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作田啓一 生成の社会学

岡崎 宏樹

A5上製・394頁

ISBN: 9784814005192

発行年月: 2024/02

  • 本体: 3,800円(税込 4,180円
  • 在庫あり
 
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内容

戦後日本の社会学を牽引した作田啓一。彼は人間の非合理性/リアルを語り得る「もう一つの社会学」を求めた。バーチャルとの区別が失われた世界に必要なのは、生きている実感を深部で把握して分析しうる〈最深の理論〉である。文学から社会学は何を学びうるのか? 価値の生成、羞恥の連帯、溶解体験、〈リアル〉とは何か? エゴの相克と分断を超える契機はどこにあるのか?〈超近代〉の展望をひらく希望の思考。

プロフィール

岡崎宏樹 (おかざき ひろき)
1968年兵庫県生まれ。神戸学院大学現代社会学部教授。京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、京都大学博士(文学)。専門は理論社会学、文化社会学。

主な著作に、『バタイユからの社会学―至高性、交流、剝き出しの生』(関西学院大学出版会、2020年)、『作田啓一 VS. 見田宗介』(分担執筆、弘文堂、2016年)、『戦後日本の社会意識論―ある社会学的想像力の系譜』(分担執筆、有斐閣、2023年)などがある。

目次

まえがき

序論 もう一つの社会学
1 非合理性の探求と現代思想
2 生成の世界と定着の世界
3 制度の学と人間の学、あるいは社会学と人間学
4 本書の構成

第1章 〈リアル〉の探求
1 文学の感動と〈リアル〉
2 〈第1期〉:学術論文とエッセイの二重スタイル
3 〈第2期〉:三次元の自我論
4 〈第3期〉:力の思想

第2章 作田社会学のヒストリー
1 価値への問い―戦争犯罪の研究から価値の社会学へ
2 生成へのまなざし―ルソー研究から力の思想へ

第3章 学問と人生——先生と私

第4章 「恥の文化再考」から羞恥論へ
1 日本文化論における恥と羞恥
2 固有自己と羞恥

第5章 溶解体験とは何か
1 自己と外界
2 ルソー―自然への溶解と共感価値の生成
3 ドストエフスキー―自他の融合と憐憫
4 自我、リアル、溶解体験
5 集合的沸騰、至高性、溶解体験

第6章 文学からの社会学——方法論的探求
1 文学と社会学
2 ドストエフスキーから社会学へ
3 方法としての〈共感〉―戦犯受刑者の遺文研究
4 「文学からの社会学」の特徴と課題

第7章 〈超近代〉の探求
1 〈第1期〉における〈超近代〉の探求
2 〈第2期〉における〈超近代〉の探求
3 〈第3期〉における〈超近代〉の探求

初出一覧
参考文献
あとがき
索引
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