生態学ライブラリー7
たちまわるサル
チベットモンキーの社会的知能

小川 秀司

四六上製・276頁・税込 2,268円
ISBN: 9784876983070
発行年月: 1999/12
在庫あり

内容

チベットモンキーはニホンザルに近縁な中国のサルだ。彼らは群れの仲間達と仲良くなろうと、子ザルを抱いていって一緒に持ち上げる。オス同士はペニスに触れつつ抱きあう。ケンカでは血縁のないメス同士も連合を組む。そして夜にはみんなで岩棚で泊まる。そんな暮らしの中で、彼らがどのような社会的知能を使っているのかを探る。

目次

はじめに
本書で登場する魚鱗坑群の主なサル

第一章 黄山で暮らすチベットモンキー
1 さるだんごができるまで
2 調査の始まり
3 黄 山 へ
4 マカカ属のサルたち
5 黄山のサル

第二章 サルはうまくたちまわる
1 社会的知能の進化
2 集団生活で直面する問題
3 相手の行動を予測し操作すること
4 三者以上の社会交渉
5 サルの認知と心

第三章 サルの観察
1 オスがやたらと多い
2 コザルの識別マーキング
3 魚鱗坑群の構成
4 観察方法

第四章 ブリッジング行動——コドモは群れのかすがい
1 ペニスにこだわるオスたちの社会行動
2 ブリッジング行動
3 ブリッジングの機能——アゴニスティック・バッファーリング説
4 オスにはお気に入りのコドモがいる——ベビイ―シッティング強化説
5 相手のお気に入りのコドモを運んでいく——友達の友達は友達だ説
6 他者と他者の関係の理解

第五章 サルの調査
1 浮渓村での生活
2 峨眉山のサル
3 サルの餌付け問題

第六章 オスの人生メスの人生
1 オスとメスが交尾をして子供が生まれるまで
2 オスとコドモとメス
3 コドモからオトナへ

第七章 メスたちの連合形成——ときには母と娘も敵になる
1 あるメスザル背痕のサクセスストーリー
2 敵対的交渉におけるメスの社会行動
3 メスの連合形成
4 ゆるやかな優劣と非血縁者間のつきあい

第八章 子 殺 し
1 背痕の子が殺されてしまった

第九章 泊まり場のさるだんご
1 さるだんご
2 泊まり場のさるだんご形成観察
3 誰と誰がくっつくか
4 さるだんごの三者——サルにもドリカム編成はあるか

第十章 霊長類は他者の心と行動をどのように推測するか
1 サルたちのだましあい
2 心の理論
3 自己認知と他者の心の理解
4 サルはどう考えて暮らしてきたか
5 さるだんごができるまでをもう一度

おわりに
読書案内
引用文献
索  引

プロフィール

小川 秀司(おがわ ひでし)

中京大学教養部助教授.理学博士.
1964年 岐阜県生まれ.
1989年 京都大学理学部卒業.
1994年 同大学院理学研究科博士課程終了. 京都大学霊長類研究所研修員,同教務職員(文部技官)を経て現職.

専 攻
霊長類学,動物行動学.