学術選書024
旅の地中海
古典文学周航

丹下 和彦

四六並製・345頁・税込 1,944円
ISBN: 9784876988242
発行年月: 2007/06
在庫あり

内容

地中海海域はギリシア・ローマを中心とする古典文学の宝庫である。西洋古典学に造詣の深い著者が各地を訪ね歩き、筆ませに綴った文学論は、他の追従を許さぬほど内容豊富な文学入門であるとともに、著者は近代西欧文化の根幹をなす文化遺産として、二一世紀の現代の眼でいま一度とらえ直し、その意味を改めて問うことを試みている。

目次

口 絵
地 図
第1章……なぜアキレウスが—トロイア
トロイア、夢の跡
1 エピソードの選択
2 アキレウス、怒る
3 アキレウス、また怒る
4 ヘクトル、浮世のしがらみ
5 ヘクトル、突張る
6 英雄の死
第2章……オデュッセウスの涙—スケリエ島
スケリエ、地図にない島
1 泣く男たち
2 オデュッセウス、泣く
3 なぜ泣くのか
4 推測
5 鬱々たるオデュッセウス
6 封印されたトロイア
7 市民オデュッセウス
第3章……目を潰すオイディプス—テバイ
伝説の都テバイ
1 わたしは何者か
2 目を潰す
3 知に拠って立つ
第4章……紡ぎ出された都市—アテナイ
アテナイ今昔
1 時代背景
2 作品を透かして見る都市アテナイ
3 現実と虚構
4 虚構の仕掛け—夢の効用
5 喜劇上演とアテナイ社会
第5章……『アンドロメダ』異聞—アブデラ
愚者の町アブデラ
1 あるときアブデラで
2 なぜ『アンドロメダ』が
3 『アンドロメダ』のどこが
4 甦る『アンドロメダ』
5 受容の過程で
第6章……『メデイア』その後—ローマ
ローマ、猥雑なる帝都
a. エンニウスの場合
1 エンニウスの読み
2 両篇の比較
3 付け加えられたもの
4 その時代
b. セネカの場合
1 メデアは剣闘士か
2 レッシングの演劇論
3 セネカはどう変えたか
4 エウリピデスの場合は
5 親と子
6 男と女
7 メデア像の統一性
第7章……アエネアス、逃げる—カルタゴ
哀愁のカルタゴ
1 トロイアをあとに
2 船出……波に浮寝の
3 ディド……徒な深情け
4 遁走……あとは白浪
5 神の傀儡
第8章……手紙を書くカリロエ—シラクサ
諸人往来の島シシリー
1 「わたしは書き綴った」
2 小説を生み出した時代
3 カリトン作『カイレアスとカリロエ』について
4 手紙を書く女
5 カリトンの位置
第9章……ドン・キホーテのカタバシス—ラ・マンチャ
玉ねぎの里ラ・マンチャ
1 下降の一章
2 オデュッセウスのカタバシス
3 ドン・キホーテのカタバシス
4 ドン・キホーテ、夢の終わり
5 古典の受容

〔注〕
翻訳と参考文献(抄)
あとがき
索 引

プロフィール

丹下 和彦(たんげ かずひこ)

1942年 岡山市生まれ
1970年 京都大学大学院文学研究科博士課程中退
2005年 京都大学博士(文学)
和歌山県立医科大学教授,大阪市立大学教授を経て,現在,関西外国語大学教授,大阪市立大学名誉教授
専攻は西洋古典文学で,ギリシア悲劇を中心に著書,翻訳が多い.

【主な著訳書】
『ギリシア悲劇全集』5・6巻(共訳,岩波書店)
『ギリシア悲劇全集』別巻(共著,岩波書店)
『ギリシア悲劇研究序説』(東海大学出版会)
カリトン『カイレアスとカッリロエ』(国文社)
『女たちのロマネスク—古代ギリシアの劇場から』(東海大学出版会)
アルクマン他『ギリシア合唱抒情詩集』(京都大学学術出版会)
『ライン河—流域の文学と文化—』(晃洋書房)