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生態学ライブラリー 2

サルのことば

比較行動学からみた言語の進化

小田 亮

四六上製・210頁

ISBN: 9784876983025

発行年月: 1999/04

  • 本体: 2,100円(税込 2,310円
  • 在庫なし
 
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内容

どんな民族でも複雑な言語を持っていて、子どもたちはその体系を教わらずとも、いつのまにか言葉を話せるようになっている。つまりヒトは言語を用いるようにできている生物なのだ。原始的なサル(ワオキツネザル)の警戒音を中心に、サルたちのコミュニケーションを分析することで、ヒトが言語を操る動物へと進化した謎を探る。

書評

『生物科学』53巻2号、評者:長野敬氏

プロフィール

小田 亮(おだ りょう)

名古屋工業大学共通講座教室人間社会科学講座講師.理学博士.
1967年 徳島県生まれ. 1996年 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程修了.京都大学研修員,日本学術振興会特別研究員,京都大学霊長類研究所教務職員を経て現職.
専 門:自然人類学,比較行動学.

主 著:
 『霊長類学を学ぶ人のために』(分担執筆,世界思想社,1999年).

目次

第一章 ことばの不思議
1 ことばをもった哺乳類
2 進化はどのようにしておこるのか
3 言語が進化するしくみ
4 自然人類学との出会い
5 宣教師と人類学者
第二章 マダガスカルのレムール
1 森の幽霊
2 原猿の森へ
3 ワオキツネザルの生態
4 ベローシファカの生態
5 ワオキツネザルの音声レパートリー
第三章 サルは鳴き声で何を伝えているのか
1 音声を分析する
2 ワオキツネザルの警戒音
3 警戒音が伝えるもの
4 シファカの警戒音を聞き分けるワオキツネザル
5 反応率の違い
6 ワオキツネザルの警戒音を聞き分けるシファカ
7 他のサルの鳴き声
第四章 音声コミュニケーションの進化
1 警戒音の進化
2 互恵的利他行動
3 ニホンザルの発情音
4 性選択
5 警戒音の特徴を決めるものは?
6 強いものほど声が低い-MSルール
第五章 音声コミュニケーションの発達
1 シファカを知らないワオキツネザル
2 音声産出の可塑性
3 音声使用の可塑性
4 音声知覚の可塑性
第六章 音声による交わり
1 コンタクト・コール
2 ワオキツネザルのミャー・コール
3 グルーミングとコンタクト・コール
4 匂いづけとコンタクト・コール
第七章 コミュニケーションと「心」
1 ヒト言語と意図の読みとり
2 心を読むシステム
3 「心の理論」研究
4 視線を追うこと
5 だましとごまかし
6 嘘の警戒音
7 社会的知能仮説
8 移動するサル
終 章 新たな人間学へ向けて
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