学術選書028 心の宇宙5
心を発見する心の発達

板倉 昭二 著

四六並製・183頁・税込 1,944円
ISBN: 9784876988280
発行年月: 2007/10
在庫あり

書評

『読売新聞』'07年11月20日夕刊、8面

内容

人間は他の人に「心」があることを知っている。ではイヌやネコには?人形には?自分以外の存在にも「心を見つける」能力は、「人の気持ちになって考えられる」ことの源であり、「人間の条件」だともいえる。それはどのような性質を持っており、どのように発達するのだろうか?また、ヒト以外の動物にもそのような能力はあるのだろうか?

目次

口絵
まえがき

第1章……心の成り立ち
1 赤ちゃん研究の進展
2 なぜ赤ちゃん研究か
3 赤ちゃんの社会的認知の世界
4 社会的随伴性の知覚
5 赤ちゃんの認識世界の捉え方
6 メンタライジング
7 本書の構成

コラム1 赤ちゃんを知ることの大切さ

第2章……物体に心を見つける
1 合理的な判断をする赤ちゃん
2 行動の解釈の仕方
3 目標志向性の理解
4 好き嫌いの判断

コラム2 アニミズム

第3章……ロボットに心を見つける
1 ロボットに心は宿るか
2 ヒトの目標志向性の理解
3 視線追従とロボット
4 ロボットは話し相手になれるか
5 ロボットの目標志向性
6 ロボットの行為を模倣する
7 ロボットの誤信念課題
8 アンドロイドサイエンス
9 アンドロイドサイエンスと他領域の融合
10 アンドロイドを用いた実験
11 不気味の谷から考える人間

コラム3 ジェミノイド 

第4章……シンボル—マインディッド
1 シンボルを持つ心
2 スケールモデル課題
3 二重表象(Dual Representation) 
4 二重表象の特性を調べる
5 絵や写真の理解
6 スケールエラー 
7 ビデオと現実世界

コラム4 心理学の実験

第5章……視線で読む他者の心
1 進化発達心理学の考え方
2 視線の重要性とその分類
3 視線理解における個体発生と系統発生
4 反射的注意のシフト
5 ヒト以外の霊長類は「見る—知る」の関係を理解するか 
6 視線理解研究の今後

コラム5 見ることの理解——閉じた目と開いた目

第6章……まとめと展望
1 メンタライジングの発達の概略
2 ディヴェロップメンタル・サイバネティクスの提唱

引用文献
読書案内
あとがき
索  引

プロフィール

板倉 昭二 (いたくら しょうじ)

 京都大学大学院文学研究科准教授,理学博士,専門は発達科学.

 1959年大分市生まれ.1983年横浜国立大学教育学部卒業,1989年京都大学大学院理学研究科(霊長類学専攻)博士後期課程修了.日本学術振興会特別研究員(PD),大分県立芸術文化短期大学,米国エモリー大学ヤーキース霊長類センター,大分県立看護科学大学等を経て,2000年10月より現職.

【主な著書】

『心のしくみ——現代教養心理学』(学術図書出版社,1992年),『自己の起源』(金子書房,1999年),『乳児の世界』(共監訳)(ミネルヴァ書房,2004年),『「私」はいつ生まれるか』(ちくま新書,2006年),Diversity of Cognition: Evolution, Development, Domestication, and Pathology (共編著)(Kyoto University Press)ほか.