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プリミエ・コレクション 4

デカルトの方法

松枝 啓至

A5上製・250頁

ISBN: 9784876985623

発行年月: 2011/06

  • 本体: 3,200円(税込 3,520円
  • 在庫あり
 
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内容

「われ思う、ゆえにわれ在り」という結論から形而上学を、続いて自然科学を基礎づけたデカルトの論証に関しては従来から疑義がある。形而上学から自然学への演繹に、自然学から形而上学を基礎づける推論が紛れ込んでいるという、「デカルト的循環」と呼ばれる問題を詳細に考察する。筆者は循環論に陥っているという結論を認めつつ、この議論の検討が現代哲学にあたえた影響について解明する。

書評

『週刊読書人』2011年7月22日「2011年上半期の収穫から」、評者:佐野 衛氏

プロフィール

松枝 啓至(まつえ けいし)
1978年 熊本県に生まれる
2002年 京都大学総合人間学部卒業
2008年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
京都大学博士(人間・環境学)
現 在 京都大学非常勤講師などをつとめる

主な著訳書
共著 『知を愛する者と疑う心─懐疑論八章─』(晃洋書房、2008年) 論文 「デカルトの自然主義的性格―第三省察における「観念」─」(『人間存
在論』第16号、2010年)など

目次

はじめに

第Ⅰ部 デカルト哲学の基本的性格 ─「観念」と「分析」─

第一章 自然学の文脈における「観念」
  序
  第一節 『精神指導の規則』
  第二節 『世界論』
  第三節 『人間論』
  第四節 『方法序説』
  第五節 「屈折光学」
  結 語
  注
第二章 形而上学の文脈における「観念」
  序
  第一節 「読者への序言」
  第二節 カテルスとの第一反論と答弁
  第三節 ホッブズとの第三反論と答弁
  第四節 ガッサンディとの第五反論と答弁
  結 語
  注
第三章 デカルトの「分析」
  序
  第一節 『省察』第二答弁
  第二節 『四つの部門から成る哲学叢論』
  第三節 「ア・プリオリ」と「ア・ポステリオリ」
  第四節 「分析」の基準
  結 語
  注
第四章 「明晰かつ判明」と「確実かつ不可疑」
  序
  第一節 「明晰かつ判明」とは
  第二節 『省察』における「明晰かつ判明」と「確実かつ不可疑」の置換可能性
  第三節 「明晰かつ判明」をめぐって
  結 語
  注

第Ⅱ部 デカルト哲学に対する批判的考察

第一章 「デカルトの循環」
  序
  第一節 「デカルトの循環」についての『省察』反論と答弁
  第二節 「記憶の保証」についての批判的検討
  第三節 「コギトの注意のはたらき」についての批判的検討
  結 語
  注
第二章 デカルトの自然主義的性格
  序
  第一節 自然学における「観念」と形而上学における「観念」
  第二節 太陽に関する二つの「観念」
  第三節 神の存在証明における「観念」用法
  結 語
  注
第三章 方法的懐疑の論理空間
  序
  第一節 セラーズの「経験主義と心の哲学」
  第二節 デカルトの方法的懐疑
  第三節 方法的懐疑の論理空間
  結 語
  注

おわりに
あとがき
文献表
索 引
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