ホーム > 書籍詳細ページ

学術選書 047 諸文明の起源 13

古代朝鮮 墳墓にみる国家形成

吉井 秀夫

四六並製・302頁

ISBN: 9784876988471

発行年月: 2010/02

  • 本体: 1,800円(税込 1,980円
  • 在庫あり
 
  • mixiチェック

内容

戦前は日本の植民地、戦後は分裂による国家観の対立…こうした不幸な時代を脱して、韓国における古代朝鮮を検証する作業はようやく全体像を獲得しつつある。本書は、墳墓の変遷過程を分析することにより、新石器時代から7世紀の新羅統一までを6段階に区分し、階層差の発生、首長墓や王墓の出現過程と地域関係の変化をたどり、古代朝鮮の国家形成を描く。

書評

『古代文化』第62巻第4号、149頁、評者:森岡秀人氏
『朝鮮史研究会会報』第182号、25-27頁、評者:井上主税氏

プロフィール

吉井 秀夫 (よしい ひでお)
 
 京都大学大学院文学研究科准教授。専門は朝鮮考古学。
 1964年、兵庫県神戸市で生まれ、加古川市で育つ。1988年に京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業し、1993年に同大学大学院博士後期課程を中途退学。京都大学文学部助手、立命館大学文学部専任講師・助教授をへて、2000年より京都大学大学院文学研究科に移り、2007年より現職。
 大学在学中より、百済を中心とする朝鮮半島の墳墓の地域性とその変遷について調査研究を進めている。大学院在学中に大韓民国慶北大学校大学院考古人類学科碩士課程に留学後は、考古資料を手がかりとした古代日朝関係史についての研究も手がけてきた。また、京都大学赴任後は、植民地朝鮮において日本人研究者がおこなった考古学的調査についての再検討や、京都大学で所蔵・保管する朝鮮半島出土考古資料の整理検討作業も進めている。

主な著書
 共著として、『東アジアと日本の考古学』第Ⅰ巻(同成社、2001年)、『倭国と東アジア』(日本の時代史2、吉川弘文館、2002年)、『漢城百済の物流システムと対外交渉』(ハンシン大学校学術院、2004年)、『国家形成の比較研究』(学生社、2005年)、『東アジア古代国家論——プロセス・モデル・アイデンティティー——』(すいれん舎、2006年)、『百済と倭国』(高志書院、2008年)、『日本所在高句麗遺物Ⅱ』(東北亜歴史財団、2009年)などがある。

目次

口 絵   
はじめに
第1章……朝鮮半島の地理的環境と墳墓分析の視角
1 朝鮮半島の地理的環境
2 朝鮮考古学における時代区分
3 墳墓分析の視角
第2章……新石器時代〜初期鉄器時代の墳墓
1 新石器時代の墳墓
2 青銅器時代の墳墓
3 初期鉄器時代の墳墓
第3章……原三国時代の墳墓
1 原三国時代とは
2 朝鮮半島西北部における墳墓の様相
3 朝鮮半島西南部における墳墓の様相
4 朝鮮半島東南部における墳墓の様相
5 原三国時代における墳墓の地域性と共通性
第4章……王墓の登場
1 考古学からみた三国時代
2 高句麗の王墓
3 百済の王墓
4 新羅の王墓
5 加耶の王墓
6 王墓の地域性と共通性
第5章……墳墓からみた四・五世紀の地域間関係
1 百済中央勢力に関わる考古資料とその広がり
2 四・五世紀の朝鮮半島西南部における墳墓の地域性
3 四・五世紀の朝鮮半島東南部における墳墓の地域性
4 四・五世紀における地域間関係とその特質
第6章……横穴系埋葬施設の展開と地域間関係の変化
1 東アジアにおける横穴系埋葬施設の成立と朝鮮半島への伝播
2 錦江流域における横穴系埋葬施設の展開
3 栄山江流域における横穴系埋葬施設の展開
4 洛東江流域における横穴系埋葬施設の展開
5 横穴系埋葬施設の展開とその歴史的背景
第7章……朝鮮半島における墳墓の変遷と国家形成過程


〔注〕 
図版資料の出典一覧
あとがき
朝鮮考古学への理解をさらに深めるための文献案内
索  引
このページの先頭へ