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環境人間学と地域

理想の住まい

隠遁から殺風景へ

オギュスタン・ベルク 鳥海 基樹 訳

A5上製, 470 pages

ISBN: 9784814000517

pub. date: 01/17

  • Price : JPY 6,000 (with tax: JPY 6,600)
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内容

自動車社会の到来とともに、都市の人々はこぞって郊外に家を求め、今や地球環境を脅かす問題を引き起こしている。人はなぜそれほどまでに郊外脱出を望んだのか? その根源には『桃花源記』に遡る隠遁への憧れがあった——。東西の古典・近代思想を縦横に逍遙し、近代郊外住宅の理想が現れた過程と人間の存在基盤への影響を浮彫りにする。「KYOTO地球環境の殿堂」第8回殿堂入りを果たしたオギュスタン・ベルク氏による都市論の集大成。

書評

『ランドスケープデザイン』No.113、123頁
『図書新聞』2017年7月22日付、評者:星野勉氏

プロフィール

【著者紹介】
オギュスタン・ベルク(Augustin Berque)
1942年モロッコ生まれ,フランスの地理学者,東洋学者,哲学者。
1969年パリ大学地理学第三課程博士号,1977年文学博士(国家博士)号を取得。1979年よりフランス国立社会科学高等研究院教授(風土論)。欧州学士院会員。2009年福岡アジア文化賞大賞,2011年国際交流基金賞,2015年旭日中綬章など受賞多数。著書に『風土の日本―自然と文化の通態』(筑摩書房),『風景という知―近代のパラダイムを超えて』(世界思想社)など多数。

【訳者紹介】
鳥海 基樹(とりうみ もとき)
1969年埼玉県生まれ。首都大学東京・建築学域・准教授。
1997年パリ・ラ・ヴィレット建築大学校博士論文提出資格取得課程(DEA)修了,2001年フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)博士課程修了(Docteur (études urbaine))。いずれも指導教官はオギュスタン・ベルク教授。2001年より東京都立大学(現・首都大学東京)専任講師を務め,その後准教授に昇任して現在に至る。2016~2017年までフランス国立社会科学高等研究院・客員研究員。

目次

日本語版への序文

プロローグ 流れる風(=風流)
 §1 ボレゴ砂漠にて              §2 風を聞くために
 §3 風と地球                 §4 風の流れ
 §5 風情                   §6 住むということ

第一部 中国

第一章 遊仙­
 §7 桃花源記                 §8 玄牝へ遡る
 §9 西遊                   §10 恨むらくは周穆に及ばざりしを
 §11 別所、別時                §12 遊仙
第二章 城外隠遁
 §13 城は都市である              §14 城外
 §15 謝霊運の原理               §16 庵
 §17 虚構か真意か
第三章 風景の誕生
 §18 牧神パンの洞窟の原理           §19 風景以前
 §20 風景の出生証明書             §21 山と川が山水になった時
 §22 宗炳の原理                §23 風景と社会労働の外閉
 §24 個人観と社会観              §25 仙境と風景

第二部 日本

第四章 廬山を京都に移送する
 §26 参照体系としての廬            §27 社会身体の故郷
 §28 仙境の探求                §29 空間の展開
 §30 内と外                  §31 住まうことの本質
第五章 茶室からファスト風土へ
 §32 坪庭                   §33 数寄屋
 §34 隠遁の柱(床柱)             §35 田舎の味
 §36 虚構の現実
第六章 郊外への脱出
 §37 自然に飛びこむ              §38 ザ・チャイニーズ・コネクション
 §39 甘美な館                 §40 隠喩から衛生主義へ
 §41 田園の憂鬱                §42 分譲地、電車からマイカーへ
幕間劇

第三部 地球/世界

第七章 田園拡散都市の機械学
 §43 イントゥ・ザ・ネイチャー         §44 サイボーグの即位
 §45 風景と非都市性              §46 拡散都市の脱宇宙=脱調和性
 §47 資本主義とサイボーグ科学
第八章 無基底の世界
 §48 抽象的局所と脱宇宙=脱調和性       §49 風物身体の外閉
 §50 オブジェの物神化             §51 消費する身体
 §52 ルーシー・イン・ザ・スカイを構築する   §53 世界の絶対化
エピローグ 栗林にて
 §54 物事の尺度                §55 労働の外閉
 §56 危機と頼みの綱

訳者解題
参考文献一覧
索引
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