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第二次大戦中にスイスが果たした役割と行動を,5年間の膨大な史料調査と聞き取り調査に基づいて報告。経済史・民族問題・移民政策を扱った訳者による論考を付す。現代ヨーロッパ史の歴史と記憶に残された空白,そのあいまいな過去を明らかにする。
『社会経済史学』Vol.78, No.1、157-159頁、評者:永岑三千輝氏
黒澤 隆文(くろさわ たかふみ)
1997年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程研究指導認定退学,広島大学経済学部助手
2001年 京都大学博士(経済学),京都大学大学院経済学研究科助教授
2010年 京都大学大学院経済学研究科教授
【主要著作】
・『近代スイス経済の形成——地域主権と高ライン地域の産業革命』京都大学学術出版会2002年
・Takafumi Kurosawa, "Common European Assets: A Japanese View on the‘European Enterprise' " in: Schröter, G. Harm (ed.) _iThe European Enterprise. Historical Investigation into a Future Species, Springer Verlag 2008, 51-63頁。
川崎亜紀子(かわさき あきこ)
2001年 マルク・ブロック大学歴史学部DEA課程修了
2005年 早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学,2009年早稲田大学博士(経済学)
2007年 東海大学文学部専任講師
【主要著作】
・「19世紀アルザス・ユダヤ人の国内・国外移住(1808〜1872年)」鈴木健夫編『地域間の歴史世界移動・衝突・融合』早稲田大学出版部 2008年,172-193頁。
・「アルザス地方における1848年の反ユダヤ暴動」『早稲田政治経済学雑誌』364号(2006年7月)83-98頁。
尾崎麻弥子(おざき まやこ)
2002年 ジュネーヴ大学社会経済学部経済史学科DEA課程修了
2007年 早稲田大学大学院経済学研究科博士課程満期退学
2010年 國學院大學経済学部助教
【主要著作】
・「18世紀後半ジュネーヴ市の移入民における出身地・職業構成の転換と連続——アビタンの記録と滞在許可証の分析を中心として」『社会経済史学』71巻2号(2005年7月)197—211頁。
・〔訳書〕ポール・ギショネ著,内田日出海・尾崎麻弥子共訳『フランス・スイス国境の政治経済史——越境,中立,フリー・ゾーン』昭和堂 2005年。
穐山 洋子(あきやま ようこ)
2010年 東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)博士課程単位取得退学
2010年 東京大学大学院総合文化研究科附属グローバル地域研究機構ドイツ・ヨーロッパ研究センター助教
【主要著作】
・「スイスの難民政策(1933—1945)と1942年8月の国境封鎖をめぐるドイツ語圏の新聞報道の展開過程」(東京大学大学院総合文化研究科修士学位請求論文,2006年)
・Die Hegemonie der Mehrheit in einer multikulturellen Gesellschaft. Unter besonderer Berücksichtigung des Schächtverbotes im Jahr 1893 in der Schweiz (日独共同大学院プログラム(東京大学=ハレ大学)ワーキングペーパーシリーズ第4号,2010年)
1997年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程研究指導認定退学,広島大学経済学部助手
2001年 京都大学博士(経済学),京都大学大学院経済学研究科助教授
2010年 京都大学大学院経済学研究科教授
【主要著作】
・『近代スイス経済の形成——地域主権と高ライン地域の産業革命』京都大学学術出版会2002年
・Takafumi Kurosawa, "Common European Assets: A Japanese View on the‘European Enterprise' " in: Schröter, G. Harm (ed.) _iThe European Enterprise. Historical Investigation into a Future Species, Springer Verlag 2008, 51-63頁。
川崎亜紀子(かわさき あきこ)
2001年 マルク・ブロック大学歴史学部DEA課程修了
2005年 早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学,2009年早稲田大学博士(経済学)
2007年 東海大学文学部専任講師
【主要著作】
・「19世紀アルザス・ユダヤ人の国内・国外移住(1808〜1872年)」鈴木健夫編『地域間の歴史世界移動・衝突・融合』早稲田大学出版部 2008年,172-193頁。
・「アルザス地方における1848年の反ユダヤ暴動」『早稲田政治経済学雑誌』364号(2006年7月)83-98頁。
尾崎麻弥子(おざき まやこ)
2002年 ジュネーヴ大学社会経済学部経済史学科DEA課程修了
2007年 早稲田大学大学院経済学研究科博士課程満期退学
2010年 國學院大學経済学部助教
【主要著作】
・「18世紀後半ジュネーヴ市の移入民における出身地・職業構成の転換と連続——アビタンの記録と滞在許可証の分析を中心として」『社会経済史学』71巻2号(2005年7月)197—211頁。
・〔訳書〕ポール・ギショネ著,内田日出海・尾崎麻弥子共訳『フランス・スイス国境の政治経済史——越境,中立,フリー・ゾーン』昭和堂 2005年。
穐山 洋子(あきやま ようこ)
2010年 東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)博士課程単位取得退学
2010年 東京大学大学院総合文化研究科附属グローバル地域研究機構ドイツ・ヨーロッパ研究センター助教
【主要著作】
・「スイスの難民政策(1933—1945)と1942年8月の国境封鎖をめぐるドイツ語圏の新聞報道の展開過程」(東京大学大学院総合文化研究科修士学位請求論文,2006年)
・Die Hegemonie der Mehrheit in einer multikulturellen Gesellschaft. Unter besonderer Berücksichtigung des Schächtverbotes im Jahr 1893 in der Schweiz (日独共同大学院プログラム(東京大学=ハレ大学)ワーキングペーパーシリーズ第4号,2010年)
略語一覧
日本語版のための前書き[ジャン・フランソワ・ベルジエ]
第一部の底本と凡例
第一部 ナチズム・第二次大戦とスイス 最終報告書
前書き
1 委員会設立の経緯と課題(黒澤隆文訳)
1.1 ナチス期のスイス 現在の問題として
1.2 研究対象,課題および方法
1.3 史料の保存状態と閲覧特権
2 国際情勢とスイス(黒澤隆文訳)
2.1 国際情勢
2.2 スイスの内政と経済
2.3 戦中戦後のスイス
2.4 戦争とその帰結
2.5 民族社会主義者による犯罪
3 難民と難民政策(川崎亜紀子訳)
3.1 経過
3.2 認識と行動
3.3 関係者とその責任
3.4 費用負担
3.5 国境越えとスイス滞在
3.6 身代金と解放
3.7 文脈と比較
4 国際経済関係と資産取引(黒澤隆文訳)
4.1 国際経済関係
4.2 兵器産業と軍需品輸出
4.3 電力
4.4 アルプス通過交通と運輸サービス
4.5 金取引
4.6 銀行システムと金融サービス
4.7 ドイツにおけるスイス保険業
4.8 スイスの製造業と在ドイツ子会社戦略と経営
4.9 戦時捕虜と強制労働者の使用
4.10 「アーリア化」
4.11 各種の文化財の流出・取引・略奪
4.12 ドイツによるスイス国内でのカモフラージュ・回避工作
5 法とその運用(川崎亜紀子訳)
5.1 公法
5.2 私法
6 戦後における財産権の問題(尾崎麻弥子訳)
6.1 補償に関する諸概念とその前提
6.2 スイスにおける返還の要求 交渉と立法の取り組み
6.3 銀行部門,休眠資産と返還阻害要因
6.4 保険業における返還問題
6.5 略奪された有価証券の返還問題
6.6 略奪された文化財の返還問題
6.7 カモフラージュ工作と返還要求
6.8 結論
7 結論:研究成果と未解明の問題(尾崎麻弥子訳)
第二部 スイスの近現代史と歴史認識
はしがき
1 多国籍企業・小国経済にとってのナチズムと第二次大戦[黒澤隆文]
2 スイス・フランス国境地域と第二次大戦[尾崎麻弥子]
3 スイスのユダヤ人解放をめぐって——アルザスユダヤ人との関係を中心に[川崎亜紀子]
4 スイスの外国人政策——19世紀末から「外国人の滞在と定住に関する連邦法(1931年)」成立まで[穐山洋子]
5 スイスの「過去の克服」と独立専門家委員会[穐山洋子]
第一部付録
日本語版付録
編者あとがき
索引
日本語版のための前書き[ジャン・フランソワ・ベルジエ]
第一部の底本と凡例
第一部 ナチズム・第二次大戦とスイス 最終報告書
前書き
1 委員会設立の経緯と課題(黒澤隆文訳)
1.1 ナチス期のスイス 現在の問題として
1.2 研究対象,課題および方法
1.3 史料の保存状態と閲覧特権
2 国際情勢とスイス(黒澤隆文訳)
2.1 国際情勢
2.2 スイスの内政と経済
2.3 戦中戦後のスイス
2.4 戦争とその帰結
2.5 民族社会主義者による犯罪
3 難民と難民政策(川崎亜紀子訳)
3.1 経過
3.2 認識と行動
3.3 関係者とその責任
3.4 費用負担
3.5 国境越えとスイス滞在
3.6 身代金と解放
3.7 文脈と比較
4 国際経済関係と資産取引(黒澤隆文訳)
4.1 国際経済関係
4.2 兵器産業と軍需品輸出
4.3 電力
4.4 アルプス通過交通と運輸サービス
4.5 金取引
4.6 銀行システムと金融サービス
4.7 ドイツにおけるスイス保険業
4.8 スイスの製造業と在ドイツ子会社戦略と経営
4.9 戦時捕虜と強制労働者の使用
4.10 「アーリア化」
4.11 各種の文化財の流出・取引・略奪
4.12 ドイツによるスイス国内でのカモフラージュ・回避工作
5 法とその運用(川崎亜紀子訳)
5.1 公法
5.2 私法
6 戦後における財産権の問題(尾崎麻弥子訳)
6.1 補償に関する諸概念とその前提
6.2 スイスにおける返還の要求 交渉と立法の取り組み
6.3 銀行部門,休眠資産と返還阻害要因
6.4 保険業における返還問題
6.5 略奪された有価証券の返還問題
6.6 略奪された文化財の返還問題
6.7 カモフラージュ工作と返還要求
6.8 結論
7 結論:研究成果と未解明の問題(尾崎麻弥子訳)
第二部 スイスの近現代史と歴史認識
はしがき
1 多国籍企業・小国経済にとってのナチズムと第二次大戦[黒澤隆文]
2 スイス・フランス国境地域と第二次大戦[尾崎麻弥子]
3 スイスのユダヤ人解放をめぐって——アルザスユダヤ人との関係を中心に[川崎亜紀子]
4 スイスの外国人政策——19世紀末から「外国人の滞在と定住に関する連邦法(1931年)」成立まで[穐山洋子]
5 スイスの「過去の克服」と独立専門家委員会[穐山洋子]
第一部付録
日本語版付録
編者あとがき
索引