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プリミエ・コレクション 128

三蘇蜀学の研究

北宋士大夫による儒家経典解釈の展開

陳 佑真

A5上製・356頁

ISBN: 9784814005253

発行年月: 2024/03

  • 本体: 4,400円(税込 4,840円
  • 在庫あり
 
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内容

北宋時代の三蘇(蘇洵及びその二子の蘇軾・蘇轍)の経学思想は,なぜ南宋道学により駆逐されるに至ったのか。士大夫の中でも代表的な存在とされ,同時代にも後世にも多大な影響を与えた彼らの経書解釈を分析し,漢唐訓詁学と朱熹らの南宋道学に並ぶ北宋時代の新儒学の本質を解明する。

プロフィール

陳 佑真(ちん ゆうま)

1989年兵庫県生まれ。2019年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学(中国哲学史専修)、京都大学博士(文学)。
現在、帝京大学文学部史学科助教。

主な論文・著作
「松崎鶴雄が考えた古代の歌声――「伝統」漢学の『詩経』解釈を超えて」(重田みち編著『「日本の伝統文化」を問い直す』、臨川書店、2024年)、「蘇轍『孟子解』に見るその歴史思想」(『東洋史研究』81巻3号、2022年)、[明]郝敬『尚書弁解』(単著、点校整理、崇文書局、2022年)、『『朱子語類』訳注 巻十八 大学五』(共著、中純夫編、汲古書院、2022年)、「蘇軾の『周易』解釈に於ける爻位及び爻間関係の重視――注疏との比較を中心に」(東英寿編著『唐宋八大家の探究』、花書院、2021年)、「北宋蜀学の孟子観」(『中国思想史研究』41号、2020年)

目次

序 論
第一節 経学と経学史
(一)経学の主観性
(二)経学史の形成とその意義
第二節 経学史の視野における北宋の位置
第三節 三蘇思想研究の現状
第四節 本書の構成

第一章 蘇軾の『周易』解釈における爻への注目および整合性の追究
はじめに
第一節 一卦の主および消息
(一)履・大有
(二)謙・豫
(三)臨
第二節 婚姻を軸とした解釈
(一)同人
(二)解
(三)賁
(四)随
(五)晋
第三節 「数」および体系性の追究
おわりに

第二章 蘇軾の『尚書』解釈の意図および経学史上の位置
はじめに
第一節 成立と評価
第二節 先行経説の襲用
第三節 史事の援用
第四節 北宋経学における「人情」と『東坡書伝』
第五節 経説の同時代政治への応用
(一)民心の重視
(二)戦略的思考
第六節 蔡沈『書集伝』への影響
(一)伊訓
(二)太甲上
(三)牧誓
(四)大誥
(五)召誥
(六)君奭
(七)多方
(八)顧命
(九)呂刑
(十)秦誓
おわりに
附録一 『東坡書伝』新出佚文三条
(一)禹貢
(二)洪範
(三)召誥
附録二 両蘇経解本『東坡書伝』の底本について

第三章 蘇軾・蘇轍の「思無邪」解釈
はじめに
第一節 二蘇『論語』注釈書の文献的概要
第二節 二蘇以前の『論語』為政篇「詩三百」章解釈
第三節 蘇軾『論語説』における問題提起
第四節 蘇軾散文作品における「詩三百」章解釈の展開
(一)「思無邪斎銘」
(二)「虔州崇慶禅院新経蔵記」
(三)「土木」の問題
第五節 蘇轍による蘇軾説修正の試み
(一)『論語拾遺』
(二)『詩集伝』
第六節 二蘇の「詩三百」章解釈における性論の問題
(一)李翺説と蘇軾の性論
(二)「閑邪」の問題
(三)李翺説と蘇轍の性論
おわりに

第四章 三蘇思想における孟子の位置
はじめに
第一節 三蘇の『孟子』評価
(一)蘇洵
(二)蘇軾
(三)蘇轍
第二節 蘇轍の『孟子』尊崇の内実
(一)北宋における孔孟一致論の展開
(二)蘇轍の主張に見る孔孟一致
(三)蘇轍による孔孟一致論への言及
第三節 蘇軾非孟説の背景
おわりに

第五章 蘇轍『孟子解』に見るその歴史思想
はじめに
第一節 『孟子解』の成立および流伝
第二節 文明進歩への見方および礼説への展開
(一)蘇轍の文明漸進説
(二)蘇氏兄弟の「因世」思想および北宋の礼の言説
第三節 正統論との関係――道義性と成敗との弁別が意味するもの
第四節 陳仲子批判の論理
おわりに

結論
附録 三蘇学術関連年表

参考文献一覧
あとがき
中文提要
英文要約
索引(人名/書名・篇名・卦名)
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