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歌掛けは世界中に広く見られるが,漢字文化圏に支配されながら独自言語を保持し,さらには社会主義中国の少数民族政策の影響を強く受けたプイ族のそれは,独特の現代的意味を持つ。日本の歌掛けとも比較しつつ,現代中国の地方芸能の在りかたに迫る。
第31回田邉尚雄賞
梶丸 岳(かじまる がく)
1980年兵庫県生まれ。博士(人間・環境学)(京都大学,2012年)。2003年京都大学総合人間学部自然環境学科卒業。2005年3月,京都大学人間・環境学研究科修士課程修了。2009年9月同博士課程修了。2009年4月から現在まで日本学術振興会特別研究員。専門は人類学。
主な著作に「歌掛けを見る/聞く—前観光的芸能としての中国貴州省山歌」(『人文学報』99,2010年),「中国貴州省プイ族の「年歌」—プイ語による長詩型歌掛け」(『アジア民族文化研究』10,2010年)など。
1980年兵庫県生まれ。博士(人間・環境学)(京都大学,2012年)。2003年京都大学総合人間学部自然環境学科卒業。2005年3月,京都大学人間・環境学研究科修士課程修了。2009年9月同博士課程修了。2009年4月から現在まで日本学術振興会特別研究員。専門は人類学。
主な著作に「歌掛けを見る/聞く—前観光的芸能としての中国貴州省山歌」(『人文学報』99,2010年),「中国貴州省プイ族の「年歌」—プイ語による長詩型歌掛け」(『アジア民族文化研究』10,2010年)など。
はじめに 歌掛けと出会う—「なにこれ」からのことはじめ—
略号一覧
序 論
第1章 歌掛けへのみちすじ —本書の問題構成—
1 ある日の山歌 —山歌とはなにか
2 「歌掛け」とはなにか
3 「歌」への視座
4 山歌の言語的相互行為論にむけて —民族音楽学と言語学から
5 山歌の社会的環境
6 山歌の遊び論—歌掛けとの往還
第2章 山歌への道ならし —調査地と調査対象の概況—
1 調査地と調査期間
2 調査地概要
( i ) 貴州省全体の地理的概況
( ii ) 貴州省貴陽市の地理的概況
( iii ) 貴州省羅甸県の地理的概況
3 プイ族の概略
4 山歌に用いられる言語の概要
( i ) 漢語貴州方言
( ii ) プイ語
コラム1 貴州の食事
第1部 山歌の社会的環境
第3章 ずれゆく山歌の場所
1 はじめに
2 「プイ族」とはなにか—言説の時空間より
( i ) 「プイ族」をめぐる言説の歴史
( ii ) 「プイ族」という言説空間に住まう
( iii ) 山歌と「プイ族」
3 山歌の歴史的場所
4 山歌の現代的場所
( i ) 市場経済化と山歌
( ii ) 歌掛けの場の再興
5 ずれた山歌の位置,山歌の場所
第4章 山歌の感覚論
1 はじめに
2 観光と視覚中心主義
3 変わる山歌—耳から目へ
4 変わらない山歌—視覚中心主義再考
コラム2 歌わないひとたち(羅甸の結婚式)
第2部 山歌の言語的相互行為論 —声・言語・対話—
第5章 山歌の型枠 —型の固さと声の枠—
1 声調・旋律・韻律
( i ) 声調と旋律の関係
( ii ) 詩の韻律
2 漢歌の形式 —固い型枠
3 プイ歌の形式—やわらかい型枠
4 形式とはなにか—定型性のトレードオフ
第6章 山歌の歌い方(1)—山歌の修辞学—
1 はじめに—修辞とはなにか
2 「好听」を目指して —山歌の評価
3 山歌の修辞技法
( i ) 漢歌の修辞技法
( ii ) プイ歌の修辞技法
4 「好听」とはなにか —修辞学から語用論へ
補遺—比喩について
第7章 山歌の歌い方(2) —山歌の語用論—
1 テクストとしての山歌
2 漢歌の掛け合い —切り詰められた対話
3 プイ歌の掛け合い —引きのばされた対話
4 誇張された対話としての山歌
コラム3 ことばのよもやま
第3部 歌掛けの遊び論,遊びとしての山歌
第8章 再説,歌掛けとはなにか
1 歌掛けはどこにあるか
2 奄美の歌掛け
( i ) 歌遊びと八月踊り—どこで歌われるか
( ii ) 奄美の歌掛けにおける詩型
( iii ) 歌詞における修辞
( iv ) 奄美の歌掛けにおける対話構造
3 山歌との比較
( i ) 社会に埋め込まれた歌掛け
( ii ) 歌詞と踊り —歌の現場にて
4 一般歌掛け論を求めて —歌掛けのヴァリエーション
第9章 歌掛けの遊ぶ声 —山歌の遊び性と声の力—
1 遊びとしての歌掛け
2 歌え,遊べ—山歌の声
コラム4 調査=生活—外国で暮らすこと
おわりに —山歌の民族誌を綴じる—
付録1.2008年羅甸第五回山歌表演(漢歌)【映像4】
付録2.羅甸県龍坪鎮「年歌」(プイ歌)【映像13】
参照文献
あとがき
索 引
略号一覧
序 論
第1章 歌掛けへのみちすじ —本書の問題構成—
1 ある日の山歌 —山歌とはなにか
2 「歌掛け」とはなにか
3 「歌」への視座
4 山歌の言語的相互行為論にむけて —民族音楽学と言語学から
5 山歌の社会的環境
6 山歌の遊び論—歌掛けとの往還
第2章 山歌への道ならし —調査地と調査対象の概況—
1 調査地と調査期間
2 調査地概要
( i ) 貴州省全体の地理的概況
( ii ) 貴州省貴陽市の地理的概況
( iii ) 貴州省羅甸県の地理的概況
3 プイ族の概略
4 山歌に用いられる言語の概要
( i ) 漢語貴州方言
( ii ) プイ語
コラム1 貴州の食事
第1部 山歌の社会的環境
第3章 ずれゆく山歌の場所
1 はじめに
2 「プイ族」とはなにか—言説の時空間より
( i ) 「プイ族」をめぐる言説の歴史
( ii ) 「プイ族」という言説空間に住まう
( iii ) 山歌と「プイ族」
3 山歌の歴史的場所
4 山歌の現代的場所
( i ) 市場経済化と山歌
( ii ) 歌掛けの場の再興
5 ずれた山歌の位置,山歌の場所
第4章 山歌の感覚論
1 はじめに
2 観光と視覚中心主義
3 変わる山歌—耳から目へ
4 変わらない山歌—視覚中心主義再考
コラム2 歌わないひとたち(羅甸の結婚式)
第2部 山歌の言語的相互行為論 —声・言語・対話—
第5章 山歌の型枠 —型の固さと声の枠—
1 声調・旋律・韻律
( i ) 声調と旋律の関係
( ii ) 詩の韻律
2 漢歌の形式 —固い型枠
3 プイ歌の形式—やわらかい型枠
4 形式とはなにか—定型性のトレードオフ
第6章 山歌の歌い方(1)—山歌の修辞学—
1 はじめに—修辞とはなにか
2 「好听」を目指して —山歌の評価
3 山歌の修辞技法
( i ) 漢歌の修辞技法
( ii ) プイ歌の修辞技法
4 「好听」とはなにか —修辞学から語用論へ
補遺—比喩について
第7章 山歌の歌い方(2) —山歌の語用論—
1 テクストとしての山歌
2 漢歌の掛け合い —切り詰められた対話
3 プイ歌の掛け合い —引きのばされた対話
4 誇張された対話としての山歌
コラム3 ことばのよもやま
第3部 歌掛けの遊び論,遊びとしての山歌
第8章 再説,歌掛けとはなにか
1 歌掛けはどこにあるか
2 奄美の歌掛け
( i ) 歌遊びと八月踊り—どこで歌われるか
( ii ) 奄美の歌掛けにおける詩型
( iii ) 歌詞における修辞
( iv ) 奄美の歌掛けにおける対話構造
3 山歌との比較
( i ) 社会に埋め込まれた歌掛け
( ii ) 歌詞と踊り —歌の現場にて
4 一般歌掛け論を求めて —歌掛けのヴァリエーション
第9章 歌掛けの遊ぶ声 —山歌の遊び性と声の力—
1 遊びとしての歌掛け
2 歌え,遊べ—山歌の声
コラム4 調査=生活—外国で暮らすこと
おわりに —山歌の民族誌を綴じる—
付録1.2008年羅甸第五回山歌表演(漢歌)【映像4】
付録2.羅甸県龍坪鎮「年歌」(プイ歌)【映像13】
参照文献
あとがき
索 引
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