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我々は「すでに在る」のではない。人も動植物もモノ……も,影響・作用(アフェクト)され,影響・作用(アフェクト)することの中で,存在し続けることが出来るのだ――。作家が創作のモチーフをつかむ瞬間,密林の中で突然「視界が開けた」サル学者の経験,スーダンの半農半牧民が感受する「闇の時空」,植物と人とが形成する複合体とも言うべきアマゾンの先住民の生活世界,あるいはAI棋士と生身の棋士とが「情動」において作用し合いながら拓く新しい将棋……。「客観的現実」には還元できない陰影のある現実は,アフェクトゥス(情動)の相から眺めることによって初めて垣間見えるのだ。世界の見方の根本的な転倒による,人類学,哲学,生命科学そしてアートの共振。
UTokyo Biblio Plaza(自著紹介)
https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/G_00116.html
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西井 凉子(にしい りょうこ 編者 はじめに、第4章、終章、おわりに)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
1959年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。専門・関心は人類学的エスノグラフィ・死の人類学。
主な書著に、『死をめぐる実践宗教―南タイのムスリム・仏教徒関係へのパースペクティヴ』(世界思想社、2001年)、『情動のエスノグラフィ―南タイの村で感じる*つながる*生きる』(京都大学学術出版会、2013年)、『社会空間の人類学―マテリアリティ・主体・モダニティ』(田辺繁治と共編著、世界思想社、2006年)、『時間の人類学―情動・自然・社会空間』(編著、世界思想社、2011年)など。
箭内 匡(やない ただし 編者 はじめに、第1章、第3章[翻訳]、終章、おわりに)
東京大学大学院総合文化研究科教授
1962年生まれ。1993年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。バルセロナ大学客員教授、天理大学准教授、東京大学大学院准教授を経て、2013年より現職。博士(学術)。専門・関心はイメージと自然の人類学(および哲学)。
主な著書に、『イメージの人類学』(せりか書房、2018年)、『映像人類学 ―人類学の新しい実践へ』(共編著、せりか書房、2014年)、『映画的思考の冒険』(編著、世界思想社、2006年)など。
中村 恭子(なかむら きょうこ 序章)
日本画家、新潟大学人文社会科学系(創生学部)特任助教、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー、早稲田大学理工学術院総合研究所招聘研究員
1981年生まれ。2005年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業、2010年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻日本画研究領域博士課程修了、博士(美術)。専門は日本画、藝術基礎論。
主な著書に、『TANKURI―創造性を撃つ』(郡司ペギオ幸夫との共著、水声社、2018年)。絵画作品の展覧会に、「TANKURI―創造性を撃つ」展、「中村恭子皿鉢絵巻展」、「首を擡げたアルシブラ」展(それぞれArt Space Kimura ASK?: 2019、2017、2016年)、「シンビズム」展(諏訪市美術館、2018年)など多数。2021年3月に本書で紹介した作品の展覧会開催予定(新潟市美術館市民ギャラリー、Art Space Kimura ASK?)。
黒田 末寿(くろだ すえひさ 第2章)
滋賀県立大学名誉教授
1947年生まれ。京都大学理学研究科満期退学、理学博士。1995年より2013年まで滋賀県立大学教授。専門は、霊長類社会学・人類学・地域文化学。
主な著書に、『人類進化再考―社会生成の考古学』(以文社、1999年)、『自然学の未来―自然との共感』(弘文堂、2002)、『アフリカを歩く―フィールドノートの余白に』(共編著、以文社、2002年)『極限―人類社会の進化」(分担執筆、京都大学学術出版会、2019)、『科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式』(分担執筆、東京大学出版会、2017)など。
クラパンザーノ,ヴィンセント(Vincent Crapanzano 第3章)
ニューヨーク市立大学大学院教授
1939年生まれ。ハーバード大学卒業後,コロンビア大学で人類学のPhDを取得,専門は人類学・比較文学。
主な著著に、The Hamadsha: A Study in Moroccan Ethnopsychiatry (University of California Press, 1973), Tuhami: Portrait of a Moroccan (The University of Chicago Press, 1980 邦訳『精霊と結婚した男―モロッコ人トゥハーミの肖像』紀伊國屋書店), Imaginative Horizons: Literary-Philosophical Anthropology(The University of Chicago Press, 2004), The Harkis: The Wound That Never Heals (The University of Chicago Press, 2011), Recapitulations (Other Press, 2015) など。
岡崎 彰(おかざき あきら 第5章)
東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー
1997年ロンドン大学(SOAS)大学院人類学部博士課程終了(PhD)。オックスフォード大学オールソールズカレッジ特別フェロー、神奈川大学経営学部国際経営学科助教授、ライプツィヒ大学民族学研究所招聘客員教授、一橋大学大学院社会学研究科教授を経て2015年より現職。専門は社会人類学。
主な著書に、Open Shadow: dreams, histories and selves in a borderland village in Sudan (University of London, Published online: British Library EThOS)など。
佐久間 寛(さくま ゆたか 第6章)
明治大学政治経済学部専任講師
1976年生まれ、2010年東京外国語大学大学院地域文化研究科地域文化専攻博士後期課程退学。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教を経て、2019年より現職。博士(学術)。専門は、文化人類学、アフリカ地域研究。
主な著書に、『ガーロコイレ―ニジェール西部農村社会をめぐるモラルと叛乱の民族誌』(平凡社、2013年)、『経済と自由―文明の転換』(カール・ポランニー著、福田邦夫・池田昭光・東風谷太一との共訳、筑摩書房、2015年)など。
岩谷 彩子(いわたに あやこ 第7章)
京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
1972年生まれ。2005年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。広島大学准教授を経て、2015年より現職。博士(人間・環境学)。専門・関心は「ジプシー」/ロマ、移動民の文化人類学的研究、記憶の人類学。
主な著作に、『夢とミメーシスの人類学―インドを生き抜く商業移動民ヴァギリ』(明石書店、2009年)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(編著、せりか書房、2011年)、「序 共同体を記憶する―ユダヤ/「ジプシー」の文化構築と記憶の媒体」(『コンタクト・ゾーン』第10号、2018年所収)など。
名和 克郎(なわ かつお 第8章)
東京大学大学院情報学環・学際情報学府および東洋文化研究所教授
1999年東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了、博士(学術)。東京大学東洋文化研究所助教授、准教授、教授を経て2020年より現職。専門は文化人類学、言語人類学、ヒマラヤ地域及び南アジアの民族誌。
主な著書に、『ネパール、ビャンスおよび周辺地域における儀礼と社会範疇に関する民族誌的研究―もう一つの<近代>の布置』(三元社、2002年)、『体制転換期ネパールにおける「包摂」の諸相―言説政治・社会実践・生活世界』(編著、三元社、2017年)など。
春日 直樹(かすが なおき 第9章)
大阪大学人間科学研究科名誉教授、一橋大学社会学研究科名誉教授
1953年生まれ。1981年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程退学。博士(人間科学)。大阪大学人間科学研究科教授(1996~2010年)、一橋大学社会学研究科教授(2010~17年)などを務める。専門は人類学、関心は人間にとっての同一性・対称性。
主な著書に、『〈遅れ〉の思考―ポスト近代を生きる』(東京大学出版会、2007年)、『太平洋のラスプーチン―ヴィチ・カンバニ運動の歴史人類学』(世界思想社、2001年)、『科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式』(編著、東京大学出版会、2016年)、『文化人類学のエッセンス―世界をみる/変える』(編著、有斐閣、近刊)など。
久保 明教(くぼ あきのり 第10章)
一橋大学社会学研究科准教授
1978生まれ。2010年大阪大学大学院人間科学研究科単位習得退学。一橋大学大学院社会学研究科専任講師を経て、2016年より現職。博士(人間科学)。専門は、文化人類学、科学技術の人類学。
主な著書に、『「家庭料理」という戦場―暮らしはデザインできるか』(コトニ社、2020年)、『ブルーノ・ラトゥールの取説―アクターネットワーク論から存在様態探求へ』(月曜社、2019年)、『機械カニバリズム―人間なきあとの人類学へ』(講談社選書メチエ、2018年)など。
高木 光太郎(たかぎ こうたろう 第11章)
青山学院大学社会情報学部教授
1965年生まれ。1994年東京大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。東京大学大学院教育学研究科助手、東京学芸大学国際教育センター講師、准教授を経て2008年より現職。専門は、発達心理学、認知心理学、法心理学。
主な著書に、『ヴィゴツキーの方法』(金子書房、2001年)、『証言の心理学』(中公新書、2006年)、『ディスコミュニケーションの心理学』(山本登志哉との共編著、東京大学出版会、2011年)など
近藤 和敬(こんどう かずのり 第12章)
鹿児島大学法文教育学域法文学系准教授
1979年生まれ。2007年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、2012年より現職。博士(人間科学)。専門は現代哲学、科学認識論、フランス哲学史。
主な著書に、『構造と生成Ⅰ――カヴァイエス研究』(月曜社、2011年)、『〈内在〉の哲学へ―カヴァイエス・ドゥルーズ・スピノザ』(青土社、2019年)、『ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』を精読する―〈内在の哲学〉試論』(講談社、2020年)など。
郡司 ペギオ 幸夫(ぐんじ ぺぎお ゆきお 第13章)
早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授、神戸大学名誉教授
1959年生まれ。1987年東北大学大学院理学研究科博士課程後期課程修了、博士(理学)。2014年より現職。専門は理論生命学および天然知能学。
主な著書に、『原生計算』(東京大学出版会、2004年)、『生命理論』(哲学書房、2006年)、『生命壱号』(青土社、2010年)、『群れは意識を持つ』(PHP出版、2013年)、『いきものとなまものの哲学』(青土社、2014年)、『生命、微動だにせず』(青土社、2018年)、『天然知能』(講談社、2019年)、『やってくる』(医学書院、2020年)、『TANKURI―創造性を撃つ』(中村恭子との共著、2018年)など。
[第3章共訳者]
池田 昭光 明治学院大学教養教育センター助教
小栗 宏太 東京外国語大学博士後期課程在学
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
1959年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。専門・関心は人類学的エスノグラフィ・死の人類学。
主な書著に、『死をめぐる実践宗教―南タイのムスリム・仏教徒関係へのパースペクティヴ』(世界思想社、2001年)、『情動のエスノグラフィ―南タイの村で感じる*つながる*生きる』(京都大学学術出版会、2013年)、『社会空間の人類学―マテリアリティ・主体・モダニティ』(田辺繁治と共編著、世界思想社、2006年)、『時間の人類学―情動・自然・社会空間』(編著、世界思想社、2011年)など。
箭内 匡(やない ただし 編者 はじめに、第1章、第3章[翻訳]、終章、おわりに)
東京大学大学院総合文化研究科教授
1962年生まれ。1993年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。バルセロナ大学客員教授、天理大学准教授、東京大学大学院准教授を経て、2013年より現職。博士(学術)。専門・関心はイメージと自然の人類学(および哲学)。
主な著書に、『イメージの人類学』(せりか書房、2018年)、『映像人類学 ―人類学の新しい実践へ』(共編著、せりか書房、2014年)、『映画的思考の冒険』(編著、世界思想社、2006年)など。
中村 恭子(なかむら きょうこ 序章)
日本画家、新潟大学人文社会科学系(創生学部)特任助教、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー、早稲田大学理工学術院総合研究所招聘研究員
1981年生まれ。2005年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業、2010年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻日本画研究領域博士課程修了、博士(美術)。専門は日本画、藝術基礎論。
主な著書に、『TANKURI―創造性を撃つ』(郡司ペギオ幸夫との共著、水声社、2018年)。絵画作品の展覧会に、「TANKURI―創造性を撃つ」展、「中村恭子皿鉢絵巻展」、「首を擡げたアルシブラ」展(それぞれArt Space Kimura ASK?: 2019、2017、2016年)、「シンビズム」展(諏訪市美術館、2018年)など多数。2021年3月に本書で紹介した作品の展覧会開催予定(新潟市美術館市民ギャラリー、Art Space Kimura ASK?)。
黒田 末寿(くろだ すえひさ 第2章)
滋賀県立大学名誉教授
1947年生まれ。京都大学理学研究科満期退学、理学博士。1995年より2013年まで滋賀県立大学教授。専門は、霊長類社会学・人類学・地域文化学。
主な著書に、『人類進化再考―社会生成の考古学』(以文社、1999年)、『自然学の未来―自然との共感』(弘文堂、2002)、『アフリカを歩く―フィールドノートの余白に』(共編著、以文社、2002年)『極限―人類社会の進化」(分担執筆、京都大学学術出版会、2019)、『科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式』(分担執筆、東京大学出版会、2017)など。
クラパンザーノ,ヴィンセント(Vincent Crapanzano 第3章)
ニューヨーク市立大学大学院教授
1939年生まれ。ハーバード大学卒業後,コロンビア大学で人類学のPhDを取得,専門は人類学・比較文学。
主な著著に、The Hamadsha: A Study in Moroccan Ethnopsychiatry (University of California Press, 1973), Tuhami: Portrait of a Moroccan (The University of Chicago Press, 1980 邦訳『精霊と結婚した男―モロッコ人トゥハーミの肖像』紀伊國屋書店), Imaginative Horizons: Literary-Philosophical Anthropology(The University of Chicago Press, 2004), The Harkis: The Wound That Never Heals (The University of Chicago Press, 2011), Recapitulations (Other Press, 2015) など。
岡崎 彰(おかざき あきら 第5章)
東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー
1997年ロンドン大学(SOAS)大学院人類学部博士課程終了(PhD)。オックスフォード大学オールソールズカレッジ特別フェロー、神奈川大学経営学部国際経営学科助教授、ライプツィヒ大学民族学研究所招聘客員教授、一橋大学大学院社会学研究科教授を経て2015年より現職。専門は社会人類学。
主な著書に、Open Shadow: dreams, histories and selves in a borderland village in Sudan (University of London, Published online: British Library EThOS)など。
佐久間 寛(さくま ゆたか 第6章)
明治大学政治経済学部専任講師
1976年生まれ、2010年東京外国語大学大学院地域文化研究科地域文化専攻博士後期課程退学。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教を経て、2019年より現職。博士(学術)。専門は、文化人類学、アフリカ地域研究。
主な著書に、『ガーロコイレ―ニジェール西部農村社会をめぐるモラルと叛乱の民族誌』(平凡社、2013年)、『経済と自由―文明の転換』(カール・ポランニー著、福田邦夫・池田昭光・東風谷太一との共訳、筑摩書房、2015年)など。
岩谷 彩子(いわたに あやこ 第7章)
京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
1972年生まれ。2005年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。広島大学准教授を経て、2015年より現職。博士(人間・環境学)。専門・関心は「ジプシー」/ロマ、移動民の文化人類学的研究、記憶の人類学。
主な著作に、『夢とミメーシスの人類学―インドを生き抜く商業移動民ヴァギリ』(明石書店、2009年)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(編著、せりか書房、2011年)、「序 共同体を記憶する―ユダヤ/「ジプシー」の文化構築と記憶の媒体」(『コンタクト・ゾーン』第10号、2018年所収)など。
名和 克郎(なわ かつお 第8章)
東京大学大学院情報学環・学際情報学府および東洋文化研究所教授
1999年東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了、博士(学術)。東京大学東洋文化研究所助教授、准教授、教授を経て2020年より現職。専門は文化人類学、言語人類学、ヒマラヤ地域及び南アジアの民族誌。
主な著書に、『ネパール、ビャンスおよび周辺地域における儀礼と社会範疇に関する民族誌的研究―もう一つの<近代>の布置』(三元社、2002年)、『体制転換期ネパールにおける「包摂」の諸相―言説政治・社会実践・生活世界』(編著、三元社、2017年)など。
春日 直樹(かすが なおき 第9章)
大阪大学人間科学研究科名誉教授、一橋大学社会学研究科名誉教授
1953年生まれ。1981年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程退学。博士(人間科学)。大阪大学人間科学研究科教授(1996~2010年)、一橋大学社会学研究科教授(2010~17年)などを務める。専門は人類学、関心は人間にとっての同一性・対称性。
主な著書に、『〈遅れ〉の思考―ポスト近代を生きる』(東京大学出版会、2007年)、『太平洋のラスプーチン―ヴィチ・カンバニ運動の歴史人類学』(世界思想社、2001年)、『科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式』(編著、東京大学出版会、2016年)、『文化人類学のエッセンス―世界をみる/変える』(編著、有斐閣、近刊)など。
久保 明教(くぼ あきのり 第10章)
一橋大学社会学研究科准教授
1978生まれ。2010年大阪大学大学院人間科学研究科単位習得退学。一橋大学大学院社会学研究科専任講師を経て、2016年より現職。博士(人間科学)。専門は、文化人類学、科学技術の人類学。
主な著書に、『「家庭料理」という戦場―暮らしはデザインできるか』(コトニ社、2020年)、『ブルーノ・ラトゥールの取説―アクターネットワーク論から存在様態探求へ』(月曜社、2019年)、『機械カニバリズム―人間なきあとの人類学へ』(講談社選書メチエ、2018年)など。
高木 光太郎(たかぎ こうたろう 第11章)
青山学院大学社会情報学部教授
1965年生まれ。1994年東京大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。東京大学大学院教育学研究科助手、東京学芸大学国際教育センター講師、准教授を経て2008年より現職。専門は、発達心理学、認知心理学、法心理学。
主な著書に、『ヴィゴツキーの方法』(金子書房、2001年)、『証言の心理学』(中公新書、2006年)、『ディスコミュニケーションの心理学』(山本登志哉との共編著、東京大学出版会、2011年)など
近藤 和敬(こんどう かずのり 第12章)
鹿児島大学法文教育学域法文学系准教授
1979年生まれ。2007年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、2012年より現職。博士(人間科学)。専門は現代哲学、科学認識論、フランス哲学史。
主な著書に、『構造と生成Ⅰ――カヴァイエス研究』(月曜社、2011年)、『〈内在〉の哲学へ―カヴァイエス・ドゥルーズ・スピノザ』(青土社、2019年)、『ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』を精読する―〈内在の哲学〉試論』(講談社、2020年)など。
郡司 ペギオ 幸夫(ぐんじ ぺぎお ゆきお 第13章)
早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授、神戸大学名誉教授
1959年生まれ。1987年東北大学大学院理学研究科博士課程後期課程修了、博士(理学)。2014年より現職。専門は理論生命学および天然知能学。
主な著書に、『原生計算』(東京大学出版会、2004年)、『生命理論』(哲学書房、2006年)、『生命壱号』(青土社、2010年)、『群れは意識を持つ』(PHP出版、2013年)、『いきものとなまものの哲学』(青土社、2014年)、『生命、微動だにせず』(青土社、2018年)、『天然知能』(講談社、2019年)、『やってくる』(医学書院、2020年)、『TANKURI―創造性を撃つ』(中村恭子との共著、2018年)など。
[第3章共訳者]
池田 昭光 明治学院大学教養教育センター助教
小栗 宏太 東京外国語大学博士後期課程在学
はじめに―アフェクトゥス(情動)的世界への招待 [西井凉子・箭内 匡]
序 章 書き割りの身をうぐいす、無限小の幸福 [中村恭子]
1 アフェクトゥス、あるいは空虚を身体に刻む
2 顕在する仮想と潜在する現実
3 書き割りの向こう側
4 書き割りの身、うぐひすは無限小の幸福
5 外部に控えるものたち
第1部 アフェクトゥス論の射程
第1章 スピノザと「植物人類学」
―アフェクトゥス概念の人類学的一展開 [箭内 匡]
1 スピノザにおける個体と撼動
2 植物人類学の必要性
3 植物的アニミズム
4 植物の政治
5 「植物になる」
第2章 熱帯雨林との感受―共振とうなり [黒田末寿]
1 感受の様相
2 森を感受する:共振とうなり
第3章 光 景―現実に陰影をつける
[ヴィンセント・クラパンザーノ(池田昭光・小栗宏太・箭内 匡[訳])]
第2部 アフェクトゥスと潜在性―生・死・影
第4章 弔いとしての家―情動・モノ・死者 [西井凉子]
1 「弔い」から生の潜在性へ
2 ナーチュアと家
3 ケアと看取り―死にむかう身体と家
4 死によって開かれる家
5 墓と親族のサーラー(sala あずま屋)
6 「弔い」と情動
第5章 悪夢を感受し、「夢達」を甘受する
―スーダン東南部における影の共同体 [岡崎 彰]
1 夢経験の受動性と事件性
2 影の共同体
3 魔物と誘惑
4 陽気な夢達
第6章 生を産むアフェクトゥス
―ニジェール西部農村の命名式をめぐって [佐久間寛]
1 背景
2 命名式
3 名付ける身体、名を受ける身体、名を記す身体
第3部 アフェクトゥスと社会性―表層・リズム・パターン
第7章 皮膚的建築
―情動の場としてのルーマニアのロマの家屋と音楽
[岩谷彩子]
1 情動の場における表面性
2 ルーマニアのロマ―迫害の歴史と現在
3 ヴァーチャルなものが現在化する建築―ロマ御殿の表面
4 ロマ御殿に響くマネレ―顕在化するコミュニティ内の対立
5 表面的でかつヴァーチャルな深層が表出する建築と音楽
第8章 境界、動作、リズム
―ビャンス及び周辺地域の「太鼓演奏」の諸相
[名和克郎]
1 太鼓演奏がもたらすもの
2 民族誌的背景
3 「太鼓演奏」に関する外形的記述
4 代表性と周縁性―太鼓演奏を巡る二つの境界
5 太鼓演奏と踊る身体
6 演奏とリズム
第9章 「贈与」をあたらしく記述する [春日直樹]
1 「アフェクト」とパターン
2 妻方と夫方のあいだで
3 対称性を記す
4 やりとりする人と財、および双方の視点
5 「贈与」の簡潔な定義Ⅰ
6 友好と敵対のダイナミクスを含む定義Ⅱ
7 「贈与」のパターンと「アフェクト」
第4部 アフェクトゥス論の発展
第10章 テクノロジーと情動―現代将棋における機械と人間
[久保明教]
1 技術と変様
2 意識の専制を離れて
3 これは世界の終わりではない
4 バグとバグでないもの
5 研究と勉強
6 テクノロジーへの内在
第11章 回想の表情/姿勢とその揺らぎ
―供述聴取のテクノロジーをめぐって [高木光太郎]
1 証言の表情
2 想起者の表情/姿勢の曖昧さ
3 証言の「採取」
4 子どもからの供述聴取
5 NICHDプロトコル
6 「隙間のあるフレーミング」と外部
第12章 ドゥルーズとガタリの「政治哲学」という未解決問題
―『天然知能』と『イメージの人類学』の観点から
[近藤和敬]
1 本書全体のなかでの位置づけ―「アフェクト」という問題圏を遡る
2 ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』における未解決問題
3 哲学を「原生理論」として徹底すること―「自然権」概念を例に
4 郡司ペギオ幸夫の「天然知能」とドゥルーズとガタリの「脳」
5 「三つの意識タイプ」と『哲学とは何か』における哲学・芸術・科学
6 「タイプⅢの意識」と哲学の「現在形式」
7 現代人類学における「他なるもの」と「不可量部分」
8 箭内匡の「イメージ」と「社会身体」
9 「イメージ平面」、「イメージ=力」あるいは「感受」の解釈
10 「総かり立て体制」と資本主義における「相対的脱領土化」、
そして思考の「絶対的再領土化」の「現在形式」への批判
11 結論
第13章 外部を召還する過程・装置としての情動、
その形式的理解 [郡司ペギオ幸夫]
1 形式を通した理解の意味:身体と対角線論法
2 認知的非局所性を構想する:対角成分の向こう側
3 反=反相対主義の情動的転回:まとめにかえて
終 章 アフェクトゥスとは何か? [箭内 匡・西井凉子]
1 アフェクトゥスの問題性
2 スピノザのシステム
3 撼受と撼動の間で―「外部」と個体性
4 結晶的描写
5 アフェクトゥス的世界像
おわりに [西井凉子・箭内 匡]
索 引
序 章 書き割りの身をうぐいす、無限小の幸福 [中村恭子]
1 アフェクトゥス、あるいは空虚を身体に刻む
2 顕在する仮想と潜在する現実
3 書き割りの向こう側
4 書き割りの身、うぐひすは無限小の幸福
5 外部に控えるものたち
第1部 アフェクトゥス論の射程
第1章 スピノザと「植物人類学」
―アフェクトゥス概念の人類学的一展開 [箭内 匡]
1 スピノザにおける個体と撼動
2 植物人類学の必要性
3 植物的アニミズム
4 植物の政治
5 「植物になる」
第2章 熱帯雨林との感受―共振とうなり [黒田末寿]
1 感受の様相
2 森を感受する:共振とうなり
第3章 光 景―現実に陰影をつける
[ヴィンセント・クラパンザーノ(池田昭光・小栗宏太・箭内 匡[訳])]
第2部 アフェクトゥスと潜在性―生・死・影
第4章 弔いとしての家―情動・モノ・死者 [西井凉子]
1 「弔い」から生の潜在性へ
2 ナーチュアと家
3 ケアと看取り―死にむかう身体と家
4 死によって開かれる家
5 墓と親族のサーラー(sala あずま屋)
6 「弔い」と情動
第5章 悪夢を感受し、「夢達」を甘受する
―スーダン東南部における影の共同体 [岡崎 彰]
1 夢経験の受動性と事件性
2 影の共同体
3 魔物と誘惑
4 陽気な夢達
第6章 生を産むアフェクトゥス
―ニジェール西部農村の命名式をめぐって [佐久間寛]
1 背景
2 命名式
3 名付ける身体、名を受ける身体、名を記す身体
第3部 アフェクトゥスと社会性―表層・リズム・パターン
第7章 皮膚的建築
―情動の場としてのルーマニアのロマの家屋と音楽
[岩谷彩子]
1 情動の場における表面性
2 ルーマニアのロマ―迫害の歴史と現在
3 ヴァーチャルなものが現在化する建築―ロマ御殿の表面
4 ロマ御殿に響くマネレ―顕在化するコミュニティ内の対立
5 表面的でかつヴァーチャルな深層が表出する建築と音楽
第8章 境界、動作、リズム
―ビャンス及び周辺地域の「太鼓演奏」の諸相
[名和克郎]
1 太鼓演奏がもたらすもの
2 民族誌的背景
3 「太鼓演奏」に関する外形的記述
4 代表性と周縁性―太鼓演奏を巡る二つの境界
5 太鼓演奏と踊る身体
6 演奏とリズム
第9章 「贈与」をあたらしく記述する [春日直樹]
1 「アフェクト」とパターン
2 妻方と夫方のあいだで
3 対称性を記す
4 やりとりする人と財、および双方の視点
5 「贈与」の簡潔な定義Ⅰ
6 友好と敵対のダイナミクスを含む定義Ⅱ
7 「贈与」のパターンと「アフェクト」
第4部 アフェクトゥス論の発展
第10章 テクノロジーと情動―現代将棋における機械と人間
[久保明教]
1 技術と変様
2 意識の専制を離れて
3 これは世界の終わりではない
4 バグとバグでないもの
5 研究と勉強
6 テクノロジーへの内在
第11章 回想の表情/姿勢とその揺らぎ
―供述聴取のテクノロジーをめぐって [高木光太郎]
1 証言の表情
2 想起者の表情/姿勢の曖昧さ
3 証言の「採取」
4 子どもからの供述聴取
5 NICHDプロトコル
6 「隙間のあるフレーミング」と外部
第12章 ドゥルーズとガタリの「政治哲学」という未解決問題
―『天然知能』と『イメージの人類学』の観点から
[近藤和敬]
1 本書全体のなかでの位置づけ―「アフェクト」という問題圏を遡る
2 ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』における未解決問題
3 哲学を「原生理論」として徹底すること―「自然権」概念を例に
4 郡司ペギオ幸夫の「天然知能」とドゥルーズとガタリの「脳」
5 「三つの意識タイプ」と『哲学とは何か』における哲学・芸術・科学
6 「タイプⅢの意識」と哲学の「現在形式」
7 現代人類学における「他なるもの」と「不可量部分」
8 箭内匡の「イメージ」と「社会身体」
9 「イメージ平面」、「イメージ=力」あるいは「感受」の解釈
10 「総かり立て体制」と資本主義における「相対的脱領土化」、
そして思考の「絶対的再領土化」の「現在形式」への批判
11 結論
第13章 外部を召還する過程・装置としての情動、
その形式的理解 [郡司ペギオ幸夫]
1 形式を通した理解の意味:身体と対角線論法
2 認知的非局所性を構想する:対角成分の向こう側
3 反=反相対主義の情動的転回:まとめにかえて
終 章 アフェクトゥスとは何か? [箭内 匡・西井凉子]
1 アフェクトゥスの問題性
2 スピノザのシステム
3 撼受と撼動の間で―「外部」と個体性
4 結晶的描写
5 アフェクトゥス的世界像
おわりに [西井凉子・箭内 匡]
索 引