日本庭園の植栽史

飛田 範夫

菊上製・435頁・税込 4,968円
ISBN: 9784876986040
発行年月: 2002/12
在庫なし

受賞

平成15年度日本造園学会賞 受賞

内容

例えば、我々日本人はいつから桜を愛でるようになったのか? 様式論が中心になってきたこれまでの庭園史では、植裁やその技術については、語られてこなかった。飛鳥浄御原宮や安土城など、花粉分析などの農学的なアプローチを多用しながら進んだ近年の考古学の成果に基づき、初めて日本庭園における植栽の変遷を通史として記しす。

目次



I 中国文化の影響下

第一章 奈良時代までの庭園植栽
 一.古代人と植物
 二.「しま」(海洋風景式庭園)の伝来――飛鳥時代の庭園
 三.中国趣味の植栽――奈良時代の庭園
 四.奈良時代までの植栽技法
 五.奈良時代までの特色

II 寝殿造庭園の時代

第一章 平安時代の庭園植栽
 一.平安京の概観
 二.キク・タケからサクラの愛好へ――平安前期の庭園
 三.浄土式庭園の誕生――平安中期の庭園
 四.大規模な郊外別荘の植栽――平安後期の庭園
 五.平安時代の植栽技法
 六.平安時代の特色
第二章 鎌倉時代の庭園植栽
 一.新しい美意識の登場――京都の庭園
 二.中世の始まり――鎌倉の庭園
 三.鎌倉時代の植栽技法
 四.鎌倉時代の特色

III 枯山水と露地の時代

第一章 室町時代の庭園植栽
 一.針葉樹の使用――室町前期の庭園
 二.枯山水の発展――室町後期の庭園
 三.室町時代の植栽技法
 四.室町時代の特色
第二章 安土桃山時代の庭園植栽
 一.城郭庭園の植栽
 二.露地の植栽
 三.安土桃山時代の植栽技法
 四.安土桃山時代の特色

IV 回遊式庭園と洋風庭園の時代

第一章 江戸時代の庭園植栽
 一.大規模回遊式庭園の出現――江戸前期の庭園
 二.社会政策としての行楽地――江戸中期の庭園
 三.個人経営の庭園の増加――江戸後期の庭園
 四.江戸時代の植栽技法
 五.江戸時代の特色
第二章 明治・大正・昭和前期の庭園植栽
 一.「文人風」から「自然風」へ――明治・大正時代の庭園 
 二.「実用庭園」の流行‐‐昭和前期の庭園
 三.明治・大正・昭和前期の植栽技法
 四.明治・大正・昭和前期の特色

V 花壇・生垣・禁忌・植物名について

第一章 日本の花壇
 一.花壇成立前の状況
 二.花壇の出現
 三.花壇とは何か
第二章 生垣の歴史
 一.生垣の定義
 二.刈り込み生垣の出現まで
 三.刈り込み生垣の出現
 四.生垣の剪定用具
 五.結論として
第三章 庭園植栽の禁忌
 一.禁忌の意味
 二.禁忌とされる植栽植物
 三.禁忌の根拠の分析
 四.存続する禁忌
第四章 植物名の比較
 一.植物名の同定
 二.植物名の時代比較

おわりに

プロフィール

飛田範夫(ひだ のりお)

長岡造形大学デザイン学科教授
1947年生まれ。
1977年、京都大学大学院農学研究科博士課程退学。
京都府文化財保護課等を経て、2001年4月より現職。
京都大学博士(農学)。

主な著書
『「作庭記」からみた造園』鹿島出版会、1985年
『日本美術全集(11)』(共著)講談社、1995年
『日本庭園と風景』学芸出版社、1999年