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プリミエ・コレクション 102

モンゴル語の母音

実験音声学と借用語音韻論からのアプローチ

植田 尚樹

A5上製, 388 pages

ISBN: 9784814002092

pub. date: 03/19

  • Price : JPY 7,000
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内容

モンゴル語の母音に関する現象を網羅的に扱うとともに、多角的に検証する。音声実験を行い、得られたデータをもとに音韻的な分析を行う。母音体系や母音調和について借用語のデータを多用して検討する。本書で実践されたこれらの方法は、他の言語の分析にも適用できるものであり、モンゴル語以外の個別言語の音韻研究も、さらに進展することが期待される。

プロフィール

植田尚樹(うえたなおき)
1987年、兵庫県神戸市生まれ。京都大学大学院文学研究科修了、博士(文学)。
現在、大阪大学言語文化研究科/日本学術振興会特別研究員。
専門は音声学・音韻論。
主要論文に「モンゴル語の母音調和と母音の弱化—外来語を用いた分析—」(『京都大
学言語学研究』第32号2013年)、‘Voice Onset Time of WordInitial
Stops and Affricates
in Khalkha Mongolian’(Journal of the Phonetic Society of Japan, vol. 22 No. 2, 2018)
などがある。

目次

まえがき
ABSTRACT

第I部 序 論

第1章 本書のねらい
 1.1 対象となる言語
 1.2 本書の構成
 1.3 本書の特色
    1.3.1 総合的研究
    1.3.2 実験音声学を基盤とした音韻論研究
    1.3.3 借用語音韻論

第II部 母音体系

第2章 第2音節以降の母音の長さ
 2.1 問題の所在
    2.1.1 正書法による母音の扱い
    2.1.2 音韻論的研究
    2.1.3 第2音節以降の音素的母音を「短母音」とみなすことの問題点
 2.2 3音節語における各母音の持続時間
    2.2.1 調査の背景と目的(調査2‑1)
    2.2.2 調査内容(調査2‑1)
    2.2.3 調査結果(調査2‑1)
 2.3 接尾辞の移動実験
    2.3.1 調査の目的(調査2-2)
    2.3.2 調査内容(調査2‑2)
    2.3.3 調査結果(調査2‑2)
 2.4 発話速度と音素的母音の持続時間
    2.4.1 発話速度と母音の持続時間の関係
    2.4.2 調査内容(調査2-3)
    2.4.3 調査結果(調査2‑3)
 2.5 二重母音との比較
    2.5.1 二重母音の振る舞い
    2.5.2 調査内容(調査2‑4)
    2.5.3 調査結果(調査2‑4)
    2.5.4 1モーラの二重母音を認める妥当性
    2.5.5 二重母音と音素的母音の類似性
 2.6 知覚実験
    2.6.1 知覚実験の前提
    2.6.2 実験内容(調査2-5)
    2.6.3 実験結果(調査2‑5)
    2.6.4 知覚実験のまとめ
 2.7 第2章のまとめ

第3章 第2音節以降における母音の長短の対立
 3.1 問題の所在
 3.2 借用語の振る舞い
    3.2.1 Svantesson et al(.2005)による借用語の扱いとその問題点
    3.2.2 調査内容(調査3-1)
    3.2.3 調査結果(調査3‑1)
    3.2.4 借用語の振る舞いのまとめと考察
 3.3 形動詞未来形-x
    3.3.1 問題の所在
    3.3.2 調査内容(調査3-2)
    3.3.3 調査結果(調査3‑2)
    3.3.4 考察
 3.4 母音挿入規則に従わない語彙
    3.4.1 問題となる語彙
    3.4.2 不規則語彙における弱化母音の音韻的扱い
 3.5 第2音節以降に短母音を認めることの意義と問題点
    3.5.1 第2音節以降に短母音を認める意義
    3.5.2 第2音節以降に短母音を認める問題点
    3.5.3 第2音節以降に短母音を認める意義と問題点のまとめ
 3.6 第3章のまとめ

第4章 短母音eの音価
 4.1 先行研究
    4.1.1 先行研究における記述
    4.1.2 問題の所在
 4.2 [i]と[e]の音声的な区別
    4.2.1 調査の前提
    4.2.2 調査内容(調査4-1)
    4.2.3 調査結果(調査4‑1)
 4.3 [i]と[e]が相補分布をなす可能性
    4.3.1 頭子音と[i],[e] の分布との関係
    4.3.2 正書法における分布の制限
    4.3.3 歴史的な経緯
    4.3.4 正書法における分布の制限と音韻解釈との関係
 4.4 [i]と[e]によるミニマルペアの有無
    4.4.1 正書法上のミニマルペアの存在
    4.4.2 調査内容(調査4-2)
    4.4.3 調査結果(調査4‑2)
    4.4.4 考察
 4.5 第4章のまとめ

第5章 後舌母音の音価
 5.1 後舌母音に関する先行研究
    5.1.1 後舌母音の歴史的由来
    5.1.2 後舌母音の音声に関する先行研究
    5.1.3 /o/の音韻的解釈
    5.1.4 後舌母音の音声的特徴と音韻的解釈に関する問題点
 5.2 フォルマント分析
    5.2.1 調査内容(調査5-1)
    5.2.2 調査結果(調査5‑1)
 5.3 音韻的解釈
 5.4 第5 章のまとめ

第III部 母音調和

第6章 接尾辞の母音調和
 6.1 母音調和の実態
    6.1.1 舌の調和
    6.1.2 自律音節理論による咽頭性の調和の分析
    6.1.3 唇の調和
    6.1.4 母音調和の領域
    6.1.5 借用語に対する接尾辞の調和の問題
 6.2 接尾辞の母音調和
    6.2.1 接尾辞の調和の原則
    6.2.2 調査内容(調査6-1)
    6.2.3 調査結果(調査6‑1)
    6.2.4 接尾辞の調和のまとめ
 6.3 母音e の透明性から見る母音調和の理論的考察
    6.3.1 母音e の透明性がもたらす理論的問題
    6.3.2 [–F]の指定
    6.3.3 借用語への完全指定
    6.3.4 音素配列制約と素性スプレッドの区別
    6.3.5 母音調和の循環的な適用
    6.3.6 語幹内の調和と接尾辞の調和を分離する必要性
 6.4 e が透明な母音である理由
    6.4.1 [i]との音声的近似
    6.4.2 女性母音の透明性の仮説
 6.5 ロシア語からの借用語に見られるuの透明性
    6.5.1 ロシア語のuの受容
    6.5.2 接尾辞の調和を用いた判定
    6.5.3 調査内容(調査6-2)
    6.5.4 調査結果(調査6‑2)
    6.5.5 ʊとuの非対称性
 6.6 モンゴル語の母音調和に見られる非対称性
    6.6.1 女性母音の透明性
    6.6.2 咽頭性の調和と円唇性の調和の非対称性
 6.7 第6章のまとめ

第7章 借用語内部の母音調和
 7.1 /u/の借用―意識調査
    7.1.1 問題の所在
    7.1.2 調査内容(調査7-1)
    7.1.3 調査結果(調査7‑1)
 7.2 /u/の借用―母音Uの音声的特徴
    7.2.1 調査のねらい
    7.2.2 調査内容(調査7-2)
    7.2.3 調査結果(調査7‑2)
    7.2.4 母音Uの分岐と母音調和との関係に関する考察
    7.2.5 母音Uに対する母音調和と本来語の母音調和の比較
 7.3 原語の強勢母音が引き起こす母音調和
    7.3.1 定着度の高い借用語
    7.3.2 語頭母音添加における母音調和
 7.4 第7章のまとめ

第IV部 プロソディー

第8章 ピッチパターン
 8.1 モンゴル語のアクセントに関する先行研究
    8.1.1 ストレスアクセント
    8.1.2 ピッチアクセント
    8.1.3 本書の方針
    8.1.4 複合語や句のピッチパターン
 8.2 地名複合語のピッチパターン
    8.2.1 地名複合語を用いる理由
    8.2.2 調査内容(調査8-1)
    8.2.3 調査結果(調査8‑1)
    8.2.4 考察
 8.3 一般名詞の複合語のピッチパターン
    8.3.1 問題の所在
    8.3.2 調査内容(調査8-2)
    8.3.3 調査結果①―重複パターン
    8.3.4 調査結果②―重複パターンとピッチパターンの相関
    8.3.5 調査結果③―形態統語構造とピッチパターン
    8.3.6 調査結果④―音韻構造とピッチパターン
    8.3.7 複合語ピッチパターンのまとめ
 8.4 句のピッチパターン
    8.4.1 問題の所在
    8.4.2 調査内容(調査8-3)
    8.4.3 調査結果(調査8‑3)
    8.4.4 句のピッチパターンのまとめ
 8.5 LHピッチパターンと音節構造
    8.5.1 音節構造・分節音とアクセントとの相互関係
    8.5.2 LHピッチパターンの音韻論的解釈
    8.5.3 音声的な背景
    8.5.4 音韻論的な解釈
 8.6 第8章のまとめ

第V部 結 論

第9章 まとめと今後の展望

あとがき
略号一覧
参考文献
索引
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