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オセアニア学

吉岡 政德 監修/遠藤 央・印東 道子・梅﨑 昌裕・中澤 港・窪田 幸子・風間 計博 編

A5上製・592頁

ISBN: 9784876987894     正誤表(2009.12.15更新)PDF

発行年月: 2009/10

  • 本体: 7,000円(税込 7,700円
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内容

太平洋に点在するポリネシア、メラネシア、ミクロネシアの3つの島嶼群とオーストラリア大陸からなる本地域は、地球表面積の3分の1近くを占める。地政学的な重みと少ない人口とのアンバランスが産み出す可能性と課題を、日本オセアニア学会が総力をあげて描き尽くす。ゼロ年代における地域研究の最前線。

プロフィール

(執筆順)

吉岡政德(よしおか・まさのり,監修)
神戸大学大学院国際文化学研究科教授,日本オセアニア学会会長.オセアニアの社会人類学的研究.

◆第I部
印東道子(いんとう・みちこ,編集委員)
国立民族学博物館民族社会研究部教授.オセアニア(特にミクロネシア)の考古学,文化史研究.

片山一道(かたやま・かずみち)
京都大学名誉教授,日本オセアニア学会前会長.ポリネシア人の生物人類学的研究,オセアニア島嶼世界での人間の移動に関する先史人類学的研究.

小野林太郎(おの・りんたろう)
日本学術振興会海外特別研究員(オーストラリア国立大学).東南アジア・オセアニア地域研究(考古学・人類学).

野嶋洋子(のじま・ようこ)
直島福武美術館財団・犬島アートプロジェクトスタッフ.メラネシアの考古学・民族考古学的研究,食文化研究.

菊澤律子(きくさわ・りつこ)
国立民族学博物館先端人類科学研究部准教授.言語学(オーストロネシア諸語の歴史言語学・比較統語論,言語類型論),オセアニアの先史に関する学際的研究.

根岸 洋(ねぎし・よう)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程.縄文・弥生時代の考古学,メラネシアの先史考古学・民族考古学.

片岡 修(かたおか・おさむ)
関西外国語大学国際言語学部教授.ミクロネシアの動物考古学および民族考古学研究.

石村 智(いしむら・とも)
奈良文化財研究所研究員.オセアニア考古学,文化遺産保護の国際協力.

◆第II部
梅㟢昌裕(うめざき・まさひろ,編集委員)
東京大学大学院医学系研究科准教授.パプアニューギニアにおける人類生態学・国際保健学.

山口 徹(やまぐち・とおる)
慶應義塾大学文学部教授.オセアニア島嶼景観のジオアーケオロジー.
小谷真吾(おだに・しんご)
千葉大学文学部准教授.パプアニューギニア,マレーシアを対象とした生態人類学的研究.

古澤拓郎(ふるさわ・たくろう)
東京大学国際連携本部特任講師.ソロモン諸島における分野横断の人類生態学的研究.

関根久雄(せきね・ひさお)
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授.ソロモン諸島を中心とするオセアニア島嶼地域の社会開発に関する人類学的研究.

川村千鶴子(かわむら・ちずこ)
大東文化大学環境創造学部教授.移民政策,多文化共生論,太平洋島嶼学.

小林 誠(こばやし・まこと)
首都大学東京大学院社会科学研究科博士後期課程.ポリネシアの環礁島における社会人類学的研究.

◆第III部
中澤 港(なかざわ・みなと,編集委員)
群馬大学大学院医学系研究科准教授.パプアニューギニアとソロモン諸島での人類生態学的研究.

河辺俊雄(かわべ・としお)
高崎経済大学地域政策学部教授.パプアニューギニア,マレーシア,ラオスの人類生態学的研究.

山内太郎(やまうち・たろう)
北海道大学大学院保健科学研究院准教授.人類生態学.環境適応と人類進化の視座から健康を考えている.

稲岡 司(いなおか・つかさ)
佐賀大学農学部および鹿児島大学大学院連合農学研究科教授.オセアニア・東南アジアの開発と環境・健康問題の人類生態学研究.

白川千尋(しらかわ・ちひろ)
国立民族学博物館先端人類科学研究部准教授.ヴァヌアツおよび東南アジア大陸部の文化人類学・医療人類学的研究.

川端眞人(かわばた・まさと)
神戸大学医学研究科教授.国際保健・感染症対策.
小西祥子(こにし・しょうこ)
東京大学大学院医学系研究科助教.トンガにおける人類生態学・生物人口学研究.

福井栄二郎(ふくい・えいじろう)
島根大学法文学部准教授.メラネシア,とくにヴァヌアツの社会人類学的研究.

◆第IV部
遠藤 央(えんどう・ひさし,編集委員代表)
京都文教大学人間学部教授.ミクロネシア,マレーシアの社会人類学的研究.

石森大知(いしもり・だいち)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニアフェロー.メラネシア(おもにソロモン諸島)の文化人類学的研究.

千住 一(せんじゅ・はじめ)
立教大学大学院観光学研究科兼任講師.日本近代における「観光」および南洋群島に関する歴史学的研究.

棚橋 訓(たなはし・さとし)
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授.ポリネシア,ミクロネシアの社会変動に関する歴史人類学的研究.

飯髙伸五(いいたか・しんご)
日本学術振興会特別研究員(PD)/筑波大学.ミクロネシアの歴史人類学的研究,沖縄移民研究.

黒崎岳大(くろさき・たけひろ)
外務省アジア大洋州局大洋州課事務官.ミクロネシア地域の文化人類学・政治経済学.

丹羽典生(にわ・のりお)
国立民族学博物館研究戦略センター助教.フィジーを中心とする社会人類学的研究,紛争の比較研究.

風間計博(かざま・かずひろ,編集委員)
筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授.オセアニアの経済,ディアスポラ等の人類学的研究.

深山直子(ふかやま・なおこ)
日本学術振興会特別研究員(PD)/お茶の水女子大学.ニュージーランド先住民族マオリの社会人類学的研究.

伊藤泰信(いとう・やすのぶ)
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科准教授.文化人類学,知識社会学,日本とニュージーランドを中心とする先住民研究

田所聖志(たどころ・きよし)
東京大学大学院医学系研究科特任研究員.メラネシア,パプアニューギニア,日本の社会人類学・民俗学的研究.

◆第V部
窪田幸子(くぼた・さちこ,編集委員)
神戸大学大学院国際文化学研究科教授.オーストラリアを中心とする先住民の文化人類学的研究.

中村純子(なかむら・じゅんこ)
横浜商科大学商学部准教授.ニューカレドニアの観光人類学的研究.

安井眞奈美(やすい・まなみ)
天理大学文学部准教授.日本とミクロネシアの文化人類学,民俗学.

小西潤子(こにし・じゅんこ)
静岡大学教育学部准教授.小笠原・ミクロネシアの音楽・舞踊に関する民族音楽学的研究.

後藤 明(ごとう・あきら)
南山大学人文学部教授.東南アジア・オセアニアのカヌーを軸とした文化復興,また天文学など自然科学と人類学の文理融合型教育プログラムの開発.

内藤暁子(ないとう・あきこ)
武蔵大学社会学部教授.ニュージーランドの先住民マオリの文化人類学的研究.

桑原牧子(くわはら・まきこ)
金城学院大学文学部准教授.ポリネシアの文化人類学的研究.

馬場 淳(ばば・じゅん)
日本学術振興会特別研究員(PD)/東京外国語大学.社会人類学,パプアニューギニアを中心とするオセアニア民族誌学.

柄木田康之(からきた・やすゆき)
宇都宮大学国際学部教授.ミクロネシアの国民形成の文化人類学的研究.

塚本晃久(つかもと あきひさ)
三重大学・中京大学・名古屋外国語大学非常勤講師.ポリネシアの記述・歴史言語学.

大角 翠(おおすみ・みどり)
東京女子大学現代教養学部教授.言語学(メラネシア言語の文法記述,類型言語研究).

駒井洋子(こまい・ようこ)
成城大学民俗学研究所研究員.ミクロネシア連邦の人の移動と観光を中心とした文化人類学研究.

目次

序[吉岡政德]

第I部 人類の移動と居住戦略

総  論[印東道子]
第1章 ヒトからみた移動と拡散[片山一道]
第2章 東南アジアからオセアニアへの拡散と居住戦略[小野林太郎]
第3章 島嶼部への拡散と居住戦略[野嶋洋子・印東道子]
第4章 言語にみる歴史と環境[菊澤律子]
第5章 先史時代の交易[根岸 洋・片岡 修]
コラム ラピタ土器[石村 智]

第Ⅱ部 環境と開発

総  論[梅﨑昌裕]
第1章 高い島と低い島――歴史生態学の視点から[山口 徹]
第2章 生業の多様性とその変容[小谷真吾]
第3章 開発と環境保護[古澤拓郎]
第4章 社会開発と自然環境―オセアニア島嶼の「個別性」[関根久雄]
第5章 自動車の普及と社会変容――島嶼のグローバル・テクノスケープ[川村千鶴子]
コラム 海面上昇に対する認識―ツヴァル離島部の人々の視点から[小林 誠]

第Ⅲ部 身体と病い

総  論[中澤 港]
第1章 子どもの成長にみる大きな地域差[河辺俊雄]
コラム 成長に影響する生態学的条件―パプアニューギニア2集団の比較[河辺俊雄] 
第2章 環境と身体の多様性―成長・栄養とライフスタイル[山内太郎]
第3章 生活習慣病と倹約遺伝子[稲岡 司]
第4章 社会不安と健康[中澤 港]
第5章 伝統医療と近代医療[白川千尋]
第6章 援助と健康教育―ソロモン諸島におけるマラリア対策の事例考察[川端眞人]
第7章 海外移住の人口学[小西祥子]
コラム 老いと文化[福井栄二郎] 

第Ⅳ部 植民地化と近代化

総  論[遠藤 央]
第1章 キリスト教化の歴史[石森大知]
第2章 日本統治下の南洋群島[千住 一・棚橋 訓・飯髙伸五]
第3章 国際政治と安全保障
   ―マーシャル諸島の現代政治史とアメリカ合衆国の安全保障政策[黒崎岳大]
第4章 紛争と政治的混乱―アフリカ化論の批判的検討を通じて[丹羽典生]
第5章 国民経済と出稼ぎ移民―グローバル化のもたらす近代性と贈与交換[風間計博]
第6章 先住民運動とメディア[深山直子・伊藤泰信]
コラム メラネシア研究と空間論的転換[田所聖志] 

第V部 文化とアイデンティティ

総  論[窪田幸子]
第1章 観光と「伝統文化」[中村純子]
第2章 芸術とアイデンティティ[安井眞奈美・小西潤子]
第3章 文化の復興と創造[後藤 明・内藤暁子・桑原牧子]
第4章 ジェンダーと社会―メラネシアの伝統を生きる女性たち[馬場 淳]
第5章 文化的アイデンティティと国家[柄木田康之]
第6章 ポリネシアの言語とアイデンティティ[塚本晃久]
第7章 メラネシアにおける言語とアイデンティティ[大角 翠]
コラム ヤップ・デイ[駒井洋子] 

索  引 

跋[遠藤 央] 
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