ローマ帝政期に執政官も務めた詩人による、長大な歴史叙事詩全１７歌。カルターゴーと争った第三次までのポエニー戦争のうち激烈をきわめた第二次戦役の次第を綴る。ウェルギリウス『アエネーイス』を引き継ぎ戦争の原因をローマ人への女神ユーノーの怒りとする神話的枠組の中にポリュビオスやリーウィウスらの歴史書からの題材を自在に展開させる。本分冊には第８歌までを収める。（全２冊）

高橋宏幸（たかはし　ひろゆき）
京都大学名誉教授
1956年　千葉県生まれ
1984年　京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了
2010年　京都大学博士（文学）
2022年　京都大学（大学院文学研究科教授）退職

主な著書
ウェルギリウス『アエネーイス』（共訳、京都大学学術出版会）
セネカ哲学全集『倫理書簡集Ｉ』（岩波書店）
『ギリシア神話を学ぶ人のために』（世界思想社）
『カエサル「ガリア戦記」──歴史を刻む険とペン』（岩波書店）『カエサル戦記集』（岩波書店）
ホラーティウス『書簡詩』（講談社学術文庫）
オウィディウス『ヘーローイデース──女性たちのギリシア神話』（平凡社ライブラリー）
オウィディウス『変身物語』１、２（京都大学学術出版会）