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学術選書 117

維新京都 医学の開花

カルテを作ったお雇い外国人ヨンケル

藤田 晢也

四六並製・208頁

ISBN: 9784814005772

発行年月: 2025/02

  • 本体: 2,200円(税込 2,420円

2月上旬発売予定

 
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内容

明治時代にドイツから来日したお雇い外国人医師、ヨンケル・フォン・ランゲック。京都初の本格的な近代病院である京都療病院の初代教師となった彼は、麻酔法や消毒法、カルテを使った医療情報システムを日本に導入し、精神病治療にも革新をもたらした。資料の消失により長く忘れられていた彼の軌跡を掘り起こし、日本における西洋医学の黎明期を描く医学史ドキュメンタリー。

プロフィール

藤田晢也(ふじた せつや)
公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員、京都府立医科大学元学長

目次

■ 目次より
はじめに
第Ⅰ部 西洋医学への胎動
第1章 お雇い外国人医師、京都へ
1 見せつけられた西洋医学の驚異
2 京都への西洋医学の導入
3 ヨンケル・フォン・ランゲックという人物
4 ヨンケル、日本政府に雇われる
第2章 念願の西洋医学病院と医学校
1 療病院の開院と「京都療病院新聞」の発行
2 日本の赤十字ロゴマークの謎
3 ヨンケルが創案したカルテという情報システム
4 ヨンケル、教壇に立つ
5 假牧畜で牛痘ワクチン作り
第Ⅱ部 京都から発した日本近代医学のビッグバン
第3章 麻酔によって目覚めた日本の近代医療
ヨンケルの吸入麻酔器とウィリアム・ウイリスの活躍
1 華岡青洲による世界最初の無痛乳癌切除
2 エーテル麻酔法とクロロフォルム麻酔法の発明
3 ヨンケルの発明した吸入麻酔器
4 名外科医スペンサー・ウェルズとヨンケルの麻酔器
5 ヨンケルの麻酔器と明治維新とウイリス
第4章 日本の近代精神病学のあけぼの
ヨンケルが持ってきたヨーロッパの近代精神病学
1 ヨーロッパにおける精神病学の事情
2 ヨンケルによって一変した京都の精神病治療
3 幕末における南禅寺の窮状と東山天華
第5章 石炭酸消毒法の導入
日本近代外科学と衛生学の夜明け
1 日本へ石炭酸消毒法を初めて導入したヨンケル
2 公衆衛生と石炭酸消毒
3 ヨンケルをめぐる記録欠落の謎
4 外科手術への石炭酸消毒法の応用
5 生死を分けた石炭酸消毒法の威力
第Ⅲ部  ヨンケルからパストゥールへ
第6章 ヨンケルが残したもの
1 リスターの手紙
2 パストゥールの恩恵
3 真の文化人であったヨンケル
4 医学教育に関するヨンケルの理念
5 帰国後のヨンケル
あとがき
索引
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