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“世界の工場”への道

20世紀東アジアの経済発展

堀 和生・萩原 充 編

A5上製・466頁

ISBN: 9784814002184

発行年月: 2019/05

  • 本体: 5,200円(税別)
  • 在庫あり
 
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内容

20世紀の世界経済において、最も大きな変化の一つは東アジアの経済的な台頭である。かつて「遅れ」や停滞と捉えられたこの地域は、欧米が経験しなかった高度成長によって今では世界工業の中心地となった。この経済のダイナミズムは、1世紀に及ぶ歴史の到達点であることを見逃してはならない。対立的に扱われてきた日本と中国を同じ舞台に乗せることで見えた、中国・日本・韓国・台湾等の単なる「束」ではない東アジア地域。その構造的特徴と未来を見通す、経済史待望の一書。

プロフィール

(*は編者、掲載順)

*堀 和生(ほり かずお)
京都大学名誉教授
京都大学大学院文学研究科博士課程。専門は東アジア経済史。主要著作に、『東アジア資本主義史論Ⅰ ―形成・構造・展開』(ミネルヴァ書房、2009年)、『東アジア高度成長の歴史的起源』(編著、京都大学学術出版会、2016年)、などがある。

久保 亨(くぼ とおる)
信州大学人文学部特任教授
一橋大学大学院修士課程。専門は中国近現代経済史。主要著作に、『戦間期中国〈自立への模索〉 ―関税通貨政策と経済発展』(東京大学出版会、1999年)、『戦間期中国の綿業と企業経営』(汲古書院、2005年)、『『統計でみる中国近現代経済史』(共著、東京大学出版会、2016年)、などがある。

浅野豊美(あさの とよみ)
早稲田大学政治経済学術院教授
東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻博士課程。専門は日本政治外交史・国際関係学。主要著作に、『帝国日本の植民地法制 ―法域統合と帝国秩序』(名古屋大学出版会、2008年、大平正芳賞・吉田茂賞)、『戦後日本の賠償問題と東アジア地域再編』(慈学社、2013年)、などがある。

谷ヶ城秀吉(やがしろ ひでよし)
専修大学経済学部准教授
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程。専門は日本経済史・アジア経済史。主要著作に、『帝国日本の流通ネットワーク ―流通機構の変容と市場の形成』(日本経済評論社、2012年)。「日本型コンビニエンスストア・チェーンのアジア市場展開」(橘川武郎・久保文克・佐々木聡・平井岳哉編『アジアの企業間競争』文眞堂、2015年)、などがある。

小堀 聡(こぼり さとる)
名古屋大学大学院経済学研究科准教授
大阪大学大学院経済学研究科博士課程。専門は日本経済史・環境史。主要著作に、『日本のエネルギー革命 ―資源小国の近現代』(名古屋大学出版会、2010年、日経・経済図書文化賞、政治経済学・経済史学会賞)、『京急沿線の近現代史』(クロスカルチャー出版、2018年)、などがある。

朱 蔭貴(Zhu Yingui)
復旦大学歴史学部教授
中国社会科学院研究生院 経済学博士。専門は中国近現代経済史。主要著作に、『中国近代輪船航運業研究(簡体増補版)』(中国社会科学出版社、2008年)、『中国近代股份企業研究』(上海財経大学出版社、2008年)、『近代中国:金融与証券研究』(上海人民出版社、2012年)、などがある。

秋田 茂(あきた しげる)
大阪大学大学院文学研究科・世界史講座教授
広島大学大学院文学研究科博士課程。専門はグローバルヒストリー、イギリス帝国史。主要著作に、秋田茂『帝国から開発援助へ ―戦後アジア国際秩序と工業化』(名古屋大学出版会、2017年)、『「大分岐」を超えて ―アジアからみた19世紀論再考』(共著、ミネルヴァ書房、2018年)、Global History, Globally(共著、Bloomsbury Academic、2018年)、などがある。

林 彦櫻(Lin Yanying)
広島大学社会科学研究科助教
京都大学経済学研究科博士課程。専門は日本経済史。主要著作に、「戦後日本における零細小売店主の供給源 ―1950年代後半から1980年代初頭を中心に」(『社会経済史学』第81巻1号、2015年)、などがある。

木越義則(きごし よしのり)
名古屋大学大学院経済学研究科准教授
京都大学大学院経済学研究科博士課程。専門は中国経済史。主要著作に、『近代中国と広域市場圏 ―海関統計によるマクロ的アプローチ』(京都大学学術出版会、2012年)、などがある。

富澤芳亜(とみざわ よしあ)
島根大学教育学部教授
広島大学大学院文学研究科博士課程。専門は中国経済史。主要著作に、「紡織業史」(久保亨編『中国経済史入門』東京大学出版会、2012年)、「近代中国における工業教育と紡織技術者の養成」(『経済史研究』第20号、2017年)、などがある。

加島 潤(かじま じゅん)
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程。専門は中国近現代経済史。主要著作に、『中国セメント産業の発展 ―産業組織と構造変化』(共編著、御茶の水書房、2010年)、『社会主義体制下の上海経済 ―計画経済と公有化のインパクト』(東京大学出版会、2018年)、などがある。

峰 毅(みね たけし)
東京大学経済学博士
東京大学経済学部卒。専門は中国経済。主要著作に、『中国に継承された満洲国の産業』(御茶の水書房、2009年)、『中国機械産業の発展』(共著、東京大学社会科学研究所、2013年)『中国工業化の歴史』(日本僑報社、2017年)、などがある。

皇甫秋実(Huangfu Qiushi)
復旦大学歴史学系副教授
復旦大学歴史学系博士。専門は中国経済史。主要著作に、『危机中的選択:戦前十年的中国巻煙市場』(東方出版中心、2016年、中国語)、「中米工商業協進会与戦後中米経済関係」(『中国経済史研究』第5期、2018年、中国語)、などがある。

丸川知雄(まるかわ ともお)
東京大学社会科学研究所教授
東京大学経済学部卒。専門は中国経済、産業。主要著作に、『現代中国経済』(有斐閣、2013年)、『チャイニーズ・ドリーム』(筑摩書房、2013年)、『現代中国の産業』(中央公論新社、2007年)、などがある。

厳 善平(げん ぜんへい)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授
京都大学大学院博士課程。専門は中国経済論・開発経済学・農業経済学。主要著作に、『農村から都市へ ―1億3000万人の農民大移動』(岩波書店、2009年)、『2020年に挑む中国 ―超大国のゆくえ』(共編著、文眞堂、2016年)、などがある。

林 采成(イム チェソン、Lim Chaisung)
立教大学経済学部教授
東京大学経済学研究科博士課程。専門は日本経済史・東アジア経済史。主要著作に、『戦時経済と鉄道運営 ―「植民地」朝鮮から「分断」韓国への歴史的経路を探る』(東京大学出版会、2005年)、『鉄道員と身体 ―帝国の労働衛生』(京都大学学術出版会、2019年)、『飲食朝鮮 ―帝国の中の「食」経済史』(名古屋大学出版会、2019年)、などがある。

洪 紹洋(HONG Sao Yang)
国立陽明大学人文と社会教育センター准教授
国立政治大学経済学博士。専門は台湾経済史、戦後の日台経済関係史。主要著作に、『台湾造船公司の研究 ―植民地工業化と技術移転』(御茶の水書房、2011年)、「1950年代台、日経済関係的重啟與調整」(『臺灣史研究』第23期第2巻、中央研究院台湾史研究所、2016年)、などがある。

*萩原 充(はぎわら みつる)
釧路公立大学経済学部教授
北海道大学大学院経済学研究科博士課程。専門は中国近現代経済史。主要著作に、『中国の経済建設と日中関係 ―対日抗戦への序曲 1927~1937年』(ミネルヴァ書房、2000年)、『近代中国を生きた日系企業』(共編著、大阪大学出版会、2011年)、などがある。

橘川武郎(きっかわ たけお)
東京理科大学大学院経営学研究科教授
東京大学大学院経営学研究科博士課程。専門は日本経営史・エネルギー産業論。主要著作に、『日本石油産業の競争力構築』(名古屋大学出版会、2012年)、『戦前日本の石油攻防戦』(ミネルヴァ書房、2012年)、などがある。

目次

何故、いま東アジア史か?

第Ⅰ部 東アジア経済発展論の視角
第1章 東アジアの経済発展――日本、台湾、韓国 [堀 和生]
第2章 中国近現代経済史をどう捉えるか [久保 亨]
第3章 東アジア工業化の国際環境と戦後日本 [浅野豊美]
第4章 高度成長下における日本の貿易と総合商社
   [谷ヶ城秀吉]
第5章 日本の高度経済成長と資源政策構想
    ――長期経済計画にみる [小堀 聡]
論評 東アジア経済研究の学術的価値と現代的意義
   [朱 蔭貴(訳:林 彦櫻)]
論評 「小農社会」工業化論の世界史的意義 [秋田 茂]

第Ⅱ部 東アジアと中国の工業化
第6章 中国の一次産品輸出 開港から国共内戦期まで
    [木越義則]
第7章 中国の繊維産業――技術者養成からの視点 [富澤芳亜]
第8章 中国の重工業化――上海市の鉄鋼業を事例として
    [加島 潤]
第9章 中国の化学工業の発展
    ――肥料工業を事例に [峰 毅]
第10章 中国タバコ産業の発展と市場形成(1927~1937年)
    [皇甫秋実]
論評 工業化が持つ意味 [丸川知雄]
論評 中国農業の成長と構造転換 [厳 善平]

第Ⅲ部 戦後東アジア社会経済の再編成と石油産業
第11章 東アジアにおける近代的エネルギー供給構造の特徴
    [堀 和生]
第12章 韓国精油産業の成立とオイルメジャー [林 采成]
第13章 国家と石油開発政策
    ――1950―1970年台湾における中国石油公司を例に
    [洪 紹洋(訳:林 彦櫻)]
第14章 「資源小国」の自給戦略
    ――1930―1950年代の中国石油産業 [萩原 充]
論評 東アジア石油産業史研究の扉を開ける第一歩 [橘川武郎]
論評 戦後石油精製技術と日本賠償 [浅野豊美]

結論と展望
あとがき
索 引
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