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プラズマシミュレーション

多階層複雑現象の解明へ

プラズマ・核融合学会 編

A5並製, 404 pages

ISBN: 9784814001835

pub. date: 12/18

  • Price : JPY 3,600 (with tax: JPY 3,960)
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内容

計算機シミュレーションは、その複雑さゆえ従来の理論的・実験的手法では困難だったプラズマ現象の解明に大きく貢献した。本書では、その基礎となる原理方程式や各々の段階で現象を効率的に再現する支配方程式、それを計算機上で解くために必要な数値計算手法、大規模シミュレーションを可能とする並列化手法を基礎に立ち返って丁寧に解説する。また、磁場閉じ込めプラズマやレーザープラズマ、自然界のプラズマを中心に、これまで開発されてきた最先端のコードによるシミュレーションも紹介。これからシミュレーションを始めようとする大学生、大学院生や、より高度なシミュレーションを目指す研究者必携の書。

書評

『日本物理学会誌』Vol.74,No.12,2019、870頁、評者:西村征也氏

プロフィール

監修
佐野史道
 
編集委員長
岸本泰明
 
執筆者
岸本泰明(京都大学)
堀内利得(核融合科学研究所)
今寺賢志(京都大学)
洲鎌英雄(核融合科学研究所)
長友英夫(大阪大学)
石黒静児(核融合科学研究所)
内藤裕志(山口大学)
渡邉智彦(名古屋大学)
三浦英昭(核融合科学研究所)
矢木雅敏(量子科学技術研究開発機構)
藤堂泰(核融合科学研究所)
渡邉智彦(名古屋大学)
滝塚知典(大阪大学)
福山淳(京都大学)
長谷川裕記(核融合科学研究所)
伊藤篤史(核融合科学研究所)

目次

第1章 プラズマの階層性・複合性とシミュレーションが果たす役割
 1.1 プラズマの階層性と複合性
    1.1.1 プラズマの基本特性とモデル化
    1.1.2 磁場閉じ込めプラズマにおける階層性と複合性
    1.1.3 レーザープラズマにおける階層性と複合性
 1.2 プラズマ研究におけるシミュレーションの役割
    1.2.1 プラズマ研究におけるスーパーコンピュータの近年の動向
    1.2.2 プラズマ研究におけるシミュレーションの課題

第2章 プラズマの階層性と基礎方程式
 2.1 プラズマの運動論的モデル
    2.1.1 粒子運動と電磁場の基礎方程式
    2.1.2 リウヴィル方程式とBBGKY 階層性
    2.1.3 クーロン衝突とボルツマン(フォッカー・プランク)方程式
    2.1.4 無衝突プラズマとブラソフ・マックスウェル方程式
 2.2 磁場閉じ込めプラズマの運動論モデル
    2.2.1 ジャイロ平均された粒子の運動方程式
    2.2.2 新古典輸送とドリフト運動論
    2.2.3 微視的不安定性,乱流輸送とジャイロ運動論
 2.3 磁場閉じ込めプラズマの流体モデル
    2.3.1 運動論的方程式から流体方程式へ
    2.3.2 二流体モデルとブラジンスキー方程式
    2.3.3 一流体モデルとMHD 方程式
    2.3.4 1次元時間発展輸送方程式
 2.4 レーザープラズマの基礎方程式と計算モデル
    2.4.1 レーザープラズマの運動論モデル
    2.4.2 流体モデルにおけるモーメント方程式
    2.4.3 輻射によるエネルギー輸送

第3章 数値シミュレーション法の基礎
 3.1 数値計算における誤差と計算速度
    3.1.1 数値計算における誤差とは
    3.1.2 計算速度と並列計算の原理
 3.2 常微分方程式の数値解法
    3.2.1 時間積分の精度と安定性
    3.2.2 ルンゲ・クッタ法
    3.2.3 シンプレクティック積分
 3.3 双曲線型偏微分方程式の数値解法
    3.3.1 空間有限差分法の精度と安定性
    3.3.2 スペクトル法
 3.4 楕円型偏微分方程式の数値解法
    3.4.1 反復法による解法
    3.4.2 高速フーリエ変換による解法

第4章 単一階層モデルによるシミュレーション手法
 4.1 粒子モデルの基礎
    4.1.1 PIC 法の基礎
    4.1.2 静電粒子シミュレーション
    4.1.3 電磁粒子シミュレーション
 4.2 ボルツマン・ブラソフモデルの基礎と数値手法
    4.2.1 連続体モデルの概念と性質
    4.2.2 ブラソフ・ポアッソンシミュレーション
 4.3 ジャイロ運動論モデルによる数値手法
    4.3.1 デルタエフPIC シミュレーション
    4.3.2 位相空間5 次元ブラソフシミュレーション
 4.4 流体モデルによるシミュレーション手法
    4.4.1 一流体圧縮性モデルによる数値手法
    4.4.2 一流体および二流体簡約化MHDモデルによる数値手法

第5章 並列化手法の基礎
 5.1 OpenMPモデル
 5.2 MPI モデル
 5.3 粒子モデルにおける並列化
    5.3.1 粒子分割による並列化
    5.3.2 領域分割による並列化
    5.3.3 アクセラレータによる並列化

第6章 多階層・複合系プラズマのシミュレーション手法
 6.1 多階層プラズマに対するシミュレーション手法の体系
    6.1.1 多階層シミュレーションとは
    6.1.2 境界連結型モデル
    6.1.3 繰り込み型モデル
    6.1.4 その他のモデル
 6.2 今後の展望

第7章 プラズマシミュレーションの最前線
 7.1 磁場閉じ込めプラズマシミュレーションの最前線
    7.1.1 MHDシミュレーション
    7.1.2 乱流輸送シミュレーション
    7.1.3 周辺プラズマシミュレーション
    7.1.4 炉心プラズマ統合輸送シミュレーション
 7.2 レーザー核融合の高速点火方式の統合シミュレーション
 7.3 自然界のプラズマ現象に関するシミュレーションの最前線
    7.3.1 磁気リコネクションの階層連結シミュレーション
    7.3.2 オーロラのシミュレーション
 7.4 プラズマと物質科学の接点を目指したシミュレーションの最前線
    7.4.1 プラズマ‐壁相互作用のシミュレーション
    7.4.2 原子・分子過程を取り込んだシミュレーション

索引
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