ホーム > 書籍詳細ページ
近年とみに経済学の分野で、市場の失敗を強調される「市場」。その観念は特定の視座を前提としている。その経済社会とはどのようなものであり、なぜアダム・スミスという特定の思想家により見出されたのか。古典古代から近代にわたり、その問題意識と思考の源泉の配置過程をたどり、彼の社会観が独自に産み出した画期性を示す。
『社会経済史学』Vol.80, No.3、153-155頁、評者:安元稔氏
『イギリス哲学研究』第38号(2015)、67-68頁、評者:森岡邦泰氏
『イギリス哲学研究』第38号(2015)、67-68頁、評者:森岡邦泰氏
野原 慎司(のはら しんじ)
1980年 大阪府生まれ
2004年 京都大学経済学部卒業
2010年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程 研究指導認定退学
2012年 同課程 経済システム分析専攻修了。京都大学博士(経済学)
現在 京都大学大学院経済学研究科・関西大学経済学部・甲南大学文学部・京都第一赤十字看護学校非常勤講師
専攻
経済学、経済学史、社会思想史、経済・社会哲学
主要著作
「17世紀末イングランド常備軍論争—商業と国制—」『イギリス哲学研究』第30号、2007年3月、“Adam Smith on the cyclicity of the rise and fall of civilization", The Kyoto Economic Review, Vol. 79(1), June 2010, pp. 77—89, 「帝国と自治の関係をめぐって—チャールズ・ダヴナントの北アメリカ植民地論を中心に—」『思想』(岩波書店)2011年7月号。
1980年 大阪府生まれ
2004年 京都大学経済学部卒業
2010年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程 研究指導認定退学
2012年 同課程 経済システム分析専攻修了。京都大学博士(経済学)
現在 京都大学大学院経済学研究科・関西大学経済学部・甲南大学文学部・京都第一赤十字看護学校非常勤講師
専攻
経済学、経済学史、社会思想史、経済・社会哲学
主要著作
「17世紀末イングランド常備軍論争—商業と国制—」『イギリス哲学研究』第30号、2007年3月、“Adam Smith on the cyclicity of the rise and fall of civilization", The Kyoto Economic Review, Vol. 79(1), June 2010, pp. 77—89, 「帝国と自治の関係をめぐって—チャールズ・ダヴナントの北アメリカ植民地論を中心に—」『思想』(岩波書店)2011年7月号。
序
I なぜ市場は見出されたのか
II スミスにおける人間と社会
III スミスの経済社会観
IV 正義と慈恵
V 政治社会と経済社会の関係をめぐる研究誌
VI 自由という価値観
VII 経済主体と意志
VIII 時代背景
IX 本書の視角
第1章 十七世紀末イングランド常備軍論争——商業と国制
I はじめに
II 常備軍の歴史と研究誌
III トレンチャードの常備軍批判
IV デフォーの常備軍擁護論
V ダヴナントの独自性
VI おわりに
第2章 帝国と自治の関係をめぐって
——チャールズ・ダヴナントの北アメリカ植民地論を中心に
I はじめに
II 時代状況
III ダヴナントにおける帝国・自由・植民地
IV ダヴナントの北アメリカ植民地論
V アメリカ植民地の将来
VI おわりに
第3章 統治学と商業の精神
I はじめに
II マキァヴェッリによるアポリア——征服か防衛か
III サン・ピエールの永久平和構想
IV 商業の精神と統治学
V おわりに
第4章 分業と位階秩序と権力の連関をめぐって
I はじめに
II プラトン以来の分業論と位階秩序
III 統治をめぐる困難
IV 社交性の原理
V スコットランドにおける自然法学の受容
VI 分業論にひそむ位階秩序的含意
VII 統治の難問の解決の困難さ
VIII おわりに
第5章 初期近代における利己心論の系譜
I はじめに
II ホッブズの能力的平等論
III プーフェンドルフの二元的利己心論
IV 個人の生と利己心
V 利己心論という闇
VI ルソーとスミスにおける虚栄と利己心
VII おわりに
第6章 政治社会と個人の葛藤——自由の基礎をめぐって
I はじめに
II 『カトーの手紙』の統治論
III 『カトーの手紙』の自由観
IV 社会と個人の葛藤
V おわりに
第7章 一七四〇年代の自然観の転換——自然誌・言語・分業
I はじめに
II 時計仕掛けの世界観
III 生命をどう説明するか
IV 生物の観察による知識の発達とプルーシュの分業論
V ビュフォンにおける発達論への転換
VI ビュフォンとスミス
VII 言語起源論
VIII おわりに
第8章 十八世紀中葉における文明社会史観の諸相——チュルゴ、ミラボー、スミス
I はじめに
II チュルゴの螺旋階段式進歩観
III ミラボーの農業社会のイデオロギー性
IV スミスの商業社会観の含意
V おわりに
第9章 アダム・スミスによる経済主体の発見
I はじめに
II 経済循環をめぐる諸理論の比較とスミスによる経済学のミクロ的基礎の発見
III スミスによる経済主体の発見
IV 資源の最適配分
V おわりに
終章 アダム・スミスにおける経済と統治——結語に代えて
I はじめに
II 自由の歴史的基礎
III スミスの統治学の前提としての経済社会の空間
IV スミスのポリス論の起源
V スミスの統治学
VI おわりに
あとがき
参考文献
注
索引
I なぜ市場は見出されたのか
II スミスにおける人間と社会
III スミスの経済社会観
IV 正義と慈恵
V 政治社会と経済社会の関係をめぐる研究誌
VI 自由という価値観
VII 経済主体と意志
VIII 時代背景
IX 本書の視角
第1章 十七世紀末イングランド常備軍論争——商業と国制
I はじめに
II 常備軍の歴史と研究誌
III トレンチャードの常備軍批判
IV デフォーの常備軍擁護論
V ダヴナントの独自性
VI おわりに
第2章 帝国と自治の関係をめぐって
——チャールズ・ダヴナントの北アメリカ植民地論を中心に
I はじめに
II 時代状況
III ダヴナントにおける帝国・自由・植民地
IV ダヴナントの北アメリカ植民地論
V アメリカ植民地の将来
VI おわりに
第3章 統治学と商業の精神
I はじめに
II マキァヴェッリによるアポリア——征服か防衛か
III サン・ピエールの永久平和構想
IV 商業の精神と統治学
V おわりに
第4章 分業と位階秩序と権力の連関をめぐって
I はじめに
II プラトン以来の分業論と位階秩序
III 統治をめぐる困難
IV 社交性の原理
V スコットランドにおける自然法学の受容
VI 分業論にひそむ位階秩序的含意
VII 統治の難問の解決の困難さ
VIII おわりに
第5章 初期近代における利己心論の系譜
I はじめに
II ホッブズの能力的平等論
III プーフェンドルフの二元的利己心論
IV 個人の生と利己心
V 利己心論という闇
VI ルソーとスミスにおける虚栄と利己心
VII おわりに
第6章 政治社会と個人の葛藤——自由の基礎をめぐって
I はじめに
II 『カトーの手紙』の統治論
III 『カトーの手紙』の自由観
IV 社会と個人の葛藤
V おわりに
第7章 一七四〇年代の自然観の転換——自然誌・言語・分業
I はじめに
II 時計仕掛けの世界観
III 生命をどう説明するか
IV 生物の観察による知識の発達とプルーシュの分業論
V ビュフォンにおける発達論への転換
VI ビュフォンとスミス
VII 言語起源論
VIII おわりに
第8章 十八世紀中葉における文明社会史観の諸相——チュルゴ、ミラボー、スミス
I はじめに
II チュルゴの螺旋階段式進歩観
III ミラボーの農業社会のイデオロギー性
IV スミスの商業社会観の含意
V おわりに
第9章 アダム・スミスによる経済主体の発見
I はじめに
II 経済循環をめぐる諸理論の比較とスミスによる経済学のミクロ的基礎の発見
III スミスによる経済主体の発見
IV 資源の最適配分
V おわりに
終章 アダム・スミスにおける経済と統治——結語に代えて
I はじめに
II 自由の歴史的基礎
III スミスの統治学の前提としての経済社会の空間
IV スミスのポリス論の起源
V スミスの統治学
VI おわりに
あとがき
参考文献
注
索引