学術選書036 諸文明の起源6
中国文明 農業と礼制の考古学

岡村 秀典

四六並製・296頁・税込 1,944円
ISBN: 9784876988365
発行年月: 2008/06
在庫あり

書評

『史林』第92巻第3号、135-141頁、評者:許宏氏
『日本考古学』第28号、101-105頁、評者:杉本憲司氏

内容

古代の四大文明の中で。近代までその骨格が持続したのは、唯一、中国文明であった。とりわけ、上部構造としての「礼制」は、中国文明特有のものとして清末まで保持された。本書は、前三千年紀から前二千年紀に至る文明の形成過程を、最新の考古資料を駆使して跡づける。その際、下部構造の「農業」や「生活」に焦点をあて、全体の「社会」の変遷をたどろうとする。

目次

口 絵
はじめに
第1章 中国文明とは何か
1 四〇〇〇年におよぶ中国文明
2 中国文明の空間動態
第2章 文明の胎動——紀元前三千年紀の龍山時代
1 農耕社会の成立
2 複雑化する社会
3 地域間交流の拡大
第3章 文明の誕生——紀元前二千年紀前半の二里頭文化
1 王朝の成立
2 中国的世界の形成
第4章 初期国家の成立——紀元前二千年紀後半の殷周時代
1 農業生産の発展
2 複雑化する王都の構造
3 地方支配の構造
4 王統と王陵の成立
第5章 文明・王朝・国家の形成
1 都市と農村の分化
2 祭儀国家の成立
〔注〕
図版資料の出典一覧
おわりに
中国古代文明への理解をさらに深めるための文献案内
索引

プロフィール

岡村 秀典(おかむら ひでのり)

 京都大学人文科学研究所教授。専門は考古学、中国学。
 1957年、奈良市に生まれる。1980年に京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業、1985年に京都大学大学院博士後期課程を中退し、京都大学文学部助手、九州大学文学部助教授、京都大学人文科学研究所助教授をへて、2005年より現職。京都大学博士(文学)。2000年に第13回濱田青陵賞を受賞。
 樋口隆康・林巳奈夫教授に師事して漢鏡の研究をはじめ、留学した北京大学歴史系考古専業では宿白・鄒衡・兪偉超教授の薫陶を受けた。在学中より日本の古墳や寺院址の調査を手がけ、京都大学人文科学研究所に着任してからは中国の新石器時代から殷周時代の調査をおこなっている。また、福岡県番塚古墳、中国の遼寧省文家屯遺跡、山西省雲岡石窟・方山永固陵など未発表であった過去の発掘資料について、若手研究者らとともに実地調査をふまえながら再整理し、報告書をまとめた。2005年より人文科学研究所の共同研究班「中国古鏡の研究」を主宰し、中国鏡の銘文を会読している。それと同時に、雲岡石窟にいたる仏教文化の東伝を考古学から検討するため、人文科学研究所に所蔵するイラン・アフガニスタン・パキスタンの発掘資料を整理し、2008年秋には京都大学総合博物館で企画展「シルクロード発掘70年-雲岡石窟からガンダーラまで」を開催する予定である。

単著に『夏王朝 中国文明の原像』講談社学術文庫、『中国古代王権と祭祀』学生社、『三角縁神獣鏡の時代』吉川弘文館、編著に『雲岡石窟 遺物篇』朋友書店、『文家屯 1942年遼東先史遺跡発掘調査報告書』真陽社、共編著に『国家形成の比較研究』学生社、『世界美術大全集 東洋編第1巻 先史・殷・周』小学館、共著に『東北アジアの考古学研究』同朋舎出版、『世界の大遺跡9 古代中国の遺産』講談社、共訳書に梁上椿著『巌窟蔵鏡』同朋舎などがある。