ホーム > 書籍詳細ページ
京都学派のもうひとつの礎、田辺元。「種の論理」「懺悔道」「死の哲学」と展開する田辺哲学とは何か。〈倫理と宗教〉と〈社会存在論〉という二つの焦点から田辺元の思索全体に一貫した筋道を見出し、その全貌を示す。
2024年度田辺元賞
浦井 聡(うらい さとし)
1986年、三重県生まれ。2019年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2022年、博士(文学)。大谷大学文学部任期制助教を経て、現在、日本学術振興会特別研究員PD(北海道大学)。専門は日本思想、宗教哲学など。
主な著作
論文:「倫理と論理――「種の論理」における合理化の構造と意義」(『危機の時代と田辺哲学――田辺元没後60周年記念論集』、法政大学出版局、2022年)、“Shinran’s Concept of Jinen Hōni(Naturalness)from the Viewpoint of Tanabe Hajime’s Philosophy of Religion” (The Eastern Buddhist. Third series, vol. 3 no. 1, 2023)、共訳:“Tanabe Hajime: Clarifying the Meaning of the Logic of Species” (European Journal of Japanese Philosophy, vol. 8, 2023)、“Kiyozawa Manshi: The Skeleton of a Philosophy of Other-Power: A Draft” (European Journal of Japanese Philosophy, vol. 7, 2022)など。
1986年、三重県生まれ。2019年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2022年、博士(文学)。大谷大学文学部任期制助教を経て、現在、日本学術振興会特別研究員PD(北海道大学)。専門は日本思想、宗教哲学など。
主な著作
論文:「倫理と論理――「種の論理」における合理化の構造と意義」(『危機の時代と田辺哲学――田辺元没後60周年記念論集』、法政大学出版局、2022年)、“Shinran’s Concept of Jinen Hōni(Naturalness)from the Viewpoint of Tanabe Hajime’s Philosophy of Religion” (The Eastern Buddhist. Third series, vol. 3 no. 1, 2023)、共訳:“Tanabe Hajime: Clarifying the Meaning of the Logic of Species” (European Journal of Japanese Philosophy, vol. 8, 2023)、“Kiyozawa Manshi: The Skeleton of a Philosophy of Other-Power: A Draft” (European Journal of Japanese Philosophy, vol. 7, 2022)など。
はじめに
凡 例
序論 倫理と宗教――田辺哲学を貫く課題
(1)〈倫理と宗教〉と社会存在論
(2)宗教的社会存在論の受容史――田辺哲学「発見」の盲点
(3)方法と構成
第一部 田辺哲学の基本原理――絶対転換・絶対批判・絶対媒介
第一章 絶対無の形成と変容
第一節 田辺哲学における実在と自由の基盤――初期西田哲学とカント
第二節 初期田辺における実在と自由
(1)初期田辺の直観における実在との冥合
(2)弁証法的自由
(3)絶対無の成立
(4)絶対弁証法成立時における絶対無と自由の関係
第三節 「種の論理」における絶対無と自由
(1)自由の拡張――社会における自由
(2)自由と合理性――絶対合理主義の破綻と懺悔道への隘路
第四節 「懺悔道」における無即愛と自由
(1)無即愛による自由
(2)無即愛の絶対還相
第二章 理性の絶対批判に基づく「哲学ならぬ哲学」
第一節 田辺の宗教哲学の哲学的性格
(1)相対と絶対の統一――宗教と哲学の共通課題
(2)「事実そのままに知る」学としての田辺哲学
(3)絶対現実――「事実そのままに知る」の帰結
第二節 田辺哲学における信と知の関係
(1)「種の論理」以前における「要請」としての信
(2)「種の論理」以前における信と知の関係
(3)「懺悔道」における「理性に媒介された信」
(4)「懺悔道」における信と知の関係
第三章 救済の絶対媒介性
第一節 救済における二重の媒介関係
(1)無即愛の絶対媒介性
(2)救済の媒介的連鎖
第二節 救済と社会的現実
第三節 田辺の宗教理解の射程
第二部 宗教的社会存在論の解明
第四章 宗教的社会存在論の展開――「種の論理」から「愛の論理」へ
第一節 『正法眼蔵の哲学私観』――宗教的社会存在論への第一歩
第二節 『懺悔道としての哲学』――還相回向による国家存在論の再考
第三節 『実存と愛と実践』――実存協同による社会存在論の再構築
第四節 『キリスト教の弁証』――連帯懺悔による愛の連帯
第五節 「死の哲学」――菩薩道と死者との実存協同
第五章 宗教的社会存在論の構造
第一節 〈類―種―個〉の関係
第二節 種の性質
第三節 種の構造
第四節 種の拡張――国家の基体から実存協同の基体へ
第五節 種と実存協同の関係
第六章 救済の社会存在論的構造――「真の個」の生成と性質
第一節 真の個の生成
(1)真の個の位置づけ
(2)「種の論理」における真の個の生成
(3)「懺悔道」における真の個の生成の捉え直し
第二節 真の個の性質
(1)質料――血と土
(2)形相――種の形相と愛の形相
第三節 真の個の行為の性質
第七章 個の救済の展開――実存協同としての類の拡大
第一節 媒介の渦動としての個
第二節 連帯懺悔――自己の罪と共同体の罪の相関
第三節 実存協同の拡大――人類の協同に向けて
結 論
あとがき
田辺元著作目録
参考文献
英文要約
索引(人名/事項)
凡 例
序論 倫理と宗教――田辺哲学を貫く課題
(1)〈倫理と宗教〉と社会存在論
(2)宗教的社会存在論の受容史――田辺哲学「発見」の盲点
(3)方法と構成
第一部 田辺哲学の基本原理――絶対転換・絶対批判・絶対媒介
第一章 絶対無の形成と変容
第一節 田辺哲学における実在と自由の基盤――初期西田哲学とカント
第二節 初期田辺における実在と自由
(1)初期田辺の直観における実在との冥合
(2)弁証法的自由
(3)絶対無の成立
(4)絶対弁証法成立時における絶対無と自由の関係
第三節 「種の論理」における絶対無と自由
(1)自由の拡張――社会における自由
(2)自由と合理性――絶対合理主義の破綻と懺悔道への隘路
第四節 「懺悔道」における無即愛と自由
(1)無即愛による自由
(2)無即愛の絶対還相
第二章 理性の絶対批判に基づく「哲学ならぬ哲学」
第一節 田辺の宗教哲学の哲学的性格
(1)相対と絶対の統一――宗教と哲学の共通課題
(2)「事実そのままに知る」学としての田辺哲学
(3)絶対現実――「事実そのままに知る」の帰結
第二節 田辺哲学における信と知の関係
(1)「種の論理」以前における「要請」としての信
(2)「種の論理」以前における信と知の関係
(3)「懺悔道」における「理性に媒介された信」
(4)「懺悔道」における信と知の関係
第三章 救済の絶対媒介性
第一節 救済における二重の媒介関係
(1)無即愛の絶対媒介性
(2)救済の媒介的連鎖
第二節 救済と社会的現実
第三節 田辺の宗教理解の射程
第二部 宗教的社会存在論の解明
第四章 宗教的社会存在論の展開――「種の論理」から「愛の論理」へ
第一節 『正法眼蔵の哲学私観』――宗教的社会存在論への第一歩
第二節 『懺悔道としての哲学』――還相回向による国家存在論の再考
第三節 『実存と愛と実践』――実存協同による社会存在論の再構築
第四節 『キリスト教の弁証』――連帯懺悔による愛の連帯
第五節 「死の哲学」――菩薩道と死者との実存協同
第五章 宗教的社会存在論の構造
第一節 〈類―種―個〉の関係
第二節 種の性質
第三節 種の構造
第四節 種の拡張――国家の基体から実存協同の基体へ
第五節 種と実存協同の関係
第六章 救済の社会存在論的構造――「真の個」の生成と性質
第一節 真の個の生成
(1)真の個の位置づけ
(2)「種の論理」における真の個の生成
(3)「懺悔道」における真の個の生成の捉え直し
第二節 真の個の性質
(1)質料――血と土
(2)形相――種の形相と愛の形相
第三節 真の個の行為の性質
第七章 個の救済の展開――実存協同としての類の拡大
第一節 媒介の渦動としての個
第二節 連帯懺悔――自己の罪と共同体の罪の相関
第三節 実存協同の拡大――人類の協同に向けて
結 論
あとがき
田辺元著作目録
参考文献
英文要約
索引(人名/事項)