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学術選書 094

歌う外科医、介護と出逢う

肝移植から高齢者ケアへ

阿曽沼 克弘

四六並製・186頁

ISBN: 9784814003044

発行年月: 2020/12

  • 本体: 1,800円(税込 1,980円
  • 在庫あり
 
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内容

穏やかな最期を迎えるにはどうしたらよいのか。小児外科医として最先端の生体肝移植に携わり子供たちの命を救うため東奔西走してきた医師は、ある日訪れた高齢者の病棟で、死とはどのように迎えるべきかという難問にぶつかり、高齢者ケアの道へと歩み出す。増え続ける認知症の人々のケア、地域包括ケアシステムの構築の問題、尊厳死のあり方……ときにはギターを弾いて患者たちと歌い、ときには救えなかった命への悔し涙を酒で飲み干す。医師・医療・介護を志す人たちへ贈る奮闘の記録。

書評

『芝蘭会報』第205号(2021年4月20日)、評者:齋藤信雄氏
『週刊朝日』2021年11月12日号(11月2日発売)、評者:後藤正治氏

プロフィール

阿曽沼克弘(あそぬま かつひろ)

介護老人保健施設ニューライフガラシア施設長
医学博士
1955年広島県生まれ。1981年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部外科学教室入局。
京都大学第二外科在職中には、米国ピッツバーグ大学、ハーバード大学に留学。財団法人倉敷中央病院、京都大学医学部移植免疫学講座などに勤務。熊本大学医学部附属病院移植医療学特任教授を経て、2018年より現職。
趣味はギターの弾き語り。ニューライフガラシアのイメージソング「わらうた」を自ら作詞作曲し、YouTubeなどで披露している。

目次

はじめに

第1章 医師のスタートライン
 京都大学外科学教室への入局
 飛騨高山での医師生活
 京都大学大学院への入学

第2章 奮闘する外科医
 「肝臓移植」との最初の出逢い
 小児外科医となり、その後米国へ留学
 倉敷中央病院での小児外科医としての働き
 小児外科について
 胆道閉鎖症の子供たちとの出逢い
 マイクロサージャリーとの出逢い
 生体肝移植~京大チームの挑戦~
 生体肝移植の光と影
 京都大学を辞めて再び倉敷へ
 倉敷から熊本へ~再び肝移植の道へ~
 肝移植における忘れ得ない死
 熊本大学での苦悩

コラム01 師と仰ぐ3人の医師

第3章 高齢者医療・ケアへの道
 アルバイト先の病院での体験
 「平穏死」・石飛幸三先生との出逢い
 渋谷施設長・西村先生との出逢い
 せいりょう園との出逢い
 せいりょう園での学び
 熊本の「ゆかいな仲間たち」との出逢い

コラム02 息子からのエール
コラム03 私のモットー

第4章 高齢者と地域医療
 「地域包括ケアシステム」について
 地域包括ケアシステムの植木鉢

第5章 認知症とどう向きあうか
 認知症の方との付き合い方
 ヘルプマンとの出逢い
 「ユマニチュード」との出逢い

第6章 高齢者の看取り
 経鼻胃管の抜去を望んだ患者さん
 ユマニチュードの手法が生きた患者さん
 疼痛管理が奏功した癌患者さん

第7章 人生の最終段階における医療・ケアのあり方
 理想的な最期の迎え方 樹木希林さんの言葉
 健康寿命と平均寿命
 人生の最終段階における医療・ケアのあり方に対する指針
 日本老年医学会の提言とガイドライン
 人生の最終段階とはいつなのか
 「平穏死宣言」という提案
 尊厳死か安楽死か
 意思表示の方法
 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは
 ACPが求められる現場

おわりに

参考文献
索引
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