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さまざまな情報メディアが溢れる現代、「本」の存在意義は何なのか? 読書が有益にはたらくと言われている言葉・人格・精神的健康・身体的健康・学カ・仕事(収入)の6要素について、その効果を科学的に評価。そこに確かに存在するが決して万能ではなく時として弊害も伴う「読書の力」をありのままに描き出す。読書の力をうまく利用するための3つの原則も提案。教育者、保護者、本好きの方、本が苦手な方、すべての人に送る処方箋。
猪原 敬介(いのはら けいすけ)
北里大学一般教育部専任講師。専門は教育心理学・認知科学。京都大学大学院教育学研究科修了。博士(教育学)。読書が語彙力・文章理解力にもたらす効果を中心に,調査・実験・計算モデルを組み合わせた多角的な研究を行っている。毎年,複数の小学校で読書と語彙・読解・作文の関係についての縦断的調査(追跡調査)を行い,学校へのフィードバックも行っている。著書に『読書と言語能力:言葉の「用法」がもたらす学習効果』(京都大学学術出版会)がある。
北里大学一般教育部専任講師。専門は教育心理学・認知科学。京都大学大学院教育学研究科修了。博士(教育学)。読書が語彙力・文章理解力にもたらす効果を中心に,調査・実験・計算モデルを組み合わせた多角的な研究を行っている。毎年,複数の小学校で読書と語彙・読解・作文の関係についての縦断的調査(追跡調査)を行い,学校へのフィードバックも行っている。著書に『読書と言語能力:言葉の「用法」がもたらす学習効果』(京都大学学術出版会)がある。
猪原敬介著『読書と言語能力』
はじめに──読書は社会にとって必要か?
第Ⅰ部 読書の力を正しく知るために
第1章 読書研究を見る目を養う
1.1 専門用語について──相関係数・メタ分析・横断/縦断調査
1.2 「読書行動」の概念について──量的側面と質的側面の考慮で研究の切り口は膨大になる
1.3 読書行動の測定法──読書をどうやって測るべきなのか
第2章 誰がどれくらい読んでいるのか
2.1 児童・生徒の読書活動──読書離れは起きていないが読書活動は二極化している
2.2 大学生・成人の読書活動──日本はあまり読書に熱心ではないが二極化はここにもある
2.3 3原則との対応関係──読書行動への親和性の個人差は早期から見られる
第Ⅱ部 読書効果についての科学的研究知見
第3章 読書は言語力を伸ばすか
3.1 読書は語彙力を伸ばす
3.2 読書は文章理解力を高める
3.3 読みのマタイ効果は存在するか?
3.4 読書は「書く力」も高める
3.5 3原則との対応関係──特に語彙力は気長に構えた読書でじっくりと
第4章 読書は人格を高めるか
4.1 読書する性格とは
4.2 物語の読書は「他者の気持ちを推し量る」力を高める
4.3 物語の読書は「良い行い」を増やす……か?
4.4 物語が文化・社会を作った
4.5 3原則との対応関係──物語は現実の補完・拡張と心得るべし
第5章 読書は心身の健康に寄与するか
5.1 読書は思春期の心理・行動的適応にプラスにもマイナスにもなる
5.2 「健全な」読書は高齢期の知能を維持し長寿に寄与する
5.3 日本人データにおけるマイナス効果について──筆者自身に浴びせられた強烈な冷や水
5.4 3原則との対応関係──自分にとって無理のないペースで気長に続けよう
第6章 読書は学力や収入を伸ばすか
6.1 「ほどほどの読書」をする児童・生徒が最も学力が高い
6.2 縦断調査でも「読書は学力を高める」という結果が得られている
6.3 読書と学力の間に存在する多様な要因
6.4 読書と収入(仕事)には正の相関関係はある
6.5 条件が整ったときに読書は収入を伸ばす
6.6 読書は学力・収入にどれほどの効果を持つのか──長期的視野に立てば読書も選択肢の一つ
6.7 さらなる背景因子「遺伝」
6.8 3原則との対応関係──成果はすぐには現れない。気長に構えた読書を
第Ⅲ部 読書とうまく付き合うために
第7章 読書の行動遺伝学
7.1 行動遺伝学と双生児法
7.2 読書行動さえも遺伝によって影響されている
7.3 遺伝は環境に影響する──遺伝と環境の相互作用
7.4 読書行動に純粋な共有環境の影響は存在するのか──日本における読書行動についての双生児研究
7.5 遺伝の影響はある──冷静に考えれば,それは当たり前のこと
第8章 読書効果をうまく利用するために
8.1 行動遺伝学が問いかける疑問
8.2 【原則1】 平均的には効果は穏やか。気長に気楽に。
8.3 【原則2】「 読みすぎ」は弊害を生む。目安は1日30分~1時間。
8.4 【原則3】 個人差は大きい。読書そのものが合わない人もいる。
8.5 本書から提案できる読書教育とは
おわりに──読書の“穏やかな”力を享受していくために
引用文献
索引
第Ⅰ部 読書の力を正しく知るために
第1章 読書研究を見る目を養う
1.1 専門用語について──相関係数・メタ分析・横断/縦断調査
1.2 「読書行動」の概念について──量的側面と質的側面の考慮で研究の切り口は膨大になる
1.3 読書行動の測定法──読書をどうやって測るべきなのか
第2章 誰がどれくらい読んでいるのか
2.1 児童・生徒の読書活動──読書離れは起きていないが読書活動は二極化している
2.2 大学生・成人の読書活動──日本はあまり読書に熱心ではないが二極化はここにもある
2.3 3原則との対応関係──読書行動への親和性の個人差は早期から見られる
第Ⅱ部 読書効果についての科学的研究知見
第3章 読書は言語力を伸ばすか
3.1 読書は語彙力を伸ばす
3.2 読書は文章理解力を高める
3.3 読みのマタイ効果は存在するか?
3.4 読書は「書く力」も高める
3.5 3原則との対応関係──特に語彙力は気長に構えた読書でじっくりと
第4章 読書は人格を高めるか
4.1 読書する性格とは
4.2 物語の読書は「他者の気持ちを推し量る」力を高める
4.3 物語の読書は「良い行い」を増やす……か?
4.4 物語が文化・社会を作った
4.5 3原則との対応関係──物語は現実の補完・拡張と心得るべし
第5章 読書は心身の健康に寄与するか
5.1 読書は思春期の心理・行動的適応にプラスにもマイナスにもなる
5.2 「健全な」読書は高齢期の知能を維持し長寿に寄与する
5.3 日本人データにおけるマイナス効果について──筆者自身に浴びせられた強烈な冷や水
5.4 3原則との対応関係──自分にとって無理のないペースで気長に続けよう
第6章 読書は学力や収入を伸ばすか
6.1 「ほどほどの読書」をする児童・生徒が最も学力が高い
6.2 縦断調査でも「読書は学力を高める」という結果が得られている
6.3 読書と学力の間に存在する多様な要因
6.4 読書と収入(仕事)には正の相関関係はある
6.5 条件が整ったときに読書は収入を伸ばす
6.6 読書は学力・収入にどれほどの効果を持つのか──長期的視野に立てば読書も選択肢の一つ
6.7 さらなる背景因子「遺伝」
6.8 3原則との対応関係──成果はすぐには現れない。気長に構えた読書を
第Ⅲ部 読書とうまく付き合うために
第7章 読書の行動遺伝学
7.1 行動遺伝学と双生児法
7.2 読書行動さえも遺伝によって影響されている
7.3 遺伝は環境に影響する──遺伝と環境の相互作用
7.4 読書行動に純粋な共有環境の影響は存在するのか──日本における読書行動についての双生児研究
7.5 遺伝の影響はある──冷静に考えれば,それは当たり前のこと
第8章 読書効果をうまく利用するために
8.1 行動遺伝学が問いかける疑問
8.2 【原則1】 平均的には効果は穏やか。気長に気楽に。
8.3 【原則2】「 読みすぎ」は弊害を生む。目安は1日30分~1時間。
8.4 【原則3】 個人差は大きい。読書そのものが合わない人もいる。
8.5 本書から提案できる読書教育とは
おわりに──読書の“穏やかな”力を享受していくために
引用文献
索引