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歴史としてのレジリエンス
戦争・独立・災害
A5並製・380頁
ISBN: 9784814000104
発行年月: 2016/03
紛争、テロ、難民問題…。世界を覆うこの不条理にどうすれば立ち向かえるのか。災いは社会の亀裂をもたらし、その修復は何世代もの歴史のなかで行われる。第二次世界大戦、冷戦、原発事故のような災厄とそこからの回復の諸相を考察し、復興の捉え方の歴史的変遷や地域的相違に注目しながら、私たちがめざすべき社会像の手掛かりを探る。
『歴史学研究』No.961 (2018年9月)、43頁、評者:中村江里氏
『アジア研究』Vol.63 No.4(2017年10月)、58-62頁、評者:伊藤正子氏
『アジア研究』Vol.63 No.4(2017年10月)、58-62頁、評者:伊藤正子氏
編著者
川喜田 敦子(かわきた あつこ)
中央大学文学部教授
研究分野:ドイツ現代史、ドイツ地域研究
主な著作に、『ドイツの歴史教育』 (白水社、2005)、『〈境界〉の今を生きる』(東信堂、2009、共編著)、I・カーショー『ヒトラー 1889-1936 傲慢』(白水社、2015、翻訳)など。
西 芳実(にし よしみ)
京都大学地域研究統合情報センター准教授
研究分野:インドネシア地域研究、多言語多宗教地域の紛争・災害対応
主な著作に、『災害復興で内戦を乗り越える——スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』(京都大学学術出版会、2014) 、『記憶と忘却のアジア』(青弓社、2015、共編著)、『東南・南アジアのディアスポラ』(首藤もと子編著、明石書店、2010、分担執筆)など。
川喜田 敦子(かわきた あつこ)
中央大学文学部教授
研究分野:ドイツ現代史、ドイツ地域研究
主な著作に、『ドイツの歴史教育』 (白水社、2005)、『〈境界〉の今を生きる』(東信堂、2009、共編著)、I・カーショー『ヒトラー 1889-1936 傲慢』(白水社、2015、翻訳)など。
西 芳実(にし よしみ)
京都大学地域研究統合情報センター准教授
研究分野:インドネシア地域研究、多言語多宗教地域の紛争・災害対応
主な著作に、『災害復興で内戦を乗り越える——スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』(京都大学学術出版会、2014) 、『記憶と忘却のアジア』(青弓社、2015、共編著)、『東南・南アジアのディアスポラ』(首藤もと子編著、明石書店、2010、分担執筆)など。
口絵
「災害対応の地域研究」シリーズの刊行にあたって
凡例
はじめに——「歴史としてのレジリエンス」を考える [川喜田敦子]
「地域研究は震災にどう対応するか」という問い/「災厄」からの復興を考える/
レジリエンスの可能性を求めて/「レジリエンスの地域研究」への展望
第一部 革命後を生きる——コミュニティから亀裂を修復する
第1章 ベトナム北部農村の現代史——村から見た一九四五年飢饉・抗仏戦争・抗米戦争 [古田元夫]
1 一九四五年飢饉と救済活動
2 抗仏戦争と土地改革
3 抗米戦争と合作社
4 むすびにかえて——ドイモイ・難民・三つ目の戦争
第2章 インドネシア九・三〇事件——犠牲者五〇年の痛み [倉沢愛子]
1 被害の諸形態
2 社会からの「追放」——シャウ・ギョク・チャン一族のケース
3 和解と名誉回復
第3章 中国華北村落のレジリエンス——雨乞い復活を通して考える [石井 弓]
1 山西省盂県の雨乞いとコミュニティ
2 歴史的な災害(ストレス)と雨乞い——オーラルヒストリーから分かること
3 雨乞いの復活とその変化
4 華北農村におけるレジリエンス
第2部 不条理を生きる——共通の敵を作らずに連帯する
第4章 諸帝国の周縁を生き抜く——台湾史における辺境ダイナミズムと地域主体性 [若林正丈]
1 現代台湾先住民の墓——三種の文字四種の名前
2 社会の形成——台湾社会基礎構造の形成と展開
3 国家の形成——社会制圧と可視化プロジェクト
4 国民の形成——意図せざる国民形成の偶然的連続
5 新たな辺境ダイナミズムと地域主体性
第5章 ナクバ〈以後〉を生きる——難民とパレスチナ問題 [長沢栄治]
1 難民の十字路——中東
2 ナクパを語る
3 ナクバ〈以後〉を生きるということ
4 むすびに——歪みと不正
第6章 脆弱な土地に生きる——バングラデシュのサイクロン防災と命のボーダー [日下部尚徳]
1 バングラデシュにおけるサイクロン被害と対策
2 住民避難から考える防災支援課題
3 災害間比較から考える支援のミスマッチ
4 災害被害を拡大させる社会構造
5 バングラデシュのサイクロン防災に関する考察
第三部 科学技術と生きる——社会の災いとして認定する
第7章 「ヒロシマ」における回復の諸相——複数の当事者性をめぐって [川口悠子]
1 はじめに——原爆による被害と回復
2 世界の「ヒロシマ・ナガサキ」
3 ナショナルな「ヒロシマ・ナガサキ」
4 「ヒロシマ」の越境と「平和都市」イメージ
5 おわりに——当事者性の拡大と多様性
第8章 チェルノブイリ原発事故と記憶——ベラルーシを中心に [越野 剛]
1 SF的想像力——映画『ストーカー』の影響
2 災害と笑いの文化
3 災害の予言——後づけで想起される物語
4 戦争の記憶
5 想起の文化——災厄によって災厄を思い出す
第9章 赤泥流出と原発事故——東欧スラブ地域からレジリエンスを考える [家田 修・セルヒー チョーリー]
1 産業災害とは何か
2 ハンガリーにおける災害復興住宅支援
3 チェルノブイリ原発事故後における復興住宅建設
4 おわりに——社会と国を結ぶレジリエンス
おわりに——社会のレジリエンスを歴史に問う [西 芳実]
社会の危機とレジリエンス——戦争・独立・災害/地域と時代を越えた経験の共有に向けて/
歴史の経験をレジリエンスのもととする
索引
著者紹介
「災害対応の地域研究」シリーズの刊行にあたって
凡例
はじめに——「歴史としてのレジリエンス」を考える [川喜田敦子]
「地域研究は震災にどう対応するか」という問い/「災厄」からの復興を考える/
レジリエンスの可能性を求めて/「レジリエンスの地域研究」への展望
第一部 革命後を生きる——コミュニティから亀裂を修復する
第1章 ベトナム北部農村の現代史——村から見た一九四五年飢饉・抗仏戦争・抗米戦争 [古田元夫]
1 一九四五年飢饉と救済活動
2 抗仏戦争と土地改革
3 抗米戦争と合作社
4 むすびにかえて——ドイモイ・難民・三つ目の戦争
第2章 インドネシア九・三〇事件——犠牲者五〇年の痛み [倉沢愛子]
1 被害の諸形態
2 社会からの「追放」——シャウ・ギョク・チャン一族のケース
3 和解と名誉回復
第3章 中国華北村落のレジリエンス——雨乞い復活を通して考える [石井 弓]
1 山西省盂県の雨乞いとコミュニティ
2 歴史的な災害(ストレス)と雨乞い——オーラルヒストリーから分かること
3 雨乞いの復活とその変化
4 華北農村におけるレジリエンス
第2部 不条理を生きる——共通の敵を作らずに連帯する
第4章 諸帝国の周縁を生き抜く——台湾史における辺境ダイナミズムと地域主体性 [若林正丈]
1 現代台湾先住民の墓——三種の文字四種の名前
2 社会の形成——台湾社会基礎構造の形成と展開
3 国家の形成——社会制圧と可視化プロジェクト
4 国民の形成——意図せざる国民形成の偶然的連続
5 新たな辺境ダイナミズムと地域主体性
第5章 ナクバ〈以後〉を生きる——難民とパレスチナ問題 [長沢栄治]
1 難民の十字路——中東
2 ナクパを語る
3 ナクバ〈以後〉を生きるということ
4 むすびに——歪みと不正
第6章 脆弱な土地に生きる——バングラデシュのサイクロン防災と命のボーダー [日下部尚徳]
1 バングラデシュにおけるサイクロン被害と対策
2 住民避難から考える防災支援課題
3 災害間比較から考える支援のミスマッチ
4 災害被害を拡大させる社会構造
5 バングラデシュのサイクロン防災に関する考察
第三部 科学技術と生きる——社会の災いとして認定する
第7章 「ヒロシマ」における回復の諸相——複数の当事者性をめぐって [川口悠子]
1 はじめに——原爆による被害と回復
2 世界の「ヒロシマ・ナガサキ」
3 ナショナルな「ヒロシマ・ナガサキ」
4 「ヒロシマ」の越境と「平和都市」イメージ
5 おわりに——当事者性の拡大と多様性
第8章 チェルノブイリ原発事故と記憶——ベラルーシを中心に [越野 剛]
1 SF的想像力——映画『ストーカー』の影響
2 災害と笑いの文化
3 災害の予言——後づけで想起される物語
4 戦争の記憶
5 想起の文化——災厄によって災厄を思い出す
第9章 赤泥流出と原発事故——東欧スラブ地域からレジリエンスを考える [家田 修・セルヒー チョーリー]
1 産業災害とは何か
2 ハンガリーにおける災害復興住宅支援
3 チェルノブイリ原発事故後における復興住宅建設
4 おわりに——社会と国を結ぶレジリエンス
おわりに——社会のレジリエンスを歴史に問う [西 芳実]
社会の危機とレジリエンス——戦争・独立・災害/地域と時代を越えた経験の共有に向けて/
歴史の経験をレジリエンスのもととする
索引
著者紹介