学術選書055
聖書と殺戮の歴史
ヨシュアと士師の時代

秦 剛平

四六並製・350頁・税込 1,944円
ISBN: 9784876988556
発行年月: 2011/12
在庫あり
【シリーズ既刊】
異教徒ローマ人に語る聖書:創世記を読む
書き替えられた聖書:新しいモーセ像を求めて
神の支配から王の支配へ:ダビデとソロモンの時代

内容

モーセの死後、古代のイスラエル人たちが約束の地カナンを征服する過程を旧約聖書の物語を、ヘブライ語聖書、ギリシア語訳聖書、ヨセフス『ユダヤ古代誌』全二〇巻歴史記述を比較検討しながら記述する。この殺戮にあけくれた時代の歴史を、ユダヤ教・キリスト教研究の世界的権威が、絶妙な語り口で紹介する。

目次

はじめに

第1章……イスラエルの子らのカナン侵入と征服
ヨシュア記の内容
ヨシュア、偵察隊員をエリコの町に送り込む
偵察隊員の報告
ヨルダン川の徒渉
ヨルダン川の西側に住む王たちの反応
イスラエルの子ら、過越の祭を祝う
神によって引き渡されたエリコの町
崩れ落ちた後のエリコの町は
カナンの町の攻撃
アイの町の征服
ギブオンびととの契約
近隣の王国の攻撃
カナンの土地の北部地方
ヨシュア、シェケムに祭壇を建てる
土地の測量と割り当て
逃れの町について
土地の分配終わる
ヨセフスの再話はトーンダウン?
ヨシュア、告別の言葉を述べる
ヨルダン川東に住む者たち、祭壇を建立し、川西に住む者たちの誤解を招く
ヨシュアとエルアザルの死

第2章……士師時代(1)
士師記について
カナンの南部地域の制圧
アドニ・ベゼクとの交戦
ユダの子らによるエルサレム攻撃
ユダの子らによるヘブロンの地ほかの攻撃
モーセの義父、居住地を与えられる
ユダが攻め取った地域と攻め取れなかった地域
ベニヤミンの子らは? エフライムの子らは?
主の御使いの発した警告
イスラエル人の生活の弛緩と堕落
部族間の醜行と蛮行
イスラエルの子ら、犯人の引き渡しを要求する
ベニヤミン部族制裁のための戦争
ベニヤミン部族の敗北
ベニヤミン部族との和解と娘たちの拉致
ダン部族の移動
オトニエルの物語
モアブびとの王とエフドの登場
異変に気づいたエグロンの側近たち
シャムガルの登場
カナンびとの王アビトスの登場
女預言者デボラとバラクの登場
デボラ、バラクとともに出陣する
ミディアンびとの侵入
ミディアンびとら、イズレエルの平原に集結する
主、ギデオンの軍勢を減らす
エフライムの男たち、ギデオンに抗議する
アビメレクの登場
アビメレク、王になる
神、アビメレクとシェケムの有力者の間を裂く
ヤイルの統治
アンモンびととペリシテびとの支配下のイスラエルの子ら
エフタへの呼びかけと悲劇
エフタ、エフライム部族と戦う
イブツァンの治世、エロンの治世、アブドンの治世

第3章……士師時代(2)
1 サムソン物語
イスラエルの子ら、ペリシテびとの支配下に置かれる
主の御使い、マノアの妻に男子の誕生を告げる
サムソンの誕生
サムソン、ライオンを殺す
サムソンの謎かけ
サムソン、ペリシテびとの畠を荒らし回る
サムソンの大殊勲
ガザでのサムソン
デリラ、サムソンを引き渡す
サムソンの最後
2 ルツ物語
ルツ記の時代設定
ナオミ、主人と二人の息子を失う
脱穀場でのボアズとルツ
ボアズとルツの結婚とその孫たち

第4章……サムエル物語(1)
前置き
(ラールフス編)
(ルキアノス版)
エリの二人のダメ息子の非道と不正
エリ、ハンナに男子の誕生を告げる
サムエルの誕生と神への奉仕
サムエルへの神の啓示
ペリシテびとの勝利
大祭司エリの死
ピネハスの妻の死
大祭司の後継者

第5章……サムエル物語(2)
契約の箱のたらい回し
ペリシテびとの協議とその結果
契約の箱、ベト・シェメシュの村へ帰る
契約の箱に触れた村民たちの死/契約の箱、アミナダボスの家に移される
サムエル、イスラエルびとを励ます
イスラエルの子ら、ペリシテびとに勝利する
サムエル、被征服地を回復する
士師としてのサムエル
サムエルの息子たちの堕落
イスラエルの子ら、王を要求する
王政(王制)になったならば

あとがきに代えて
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プロフィール

秦 剛平 (はた ごうへい)
 
多摩美術大学共通教育教授、同大学図書館長
聖書文学協会所属(ヨセフス・セミナー運営委員、フィロン・セミナー運営委員、ヘレニズム・ユダヤ教専門部会運営委員)オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)
 主な著書/『乗っ取られた聖書』『異教徒ローマ人に語る聖書——創世記を読む』『書き替えられた聖書——新しいモーセ像を求めて』(以上京都大学学術出版会)、『旧約聖書続編講義』(リトン)、『ヨセフス——イエス時代の歴史家』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』(以上ちくま学芸文庫)、『反ユダヤ主義を美術で読む』『描かれなかった十字架』『名画でたどる聖人たち』『名画で読む聖書の女たち』『天使と悪魔——美術で読むキリスト教の深層』(以上青土社)ほか
 主な訳書/フィロン『フラックスへの反論・ガイウスへの使節』エウセビオス『コンスタンティヌスの生涯』ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』(以上京都大学学術出版会)、ヨセフス『ユダヤ戦記』全7巻3分冊、同『ユダヤ古代誌』全20巻6分冊(ちくま学芸文庫)、エウセビオス『教会史』全10巻2分冊(講談社学術文庫)『七十人訳ギリシア語聖書』全5分冊(河出書房新社)ほか30冊
 主な論集編纂/共編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(京都大学学術出版会)、『ヨセフス論集』全4分冊(山本書店)、『エウセビオス論集』全3分冊(リトン)