学術選書025 諸文明の起源14
古代日本 国家形成の考古学

菱田 哲郎

四六並製・313頁・税込 1,944円
ISBN: 9784876988259
発行年月: 2007/06
在庫あり

書評

『日本歴史』'07年9月号「新刊寸描」
『歴史と地理』No.610日本史の研究219、60-63頁、評者:木下正史氏
『洛北史学』第12号、124-129頁、評者:竹原伸仁氏

内容

日本の国家形成論研究には、膨大な蓄積がある。その論点をコンパクトに整理統合し、考古資料が語りうる視点から古代日本を浮き彫りにする。とりわけ本書では、5世紀に花開いたさまざまな技術革新をフォローすることからはじめ、7〜8世紀の産業政策と宗教政策——その接合部分にアプローチすることで、慎重にかつ大胆に古代日本の国家像を見出そうとする。

目次

口 絵
はじめに
第1章……考古資料と日本の国家形成
1 考古資料と古代国家形成論の視点
2 国家形成論の課題と方法
3 古墳時代とその区分をめぐって
第2章……内部領域の形成と中心—周縁関係—五・六世紀の生産と社会
1 五世紀の技術革新と大規模生産地の成立
2 技術の拡散と中心?周縁関係
3 五、六世紀における祭祀と儀礼
第3章……地域統合と統治組織—六・七世紀の生産と社会
1 手工業生産の変化
2 ミヤケと部民制
3 古墳と祭祀
第4章……律令制下の産業政策
1 手工業生産と地方官衙
2 都と手工業
3 規格・品質と貢納制
第5章……律令制下の宗教政策
1 七世紀の仏教政策
2 七世紀の神祇政策
3 諸国宗教政策
4 宗教政策と産業政策
第6章……下部構造と上部構造からみた日本の国家形成
1 下部構造と上部構造における諸画期
2 国家形成論の射程と課題
あとがき

参考文献
索引

プロフィール

菱田 哲郎(ひしだ てつお)

 京都府立大学文学部准教授。専門は日本考古学、比較考古学。
 1960年大阪生まれ。1983年京都大学文学部史学科考古学専攻卒。同大学大学院博士課程中退。1985年京都大学文学部助手、同大学文学部博物館(現総合博物館)助手。1992年より京都府立大学文学部に移り、1994年より現職。
 古墳や寺院の調査を手がけ、とりわけ兵庫県の播磨地域では継続的に発掘調査や測量調査をおこなっている。論著は須恵器を中心とした手工業生産に関するもの、寺院や瓦を中心とした古代仏教に関するものが多く、それらを通して地域社会の推移を考古資料から組み立てる試みにも取り組んでいる。
 また、上智大学アンコール国際調査団にも加わったことを契機に、国際的な比較を通して文明の形成過程を考えることも進めており、神殿・寺院の成立について国家形成との関わりから検討しようとしている。
【主な著書】
単著『須恵器の系譜』(歴史発掘』10巻、講談社、1996年)、共著『ヤマト王権と交流の諸相』(古代王権と交流5巻、名著出版1994年)、共著『都市と手工業』(古代史の論点4、1998年、小学館)、共著『平安京』(日本の時代史5巻、吉川弘文館、2002年)共著『京都と京街道』(街道の日本史32、2002年、吉川弘文館)、共著『和国の教主 聖徳太子』(日本の名僧1、吉川弘文館、2004年)、共著『人と物の移動』(列島の古代史4、岩波書店、2005年)、共著『アンコール・ワットを読む』(連合出版、2005年)など。他に研究論文や遺跡の調査報告書、自治体史など。