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古典戯曲と東方文化

鄭 伝寅/朱 虹 訳

A5上製・400頁

ISBN: 9784814004157

発行年月: 2023/01

  • 本体: 6,000円(税込 6,600円

2月初旬発売予定

 
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内容

歌舞と科白、韻文と散文が交じり合い、仮想性と様式性に富む東洋の伝統演劇。その共通点は文化の伝播で説明できるのか。一方で、明らかな相違点があるのはなぜか。戯曲の曲は「倚声填詞」つまり音楽に合わせて詞を作る。清代までの多数の中国古典戯曲とインドの梵劇、日本の能・狂言、ベトナムのトゥオンやチェオ、朝鮮半島の唱劇などを比較考察する。

目次

予定目次

『古典戯曲と東方文化』日本語版自序
『古典戯曲と東方文化』翻訳にあたって(朱虹)

序 論

上 篇 古典戯曲と東方演劇

第一章 インドサンスクリット劇(梵劇)と中国戯曲との比較
一、中国とインドにおける演劇の相違点
(一)戯曲と梵劇における性質の違い
(二)戯曲と梵劇における文体の違い
二、中印演劇のスタイルの「相似説」への質疑
(一)中印演劇スタイルにおける「相似説」の提起
(二)中印演劇文体の似て非なる点
三、事例分析:『張協状元』と『シャクンタラー』
(一)『張協状元』と『シャクンタラー』の共通点
(二)『張協状元』と『シャクンタラー』の相違点
第二章 日本の能楽、狂言と中国戯曲との比較
一、中国の戯曲は日本演劇の元である
(一)漢唐の「百戯」と能楽、狂言の創生
(二)元雑劇と能楽の創生
二、中日の演劇の文化的役割
(一)中国戯曲:主流文化に排斥された「異端」
(二)能楽:将軍、幕府及び大名の「式楽」
(三)狂言:能楽に従属する「式楽」
三、中日劇の形態における比較
(一)芸術構成:高度な総合化
(二)表現形式:高度な様式化
(三)審美形態:悲喜交々
四、中日の演劇のテキスト様式の比較
(一)能楽と狂言:「具体而微」の小型な演劇
(二)戯曲:「体大思精」な大型演劇
(三)能楽、狂言の役柄:シテとワキ
(四)戯曲のキャスト体制:役柄化
(五)能楽のテキスト様式
(六)狂言のテキスト様式
(七)戯曲のテキスト様式
第三章 戯曲とベトナム演劇との比較
一、戯曲とチェオとの比較
(一)戯曲とチェオの創生
(二)戯曲とチェオとの異同
二、戯曲とトゥオンとの比較
(一)戯曲とトゥオンの創生
(二)戯曲とトゥオンとの精神特質の比較
(三)戯曲とトゥオンとの形式特徴の比較
第四章 朝鮮の唱劇と戯曲との比較
一、戯曲と唱劇の創造
二、唱劇と戯曲における精神的な特質の比較
(一)倫理精神
(二)宗教の智慧
三、唱劇と戯曲形態の比較
(一)芸術構造上の高度総合
(二)審美形態上の悲喜交々

下 篇 古代戯曲と東洋宗教

第一章 東洋の宗教の特徴及び戯曲に対する意義
一、東洋宗教における若干の特徴
(一)歴史の悠久さ
(二)宗門の多様さ
(三)異教の包容
二、戯曲に対する東洋宗教の意義
(一)多神信仰と戯曲の芸術形象の摂取
(二)東洋宗教の智慧及び戯曲の独特な面貌
第二章 宋元南戯における宗教劇
一、宋代宗教の基本状況
二、宋元南戯の中の宗教劇の演目
第三章 元雑劇における宗教劇
一、金元の宗教における基本面貌
(一)金代における仏教と道教
(二)元代の仏教と道教
(三)金元時代における他の宗教
二、元代における宗教劇の演目及びテーマ
(一)仏教に関する演目とテーマ
(二)道教に関する演目とテーマ
(三)仏教道教混淆類の演目とテーマ
三、元代宗教劇が内包するもの
(一)度脱の筏
(二)処世の仕方
四、元代宗教劇の遊びの要素
(一)構造における遊戯性
(二)優れた描写における遊戯性
第四章 明代戯曲における宗教劇
一、明代宗教の基本状況
(一)明代の仏教
(二)明代の道教
(三)明代における他の宗教
二、明代宗教劇の演目とテーマ
(一)明雑劇における宗教劇の演目とテーマ
(二)明伝奇における宗教劇の演目とテーマ
三、明代宗教劇の特徴
(一)人生と人間性の追求
(二)練丹と不老長生
(三)仏道の混淆と三教合一
四、明の戯曲における宗教の腐敗に対する告発
(一)活仏は屠殺者に如かず、唖禅は自らを欺き人を欺く
(二)僧尼は財を貪り色を好んで、寺廟は汚を蔵し垢を納む
(三)悪僧は人を殺し貸を越し、盗匪と勾結して謀反す
第五章 清代戯曲における宗教劇
一、清代の宗教劇の基本状況
(一)清代の仏教
(二)清代の道教
(三)清代における他の宗教
二、清代における宗教劇の演目及びテーマ
(一)清代の雑劇における宗教劇の演目及びテーマ
(二)清の伝奇における宗教劇の演目及びテーマ
三、清代宗教劇の特徴
(一)演目の増加
(二)創造性の欠如
(三)宗教的色彩の減少
(四)世俗性の突出

『古典戯曲と東方文化』跋(武漢大学文学院教授 程芸)
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