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学術選書 001

土とは何だろうか?

久馬 一剛

四六並製・316頁

ISBN: 9784876988013

発行年月: 2005/12

  • 本体: 1,500円(税込 1,650円
  • 在庫あり
 
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内容

生命を育て、生活の素材としても欠かせない土。身近で馴染み深いにも拘わらず、その素性や働きを私達はよく知らない。その「土」が、今、危機に直面している。土壌学の泰斗が「土」の性質や働き、とりわけ人の営みと自然が関わりう場、すなわち水田が育んだ豊かな土についてやさしく解説し、環境創造の在り方について考える。

書評

『アフリカ研究』71('07年12月号)、179-180頁、評者:荒木茂氏
『ジャパンフードサイエンス』Vol.45 No.2、45頁

プロフィール

久馬 一剛(きゅうま かずたけ)

1931年生まれ.1954年京都大学農学部農芸化学科卒業.同大学院博士課程修了.1960年京都大学農学部助手,京都大学東南アジア研究センター助教授,教授を経て1978年より京都大学農学部教授(土壌学講座担任),同学部長.1995年滋賀県立大学環境科学部教授,2001年退官.京都大学名誉教授,滋賀県立大学名誉教授.
この間日本土壌肥料学会会長,日本学術会議会員,国際イネ研究所理事などを歴任.
水田土壌学,熱帯土壌学を専門とし,日本土壌肥料学会賞(1975),日本熱帯農業学会賞(1978),日本農学賞,読売農学賞(1985).を受賞.

主な著書
PaddySoilsinTropicalAsia,TheirMaterialNatureandFertility(ハワイ大学出版部)
東南アジアの低湿地(農林統計協会)
最新土壌学(朝倉書店)
農業と環境(富民協会)
食料生産と環境(化学同人)
熱帯土壌学(名古屋大学出版会)
PaddySoilScience(京都大学学術出版会)

目次

口 絵 
第1章 はじめに
  1 「土」と「土壌」  2 土を語る言葉  
第2章 土壌はどのようにしてできるか
  1 大規模造成農地の土   2 土壌の働きはどのようにして支えられているのか  
  3 自然の土壌はどのようにしてできるか  
第3章 植物の栄養と土壌の働き
  1 土はなくとも木は育つ!  2 土壌の養分供給能  3 土壌の養分保持能  
  4 肥沃度の高い土と低い土  
第4章 日本の畑の土
  1 日本の土壌はみな酸性!  2 日本の特異な畑土壌—黒ボク土  3 畑土壌の管理
  4 土壌のアルカリ性  
第5章 水田稲作と土
  1 稲作圏としてのモンスーンアジア  2 水田土壌の特性と灌漑水  
  3 湛水の功罪—窒素とリンの有効化と根腐れ   4 水田と畑の優劣比較  
  5 日本の稲作の特殊性  
第6章 土の中の生き物たち
  1 土壌生物たちの働き  2 土壌生態系における窒素循環と微生物  
  3 根圏における微生物たちと植物の根の働き  4 連作障害と土壌管理  
第7章 世界の土と日本の土
  1 土の色と土壌の種類   2 土壌の分類,調査,作図  
  3 世界の土壌のいろいろ (1)  4 世界の土壌のいろいろ (2)  
第8章 地球環境問題の中の土壌
  1 熱帯林破壊と焼畑   2 地球温暖化と土壌   3 酸性雨と土壌  
  4 土壌の塩類化   5 土壌侵食   6 砂漠化  
第9章 人間にとって土とは何か
  1 生物圏の成り立ちと土壌   2 土壌資源の有限性 3 持続可能な農業と土壌  
  4 人間にとって土とは何か  

あとがき  
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