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「我々は起つ。/過去建築圏より分離し,総ての建築をして真に意義あらしめる新建築圏を創造せんがために——」東京帝国大学工学部建築学科を卒業した若き建築家6人は,1920年,過去の建築との決別を宣言し,「分離派建築会」を結成した。20世紀初頭の芸術運動の流れを汲み,本邦初の近代建築運動として知られる分離派建築会が追い求めた芸術と建築の融合。自由な芸術を求めたその行跡を辿り,彼らがふたたび様式に美を見出すまでの過程を,32の論考で,あらゆる角度から描き出す。
『建築技術』2021年5月号、評者:村田龍馬氏
編者紹介
田路貴浩(たじ たかひろ)
京都大学大学院工学研究科建築学専攻教授。京都大学大学院博士課程修了、博士(工学)。専門は建築論、建築設計。
主な著作に『イギリス風景庭園 ――水と緑と空の造形』(丸善、2000年)、『環境の解釈学 ――建築から風景へ』(共編、学芸出版社、2003年)、『日本風景史 ――ヴィジョンをめぐる技法』(共編、昭和堂、2015年)。主な作品に『WATERRAS STUDENT HOUSE』(東京都千代田区、2013年)、『三輪山会館』(奈良県桜井市、2019年)がある。
執筆者一覧 *掲載順
田路貴浩 たじ・たかひろ
上記
池田祐子 いけだ・ゆうこ
西洋近代美術・デザイン史、京都国立近代美術館 学芸課長。
『西洋近代の都市と芸術4 ウィーン ――総合芸術に宿る夢』、『クッションから都市計画まで ――ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟:ドイツ近代デザインの諸相 1900―1927』
河田智成 かわた・ともなり
建築史、広島工業大学 教授。
『ゼムパーからフィードラーへ』、「アドルフ・ロース中期から後期へと至るラウムプランの成熟について」
水沢 勉 みずさわ・つとむ
近現代美術史、神奈川県立近代美術館 館長。
『モダニズム/ナショナリズム』、『この終わりのときにも ――世紀末美術と現代』
長谷川章 はせがわ・あきら
建築史、東京造形大学 教授。
『ブルーノ・タウト研究 ――ロマン主義から表現主義へ』、「ブルーノ・タウト『画帳桂離宮』註疏 ――関係性の空間としての桂離宮庭園の世界観」
南明日香 みなみ・あすか
文化交流史・比較文学、相模女子大学 教授。
『荷風と明治の都市景観』、『国境を越えた日本美術史 ――ジャポニスムからジャポノロジーへの交流誌1880―1920』
飯嶋裕治 いいじま・ゆうじ
哲学・倫理学、近代日本思想史、九州大学 准教授。
『和辻哲郎の解釈学的倫理学』、「大正改元期における和辻哲郎と田中王堂──教養主義・ニーチェ解釈・日本文化研究」
足立裕司 あだち・ひろし
近代建築史・建築論、神戸大学 名誉教授。
『よみがえる建築遺産』、「武田五一『住宅建築要義』解題」
堀 勇良 ほり・たけよし
近代日本建築技術史、元文化庁主任文化財調査官。
『日本の建築明治大正昭和10 日本のモダニズム』、『(日本の美術447)外国人建築家の系譜』
加藤耕一 かとう・こういち
西洋建築史、東京大学 教授。
『時がつくる建築 ――リノベーションの西洋建築史』、『ゴシック様式成立史論』
角田眞弓 つのだ・まゆみ
日本建築史、東京大学 技術専門職員。『明治期建築学史』、『関野貞アジア踏査』
宮谷慶一 みやたに・けいいち
歴史的建造物保存、清水建設㈱技術研究所 主任研究員。
「明治期組積造建築における地形の仕様について」、「明治期組積造建築の目地モルタルにおける石灰の使用について」
河東義之 かわひがし・よしゆき
建築史、文化財保存、小山工業高等専門学校 名誉教授。
『明治の西洋館』、『ジョサイア・コンドル建築図面集Ⅰ~Ⅲ』
天内大樹 あまない・だいき
美学芸術学、静岡文化芸術大学 准教授。
『分離派建築会の展開──分離の対象をめぐる1920年代日本建築界の論考分析』、『博覧会絵はがきとその時代』
内田青蔵 うちだ・せいぞう
建築史、神奈川大学 教授。
『日本の近代住宅』、『同潤会に学べ ――住まいの思想とそのデザイン』
橋爪節也 はしづめ・せつや
日本美術史、大阪大学 教授。
『大大阪イメージ ――増殖するマンモス/モダン都市の幻像』、『映画「大大阪」観光の世界 ――昭和12年のモダン都市』
杉山真魚 すぎやま・まお
建築論・住居学、岐阜大学 准教授。
『建築制作論の研究』、「ウィリアム・モリスの生活芸術思想に関する建築論的研究」
菊地 潤 きくち・じゅん
建築家、ifaa(建築と美術研究会)会員。
「分離派瀧澤眞弓設計「日本農民美術研究所」 ――知られざる実施作が持つ意味について」、「分離派建築家石本喜久治の渡欧 ――『建築譜』そして仲田定之助『ベルリン日記』から浮かび上がるもの」
鞍田 崇 くらた・たかし
哲学・環境人文学、明治大学 准教授。
『工芸批評』、『民藝のインティマシー ――「いとおしさ」をデザインする』
田中修二 たなか・しゅうじ
近代日本美術史、大分大学 教授。
『近代日本彫刻集成』全3巻、『近代日本彫刻史』
大宮司勝弘 だいぐうじ・かつひろ
建築史(意匠、設計)、一般社団法人
DOCOMOMO JAPAN理事・事務局長。
「山田守設計による長沢浄水場のデザインに関する研究」、「山田守設計による京都タワービルの設計過程に関する研究」
岡山理香 おかやま・りか
近代建築史、東京都市大学 教授。
『現代アート10講』、「仰木魯堂の生涯について ――上京から仰木建築事務所設立までの経緯を中心として」
佐藤美弥 さとう・よしひろ
日本近現代史、埼玉県立文書館 学芸員。
「メディアのなかの「復興」 ――関東大震災後の社会意識と展覧会」、「都市計画反対運動と住民・政党・政治家 ――槇町線問題の再検討を中心に」
田所辰之助 たどころ・しんのすけ
近代建築史、日本大学 教授。
『建築モダニズム ――近代生活の夢とかたち』、『モダニスト再考[日本編]』
梅宮弘光 うめみや・ひろみつ
近代建築史、神戸大学 教授。
『モダニズム/ナショナリズム ――1930年代日本の芸術』、『コレクション・モダン都市文化 第42巻 建築』
市川秀和 いちかわ・ひでかず
建築論、福井工業大学 教授。
『「建築論」の京都学派 ――森田慶一と増田友也を中心として』、『建築制作論の研究』
勝原基貴 かつはら・もとき
建築史・建築資料、千葉大学 特任研究員。
「大正・昭和戦前期における岸田日出刀の近代建築理念に関する研究」、『日本のインテリアデザイン全史』
近藤康子 こんどう・やすこ
建築論、京都橘大学 講師。
「堀口捨己の建築思想における中柱の意味」、「茶の湯における制作の実相 ――堀口捨己の茶の湯研究に拠る考察」
本橋 仁 もとはし・じん
建築史、京都国立近代美術館 特定研究員。
『ホルツ・バウ ――近代初期ドイツ木造建築』、『クリティカル・ワード 現代建築』
田路貴浩(たじ たかひろ)
京都大学大学院工学研究科建築学専攻教授。京都大学大学院博士課程修了、博士(工学)。専門は建築論、建築設計。
主な著作に『イギリス風景庭園 ――水と緑と空の造形』(丸善、2000年)、『環境の解釈学 ――建築から風景へ』(共編、学芸出版社、2003年)、『日本風景史 ――ヴィジョンをめぐる技法』(共編、昭和堂、2015年)。主な作品に『WATERRAS STUDENT HOUSE』(東京都千代田区、2013年)、『三輪山会館』(奈良県桜井市、2019年)がある。
執筆者一覧 *掲載順
田路貴浩 たじ・たかひろ
上記
池田祐子 いけだ・ゆうこ
西洋近代美術・デザイン史、京都国立近代美術館 学芸課長。
『西洋近代の都市と芸術4 ウィーン ――総合芸術に宿る夢』、『クッションから都市計画まで ――ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟:ドイツ近代デザインの諸相 1900―1927』
河田智成 かわた・ともなり
建築史、広島工業大学 教授。
『ゼムパーからフィードラーへ』、「アドルフ・ロース中期から後期へと至るラウムプランの成熟について」
水沢 勉 みずさわ・つとむ
近現代美術史、神奈川県立近代美術館 館長。
『モダニズム/ナショナリズム』、『この終わりのときにも ――世紀末美術と現代』
長谷川章 はせがわ・あきら
建築史、東京造形大学 教授。
『ブルーノ・タウト研究 ――ロマン主義から表現主義へ』、「ブルーノ・タウト『画帳桂離宮』註疏 ――関係性の空間としての桂離宮庭園の世界観」
南明日香 みなみ・あすか
文化交流史・比較文学、相模女子大学 教授。
『荷風と明治の都市景観』、『国境を越えた日本美術史 ――ジャポニスムからジャポノロジーへの交流誌1880―1920』
飯嶋裕治 いいじま・ゆうじ
哲学・倫理学、近代日本思想史、九州大学 准教授。
『和辻哲郎の解釈学的倫理学』、「大正改元期における和辻哲郎と田中王堂──教養主義・ニーチェ解釈・日本文化研究」
足立裕司 あだち・ひろし
近代建築史・建築論、神戸大学 名誉教授。
『よみがえる建築遺産』、「武田五一『住宅建築要義』解題」
堀 勇良 ほり・たけよし
近代日本建築技術史、元文化庁主任文化財調査官。
『日本の建築明治大正昭和10 日本のモダニズム』、『(日本の美術447)外国人建築家の系譜』
加藤耕一 かとう・こういち
西洋建築史、東京大学 教授。
『時がつくる建築 ――リノベーションの西洋建築史』、『ゴシック様式成立史論』
角田眞弓 つのだ・まゆみ
日本建築史、東京大学 技術専門職員。『明治期建築学史』、『関野貞アジア踏査』
宮谷慶一 みやたに・けいいち
歴史的建造物保存、清水建設㈱技術研究所 主任研究員。
「明治期組積造建築における地形の仕様について」、「明治期組積造建築の目地モルタルにおける石灰の使用について」
河東義之 かわひがし・よしゆき
建築史、文化財保存、小山工業高等専門学校 名誉教授。
『明治の西洋館』、『ジョサイア・コンドル建築図面集Ⅰ~Ⅲ』
天内大樹 あまない・だいき
美学芸術学、静岡文化芸術大学 准教授。
『分離派建築会の展開──分離の対象をめぐる1920年代日本建築界の論考分析』、『博覧会絵はがきとその時代』
内田青蔵 うちだ・せいぞう
建築史、神奈川大学 教授。
『日本の近代住宅』、『同潤会に学べ ――住まいの思想とそのデザイン』
橋爪節也 はしづめ・せつや
日本美術史、大阪大学 教授。
『大大阪イメージ ――増殖するマンモス/モダン都市の幻像』、『映画「大大阪」観光の世界 ――昭和12年のモダン都市』
杉山真魚 すぎやま・まお
建築論・住居学、岐阜大学 准教授。
『建築制作論の研究』、「ウィリアム・モリスの生活芸術思想に関する建築論的研究」
菊地 潤 きくち・じゅん
建築家、ifaa(建築と美術研究会)会員。
「分離派瀧澤眞弓設計「日本農民美術研究所」 ――知られざる実施作が持つ意味について」、「分離派建築家石本喜久治の渡欧 ――『建築譜』そして仲田定之助『ベルリン日記』から浮かび上がるもの」
鞍田 崇 くらた・たかし
哲学・環境人文学、明治大学 准教授。
『工芸批評』、『民藝のインティマシー ――「いとおしさ」をデザインする』
田中修二 たなか・しゅうじ
近代日本美術史、大分大学 教授。
『近代日本彫刻集成』全3巻、『近代日本彫刻史』
大宮司勝弘 だいぐうじ・かつひろ
建築史(意匠、設計)、一般社団法人
DOCOMOMO JAPAN理事・事務局長。
「山田守設計による長沢浄水場のデザインに関する研究」、「山田守設計による京都タワービルの設計過程に関する研究」
岡山理香 おかやま・りか
近代建築史、東京都市大学 教授。
『現代アート10講』、「仰木魯堂の生涯について ――上京から仰木建築事務所設立までの経緯を中心として」
佐藤美弥 さとう・よしひろ
日本近現代史、埼玉県立文書館 学芸員。
「メディアのなかの「復興」 ――関東大震災後の社会意識と展覧会」、「都市計画反対運動と住民・政党・政治家 ――槇町線問題の再検討を中心に」
田所辰之助 たどころ・しんのすけ
近代建築史、日本大学 教授。
『建築モダニズム ――近代生活の夢とかたち』、『モダニスト再考[日本編]』
梅宮弘光 うめみや・ひろみつ
近代建築史、神戸大学 教授。
『モダニズム/ナショナリズム ――1930年代日本の芸術』、『コレクション・モダン都市文化 第42巻 建築』
市川秀和 いちかわ・ひでかず
建築論、福井工業大学 教授。
『「建築論」の京都学派 ――森田慶一と増田友也を中心として』、『建築制作論の研究』
勝原基貴 かつはら・もとき
建築史・建築資料、千葉大学 特任研究員。
「大正・昭和戦前期における岸田日出刀の近代建築理念に関する研究」、『日本のインテリアデザイン全史』
近藤康子 こんどう・やすこ
建築論、京都橘大学 講師。
「堀口捨己の建築思想における中柱の意味」、「茶の湯における制作の実相 ――堀口捨己の茶の湯研究に拠る考察」
本橋 仁 もとはし・じん
建築史、京都国立近代美術館 特定研究員。
『ホルツ・バウ ――近代初期ドイツ木造建築』、『クリティカル・ワード 現代建築』
はじめに [田路貴浩]
Ⅰ Secessionから分離派建築会へ
分離派の誕生——ミュンヘン、ベルリンそしてウィーン[池田祐子]
オットー・ヴァーグナーの時代の建築芸術——被覆とラウム、そして、生活へ[河田智成]
分離派と日本 分光と鏡像——雑誌『青鞜』創刊号表紙絵をきっかけに[水沢 勉]
青島とドイツ表現主義[長谷川 章]
Ⅱ 結成、または建築「創作」の誕生
分離派建築会と建築「創作」の誕生[田路貴浩]
一九一〇年前後の美術における「創作」意識[南明日香]
分離派建築会の「建築・芸術の思想」とその思想史的背景——和辻哲郎との照応関係から[飯嶋裕治]
分離派への道程——世代間の制作理念からの再考─足立裕司
Ⅲ 〈構造〉対〈意匠〉?
日本における初期鉄筋コンクリート建築の諸問題[堀 勇良]
分離派登場の背景としての東京帝国大学[加藤耕一]
東京帝国大学における建築教育の再読——学生時代における建築受容の様相[角田真弓]
「構造」と「意匠」および建築家の職能の分離[宮谷慶一]
Ⅳ 大衆消費社会のなかでの「創作」
ゼツェッシオン(分離派)の導入[河東義之]
博覧会における建築様式——分離派建築会の前後[天内大樹]
「文化住宅」にみる住宅デザインの多様性の意味[内田青蔵]
大大阪モダニズムと分離派——街に浸透する美意識[橋爪節也]
Ⅴ 建築における「田園的なもの」
「田園」をめぐる思想の見取り図─杉山真魚
瀧澤眞弓と中世主義——《日本農民美術研究所》の設計を通して─菊地 潤
堀口捨己の田園へのまなざし─田路貴浩
堀口捨己と民藝——常滑陶芸研究所と民藝館を糸口に─鞍田 崇
Ⅵ 彫刻へのまなざし
大正〜昭和前期の彫刻家にとっての建築[田中修二]
「リズム」から構想された建築造形[天内大樹]
山田守の創作法——東京中央電信局および聖橋の放物線の出現とその意味[大宮司勝弘]
石本喜久治の渡欧と創作——あるいは二〇世紀芸術と建築の接近[菊地 潤]
Ⅶ 「構成」への転回
創作活動の展開——蔵田周忠 分離派建築会から型而工房へ[岡山理香]
創造・構成・実践——山口文象と創宇社建築会の意識について[佐藤美弥]
「新しき社会技術」の獲得へ向けて——山口文象の渡独とその背景をめぐって[田所辰之助]
表現から構成へ——川喜田煉七郎におけるリアリティの行方[梅宮弘光]
Ⅷ 散開、そして「様式」再考
古典建築の探究から様式の超克へ——森田慶一のウィトルウィウス論をとおして[市川秀和]
オットー・ワグナー十年祭と岸田日出刀の様式再考——「歴史的構造派」という視座をめぐって [勝原基貴]
堀口捨己による様式への問いと茶室への遡行 [近藤康子]
自由無礙なる様式の発見——板垣鷹穂・堀口捨己・西川一草亭 [本橋 仁]
おわりに
分離派建築会以後——「創作主体」の行方[田所辰之助]
あとがき
索引
Ⅰ Secessionから分離派建築会へ
分離派の誕生——ミュンヘン、ベルリンそしてウィーン[池田祐子]
オットー・ヴァーグナーの時代の建築芸術——被覆とラウム、そして、生活へ[河田智成]
分離派と日本 分光と鏡像——雑誌『青鞜』創刊号表紙絵をきっかけに[水沢 勉]
青島とドイツ表現主義[長谷川 章]
Ⅱ 結成、または建築「創作」の誕生
分離派建築会と建築「創作」の誕生[田路貴浩]
一九一〇年前後の美術における「創作」意識[南明日香]
分離派建築会の「建築・芸術の思想」とその思想史的背景——和辻哲郎との照応関係から[飯嶋裕治]
分離派への道程——世代間の制作理念からの再考─足立裕司
Ⅲ 〈構造〉対〈意匠〉?
日本における初期鉄筋コンクリート建築の諸問題[堀 勇良]
分離派登場の背景としての東京帝国大学[加藤耕一]
東京帝国大学における建築教育の再読——学生時代における建築受容の様相[角田真弓]
「構造」と「意匠」および建築家の職能の分離[宮谷慶一]
Ⅳ 大衆消費社会のなかでの「創作」
ゼツェッシオン(分離派)の導入[河東義之]
博覧会における建築様式——分離派建築会の前後[天内大樹]
「文化住宅」にみる住宅デザインの多様性の意味[内田青蔵]
大大阪モダニズムと分離派——街に浸透する美意識[橋爪節也]
Ⅴ 建築における「田園的なもの」
「田園」をめぐる思想の見取り図─杉山真魚
瀧澤眞弓と中世主義——《日本農民美術研究所》の設計を通して─菊地 潤
堀口捨己の田園へのまなざし─田路貴浩
堀口捨己と民藝——常滑陶芸研究所と民藝館を糸口に─鞍田 崇
Ⅵ 彫刻へのまなざし
大正〜昭和前期の彫刻家にとっての建築[田中修二]
「リズム」から構想された建築造形[天内大樹]
山田守の創作法——東京中央電信局および聖橋の放物線の出現とその意味[大宮司勝弘]
石本喜久治の渡欧と創作——あるいは二〇世紀芸術と建築の接近[菊地 潤]
Ⅶ 「構成」への転回
創作活動の展開——蔵田周忠 分離派建築会から型而工房へ[岡山理香]
創造・構成・実践——山口文象と創宇社建築会の意識について[佐藤美弥]
「新しき社会技術」の獲得へ向けて——山口文象の渡独とその背景をめぐって[田所辰之助]
表現から構成へ——川喜田煉七郎におけるリアリティの行方[梅宮弘光]
Ⅷ 散開、そして「様式」再考
古典建築の探究から様式の超克へ——森田慶一のウィトルウィウス論をとおして[市川秀和]
オットー・ワグナー十年祭と岸田日出刀の様式再考——「歴史的構造派」という視座をめぐって [勝原基貴]
堀口捨己による様式への問いと茶室への遡行 [近藤康子]
自由無礙なる様式の発見——板垣鷹穂・堀口捨己・西川一草亭 [本橋 仁]
おわりに
分離派建築会以後——「創作主体」の行方[田所辰之助]
あとがき
索引