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エウレギオ 原経済圏と河のヨーロッパ

渡辺 尚

A5上製・630頁

ISBN: 9784814002177

発行年月: 2019/05

  • 本体: 9,800円(税込 10,780円
  • 在庫あり
 
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内容

国境に規定された「国民経済」は、経済史をみるうえで本来的な視座だろうか。実態としての経済空間「原経済圏」を求めて、ドイツとネーデルラント間の経済協力組織エウレギオの動態を精緻に分析。経済空間は国境をこえてどこまで一体として描けるのか 。膨大な研究の蓄積はドイツそしてヨーロッパ経済を知るうえで必読。

プロフィール

渡辺尚(わたなべ・ひさし)
1937年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。京都大学経済学博士。京都大学経済学部教授、東京経済大学経済学部教授を務めた。京都大学名誉教授。専門はヨーロッパ経済史。主な著作に『ラインの産業革命―原経済圏の形成過程―』(東洋経済新報社、1987年)、『ヨーロッパの発見―地域史のなかの国境と市場―』(編著、有斐閣、2000年)、『孤立と統合―日独戦後史の分岐点―』(共編、京都大学学術出版会、2006年)などがある。

目次

まえがき

序章 問題提起と方法的準備
1 原経済圏と外縁(漸移地帯)
2 地理的仮称としての「ドイツ」
3 「ドイツ」経済の空間構成
4 ニーダーライン原経済圏

第1章 ドイツとネーデルラント
1 構造的不均衡
2 国境線
3 ライン河
4 連邦国家と単一国家
5 ドイツ・ネーデルラント関係の修復

第2章 エウレギオeuregioの形成
1 エウレギオの概観
2 エウレギオの領域性
3 エウレギオの法的形態
4 エウレギオの空間動態ベクトル
5 エウレギオとINTERREG

第3章 EUREGIO
1 地域概観
2 EUREGIOの法的形態私法人から公法人へ
3 EUREGIOとINTERREG

第4章 Euregio Rhein-Waal/Euregio Rijn-Waal
1 地域概観
2 加盟団体と成立過程
3 ERW域内の区域別産業構造
4 ERWの形態、構造、機能
5 ERWとINTERREG
6 小括 KANの位置づけ

第5章 euregio rhein-maas-nord/euregio rijn-maas-noord
1 地域概観
2 ermnの成立過程と組織
3 経済構造
4 経済構造(1990年代央)
5 INTERREG IIIA(2000〜2008)

第6章 Euregio Maas-Rijn/Euregio Maas-Rhein/Euregio Meuse-Rhin
1 地域概観
2 マース河流域はラインラントか?
3 アーヘンはラインラントの一部か?
4 ハンゼマン対カンプハオゼン
5 「アーヘン圏」の多義性
6 レギオ・アーヘンの実態
7 アーヘン圏経済の現状
8 1980年代央のEMRの経済・社会状況
9 越境通勤者の流れ
10 1990年代のEMR

第7章 Eems-Dollard-Regio/Ems-Dollart-Region
1 はじめに
2 EDRの成立と組織
3 1990年代のEDR域内の動向
4 国境を越える行動計画Grenzüberschreitende Aktionsprogramm(GAP)
5 INTERREG
6 1990年代後半のEDR域の状況
7 東隣域オルデンブルクとの関係
8 小括

第8章 エウレギオとヨーロッパの「地域」
1 「地域のヨーロッパ」の生成
2 地域化の共同体憲章
3 「地域化」と連邦化
4 CE
5 EC/EU
6 ドイツのラント
7 統計上の地域単位:NUTS
8 「地域のヨーロッパ」、または「境界のヨーロッパ」

第9章 CEおよび EC/EU の地域政策
1 CEの地域政策
2 EC/EUの地域政策構造基金
3 EC/EUの国境地域政策
4 中間組織:ヨーロッパ国境地域協会

第10章 エウレギオと原経済圏
1 エウレギオの諸類型
2 河のエウレギオとニーダーライン原経済圏

終章 総括

あとがき

参考文献
資料1 ラント・ノルトライン-ベストファーレン、ラント・ニーダーザクセン、ドイツ連邦共和国、ネーデルラント王国の間の地域公共団体およびその他の公共団体のあいだの国境を越える協力にかかる協定
資料2 目的組合EUREGIOの定款と注釈
資料3 ermnのINTERREG IIIA企画
資料4 登記社団レギオ-アーヘンREGIO Aachen e.V.の定款(2007年)と注釈
資料5 EMRの寄付行為と注釈
索引
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