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学術選書 074

マカベア戦記 下

ユダヤの栄光と凋落

秦 剛平

四六並製, 276 pages

ISBN: 9784876988747

pub. date: 02/16

  • Price : JPY 2,000 (with tax: JPY 2,200)
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内容

マカベア戦争後誕生したユダヤ民族のハスモン王朝は内紛の連続であり、最後にローマの力に屈し滅亡する。唯一の歴史資料である旧約聖書外典・偽典の『マカベア書』に加えて、ヨセフスの再話物語『ユダヤ古代誌』が現存する。ユダヤ・キリスト教研究の大家が。これらの資料を丹念に読み解きながら、ユダヤの栄光と凋落への道を見事に描き出す。

プロフィール

秦 剛平 (はた ごうへい)
 
多摩美術大学名誉教授
国際キリスト教大学卒、京都大学大学院、ドロプシー大学大学院(フルブライト、Ph.D)、ペンシルヴァニア大学大学院上級研究員、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員、イェール大学大学院客員研究員
 主な著書/『乗っ取られた聖書』『異教徒ローマ人に語る聖書——創世記を読む』『書き替えられた聖書——新しいモーセ像を求めて』『聖書と殺戮の歴史——ヨシュアと士師の時代』『神の支配から王の支配へ——ダビデとソロモンの時代』『南北分裂王国の誕生——イスラエルとユダ』『空白のユダヤ史——エルサレムの再建と民族の危機』『マカベア戦記㊤——ユダヤの栄光と凋落』(以上京都大学学術出版会)、『旧約聖書続編講義』(リトン)、『ヨセフス——イエス時代の歴史家』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』(以上ちくま学芸文庫)、『反ユダヤ主義を美術で読む』『描かれなかった十字架』『名画でたどる聖人たち』『名画で読む聖書の女たち』『天使と悪魔——美術で読むキリスト教の深層』(以上青土社)ほか
 主な訳書/フィロン『フラックスへの反論/ガイウスへの使節』エウセビオス『コンスタンティヌスの生涯』ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝1』(以上京都大学学術出版会)、ヨセフス『ユダヤ戦記』全7巻3分冊、同『ユダヤ古代誌』全20巻6分冊(ちくま学芸文庫)、エウセビオス『教会史』全10巻2分冊(講談社学術文庫)『七十人訳ギリシア語聖書』全5分冊(河出書房新社)ほか30冊
 主な論集編纂/共編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(京都大学学術出版会)、『ヨセフス論集』全4分冊(山本書店)、『エウセビオス論集』全3分冊(リトン)

目次

第3章……ハスモン家の支配

1 ユダヤの独立とシモーン(前一四四—一三六年)
  シモーン、ユダヤ人の指導者になる
  演説文の創作について
  ヨナテースの殺害と埋葬
  イスラエル、独立する
  ユダヤの繁栄
  アクラの取り壊し
  トリュフォーン、王位に就く
  シモーンとアンティオコス七世シデテース
  シモーン、殺される
2 ヒュルカノス一世(前一三六—一〇五年)
  ヒュルカノスの登場とその義兄弟プトレマイオスとの戦い
  アンティオコス七世シデテースのエルサレム占領とその宗教的行為
  ヒュルカノス、ダビデの墓を暴く
  ヒュルカノス、アンティオコス七世のパルティア遠征に同行する?
  ヒュルカノス、パレスチナの各地に遠征する
  イドゥマイアびとへの割礼の強制
  ローマの元老院のユダヤ人にたいする見解
  デーメートリオス二世の死
  サマリアとスキュトポリスの征服
  クレオパトラの二人のユダヤ人部将
  ヒュルカノスとファリサイ派との軋轢
  ヒュルカノスの死
3 アリストブーロス一世(前一〇五—一〇四年)
 アリストブーロス一世の後悔と死
4 アレクサンドロス・ヤンナイオス(前一〇四—七八年)
  アレクサンドロス・ヤンナイオス、王となる
  アレクサンドロス・ヤンナイオス、プトレマイスびとを攻撃する
  プトレマイオス九世、パレスチナに侵攻する
  勝利後のプトレマイオス九世の所業
  プトレマイオス九世とクレオパトラの戦い
  アレクサンドロス・ヤンナイオス、ガザの町を攻撃する
  アレクサンドロス・ヤンナイオスにたいするユダヤ人の反抗
  大祭司の継承では
  アレクサンドロス・ヤンナイオスの遠征の失敗と国民の不満
  シケムでのアレクサンドロスの敗北
  アレクサンドロス・ヤンナイオスの残虐な復讐
  アレクサンドロス・ヤンナイオスの版図と彼の死
5 アレクサンドラ・サロメ(前七七—六九年)
  エルサレムでのアレクサンドロス・ヤンナイオスの盛大な葬儀
  アレクサンドラ・サロメ、単独の女王となる
  ファリサイ派の支配の行き過ぎ
  ユダヤ人の使節、ティグラネースのもとへ伺候する
  アリストブーロス二世の反抗とアレクサンドラ・サロメの死
6 ハスモン家の支配、終焉に向かいはじめる——ヒュルカノス二世(前六九年)とアリストブーロス二世(前六九—六三年)
  ヒュルカノス二世とアリストブーロス二世との内戦
  イドゥマイアびとアンティパトロスとヒュルカノス二世
  アレタス三世、ユダヤへ侵入しアリストブーロス二世を包囲する
  雨乞いの祈祷師の登場
  スカウルス、アレタス三世の包囲を解く
  ポンペイウス、ダマスコでユダヤ人より贈り物を受ける
  ポンペイウス、ユダヤの内乱について尋問する
  ポンペイウス、軍を進め、アリストブーロス二世と折衝する
  神殿占拠とポンペイウスの支配
  破城槌による攻撃の開始
  ハスモン家の支配、終焉に向かう

第4章……ヘロデの登場とハスモン家の終焉

  アリストブーロス二世の子アレクサンドロスの抵抗
  アリストブーロス二世の抵抗と敗北
  ガビニウスのエジプト遠征
  金、金、金——エルサレム神殿と金の延べ棒の隠し場所
  ディアスポラのユダヤ人たちの富とその影響力
  クラッススの戦死とカッシウス
  アリストブーロス二世とアレクサンドロスの死
  アンティパトロスとユダヤ人、ユリウス・カエサルを支援する
  アンティパトロス、ユリウス・カエサルから格別の名誉を与えられる
  アンティパトロスと二人の息子、ファサエーロスとヘロデ
  ヘロデ、盗賊の首領エゼキアスらを一掃する
  ヘロデと裁判、そして彼の逆襲
  ヘロデ、再度の出廷をもとめられる
  ユダヤ民族のために公布されたローマ人の布告
  アパメイアでの戦い
  アンティパトロス、毒殺される
  アントニウス、ヒュルカノス二世とヘロデに好意を示す
  アントニウス、ユダヤ人代表団を処罰する
  ヘロデ、アントニウスによりテトラルケースに任命される
  パルティア人とアンティゴノス二世のユダヤ侵入
  ヘロデの逃避行
  ヒュルカノス二世、不具とされる
  ファサエーロス、自らの命を断つ
  ヘロデ、アラブの王マルコスに敬遠され、ローマに向かう
  ヘロデ、元老院の承認を受けて、ユダヤの王となる
  マサダの要塞戦
  ヘロデ、ユダヤへ戻り、マサダの要塞を解放する
  ガリラヤ征服と洞穴での戦い
  ユダヤにおけるマカイラス
  ヘロデ、サモサタへ赴き、アントニウスと会見する
  ヘロデの会戦とイサナスでの大虐殺
  ソッシウス、エルサレムに到着する
  ソッシウスとヘロデによるエルサレムの包囲と占領
  エルサレムの陥落
  ハスモン家の終焉

あとがきに代えて
地図・ユダヤ史年表
図版一覧
索引
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