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南部アフリカの狩猟民グイ・ブッシュマンは,動物を狩ると同時に自らも動物に殺されうる、野生動物との濃密な関係の上に生きてきた。彼らの語りは動物をめぐる膨大な言説に満ち溢れ,動物を恐れ・おもしろがり・感応する独特の動物観を垣間見せる。徹底的な談話分析とフィールド観察に基づき,人間と動物の関係を問い直す刺激的な民族誌。
『朝日新聞』2015年4月19日付朝刊 読書面、評者:中村和恵氏
菅原 和孝(すがわら かずよし)
1949年 東京生まれ
1973年 京都大学理学部卒
1980年 同大学院理学研究科博士課程単位取得退学。京都大学理学博士。
2013年 第8回日本文化人類学会賞受賞。北海道大学文学部助手、京都大学教養部助教授、同総合人間学部教授を経て
現在 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
(2015年4月より京都大学名誉教授)
主要著書
『身体の人類学』(1993)河出書房新社
『コミュニケーションとしての身体』(1996共編著)大修館書店
『語る身体の民族誌』(1998)京都大学学術出版会
『会話の人類学』(1998)京都大学学術出版会
『もし、みんながブッシュマンだったら』(1999)福音館書店
『感情の猿=人』(2002)弘文堂
『ブッシュマンとして生きる』(2004)中央公論新社
『フィールドワークへの挑戦』(2006編著)世界思想社
『身体資源の共有』(2007編著)弘文堂
『ことばと身体』(2010)講談社
鳥羽森の筆名で『密閉都市のトリニティ』(2010)講談社〔SF小説〕
『身体化の人類学』(2013編著)世界思想社
1949年 東京生まれ
1973年 京都大学理学部卒
1980年 同大学院理学研究科博士課程単位取得退学。京都大学理学博士。
2013年 第8回日本文化人類学会賞受賞。北海道大学文学部助手、京都大学教養部助教授、同総合人間学部教授を経て
現在 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
(2015年4月より京都大学名誉教授)
主要著書
『身体の人類学』(1993)河出書房新社
『コミュニケーションとしての身体』(1996共編著)大修館書店
『語る身体の民族誌』(1998)京都大学学術出版会
『会話の人類学』(1998)京都大学学術出版会
『もし、みんながブッシュマンだったら』(1999)福音館書店
『感情の猿=人』(2002)弘文堂
『ブッシュマンとして生きる』(2004)中央公論新社
『フィールドワークへの挑戦』(2006編著)世界思想社
『身体資源の共有』(2007編著)弘文堂
『ことばと身体』(2010)講談社
鳥羽森の筆名で『密閉都市のトリニティ』(2010)講談社〔SF小説〕
『身体化の人類学』(2013編著)世界思想社
歩きだす前に——緒言にかえて
プロローグ
序章 魅惑と境界——論理構成・方法論・問題系
一 語りの「現象学的な民族誌」へ向けて——旅程と構成
記述/分析の基本姿勢:環境と虚環境/直示的認知と遠隔的認知:志向姿勢——予見と回顧
二 方法論と基本概念
身体化と現象学的実証主義:間身体性:期待としてのコミュニケーション(コミュニケーション域)
思想・物語・理論:グイ・ブッシュマン
三 人間/動物関係——概念空間の成立
動物の苦痛と魂:動物のいのち:「動物の境界」論へ向けて:分割線の固定化
四 境界の攪乱へ向けて
象徴の生態学へ:アニミズム再考:視界主義:関係的モデル:狩猟の参与観察:自然への埋没
第一章 始原の物語——グイの創世神話
一 思想と物語
思想の言表化——事例分析:始原への問い:超越者ガマ(神霊)
二 世界の始まりと猟獣たちの創造
創世神話:神話から照らされる生活世界の特質
三 火の起源
神話の骨格:神話の異伝:身を養う技術としての火
四 性交の起源
欲情の物語:身体の象徴性
五 進化という暗函——私たちにとっての「始原の物語」
物語に魅惑されること vs. 暗函の網状組織への順応:生活世界の内部から進化にふれられるのか
第二章 気づきと感応——他者としての動物
一 記号と差異
原初的コミュニケーションとしての〈しるし〉:動物にとっての差異
二 動物をおもしろがる
抱腹絶倒:動物をからかう
三 捕食者の技と知性——虚環境と制度化
人間そっくり:屁で焼き口に咬みつくやつ:ヒョウとライオンの技
四 間身体的な感応
酔う・感づく・予感する:死のお告げ:さまざまなズィウ
立ちあえない死——経験の連続性と想像力:年長者の経験知
第三章 食うと病むもの——肉食の禁忌と忌避
一 「食うと病むもの」を食ったら——最初の遭遇
幼獣を煮る鍋を囲んで:〈ショモ〉(老人の肉):抜けがけと解除:感応しあう身体
二 ヒョウの匂いで死ぬ——民俗免疫理論との遭遇
呪医の治療儀礼:呪医の診断
三 動物をいかに分類するのか
民俗分類の理論:機能的カテゴリー——食うもの、咬むもの、役立たず:凶暴性と食用性——中川理論
四 肉食の禁忌と忌避
インタビューを始める:忌避される動物:若い女性に課せられる禁忌:〈ショモ〉の禁忌
成人儀礼と食物禁忌:食肉類の忌避にみられる性差と個人的変異——差異化への志向性
五 食わない理由
嫌われる動物——忌避の感覚的基盤:忌避の個人的な理由
六 規範との交渉——経験の連続性
象徴と生態:食うことの恐ろしさ:「外の犬」ふたたび
七 民俗免疫理論——身体化された思想
蕁麻疹とアレルギーの体験:身体の時間的連続と再組織化
第四章 翼ある告知者——環境と虚環境の双発的生成
一 民族鳥類学事始め——バード・ウォッチングからの接近
鳥にめざめる:鳥の位置づけ:名前に刻まれた認識:多様な言表化と談話
二 注視と呼びかけ
習性・形状への注目と派生語:歌い呼びかける
三 言語へのなぞらえとお告げ
鳴き声をことばになぞらえる:告知者としての鳥
四 神話のなかを飛ぶ鳥たち
習性の起源:形状・色彩の起源:組織化された神話
五 環境と虚環境の双発的な生成
直示的認知と遠隔的認知の相互補強:神話的想像力と同一性指定の不可分性:大収穫(ネヤン)
第五章 殺しのパッション——狩る経験の現象学
一 殺意の装置——罠と矢
反コミュニケーションとしての罠:矢毒の「発明」
二 狩猟の情動シナリオ
獲物の奇妙なふるまいに驚く:狩人の内言と話体の特徴:情動のシナリオ——嬉しい驚き
三 狩猟経験の構造
狩猟の実践シナリオ:実践シナリオの分析——自然的=文化的プログラム:コミュニケーション期待 vs. 実質的期待
狩人と仲間の交渉過程:期待の遮断:「怖がらない」動物
四 異なる殺し方——槍突きと焼殺
追いかけ槍で突く——狩人を襲った不幸:焼き殺す——観察者の情動反応:わたしが動物を殺した日
第六章 掻かれ咬まれ殺される——パーホ(咬むもの)の恐怖
一 穴を掘る「皮」——ツチブタの脅威
落盤事件:陰嚢に裂傷を負わされた事件
二 ヒョウに襲われる——失望のシナリオ
三 ライオンに殺される
父さんは帰ってこなかった:父さんが昔殺されたこと——語りの反復:二つのヴァージョンの比較
女の呪詛がライオンを呼んだ:ライオンに毒矢を叩きこんだ男
四 ライオンとの遭遇を生き延びる
ライオンとの対峙:人間にとってライオンとは何か
第七章 女の魔力と動物への変身——〈キマ〉をめぐる省察
一 〈キマ〉との出会い
探索の発端:キマとの再会——女のことば
二 キマと呪詛はどう違うのか
キマと呪詛は同じだ:キマと呪詛は少し違う
三 発狂と変身
いない獲物を追う:鳥に変身する
四 不可視の作用主はいかに立ち現われるのか
交渉を通じての生成:感応の回路の暗黒面——女の見解を聞いたのちに
終章 動物的実存への還帰——現象学的自然主義への途
一 間身体的な動機づけ
身体の変容と情動——動機づけの相互連鎖:感応と変身
二 境界は攪乱されたか——「静かな革命」をめぐって
革命への懐疑——その源:母語で思考することへの執着:ANTへの懐疑:「存在論」という語の用法への懐疑
「しどろもどろになる」ことの回復:多自然主義への懐疑:フィールドワークへの還帰
三 動物に《なる》こと
罠に誘惑される:関係性への埋めこみ:リトルネロ(リフレイン):サルの群れと走る——伊谷純一郎の身構え
四 自然誌的態度としての自然主義
自然誌的態度:現象学的自然主義は進化と出遭うか
エピローグ
参照文献
歩き終えた地点から——あとがきにかえて
索引
収録事例
【1—1】ガマという語の用法
【1—2】「ガナナガー」
【1—3】ダチョウから火を盗む話
【1—4】ピーシツォワゴ性交を学ぶ
【2—1】ゴマバラワシの話
【2—2】トビウサギが走るのを見て笑った
【2—3】罠の獲物を笑う
【2—4】ハイエナの生活
【2—5】ハイエナに欺された話
【2—6】ミツアナグマのすごさ
【2—7】ヒョウの尾
【2—8】ライオンと牡キリン、あるいはダチョウのペニス
【2—9】ツチブタの異常
【2—10】センザンコウの異常
【2—11】罠猟で経験した異常事態
【2—12】ツチブタが精液を漏らした
【3—1】会話抄「鍋をひっくり返す」(その1)
【3—2】会話抄「鍋をひっくり返す」(その2)
【3—3】ツチブタで病んだ
【3—4】ウィルデビーストやハーテビーストを食わないわけ
【3—5】会話抄「鉄罠がライオンの足を折った」
【3—6】会話抄「おれは食う」
【3—7】語り抄「おれは吐いた」
【3—8】語り抄「ワイルドキャットの毛」
【3—9】「種痘」の実践
【4—1】モズがワシを欺した
【4—2】生産的な語彙素(〜鳥)をもつ鳥の名
【4—3】分解可能で非生産的な語彙素をもつ鳥の名
【4—4】鳥の形態と色彩からの見立てとお告げ
【4—5】鳥の習性への注目とお告げ
【4—6】ブッポウソウへ呼びかける歌
【4—7】ヨタカをからかう歌
【4—8】コウノトリとトビへの呼びかけの歌
【4—9】シャコへ呼びかける歌
【4—10】ヒタキへの呼びかけ
【4—11】鳥の声の聞きなぞらえ
【4—12】ヒヨドリのいまいましさ
【4—13】鳴き声によるお告げ
【4—14】なぜガイ(カンムリショウノガン)は地面に卵を産むようになったか
【4—15】二種のノガンどうしの対決
【4—16】タカはどうしてホロホロチョウとニワトリをいじめるのか
【4—17】ウチワドリのセッカへの治療
【4—18】ムクドリの目はどうして「赤い」のか
【4—19】サイチョウ二種のうち一方の嘴が大きいのはなぜか
【4—20】ヒバリとサケイの共謀
【4—21】オオノガンの復讐
【4—22】ホロホロチョウとクロエリノガンの受難
【4—23】迷子を見つけたカラス
【5—1】スティーンボックに怯えた
【5—2】「血がガバについてるぞ」
【5—3】「やつは生きてるぞ」
【5—4】牡エランドをしとめた
【5—5】「黙ったまま踏み跡を見ておれ」
【5—6】「父ちゃんがいま…」
【5—7】キリンを初めて捕獲した話
【5—8】ゲムズボックを初めて捕獲した話
【5—9】手負いのキリンに手こずった話
【5—10】「それから歩けなくなった」
【5—11】「やつは燃えて燃えて焼け死んだ」
【5—12】ヒョウの執拗な襲撃
【5—13】「やつの模様はなかった」
【6—1】「彼を掘り出そう」
【6—2】「皮め、このツチブタのこやつめが」
【6—3a】ヒョウに襲われた(ヴァージョン1)
【6—3b】ヒョウに襲われた(ヴァージョン2)
【6—4】父さんはライオンに殺された
【6—4a】父さんはライオンに殺された(ヴァージョン1)
【6—4b】父さんはライオンに殺された(ヴァージョン2)
【6—5】「ライオンがわれわれを殺す!」
【6—6】ゴイクアの受難
【6—7】「あそこにきっと肉があるぞ」
【6—8】「ライオンがおれに来た!」
【6—9】「こいつはパーホだ」
【7—1】「キマをつくる」
【7—2】「女は取り替える」
【7—3】彼女のキマ
【7—4】「するとタマだ」
【7—5】彼は発狂する
【7—6】彼は「アウッ!」と言った
【7—7】「彼に勝手に食わせろ」
【7—8】デウをまねて
【7—9】「おれはクアだぞ」
【7—10】デウが彼を殺した
【7—11】「人のことばのせいで」
プロローグ
序章 魅惑と境界——論理構成・方法論・問題系
一 語りの「現象学的な民族誌」へ向けて——旅程と構成
記述/分析の基本姿勢:環境と虚環境/直示的認知と遠隔的認知:志向姿勢——予見と回顧
二 方法論と基本概念
身体化と現象学的実証主義:間身体性:期待としてのコミュニケーション(コミュニケーション域)
思想・物語・理論:グイ・ブッシュマン
三 人間/動物関係——概念空間の成立
動物の苦痛と魂:動物のいのち:「動物の境界」論へ向けて:分割線の固定化
四 境界の攪乱へ向けて
象徴の生態学へ:アニミズム再考:視界主義:関係的モデル:狩猟の参与観察:自然への埋没
第一章 始原の物語——グイの創世神話
一 思想と物語
思想の言表化——事例分析:始原への問い:超越者ガマ(神霊)
二 世界の始まりと猟獣たちの創造
創世神話:神話から照らされる生活世界の特質
三 火の起源
神話の骨格:神話の異伝:身を養う技術としての火
四 性交の起源
欲情の物語:身体の象徴性
五 進化という暗函——私たちにとっての「始原の物語」
物語に魅惑されること vs. 暗函の網状組織への順応:生活世界の内部から進化にふれられるのか
第二章 気づきと感応——他者としての動物
一 記号と差異
原初的コミュニケーションとしての〈しるし〉:動物にとっての差異
二 動物をおもしろがる
抱腹絶倒:動物をからかう
三 捕食者の技と知性——虚環境と制度化
人間そっくり:屁で焼き口に咬みつくやつ:ヒョウとライオンの技
四 間身体的な感応
酔う・感づく・予感する:死のお告げ:さまざまなズィウ
立ちあえない死——経験の連続性と想像力:年長者の経験知
第三章 食うと病むもの——肉食の禁忌と忌避
一 「食うと病むもの」を食ったら——最初の遭遇
幼獣を煮る鍋を囲んで:〈ショモ〉(老人の肉):抜けがけと解除:感応しあう身体
二 ヒョウの匂いで死ぬ——民俗免疫理論との遭遇
呪医の治療儀礼:呪医の診断
三 動物をいかに分類するのか
民俗分類の理論:機能的カテゴリー——食うもの、咬むもの、役立たず:凶暴性と食用性——中川理論
四 肉食の禁忌と忌避
インタビューを始める:忌避される動物:若い女性に課せられる禁忌:〈ショモ〉の禁忌
成人儀礼と食物禁忌:食肉類の忌避にみられる性差と個人的変異——差異化への志向性
五 食わない理由
嫌われる動物——忌避の感覚的基盤:忌避の個人的な理由
六 規範との交渉——経験の連続性
象徴と生態:食うことの恐ろしさ:「外の犬」ふたたび
七 民俗免疫理論——身体化された思想
蕁麻疹とアレルギーの体験:身体の時間的連続と再組織化
第四章 翼ある告知者——環境と虚環境の双発的生成
一 民族鳥類学事始め——バード・ウォッチングからの接近
鳥にめざめる:鳥の位置づけ:名前に刻まれた認識:多様な言表化と談話
二 注視と呼びかけ
習性・形状への注目と派生語:歌い呼びかける
三 言語へのなぞらえとお告げ
鳴き声をことばになぞらえる:告知者としての鳥
四 神話のなかを飛ぶ鳥たち
習性の起源:形状・色彩の起源:組織化された神話
五 環境と虚環境の双発的な生成
直示的認知と遠隔的認知の相互補強:神話的想像力と同一性指定の不可分性:大収穫(ネヤン)
第五章 殺しのパッション——狩る経験の現象学
一 殺意の装置——罠と矢
反コミュニケーションとしての罠:矢毒の「発明」
二 狩猟の情動シナリオ
獲物の奇妙なふるまいに驚く:狩人の内言と話体の特徴:情動のシナリオ——嬉しい驚き
三 狩猟経験の構造
狩猟の実践シナリオ:実践シナリオの分析——自然的=文化的プログラム:コミュニケーション期待 vs. 実質的期待
狩人と仲間の交渉過程:期待の遮断:「怖がらない」動物
四 異なる殺し方——槍突きと焼殺
追いかけ槍で突く——狩人を襲った不幸:焼き殺す——観察者の情動反応:わたしが動物を殺した日
第六章 掻かれ咬まれ殺される——パーホ(咬むもの)の恐怖
一 穴を掘る「皮」——ツチブタの脅威
落盤事件:陰嚢に裂傷を負わされた事件
二 ヒョウに襲われる——失望のシナリオ
三 ライオンに殺される
父さんは帰ってこなかった:父さんが昔殺されたこと——語りの反復:二つのヴァージョンの比較
女の呪詛がライオンを呼んだ:ライオンに毒矢を叩きこんだ男
四 ライオンとの遭遇を生き延びる
ライオンとの対峙:人間にとってライオンとは何か
第七章 女の魔力と動物への変身——〈キマ〉をめぐる省察
一 〈キマ〉との出会い
探索の発端:キマとの再会——女のことば
二 キマと呪詛はどう違うのか
キマと呪詛は同じだ:キマと呪詛は少し違う
三 発狂と変身
いない獲物を追う:鳥に変身する
四 不可視の作用主はいかに立ち現われるのか
交渉を通じての生成:感応の回路の暗黒面——女の見解を聞いたのちに
終章 動物的実存への還帰——現象学的自然主義への途
一 間身体的な動機づけ
身体の変容と情動——動機づけの相互連鎖:感応と変身
二 境界は攪乱されたか——「静かな革命」をめぐって
革命への懐疑——その源:母語で思考することへの執着:ANTへの懐疑:「存在論」という語の用法への懐疑
「しどろもどろになる」ことの回復:多自然主義への懐疑:フィールドワークへの還帰
三 動物に《なる》こと
罠に誘惑される:関係性への埋めこみ:リトルネロ(リフレイン):サルの群れと走る——伊谷純一郎の身構え
四 自然誌的態度としての自然主義
自然誌的態度:現象学的自然主義は進化と出遭うか
エピローグ
参照文献
歩き終えた地点から——あとがきにかえて
索引
収録事例
【1—1】ガマという語の用法
【1—2】「ガナナガー」
【1—3】ダチョウから火を盗む話
【1—4】ピーシツォワゴ性交を学ぶ
【2—1】ゴマバラワシの話
【2—2】トビウサギが走るのを見て笑った
【2—3】罠の獲物を笑う
【2—4】ハイエナの生活
【2—5】ハイエナに欺された話
【2—6】ミツアナグマのすごさ
【2—7】ヒョウの尾
【2—8】ライオンと牡キリン、あるいはダチョウのペニス
【2—9】ツチブタの異常
【2—10】センザンコウの異常
【2—11】罠猟で経験した異常事態
【2—12】ツチブタが精液を漏らした
【3—1】会話抄「鍋をひっくり返す」(その1)
【3—2】会話抄「鍋をひっくり返す」(その2)
【3—3】ツチブタで病んだ
【3—4】ウィルデビーストやハーテビーストを食わないわけ
【3—5】会話抄「鉄罠がライオンの足を折った」
【3—6】会話抄「おれは食う」
【3—7】語り抄「おれは吐いた」
【3—8】語り抄「ワイルドキャットの毛」
【3—9】「種痘」の実践
【4—1】モズがワシを欺した
【4—2】生産的な語彙素(〜鳥)をもつ鳥の名
【4—3】分解可能で非生産的な語彙素をもつ鳥の名
【4—4】鳥の形態と色彩からの見立てとお告げ
【4—5】鳥の習性への注目とお告げ
【4—6】ブッポウソウへ呼びかける歌
【4—7】ヨタカをからかう歌
【4—8】コウノトリとトビへの呼びかけの歌
【4—9】シャコへ呼びかける歌
【4—10】ヒタキへの呼びかけ
【4—11】鳥の声の聞きなぞらえ
【4—12】ヒヨドリのいまいましさ
【4—13】鳴き声によるお告げ
【4—14】なぜガイ(カンムリショウノガン)は地面に卵を産むようになったか
【4—15】二種のノガンどうしの対決
【4—16】タカはどうしてホロホロチョウとニワトリをいじめるのか
【4—17】ウチワドリのセッカへの治療
【4—18】ムクドリの目はどうして「赤い」のか
【4—19】サイチョウ二種のうち一方の嘴が大きいのはなぜか
【4—20】ヒバリとサケイの共謀
【4—21】オオノガンの復讐
【4—22】ホロホロチョウとクロエリノガンの受難
【4—23】迷子を見つけたカラス
【5—1】スティーンボックに怯えた
【5—2】「血がガバについてるぞ」
【5—3】「やつは生きてるぞ」
【5—4】牡エランドをしとめた
【5—5】「黙ったまま踏み跡を見ておれ」
【5—6】「父ちゃんがいま…」
【5—7】キリンを初めて捕獲した話
【5—8】ゲムズボックを初めて捕獲した話
【5—9】手負いのキリンに手こずった話
【5—10】「それから歩けなくなった」
【5—11】「やつは燃えて燃えて焼け死んだ」
【5—12】ヒョウの執拗な襲撃
【5—13】「やつの模様はなかった」
【6—1】「彼を掘り出そう」
【6—2】「皮め、このツチブタのこやつめが」
【6—3a】ヒョウに襲われた(ヴァージョン1)
【6—3b】ヒョウに襲われた(ヴァージョン2)
【6—4】父さんはライオンに殺された
【6—4a】父さんはライオンに殺された(ヴァージョン1)
【6—4b】父さんはライオンに殺された(ヴァージョン2)
【6—5】「ライオンがわれわれを殺す!」
【6—6】ゴイクアの受難
【6—7】「あそこにきっと肉があるぞ」
【6—8】「ライオンがおれに来た!」
【6—9】「こいつはパーホだ」
【7—1】「キマをつくる」
【7—2】「女は取り替える」
【7—3】彼女のキマ
【7—4】「するとタマだ」
【7—5】彼は発狂する
【7—6】彼は「アウッ!」と言った
【7—7】「彼に勝手に食わせろ」
【7—8】デウをまねて
【7—9】「おれはクアだぞ」
【7—10】デウが彼を殺した
【7—11】「人のことばのせいで」