シリーズ群集生態学5
メタ群集と空間スケール

大串隆之・近藤倫生・野田隆史 編

A5並製・204頁・税込 3,132円
ISBN: 9784876983476
発行年月: 2008/12
在庫あり

書評

『日本生態学会ニュースレター』No.22 ('10年9月)、26-27頁、評者:黒河内寛之氏

内容

さまざまな空間スケールで見られる生物群集のパターンとその維持形成の機構に関す る最新の研究を紹介するとともに,群集の統合的な理解に向けた新たな課題と研究の方向性を展望する.生息場所の空間構造,環境の異質性,これらの時間的な変動性,生物の移動能力,生物種の特性間の関係などの要因と群集構造の関係を明らかにする.

目次

口絵
はじめに

第1章 熱帯林樹木の種多様性
--異なる空間スケールで見る(相場慎一郎)
1 はじめに
2 樹木群集の種多様性を決定する三つの要因
3 異なる空間スケールにおける熱帯林の樹種多様性の決定機構
4 なぜ熱帯低地では樹種多様性が高いのか?
5 種数—面積関係
6 今後の展望

第2章 食物連鎖はなぜ短いか?
--生態系サイズの効果(瀧本 岳)
1 食物連鎖は意外に短い
2 食物連鎖長の定義
3 古典的な説明
4 古典的説明の実証研究
5 生態系サイズの効果
6 なぜ生態系サイズなのか?
7 おわりに

第3章 群集集合の偶然性と空間スケール(深見 理)
1 はじめに
2 群集集合の偶然と必然
3 群集集合と空間スケール
4 群集集合と種の特性
5 おわりに

コラム メタ群集の理論と適用(瀧本 岳)
1 メタ群集理論の背景と目的
2 メタ群集パラダイム
3 メタ群集パラダイムの野外群集への適用
4 メタ群集研究のこれから

第4章 局所群集からメタ群集を組み立てる
--海洋ベントスから考える(玉置昭夫)
1 はじめに
2 浅海ベントスのメタ群集研究の現状と課題
3 海洋ベントスの局所個体群間の連結性に基づくメタ群集研究
4 海洋ベントスにおけるメタ群集観の有効性—底生魚の生態研究からの発信
5 おわりに

第5章 メタ群集の共存メカニズム
--統合的に理解する(野田隆史)
1 はじめに
2 固着生物群集とは
3 共存機構の理論
4 階層性と空間構造—理論と現実の群集のギャップ
5 固着生物の共存機構を理解する統合的アプローチ
6 岩礁潮間帯の固着生物群集
7 岩礁潮間帯の固着生物群集の共存機構
—統合的アプローチによる再検討
8 メタ群集での共存機構—統合的アプローチによる予測と課題

終 章 課題と展望(野田隆史・近藤倫生・大串隆之)
1 はじめに
2 群集生態学における空間スケールの重要性
3 空間スケールと群集
4 メタ群集という視点
5 むすびにかえて—空間スケールと群集の研究における今後の課題

引用文献

プロフィール

(50音順,*は編者)

相場 慎一郎(あいば しんいちろう) 鹿児島大学理学部地球環境学科・助教
専門分野:植物生態学
主著:『世界遺産屋久島:亜熱帯の自然と生態系』朝倉書店(分担執筆),『森の自然史:複雑系の生態学』北海道大学図書刊行会(分担執筆)
http://biodiversity.sci.kagoshima-u.ac.jp/

*大串 隆之(おおぐし たかゆき) 京都大学生態学研究センター・教授
専門分野:進化生態学,個体群生態学,群集生態学,生態系生態学,生物多様性科学
主著:『 Effects of Resource Distribution on Animal-Plant Interactions』 Academic Press(編著),『Ecological Communities: Plant Mediation in Indirect Interaction Webs』Cambridge University Press(編著),『Galling Arthropods and Their Associates: Ecology and Evolution』Springer(編著),『生物多様性科学のすすめ』丸善(編著),『さまざまな共生』平凡社(編著),『動物と植物の利用しあう関係』平凡社(編著),『生態系と群集をむすぶ』[シリーズ群集生態学4]京都大学学術出版会(編著)
http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~ohgushi/index.html

*近藤 倫生(こんどう みちお) 龍谷大学理工学部・准教授,科学技術振興機構・さきがけ研究員
専門分野:理論生態学,群集生態学,進化生態学
主著:『 Dynamic Food Webs: Multispecies Assemblages, Ecosystem Development, and Environmental Change』Academic Press(分担執筆),『Aquatic Food Webs: an Ecosystem Approach』Oxford University Press(分担執筆)),『生態系と群集をむすぶ』[シリーズ群集生態学4]京都大学学術出版会(編著)

瀧本 岳(たきもと がく) 東邦大学理学部生物学科・講師
専門分野:理論生態学
http://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/bio/theoeco/

玉置 昭夫(たまき あきお) 長崎大学水産学部・教授
専門分野:海洋生態学,群集生態学,水産資源学
主著:『Ecological Comparisons of Sedimentary Shores』Springer-Verlag(分担執筆),『棲み場所の生態学』平凡社(分担執筆),『群集生態学の現在』京都大学学術出版会(分担執筆),『天草の渚』東海大学出版会(分担執筆),『有明海の生きものたち』海游社(分担執筆),『生物と環境』朝倉書店(分担執筆)

*野田 隆史(のだ たかし)北海道大学大学院地球環境科学研究院・准教授
専門分野:群集生態学,個体群生態学,海洋生態学
主著:『群集生態学』東京大学出版会(共著),『生態学入門』東京化学同人(分担執筆)
http://nodaken.blog47.fc2.com/

深見 理(ふかみ ただし) Stanford University, Assistant Professor
専門分野: 群集生態学
主著:『Invasion Biology and Conceptual Ecology: Reciprocal Approaches to Nature』Springer(編著)
http://www.stanford.edu/~fukamit/