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プリミエ・コレクション 150

国境を使いこなす

ウガンダ北部ウェスト・ナイル紛争後の開発と周縁性のポリティクス

山崎 暢子

A5上製・340頁

ISBN: 9784814006595

発行年月: 2026/04

  • 本体: 4,800円(税込 5,280円
  • 在庫あり
 
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内容

国家の中心部から離れているがゆえに周縁化されてきたとされる「国境地帯」。とりわけアフリカには、国家が積極的に管理しようとしない広大な土地があるというのが従来の見方であった。しかしそれは今、大きく変わろうとしている。国家は経済発展のために周縁社会を取り込もうとし、周縁社会もまた、国家の接近を利用しているのだ。動乱の世紀を経たウガンダを舞台に、身体を張ったフィールドワークで、“中心―周縁”論に大きな見直しを迫る意欲作。

プロフィール

山崎 暢子 (やまざき のぶこ)
京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員,ハーバード大学燕京研究所客員研究員などを経て現在,国立民族学博物館特任助教/人間文化研究機構 人間文化研究創発センター研究員。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。専門はアフリカ地域研究,文化人類学。おもな著作にNew Perspectives on State Borders in Globalized Africa.(分担執筆,Routledge,2022年),佐川徹・竹沢尚一郎・松本尚之編『歴史が生みだす紛争,紛争が生みだす歴史―現代アフリカにおける暴力と和解』(分担執筆,春風社,2024年),吉田昌夫・白石壮一郎編『ウガンダを知るための62章』(分担執筆,明石書店,2024年)など。

目次

はじめに
1 白い柱
2 国境地帯における周縁性というテーマに行きついた経緯
3 領域(分野)横断としての越境
4 用語について
5 本書の目的と構成
6 現地語と地名・国名の表記について
第1 章 序論 国境を捉える視角
1 国境地帯の周縁性と動態
2 境界研究とアフリカ研究の接続
3 国境線の資源化
4 周縁社会の開発
5 本書の位置づけと意義
第2 章 ウェスト・ナイルの土地と人びと
1 自然と生業
2 諸民族と言語
3 ルグバラの社会構造
4 調査村の特徴
5 村の食事と農作業
6 調査方法と期間
コラム1 独立の日の味
第3 章 ウガンダ近現代におけるウェスト・ナイル
1 領域線の画定と帰属の変遷
1-1 エクアトリア統治とナイル遡行
1-2 ウガンダ保護領へ
2 アフリカ諸国の独立と国際情勢
2-1 ウガンダの独立と国境線・領域線
2-2 国際社会のなかのウガンダ―独立後の政治経済
2-3 分断の予兆
コラム2 「奥地」の狩猟と人びとの声
第4 章 創り出された周縁性
1 地域間格差と地域イメージの形成
1-1 王国と無頭制社会
1-2 プランテーションへの出稼ぎと交通網
1-3 治安部隊への採用
1-4 度重なる政変
1-5 アミン政権期の暴力とウェスト・ナイルの周縁性
2  ポリティカル・インストルメントとしてのステレオタイプ再生産
2-1 マイノリティの台頭
2-2 長期政権の正統性維持とメディア利用
2-3 再生産される他者表象
コラム3 海の向こうのサトウキビ畑
第5 章 強制移動と国境線
1 紛争の性質
2 (避)難民の重層的な属性と紛争下の生計戦略
2-1 親族を頼って越境した人びと
2-2 国境付近への避難と短期間での帰還
2-3 村との往来による食料の確保
3 帰還と再定住,再会と離別
4 学業の再開
5 国境線が「多孔質」であること
コラム4 「わたしたち」の祝日
第6 章 国境地帯の(再)開発
1 開発潮流の実像と両義的性質
1-1 1990 年代から2000 年代の紛争
1-2 NRM 解放の日
1-3 交通インフラ整備と空間の再編
1-4 ダム建設と電力供給
2 開発の影響と人びとの応答
2-1 開発にともなう土地価格の高騰
2-2 ウェスト・ナイル初の国立大学設立とSTEM 教育の推進
3 統治性の強化と住民の抵抗
3-1 統治性の強化
3-2 変わりつつある社会と住民の抵抗
コラム5 国境地帯におけるフィールドワーク
第7 章 国境線上の市場と域内・越境交易
1 紛争と市場の盛衰
2 感染症の流行と国境管理
2-1 エボラ・ウイルス病に対する防疫体制
2-2 新型コロナ・ウイルス感染症に対する防疫体制
3 住民による市場の使い分けと各市場までの移動
3-1 日常的に利用する市場
3-2 近隣農村の市場
3-3 カンパラ・キンシャサ市場
3-4 アルア中央市場
3-5 各市場までの移動手段
4 カンパラ市場の設立と運営,拡大
4-1 行政によるカンパラ市場の運営
4-2 カンパラ市場の賑わい
5 周縁を必要とする「中心」
コラム6 好機を求める人びと
第8 章 結論
1 「支流」としての周縁性
2 国家のウェスト・ナイルへの「接近」
3 ひらかれた周縁性―中心vs 周縁を超えて
謝辞
引用文献
索引
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