学術選書058
神の支配から王の支配へ
ダビデとソロモンの時代

秦 剛平

四六並製・484頁・税込 2,160円
ISBN: 9784876988587
発行年月: 2012/12
在庫あり
【シリーズ既刊】
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聖書と殺戮の歴史:ヨシュアと士師の時代

内容

天地創造にはじまる創世記の時代から、カナンの地の侵略と殺戮のヨシュア記の時代までは、主なる神が主導する歴史であったが、士師の時代になると、神は積極的な歴史への関与を控えはじめる。それが一段と顕在化するのが、神が王の登場を容認した、サウロ、ダビデ、ソロモンの王の時代である。ヘブライ語旧約聖書、ギリシア語訳聖書、ヨセフス『ユダヤ古代誌』の再話を丁寧に比較検討しながら、この時代の実像にせまる。

目次

はじめに
第1章……イスラエルの王政のはじまり
    サウロ、父の驢馬を探しに行き、サムエルと出会う
    サムエル、サウロに油を注ぐ
    サムエル、ミツパに民を集める
    サウロ、民に歓迎される/サムエル、故郷へ向かう
    アンモンびとの王ナハシュとの戦い
    サウロの救援の約束
    サウロの出陣と勝利
    サウロ、改めて王に選ばれる
    サムエル、人びとに訴える
    サウロ、ペリシテびととの戦争の準備をする
    サウロ、ゲバの町で幕舎を張る/ヨナタンの殊勲
    ヨナタン、誓いを破る
    ヨナタンの過ちの発覚/人びと、ヨナタンを救う
    サウロ、次ぎつぎに勝利を収める
    サムエル、サウロにたいしアマレクびとの殲滅を命じる
    サウロ、アマレクびとを破るも、命令に背いて王を殺さず
    サウロ、アガグを生け捕りにする
    神の怒り、サウロに臨む
    サムエル、アガグを処刑する
第2章……ダビデ物語(上)
    サムエル、ベツレヘムでエッサイの子ダビデに油を注ぐ
    ダビデ、サウロのもとへ行く
    ダビデ、王のために竪琴を弾く
    ペリシテびとの巨人ゴリアテの挑戦
    ダビデ、ゴリアテの挑戦に応じる
    サウロ、ダビデの勝利に嫉妬する
    サウロの娘、ダビデに恋をする
    ヨナタン、父サウロの陰謀をダビデに打ち明ける
    サウロ、再びダビデを殺そうとする
    ダビデ、妻ミカルに救われる
    ダビデ、サムエルのもとへ逃れる
    ダビデ、ヨナタンのもとへ逃れ、彼の父の敵意を訴える
    ヨナタン、ダビデに父の意図を通報することに同意する
    合図は三本の槍で
    ヨナタン、ダビデの欠席を弁解する
    サウロ、ヨナタンに怒りを爆発させる
    ヨナタン、ダビデに会い、別れを告げる
    ダビデ、アヒメレクからパンと剣をもらう
    ダビデ、ガトに逃れ狂人を装う
    ダビデ、アドラムの洞穴に避難し、同志を結集する
    サウロ、ダビデの潜伏先を知る
    サウロの報復
    サウロ王の性格の変化について
    アビアタル、ダビデのもとへ逃げ込む
    ダビデ、ペリシテびとに勝利する/ダビデ、エンゲディの荒れ野へ逃れる
    ダビデ、ジフの荒れ野に難を逃れる
    ジフびとの裏切り
    サウロ、ダビデの追跡を再開する
    サムエルの死
    マオン出身のナバルの横暴
    ナバルの死
    ジフびと、サウロにダビデの居場所を通報する
    ダビデ、ペリシテびとの王アキシュのもとへ逃れる
    ダビデ、イスラエルとの戦闘に参加を求められる
    サウロとエンドルの女霊媒師
    ヨセフスによる女霊媒師讃美
    ヨセフスによるサウロ讃辞
    ペリシテびとの指揮官たち、ダビデをアキシュのもとから追放させる
    留守の間のアマレクびとの襲撃
    分捕り品の分配について
    ギルボア山での戦いとサウロの死
    サウロの在位年数
第3章……ダビデ物語(下)
    ダビデ、サウロの死を知る
    ダビデ、ヘブロンでユダの王になる
    アブネル、イシュ・ボシェトをイスラエルの王に立てる
    アブネルの手勢、ダビデの手勢と一騎打ちする
    アブネルの手勢破れ、アブネル潰走する
    ヘブロンで生まれたダビデの六人の息子たち
    アブネルとイシュ・ボシェトの確執
    アブネル、ヨアブのだまし討ちにあい殺される
    悪事に走る人間について
    イシュ・ボシェトの暗殺とダビデの怒り
    ダビデ、イスラエルとユダの王となる
    ダビデ、エルサレムの町を占領する
    ダビデ、エルサレムを王都と定める
    ダビデの家族
    ダビデ、ペリシテびとを打ち破る
    ダビデ、契約の箱をエルサレムへ運び込む
    ナタンの預言
    ダビデ、ペリシテびととモアブびとに勝利する
    ダビデ、周囲の町々を征服する
    ダビデ、ヨナタンの息子メフィボシェトを厚遇する
    ダビデの使節、アンモンびとの王に辱められる
    アンモンびととの戦い
    ダビデとウリヤの妻バト・シェバ
    主、ダビデを叱責する
    ダビデ、アンモンびとの町を占拠
    ダビデの子アムノン、腹違いの妹のタマルを犯す/アブサロムの復讐
    ヨアブ、和解を画策する/アブサロム、エルサレムへ戻る
    アブサロム、陰謀を企てる
    シムイ、ダビデを呪う
    ダビデ、マハナイムで歓迎される
    エフライムの森の戦い
    アブサロムの死
    ダビデへの報告と悲嘆
    ヨアブ、王をなじる
    全部族、ダビデに服従する
    イスラエルとユダの言い争いとシェバの反乱
    アマサ、暗殺される
    ヨアブ、シェバを包囲する
    三年の飢饉とサウロの一族の人びと
    ペリシテびととの戦いの継続
    ダビデのつくった頌歌
    ダビデの戦士の武勲
    ダビデ、人口調査をする
    人口調査を行った罰
    ダビデ、神殿建設の準備をする
    アビシャグ、老齢のダビデを慰めようとする
    アドニヤの野心
    預言者ナタンの通報/ソロモン、王になる
    レビびとの数と祭司の組織
    ダビデ、イスラエルの指導者たちに訴える
    ダビデ、神殿建設の図面を示し、祭司とレビびとに協力を要請する
    ダビデの祈り
    ダビデ、敵と友人の処遇についてソロモンに指示を与える
    ダビデの死
    讃えんかなダビデ
    ダビデの埋葬とそこに埋められた財宝
第4章……ソロモン物語
    ソロモンの即位
    ソロモン、アドニヤを処刑する
    ソロモン、アビアタルを追放する
    ヨアブ、処刑される
    ソロモン、シムイを追放する
    ソロモン、エジプトのファラオの娘と結婚する
    ソロモンの見た夢
    二人の遊女の争いとソロモンの大岡裁き
    ソロモンの任命した知事たち
    ユダとイスラエルの繁栄
    ソロモンの知恵/ソロモンの歌と箴言
    ソロモンの悪霊祓い
    ツロの王ヒラムとソロモンの間のやりとり
    書簡について
    神殿建設着手の年について
    神殿建設の細部
    主の契約の箱、神殿内に運び込まれる
    ソロモンの祈り
    祭壇上の犠牲
    ソロモンの見た夢
    ソロモン、王宮を建てる
    メナンドロスとディオスの証言
    ソロモン、エルサレムを強固な要塞都市とする
    タドモル(パリュミラ)の建設
    ファラオの呼称について
    ソロモンの船団
    シェバの女王の訪問
    ソロモンの富とソロモンの船団
    馬と戦車の輸入
    色情狂ソロモンの七〇〇人の正妻と三〇〇人の側室
    神の怒りと警告
    ハダドの謀反
    ソロモンの死
あとがきに代えて

参考文献 / 索引 / 図版一覧

プロフィール

秦 剛平(はた ごうへい)

多摩美術大学名誉教授
聖書文学協会所属(ヨセフス・セミナー運営委員、フィロン・セミナー運営委員、ヘレニズム・ユダヤ教専門部会運営委員)、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学(クレア・ホール)フェロー
 主な著書/『乗っ取られた聖書』『異教徒ローマ人に語る聖書創世記を読む』『書き替えられた聖書新しいモーセ像を求めて』『聖書と殺戮の歴史ヨシュアと士師の時代』(以上京都大学学術出版会)、『旧約聖書続編講義』(リトン)、『ヨセフスイエス時代の歴史家』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』(以上ちくま学芸文庫)、『反ユダヤ主義を美術で読む』『描かれなかった十字架』『名画でたどる聖人たち』『名画で読む聖書の女たち』『天使と悪魔美術で読むキリスト教の深層』(以上青土社)ほか
 主な訳書/フィロン『フラックスへの反論・ガイウスへの使節』エウセビオス『コンスタンティヌスの生涯』ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』(以上京都大学学術出版会)、ヨセフス『ユダヤ戦記』全7巻3分冊、同『ユダヤ古代誌』全20巻6分冊(ちくま学芸文庫)、エウセビオス『教会史』全10巻2分冊(講談社学術文庫)『七十人訳ギリシア語聖書』全5分冊(河出書房新社)ほか30冊
 主な論集編纂/共編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(京都大学学術出版会)、『ヨセフス論集』全4分冊(山本書店)、『エウセビオス論集』全3分冊(リトン)