生態学ライブラリー3
ミクロの社会生態学
ダニから動物社会を考える

齋藤 裕

四六上製・254頁・税込 2,268円
ISBN: 9784876983032
発行年月: 1999/06
在庫あり

書評

『生物科学』52巻3号、評者:辻和希氏

内容

ごく小さく、しかも嫌われ者---普通の人なら一生見ることもなく過ごすであろうダニの世界には、しかし、子育てや集団での狩りなどの、ダイナミックな「社会」が存在する。染色体のあり方が決める親子関係の不思議、すなわちハチやアリ、さらには動物一般にも通じる「社会性」を、ミクロの世界からやさしく解き明かす。

目次

はじめに
第一章 ダニ類とはどんな動物?
第二章 ハダニの糸
1 ハダニの糸・網の機能
2 多様な生活型
3 生活型と属の分類(形態と機能の関係)
4 生活型とスカトロジー
第三章 ダニの社会性
1 ハダニの社会性の発見
2 ダニ類の社会
第四章 タケスゴモリハダニ種群(生活型と種分化)
1 タケスゴモリハダニの巣のサイズ変異
2 タケスゴモリハダニは一つの種か
3 なぜ巣のサイズは変化したか
第五章 オスの攻撃性・性選択と血縁選択
1 ハダニのオスどうしの争いとプレコピュラ
2 ススキスゴモリハダニとケナガスゴモリハダニのオス
3 ハレムの主を決める至近要因
4 オスの気性の地域変異
第六章 一般化を求めて
1 ダニ類の社会再考
2 ハダニ類の遺伝学
第七章 残された問題��ハダニ類研究の将来
1 ハダニにはなぜ真社会性が見つからないのだろう?
2 ハダニの性決定の仕組みとは?
3 ハダニ-天敵の群集はどのようにして成立しているのだろう?
4 ハダニ類の生態と形態の関係は?
5 ハダニ類の分子レベルでの研究
6 害虫としてのハダニと応用研究

おわりに
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引用文献
索  引

プロフィール

齋藤 裕(さいとう ゆたか)

北海道大学大学院農学研究科教授(動物生態学研究室).
1948年 栃木県宇都宮市に生まれる.
1978年 北海道大学大学院農学研究科農業生物学専攻博士課程修了,日本学術振興会奨励研究員,北海道大学農学部助手,助教授を経て現職. 1995年 日本応用動物昆虫学会賞受賞.
専 門:動物行動生態学,応用動物学.

主 著: 
『動物社会における共同と攻撃』(伊藤嘉昭編,分担執筆,東海大学出版会,1992).
『社会性昆虫の進化生態学』(松本忠夫・東正剛編,分担執筆,海游社,1993).
『親子関係の進化生態学』(齋藤裕編著,北海道大学図書刊行会,1996).
The Evolution of Social Behaviour in Insects and Arachnids.(J. C. Choe and B. J. Crespi [eds.],分担執筆,Cambridge Univ. Press,1997).