ホーム > 書籍詳細ページ

プリミエ・コレクション 122

木材がつなぐ弥生社会

木工技術論の再構築

鶴来 航介

菊上製・568頁

ISBN: 9784814004584

発行年月: 2023/02

  • 本体: 6,200円(税込 6,820円
  • 在庫あり
 
  • mixiチェック

内容

弥生社会は木材資源の大量消費社会であり、石器・金属器以上に弥生人の生活をかたちづくった。そこに残された技術の痕が、森と集落、また集落同士の関係を解き明かす鍵となる。石器・金属器に依拠して語られがちな弥生社会の姿を、後景に退いていた木工技術論が塗りかえる

プロフィール

鶴来航介(つるぎ こうすけ)
福岡市経済観光文化局文化財活用部埋蔵文化財課文化財主事。京都大学大学院文学研究科修了,博士。主な著作に,「広鍬の編年」(『史林』第101巻第3号,史学研究会,2018年),「泥除の系列」(『古代文化』第71巻第4号,古代学協会,2020年,第10回角田文衛古代学奨励賞受賞),「高地性集落と木工活動」(『季刊考古学』第157号,雄山閣,2021年)などがある。

目次

序 章 木材が紡ぐ新たな歴史像
第1節 木材と歩んだ人類史
第2節 弥生時代略説
第3節 木工論が辿りきた道
第4節 木器研究が直面する問題
第5節 本書の方法と対象

第Ⅰ部 木材加工と技術

第1章 木材加工の基礎研究
第1節 木工技術の研究史
第2節 木材加工の特質
第3節 加工動作と木工具
第4節 加工原理と木工具
小 結

第2章 木工具の運用と展開(1)木工具柄
第1節 木工具の研究史
第2節 木工具の分類視点
第3節 木工具柄の分類
小 結

第3章 木工具の運用と展開(2)柱状片刃石斧
第1節 柱状石刃の研究史
第2節 柱状石刃の分類と展開
第3節 柱状石刃の供給と生産
第4節 柱状片刃石斧の運用
第5節 細形石刃
小 結

第4章 木工具の運用と展開(3)扁平片刃石斧
第1節 扁平石刃の研究史
第2節 扁平石刃の生産
第3節 扁平石刃の分類
第4節 扁平片刃石斧の用途
小 結

第5章 木工具の運用と展開(4)鉄製木工具
第1節 鉄製木工具の研究史
第2節 板状鉄斧の形態
第3節 袋状鉄刃の着柄
第4節 木工具の展開
小 結

第6章 作業整序と製材技術
第1節 加工面の形成
第2節 作業整序の復元
第3節 八日市地方遺跡の製材技術
第4節 製材技術の展開
小 結

第Ⅱ部 木材加工と形態

第7章 木器の生産と展開(1)広鍬
第1節 広鍬の製作工程と割付技法
第2節 広鍬の分類
第3節 広鍬の変遷
第4節 広鍬生産の様相
小 結

第8章 木器の生産と展開(2)泥除
第1節 泥除の研究史
第2節 泥除を着装する鍬の変化
第3節 泥除の製作工程
第4節 泥除の分類と編年
第5節 泥除をめぐる論点
小 結

第9章 木器の生産と展開(3)刳物容器
第1節 木製高杯の研究史
第2節 木製高杯の製作技術
第3節 木製高杯の分類と変遷
第4節 刳物容器の生産
小 結

第10章 木器の生産と展開(4)食事具
第1節 食事具の研究史
第2節 匙
第3節 杓子
第4節 食事具の生産
小 結

第Ⅲ部 木材資源と弥生社会

第11章 木工体制論への視角
第1節 弥生時代の経済
第2節 資源環境の形成と分析手法
第3節 木工体制論の歩みと課題
第4節 木器の分析と解釈
第5節 木工具の分析と解釈
第6節 集落の構造と周辺環境
小 結

第12章 弥生時代の木器生産構造
第1節 弥生時代前期
第2節 弥生時代中期
第3節 弥生時代後期
小 結

第13章 弥生時代の木材供給機構
第1節 偏在性資源の利用形態
第2節 木材供給機構の発達
第3節 木材供給機構の動揺
第4節 木工文化変針期の木材供給
第5節 木材供給の構造的展開
小 結

終 章 木材と弥生社会
第1節 木工技術と弥生社会
第2節 木材利用と弥生社会
第3節 資源論への展望
第4節 今後の課題
おわりに

付  表
参考文献
資料掲載文献
図版出典
あとがき
索  引
英文要旨
このページの先頭へ