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コリアン・ディアスポラと東アジア社会
A5上製・334頁
ISBN: 9784876982585
発行年月: 2013/08
戦間期の日本帝国による植民地支配,戦後の東アジアにおける暴力的冷戦構造,また冷戦後のグローバルな新自由主義的秩序——相次ぐ社会構造の変動は奔流のような人びとの移動を生んだ。移動を余儀なくされた先々で人びとは生き抜くためにどのような共同性を創造/想像したのか。日本・韓国・中国の事例から浮かび上がる実像を鋭く抉る。
『移民政策研究』6、239-240頁、評者:瀬戸一郎氏
『社会学評論』Vol.65 No.2、298-299頁、評者:鄭暎恵氏
『社会学評論』Vol.65 No.2、298-299頁、評者:鄭暎恵氏
松田素二(まつだ もとじ) [はじめに,おわりに]
京都大学大学院文学研究科教員。 ナイロビ大学社会学科大学院修了。文学博士。専攻:社会人間学。
主な著作:『日常人類学宣言』(世界思想社,2009 年),『呪医の末裔』(講談社, 2003 年),『抵抗する都市』(岩波書店,1999 年),Urbanisation From Below(Kyoto University Press, 1998 年)など。
鄭 根埴(ちょん ぐんしく) [序章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科教授。
ソウル大学校社会科学大学社会学科卒業。文学博士。専攻:歴史社会学,社 会運動論,身体の社会学。
主な著作:『生活の中の植民地主義』(編,人文書院,2004 年),『韓国原爆 被害者苦痛の歴史:広島・長崎の記憶と証言』(編,市場淳子訳,明石書店, 2008 年),『植民地の遺産, 国家形成,韓国の民主主義 1, 2』(編,チェクセ サン,2012 年)(『식민지 유산 국가 형성 한국 민주주의 1, 2』(편,책세상, 2012 년)。
山口健一(やまぐち けんいち) [第1章]
福山市立大学都市経営学部講師。
東北大学大学院情報科学研究科博士課程後期修了,博士(情報科学)。 専攻:シンボリック相互行為論,共生社会論。 主な著作:「A・ストラウスの社会的世界論における「混交」の論理」『社会学研 究』第 82 号(東北社会学研究会,2007 年),「多様な意見に開かれたコミュニケー ションへ」『都市をデザインする』(「福山市立大学開学記念論集」編集委員会編, 児島書店,2011 年)。
山根美紀(やまね みき) [第2章]
元京都大学大学院教育学研究科博士課程大学院生。専攻:教育史。
主な著作:「在日朝鮮人にとっての夜間中学―ライフヒストリーからのアプロー チ―」『龍谷大学経済学論集』(第 49 巻 1 号,2009 年 9 月),「オモニがうたう竹田 の子守唄―改進地区の「おかあちゃん」との出会い―」龍谷大学同和問題研究委 員会『同和問題研究資料 高瀬川を歩く V』(2007 年 3 月)。
権 香淑(くぉん ひゃんすく) [第3章]
早稲田大学アジア研究機構招聘研究員。恵泉女学園大学及び専修大学兼任講師。
上智大学大学院外国語学研究科博士課程修了。博士(国際関係論)。専攻:国際 関係論,国際社会学,東北アジア地域研究。
主な著作:『移動する朝鮮族 ― エスニック・マイノリティの自己統治』(彩流 社,2011 年),『アジア学のすすめ ― アジア社会・文化編』(共著,弘文堂, 2010 年),『朝鮮族のグローバルな移動と国際ネットワーク ― 「アジア人」と してのアイデンティティを求めて』(共著,アジア経済文化研究所,2006 年)。
趙 慶喜(ちょう きょんひ) [第4章]
聖公会大学東アジア研究所研究教授。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学にて博 士号(学術)取得。研究分野:歴史社会学,植民地朝鮮の社会史,ディアスポラ論。 主な著作:『전후의 탄생』(공저 , 그린비,2013 년)(『戦後の誕生』(共著, Greenbee, 2013 年),『아시아의 접촉지대』(공저,그린비,2013 년)(『アジアの 接触地帯』(共著,Greenbee, 2013 年))。
李 洪章(り ほんじゃん) [第5章]
日本学術振興会特別研究員 PD。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科客員研究員。
京都大学大学院文学研究科社会学専修修了。博士(文学)。専攻:国際社会学。
主要業績:「朝鮮籍在日朝鮮人青年のナショナル・アイデンティティと連帯戦略」
(『社会学評論』第 61 巻 2 号),「『新しい在日朝鮮人運動』をめぐる対話形成の 課題と可能性 ― 『パラムの会』を事例として」(『ソシオロジ』第 54 巻 1 号)。
孫・片田 晶(そん・かただ あき) [第6章]
京都大学大学院文学研究科博士課程在籍。 専攻:社会学(エスニシティ研究,社会運動研究)。
橋本みゆき(はしもと みゆき) [第7章]
立教大学ほか兼任講師。 立教大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。専攻:社会学,エスニシティ。
主な著作:『在日韓国・朝鮮人の親密圏 ― 配偶者選択のストーリーから読む
〈民族〉の現在』(社会評論社,2010 年),「ウェブサイト『川崎在日コリアン生活 文化資料館』が展示するもの ― 歴史を記録する実践の論理」『多言語多文 化 ― 実践と研究』1(東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター,2008 年)。
「공생하기 위한‘가와사키 코리아타운’:‘오오힌지구’의 지역적 문맥」『재외한 인연구』28(「共に生きる『川崎コリアタウン』 ― 『おおひん地区』の地域的 文脈」『在外韓人研究』在外韓人学会,2012 年)。
山本崇記(やまもと たかのり) [第8章]
公益財団法人世界人権問題研究センター専任研究員。 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。専攻:地域社会学。
主な著作:『差異の繋争点 ― 現代の差別を読み解く』(共編,ハーベスト社, 2012 年),「都市下層における住民の主体形成の論理と構造 ― 同和地区/スラ ムという分断にみる地域社会のリアリティ」(『社会学評論』第 249 号,2012 年),
「「不法占拠地域」における在日朝鮮人の記憶と集合性 ― 地域と住民という結 節点」『都市空間に潜む排除と反抗の力』(明石書店,2013 年)。
佐藤暁人(さとう あきひと) [第9章,翻訳序章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科博士課程在籍。専攻 : 歴史社会学,移民。
主な著作 :「재한화교와 냉전 ―동아시아 냉전과 한국 내 사회통제의 연관을 중심으로―」『기 억과 표상으로 보는 동아시아의 20 세기』(경인문화사,2013 년)(「在韓華僑と冷 戦―東アジア冷戦と韓国内社会統制の連関を中心に―」『記憶と表象から見る東 アジアの 20 世紀』(景仁文化社,2013 年))。
金 泰植(きん てし) [第10章,翻訳第 11・12 章]
獨協大学,聖心女子大学,日本体育大学各非常勤講師。
九州大学大学院比較社会文化学府博士課程単位修得退学。専攻:社会学。
主な論文:「在外国民国政参政権と在日朝鮮人の国籍をめぐる政治」(『マテシス・ウニウェルサリス』第13巻2号,獨協大学国際教養学部,2012 年),「한국 의 내셔널리즘과 재일학도의용군 표상(韓国のナショナリズムと在日学徒義勇軍 表象)」(『기억과 표상으로 보는 동아시아의 20 세기』정근식 나오노 아키코 편, 경인문화사,2013 년)。
金 成姫(きむ そんひ)[第 11 章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科修士課程修了。
主な著作:「在日同胞母国訪問事業に関する政治社会学的研究」(ソウル大学校社 会科学大学社会学科修士論文)。
朴 祐(ぱく うー)[第 12 章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科博士課程修了。
京都大学大学院文学研究科教員。 ナイロビ大学社会学科大学院修了。文学博士。専攻:社会人間学。
主な著作:『日常人類学宣言』(世界思想社,2009 年),『呪医の末裔』(講談社, 2003 年),『抵抗する都市』(岩波書店,1999 年),Urbanisation From Below(Kyoto University Press, 1998 年)など。
鄭 根埴(ちょん ぐんしく) [序章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科教授。
ソウル大学校社会科学大学社会学科卒業。文学博士。専攻:歴史社会学,社 会運動論,身体の社会学。
主な著作:『生活の中の植民地主義』(編,人文書院,2004 年),『韓国原爆 被害者苦痛の歴史:広島・長崎の記憶と証言』(編,市場淳子訳,明石書店, 2008 年),『植民地の遺産, 国家形成,韓国の民主主義 1, 2』(編,チェクセ サン,2012 年)(『식민지 유산 국가 형성 한국 민주주의 1, 2』(편,책세상, 2012 년)。
山口健一(やまぐち けんいち) [第1章]
福山市立大学都市経営学部講師。
東北大学大学院情報科学研究科博士課程後期修了,博士(情報科学)。 専攻:シンボリック相互行為論,共生社会論。 主な著作:「A・ストラウスの社会的世界論における「混交」の論理」『社会学研 究』第 82 号(東北社会学研究会,2007 年),「多様な意見に開かれたコミュニケー ションへ」『都市をデザインする』(「福山市立大学開学記念論集」編集委員会編, 児島書店,2011 年)。
山根美紀(やまね みき) [第2章]
元京都大学大学院教育学研究科博士課程大学院生。専攻:教育史。
主な著作:「在日朝鮮人にとっての夜間中学―ライフヒストリーからのアプロー チ―」『龍谷大学経済学論集』(第 49 巻 1 号,2009 年 9 月),「オモニがうたう竹田 の子守唄―改進地区の「おかあちゃん」との出会い―」龍谷大学同和問題研究委 員会『同和問題研究資料 高瀬川を歩く V』(2007 年 3 月)。
権 香淑(くぉん ひゃんすく) [第3章]
早稲田大学アジア研究機構招聘研究員。恵泉女学園大学及び専修大学兼任講師。
上智大学大学院外国語学研究科博士課程修了。博士(国際関係論)。専攻:国際 関係論,国際社会学,東北アジア地域研究。
主な著作:『移動する朝鮮族 ― エスニック・マイノリティの自己統治』(彩流 社,2011 年),『アジア学のすすめ ― アジア社会・文化編』(共著,弘文堂, 2010 年),『朝鮮族のグローバルな移動と国際ネットワーク ― 「アジア人」と してのアイデンティティを求めて』(共著,アジア経済文化研究所,2006 年)。
趙 慶喜(ちょう きょんひ) [第4章]
聖公会大学東アジア研究所研究教授。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学にて博 士号(学術)取得。研究分野:歴史社会学,植民地朝鮮の社会史,ディアスポラ論。 主な著作:『전후의 탄생』(공저 , 그린비,2013 년)(『戦後の誕生』(共著, Greenbee, 2013 年),『아시아의 접촉지대』(공저,그린비,2013 년)(『アジアの 接触地帯』(共著,Greenbee, 2013 年))。
李 洪章(り ほんじゃん) [第5章]
日本学術振興会特別研究員 PD。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科客員研究員。
京都大学大学院文学研究科社会学専修修了。博士(文学)。専攻:国際社会学。
主要業績:「朝鮮籍在日朝鮮人青年のナショナル・アイデンティティと連帯戦略」
(『社会学評論』第 61 巻 2 号),「『新しい在日朝鮮人運動』をめぐる対話形成の 課題と可能性 ― 『パラムの会』を事例として」(『ソシオロジ』第 54 巻 1 号)。
孫・片田 晶(そん・かただ あき) [第6章]
京都大学大学院文学研究科博士課程在籍。 専攻:社会学(エスニシティ研究,社会運動研究)。
橋本みゆき(はしもと みゆき) [第7章]
立教大学ほか兼任講師。 立教大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。専攻:社会学,エスニシティ。
主な著作:『在日韓国・朝鮮人の親密圏 ― 配偶者選択のストーリーから読む
〈民族〉の現在』(社会評論社,2010 年),「ウェブサイト『川崎在日コリアン生活 文化資料館』が展示するもの ― 歴史を記録する実践の論理」『多言語多文 化 ― 実践と研究』1(東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター,2008 年)。
「공생하기 위한‘가와사키 코리아타운’:‘오오힌지구’의 지역적 문맥」『재외한 인연구』28(「共に生きる『川崎コリアタウン』 ― 『おおひん地区』の地域的 文脈」『在外韓人研究』在外韓人学会,2012 年)。
山本崇記(やまもと たかのり) [第8章]
公益財団法人世界人権問題研究センター専任研究員。 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。専攻:地域社会学。
主な著作:『差異の繋争点 ― 現代の差別を読み解く』(共編,ハーベスト社, 2012 年),「都市下層における住民の主体形成の論理と構造 ― 同和地区/スラ ムという分断にみる地域社会のリアリティ」(『社会学評論』第 249 号,2012 年),
「「不法占拠地域」における在日朝鮮人の記憶と集合性 ― 地域と住民という結 節点」『都市空間に潜む排除と反抗の力』(明石書店,2013 年)。
佐藤暁人(さとう あきひと) [第9章,翻訳序章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科博士課程在籍。専攻 : 歴史社会学,移民。
主な著作 :「재한화교와 냉전 ―동아시아 냉전과 한국 내 사회통제의 연관을 중심으로―」『기 억과 표상으로 보는 동아시아의 20 세기』(경인문화사,2013 년)(「在韓華僑と冷 戦―東アジア冷戦と韓国内社会統制の連関を中心に―」『記憶と表象から見る東 アジアの 20 世紀』(景仁文化社,2013 年))。
金 泰植(きん てし) [第10章,翻訳第 11・12 章]
獨協大学,聖心女子大学,日本体育大学各非常勤講師。
九州大学大学院比較社会文化学府博士課程単位修得退学。専攻:社会学。
主な論文:「在外国民国政参政権と在日朝鮮人の国籍をめぐる政治」(『マテシス・ウニウェルサリス』第13巻2号,獨協大学国際教養学部,2012 年),「한국 의 내셔널리즘과 재일학도의용군 표상(韓国のナショナリズムと在日学徒義勇軍 表象)」(『기억과 표상으로 보는 동아시아의 20 세기』정근식 나오노 아키코 편, 경인문화사,2013 년)。
金 成姫(きむ そんひ)[第 11 章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科修士課程修了。
主な著作:「在日同胞母国訪問事業に関する政治社会学的研究」(ソウル大学校社 会科学大学社会学科修士論文)。
朴 祐(ぱく うー)[第 12 章]
ソウル大学校社会科学大学社会学科博士課程修了。
はじめに [松田素二]
序 章 コリアン・ディアスポラの形成と再編成 [鄭 根埴]
1 ディアスポラとは
2 植民地主義と近代の「離散」
3 冷戦による分断とディアスポラ
4 ポスト冷戦とディアスポラの解体
5 コリアン・ディアスポラ研究の進展のために
第I部 コリアン・ディアスポラの民族関係−−東アジア社会から
第1章 在日朝鮮人−日本人間の〈親密な公共圏〉形成
—−「パラムせんだい」において「対話」はいかに成立したのか? [山口健一]
1 はじめに
2 〈現代日本社会〉と「公共圏」としての「パラムせんだい」
3 「パラムせんだい」における「対話」の社会的結合様式
4 むすびにかえて
第2章 在日朝鮮人女性の識字教育の構造
—−1970—1980年代京都・九条オモニ学校における教師の主体に着目して [山根実紀]
1 はじめに—在日朝鮮人女性と識字教育—
2 南部教会再建運動と九条オモニ学校
3 九条オモニ学校における教師の語り
4 おわりに—識字教育構造と教師の関係性—
第3章 「見えない朝鮮族」とエスニシティ論の地平
−−日本の新聞報道を手掛かりに [権 香淑]
1 「見えない朝鮮族」をめぐる問題構制
2 朝鮮族をめぐる報道内容とその傾向
3 朝鮮族の報道内容から読み取れるもの
4 エスニシティ論の地平を拓くために
第4章 ポスト冷戦期における在日朝鮮人の移動と境界の政治 [趙 慶喜]
1 ディアスポラの逆移動
2 境界線上の国籍
3 民族 / 多文化のダブル・スタンダードを超えて
4 〈想像的移動〉の効果
5 むすびにかえて
第II部 民族的共同性生成の現場—日本社会から
第5章 在日朝鮮人のナショナル・アイデンティティを再考する
—−3・4世朝鮮籍者の「共和国」をめぐる語りを手がかりに [李 洪章]
1 目的と問題意識—多彩な在日朝鮮人のナショナル・アイデンティティ
2 朝鮮籍とは何か—管理体制の変遷と現在
3 ナショナル・アイデンティティ論導入の有用性
4 インタビュー・データの分析
5 能動的かつ主体的なナショナル・アイデンティティ形成
6 おわりに—脱植民地主義思想としてのディアスポラ
第6章 多様性と響き合う「在日朝鮮人」アイデンティティ
−—在日3世学生たちの学びの運動から [孫・片田 晶]
1 在日アイデンティティの課題
2 マイノリティの運動とアイデンティティの「ジレンマ」
3 韓学同京都の「在日朝鮮人」アイデンティティ
4 多様な個人史と相互作用する「在日朝鮮人」アイデンティティ
5 学びと連帯のアイデンティティの運動
6 多様なアイデンティティの枠組みの可能性
第7章 民族間結婚による「近さ」の再編—−2人の在日朝鮮人男性の「特殊」な結婚事例から [橋本みゆき]
1 民族間結婚はいつまで「困難」なのか
2 インタビュー調査について
3 事例1 洪英甫の結婚
4 事例2 具守連の結婚
5 共同体を横断する親密圏
6 おわりに
第8章 在日朝鮮人の居住と共同性—「不法占拠」という地平からの一考察 [山本崇記]
1 「不法占拠」 / スクオッティングの間
2 居住と共同性へのアプローチ
3 「不法占拠」という地平
4 共同性の剔抉へ—モノグラフの必要性
第III部 「在外同胞」と民族意識—韓国社会から
第9章 在外同胞法と在韓外国人の法的地位変遷の関係性 [佐藤暁人]
1 在韓外国人の法的地位をめぐる課題
2 在韓外国人の法的地位:在外同胞法以前
3 在韓外国人の法的地位の変遷:在外同胞法制定を契機に
4 在韓外国人の法的地位:在外同胞法制定以降
5 おわりに 在外同胞法と公共性
第10章 祖国とディアスポラ—1970年代韓国映画における在日朝鮮人表象 [金 泰植]
1 朴正煕政権と国民的記憶の創出
2 朴正煕政権と在日朝鮮人
3 『EXPO70東京作戦』(1970)
4 『帰ってきた八道江山』(1976)
5 在日朝鮮人表象の政治性
第11章 1970年代在日同胞母国訪問事業に関する政治社会学的考察 [金 成姫(金 泰植 訳)]
1 問題意識—母国訪問事業と韓国社会
2 「在日同胞母国訪問事業」とは何か
3 母国訪問事業の意義
4 結論
第12章 経済的インセンティブと「道具的民族主義」
−—在韓中国朝鮮族を中心に [朴 佑(金 泰植 訳)]
1 研究目的および問題提起
2 朝鮮族労働者の韓国進出:制度的背景と経済社会的特性
3 朝鮮族留学生の韓国留学:制度的背景と経済社会的特性
4 経済的インセンティブ,そして「道具的民族主義」
5 道具的民族主義と「アイデンティティの変容」
あとがき [松田素二・鄭 根埴]
索 引
執筆・翻訳者紹介
序 章 コリアン・ディアスポラの形成と再編成 [鄭 根埴]
1 ディアスポラとは
2 植民地主義と近代の「離散」
3 冷戦による分断とディアスポラ
4 ポスト冷戦とディアスポラの解体
5 コリアン・ディアスポラ研究の進展のために
第I部 コリアン・ディアスポラの民族関係−−東アジア社会から
第1章 在日朝鮮人−日本人間の〈親密な公共圏〉形成
—−「パラムせんだい」において「対話」はいかに成立したのか? [山口健一]
1 はじめに
2 〈現代日本社会〉と「公共圏」としての「パラムせんだい」
3 「パラムせんだい」における「対話」の社会的結合様式
4 むすびにかえて
第2章 在日朝鮮人女性の識字教育の構造
—−1970—1980年代京都・九条オモニ学校における教師の主体に着目して [山根実紀]
1 はじめに—在日朝鮮人女性と識字教育—
2 南部教会再建運動と九条オモニ学校
3 九条オモニ学校における教師の語り
4 おわりに—識字教育構造と教師の関係性—
第3章 「見えない朝鮮族」とエスニシティ論の地平
−−日本の新聞報道を手掛かりに [権 香淑]
1 「見えない朝鮮族」をめぐる問題構制
2 朝鮮族をめぐる報道内容とその傾向
3 朝鮮族の報道内容から読み取れるもの
4 エスニシティ論の地平を拓くために
第4章 ポスト冷戦期における在日朝鮮人の移動と境界の政治 [趙 慶喜]
1 ディアスポラの逆移動
2 境界線上の国籍
3 民族 / 多文化のダブル・スタンダードを超えて
4 〈想像的移動〉の効果
5 むすびにかえて
第II部 民族的共同性生成の現場—日本社会から
第5章 在日朝鮮人のナショナル・アイデンティティを再考する
—−3・4世朝鮮籍者の「共和国」をめぐる語りを手がかりに [李 洪章]
1 目的と問題意識—多彩な在日朝鮮人のナショナル・アイデンティティ
2 朝鮮籍とは何か—管理体制の変遷と現在
3 ナショナル・アイデンティティ論導入の有用性
4 インタビュー・データの分析
5 能動的かつ主体的なナショナル・アイデンティティ形成
6 おわりに—脱植民地主義思想としてのディアスポラ
第6章 多様性と響き合う「在日朝鮮人」アイデンティティ
−—在日3世学生たちの学びの運動から [孫・片田 晶]
1 在日アイデンティティの課題
2 マイノリティの運動とアイデンティティの「ジレンマ」
3 韓学同京都の「在日朝鮮人」アイデンティティ
4 多様な個人史と相互作用する「在日朝鮮人」アイデンティティ
5 学びと連帯のアイデンティティの運動
6 多様なアイデンティティの枠組みの可能性
第7章 民族間結婚による「近さ」の再編—−2人の在日朝鮮人男性の「特殊」な結婚事例から [橋本みゆき]
1 民族間結婚はいつまで「困難」なのか
2 インタビュー調査について
3 事例1 洪英甫の結婚
4 事例2 具守連の結婚
5 共同体を横断する親密圏
6 おわりに
第8章 在日朝鮮人の居住と共同性—「不法占拠」という地平からの一考察 [山本崇記]
1 「不法占拠」 / スクオッティングの間
2 居住と共同性へのアプローチ
3 「不法占拠」という地平
4 共同性の剔抉へ—モノグラフの必要性
第III部 「在外同胞」と民族意識—韓国社会から
第9章 在外同胞法と在韓外国人の法的地位変遷の関係性 [佐藤暁人]
1 在韓外国人の法的地位をめぐる課題
2 在韓外国人の法的地位:在外同胞法以前
3 在韓外国人の法的地位の変遷:在外同胞法制定を契機に
4 在韓外国人の法的地位:在外同胞法制定以降
5 おわりに 在外同胞法と公共性
第10章 祖国とディアスポラ—1970年代韓国映画における在日朝鮮人表象 [金 泰植]
1 朴正煕政権と国民的記憶の創出
2 朴正煕政権と在日朝鮮人
3 『EXPO70東京作戦』(1970)
4 『帰ってきた八道江山』(1976)
5 在日朝鮮人表象の政治性
第11章 1970年代在日同胞母国訪問事業に関する政治社会学的考察 [金 成姫(金 泰植 訳)]
1 問題意識—母国訪問事業と韓国社会
2 「在日同胞母国訪問事業」とは何か
3 母国訪問事業の意義
4 結論
第12章 経済的インセンティブと「道具的民族主義」
−—在韓中国朝鮮族を中心に [朴 佑(金 泰植 訳)]
1 研究目的および問題提起
2 朝鮮族労働者の韓国進出:制度的背景と経済社会的特性
3 朝鮮族留学生の韓国留学:制度的背景と経済社会的特性
4 経済的インセンティブ,そして「道具的民族主義」
5 道具的民族主義と「アイデンティティの変容」
あとがき [松田素二・鄭 根埴]
索 引
執筆・翻訳者紹介