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生物資源から考える 21世紀の農学

家畜生産の新たな挑戦

今井 裕 編

A5上製・300頁

ISBN: 9784876983377

発行年月: 2007/07

  • 本体: 3,200円(税込 3,520円
  • 在庫あり
 
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内容

和牛は、今や世界一の品質を誇る。それを可能にしたのは何か。その生産の実態を中心に歴史的にたどり、畜産の最前線を総覧する。京都大学は、和牛研究においてはわが国を代表する拠点の一つであり、貴重な資料なども公開される。また、BSE問題などで表面化した社会との接点にも積極的に言及し、畜産の問題点や安全性を取り上げつつ、その近未来像を究明する。

書評

『日本農業新聞』'07年8月6日「読書」面
『北海道新聞』'07年8月12日朝刊
『鶏鳴新聞』'07年8月15日
『肉牛ジャーナル』'07年9月号
『酪農ジャーナル』'07年9月号
『畜産コンサルタント』'07年9月号

プロフィール

編者略歴
今井 裕(いまい ひろし)
京都大学大学院農学研究科教授(家畜繁殖学、生殖生物学専攻)
1953年 山口県生まれ
1983年 京都大学大学院農学研究科博士課程修
1984年 米国国立がん研究所研究員
1986年 農林水産省畜産試験場研究員
1989年 豪州連邦科学技術研究機構客員研究員
1991年 農林水産省畜産試験場研究室長
1998年より現職

主要論文:
The mitochondrial bottleneck occurs without reduction of mtDNA content in female mouse germ cells. Nature Genetics, 39: 386-390 (2007)
『食の未来を考える』,健康と食を問い直す生物学,岩波書店(2003)
『クローン動物はいかに創られるのか』,岩波科学ライブラリー,岩波書店(1997)

執筆者一覧
序 文 今井 裕(編者略歴参照)
第1章 佐々木 義之(ささき よしゆき)
京都大学名誉教授(動物遺伝育種学専攻)
1942年 徳島県生まれ
第2章 今井 裕(編者略歴参照)
第3章 矢野 秀雄(やの ひでお)
独立行政法人家畜改良センター理事長,京都大学名誉教授
(家畜生産学、家畜栄養学専攻)
1943年 岐阜県生まれ
木村 信熙(きむら のぶひろ)
日本獣医生命科学大学応用生命科学部教授(動物栄養学専攻)
1946年 京都府生まれ
第4章 久米 新一(くめ しんいち)
京都大学大学院農学研究科教授(生体機構学専攻)
1954年 東京都生まれ
第5章 川島 知之(かわしま ともゆき)
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
畜産草地研究所 機能性飼料研究チーム長
(家畜栄養飼料学専攻)
1958年 鹿児島県生まれ
第6章 広岡 博之(ひろおか ひろゆき)
京都大学大学院農学研究科教授(畜産資源学専攻)
1958年 京都府生まれ
第7章 守屋 和幸(もりや かずゆき)
京都大学大学院情報学研究科教授(動物遺伝育種学,生物圏情報学専攻)
1956年 山口県生まれ
北川 政幸(きたがわ まさゆき)
京都大学大学院農学研究科准教授(家畜飼養管理学専攻)
1951年 福井県生まれ
第8章 小澤 義博(おざわ よしひろ)
国際獣疫事務局(OIE)名誉顧問,東京大学食品安全研究センター顧問
(獣医微生物学専攻)
1931年 千葉県生まれ

目次

序 文
第1章 和牛はわが国固有の遺伝資源—佐々木義之
はじめに
1 野生動物がどうして家畜になったか
—イノシシを家畜にしたものが豚である
2 反芻動物の不思議
3 和牛はどこから来たか
4 和牛改良と線形代数とコンピュータ
5 和牛でもゲノム解析
6 上質牛肉の輸出を考えてみては
第2章 牛をふやす—今井 裕
はじめに
1 人工的に牛をふやすということ
2 雌側からの家畜改良
3 牛は生涯で何頭の子牛を生産する?
4 生命操作の時代
5 クローン(核移植)技術
おわりに
第3章 肉牛を育てる—矢野秀雄・木村信熙
はじめに
1 日本の肉用牛の特徴と飼育の歴史
2 肉牛の成長
3 肉牛の肥育技術
4 脂肪交雑のメカニズム
5 牛肉のおいしさとそのコントロール
6 安全な牛肉の生産
おわりに
第4章 スーパーカウとそれをとりまく環境—牛乳生産の未来—久米新一
はじめに
1 乳牛の泌乳能力に限界はあるのか?
2 スーパーカウの誕生
3 乳牛に骨粗鬆症は発生しないのか?
4 地球の温暖化は牛によってもたらされる?
おわりに
第5章 風土が育んだ家畜—熱帯の在来反芻家畜の特性—川島知之
はじめに
1 伝統的な飼養管理
2 栄養生理学的特性評価
3 持続的農業と家畜の役割
おわりに
第6章 畜産と社会の接点—広岡博之
はじめに
1 日本の畜産と牛肉生産
2 世界の牛の生産システム
3 生産システムの評価法
4 牛肉の価格の決定要因—BMSナンバ−とBSEの影響
5 最先端技術の応用
6 21世紀における家畜生産の展望
おわりに
第7章 古くて新しい近未来型家畜生産—守屋和幸・北川政幸
1 家畜管理の基本となる個体識別技術
2 家畜生産に伴う環境負荷とその対応
3 循環型農業のなかでの動物生産
第8章 家畜生産の問題点と安全性の確保—BSEを中心に—小澤義博
1 BSE(牛海綿状脳症)の発生とその起源
2 鳥インフルエンザの発生とその起源
3 家畜生産の現状と問題点(病気,ズーノーシス,抗生物質)
4 食肉の安全性を確保するための手段
5 食の安全性とリスク分析
6 リスクアセスメントとリスクコミュニケーション
7 動物福祉の考え方
索 引
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