野順子氏
『東南アジア研究』53巻1号、170-172頁、評者:野津隆志氏
『アジア経済』Vol.57 No.1(2016.3)、101-105頁、評者:矢野順子氏
伊藤未帆(いとう みほ)
東京大学東アジアリベラルアーツイニシアティブ(EALAI)特任講師
1976年 東京都に生まれる
1999年 東京女子大学文理学部社会学科卒業
2008年 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程満期退学
2011年 博士(学術)学位取得
東京大学東アジアリベラルアーツイニシアティブ(EALAI)特任助教(2008年~2010年),日本学術振興会特別研究員(2010年~2013年)を経て,2013年より現職。
主要論文
「ドイモイ期ベトナムにおける民族寄宿学校の役割:1990年代の少数民族幹部養成政策と『第7プログラム』」(『アジア研究』アジア政経学会,53巻1号,2007年)
「ドイモイ期ベトナムにおける少数民族優遇政策と高等教育進学:少数民族大学生の属性分析を通じて」(『東南アジア研究』京都大学東南アジア研究所,49巻2号,2011年)
「ベトナムにおける高等教育の発展プロセスと労働市場の変容」(『ベトナムにおける工学系学生の移行と産学連携に関する調査研究』独立行政法人労働政策研究・研修機構,2013年)
東京大学東アジアリベラルアーツイニシアティブ(EALAI)特任講師
1976年 東京都に生まれる
1999年 東京女子大学文理学部社会学科卒業
2008年 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程満期退学
2011年 博士(学術)学位取得
東京大学東アジアリベラルアーツイニシアティブ(EALAI)特任助教(2008年~2010年),日本学術振興会特別研究員(2010年~2013年)を経て,2013年より現職。
主要論文
「ドイモイ期ベトナムにおける民族寄宿学校の役割:1990年代の少数民族幹部養成政策と『第7プログラム』」(『アジア研究』アジア政経学会,53巻1号,2007年)
「ドイモイ期ベトナムにおける少数民族優遇政策と高等教育進学:少数民族大学生の属性分析を通じて」(『東南アジア研究』京都大学東南アジア研究所,49巻2号,2011年)
「ベトナムにおける高等教育の発展プロセスと労働市場の変容」(『ベトナムにおける工学系学生の移行と産学連携に関する調査研究』独立行政法人労働政策研究・研修機構,2013年)
口 絵
はじめに
序 章 資源化される「民族」
0―1 国民国家建設と「民族」の創出―特異な東南アジアとしてのベトナム
0―2 資源化される「民族」
0―3 「民族」を利用する人々
0―4 教育機会をめぐる「民族」の資源化
0―5 ベトナム少数民族教育研究の問題点と本書の目的
0―6 調査の概要と本書の構成
0―7 ベトナムの教育階梯
第1部 少数民族教育政策と民族寄宿学校をめぐる歴史的展開
第1章 ベトナム教育政策の展開と少数民族
1―1 国民国家建設期における識字政策と教育制度の建設
1―2 民族語かベトナム語か?:識字言語をめぐる揺れ動き
1―3 山間部に派遣されたキン族幹部の相克
1―4 ドイモイ政策の導入と山間部幹部構造の大転換
1―5 少数民族地域における高等教育就学人口の拡大
1―6 小括
第2章 民族寄宿学校の誕生
2―1 「民族青年学校」の建設
2―2 「民族青年学校」の仕組み:ホアビン社会主義労働青年学校
2―3 「民族青年学校」から民族寄宿学校へ
2―4 民族寄宿学校建設プロジェクト
2―5 小括
第2部 民族寄宿学校をめぐる運用の地域的多様性
第3章 民族寄宿学校の制度と運用
3―1 新たな学校制度としての民族寄宿学校
3―2 教育内容
3―3 教員
3―4 量的規模
第4章 民族寄宿学校の選抜メカニズム―優遇政策の利益配分と高等教育進学をめぐる比較分析
4―1 分析の視座とデータの概要
4―2 フート省,ラオカイ省の民族構成と教育水準
4―3 「機会の平等」型選抜:フート省
4―4 「結果の平等」型選抜:ラオカイ省
4―5 民族寄宿学校への進学の動機
4―6 民族ごとに見た民族寄宿学校への進学動機
4―7 出身中学校ごとに見た,民族寄宿学校への進学動機
4―8 普通高校から見た民族寄宿学校イメージ:その地域的多様性
4―9 小括
第5章 少数民族の教育達成と民族寄宿学校の役割
5―1 中学校3年生から見た高校進学と,希望進学先
5―2 フート省ムオン族をめぐる,省レベル民族寄宿学校への進学規定要因
5―3 小括
第3部 優遇政策が少数民族社会に及ぼした影響
第6章 「少数民族」を選ぶ人々
6―1 「少数民族籍選択」ムーブメント
6―2 中央民族大学準備学校における「少数民族籍」選択者
6―3 出身地別,民族別に見た少数民族籍選択
6―4 「少数民族籍選択者」は本当に有利なのか?
6―5 小括
* * *
終 章 「民族」資源をめぐるポリティクス
7―1 それぞれの主体から見た「民族」の資源化:四重の問い
7―2 四つの主体とそれぞれの資源化
7―3 「民族」資源をめぐる「悲劇」
参考文献
あとがき
索 引
はじめに
序 章 資源化される「民族」
0―1 国民国家建設と「民族」の創出―特異な東南アジアとしてのベトナム
0―2 資源化される「民族」
0―3 「民族」を利用する人々
0―4 教育機会をめぐる「民族」の資源化
0―5 ベトナム少数民族教育研究の問題点と本書の目的
0―6 調査の概要と本書の構成
0―7 ベトナムの教育階梯
第1部 少数民族教育政策と民族寄宿学校をめぐる歴史的展開
第1章 ベトナム教育政策の展開と少数民族
1―1 国民国家建設期における識字政策と教育制度の建設
1―2 民族語かベトナム語か?:識字言語をめぐる揺れ動き
1―3 山間部に派遣されたキン族幹部の相克
1―4 ドイモイ政策の導入と山間部幹部構造の大転換
1―5 少数民族地域における高等教育就学人口の拡大
1―6 小括
第2章 民族寄宿学校の誕生
2―1 「民族青年学校」の建設
2―2 「民族青年学校」の仕組み:ホアビン社会主義労働青年学校
2―3 「民族青年学校」から民族寄宿学校へ
2―4 民族寄宿学校建設プロジェクト
2―5 小括
第2部 民族寄宿学校をめぐる運用の地域的多様性
第3章 民族寄宿学校の制度と運用
3―1 新たな学校制度としての民族寄宿学校
3―2 教育内容
3―3 教員
3―4 量的規模
第4章 民族寄宿学校の選抜メカニズム―優遇政策の利益配分と高等教育進学をめぐる比較分析
4―1 分析の視座とデータの概要
4―2 フート省,ラオカイ省の民族構成と教育水準
4―3 「機会の平等」型選抜:フート省
4―4 「結果の平等」型選抜:ラオカイ省
4―5 民族寄宿学校への進学の動機
4―6 民族ごとに見た民族寄宿学校への進学動機
4―7 出身中学校ごとに見た,民族寄宿学校への進学動機
4―8 普通高校から見た民族寄宿学校イメージ:その地域的多様性
4―9 小括
第5章 少数民族の教育達成と民族寄宿学校の役割
5―1 中学校3年生から見た高校進学と,希望進学先
5―2 フート省ムオン族をめぐる,省レベル民族寄宿学校への進学規定要因
5―3 小括
第3部 優遇政策が少数民族社会に及ぼした影響
第6章 「少数民族」を選ぶ人々
6―1 「少数民族籍選択」ムーブメント
6―2 中央民族大学準備学校における「少数民族籍」選択者
6―3 出身地別,民族別に見た少数民族籍選択
6―4 「少数民族籍選択者」は本当に有利なのか?
6―5 小括
* * *
終 章 「民族」資源をめぐるポリティクス
7―1 それぞれの主体から見た「民族」の資源化:四重の問い
7―2 四つの主体とそれぞれの資源化
7―3 「民族」資源をめぐる「悲劇」
参考文献
あとがき
索 引