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学術選書 089

何のための脳?

AI時代の行動選択と神経科学

平野 丈夫

四六並製, 156 pages

ISBN: 9784814002306

pub. date: 06/19

  • Price : JPY 1,600
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内容

人は生きる上で常に最適な選択を求められるが、「最適な行動」とは何だろうか?それは、想定する主体や状況によって答えが変わる、正解の無い難問である。本書は、この最適行動の選択をめぐる私たちの脳のしくみと特性を明らかにするとともに、脳の神経回路をモデルとして発達してきた人工知能の可能性とその活用について懸念される問題点について考える。社会がますます複雑化し、AIの活用が進む現代、私たちは自らの脳をどのように生かし、どう行動すべきなのだろうか?

プロフィール

平野 丈夫(ひらの ともお)

1955年生まれ。
京都大学大学院理学研究科教授(生物科学専攻生物物理学系神経生物学分科)。理学研究科長(2017年4月から2019年3月まで)。
東京大学医学博士・理学博士。
東京大学理学部卒業。
東京大学大学院医学系研究科第一基礎医学専攻博士課程修了。
東京大学医学部助手、カルフォルニア大学ロサンゼルス校医学部研究員、群馬大学医学部講師、京都大学医学部助教授を経て現職。

【主な著書】
『脳と心の正体:神経生物学者の視点から』(東京化学同人、2001年)

目次

はじめに

第1章 生命体の目的と脳
1 生命体の目的
2 利己的行動と利他的行動
3 ヒトの行動を突き動かすもの

第2章 行動選択の神経科学
1 脳・神経系の役割
  情報伝達の担い手
  脳・神経系での情報伝達にかかわる物質
  脳の機能局在
2 知覚と意識の神経基盤
  知覚・認知・意識
  動物の情報処理特性
  直列処理と並列処理
  気づきと発見
3 学習と記憶―行動選択を改善するしくみ
  シナプス可塑性と三つの学習機構
  脳内報酬系と強化学習
  教師役のニューロンが存在する学習
  生まれと育ち、経験による脳のプログラムの書き換え
4 最適な行動とは?
  何が脳内報酬をもたらすか?
  恐怖・痛みと非常時の感覚遮断
  楽観と悲観
  サイコパス
  不確実性の選択

第3章 脳と心と人工知能(AI)
1 人の脳が生んだ高性能情報処理装置
  AIのしくみ
  特化型AIと汎用AI
2 AIと心
  心とは何か?
  自分と他者
  AIは心を持つか?
3 AI活用の必然性と懸念

第4章 個体と社会の成功・繁栄戦略
1 社会とルール
  個体と集団の利益
  善悪を超えて
2 社会における利害判断のむずかしさ
  各階層で出現する法則
  利害判断をする集団のレベルと利害判断で想定する期間
  組織運営
  大学について
  大学における研究
  大学における教育
  大学の社会連携
  大学業務の優先順位
3 人類の持続的生存に向けて
  成長戦略の限界
  AIとヒトの仕事
  理性的判断が問われる時代
  マスコミとSNS
  ポピュリズムの台頭
  トップダウンとボトムアップ
  教育の役割
  多様性とはぐれ者の価値
  脳を生かす―現代社会における脳の活用

コラム01 神経細胞の実験標本
コラム02 大脳と小脳
コラム03 運動学習の実験モデル
コラム04 ディープラーニング(深層学習)と浅層学習

おわりに
参考文献
索引
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