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プリミエ・コレクション 72

祈雨・宝珠・龍

中世真言密教の深層

スティーブン・トレンソン

A5上製, 495 pages

ISBN: 9784814000197

pub. date: 03/16

  • Price : JPY 6,000 (with tax: JPY 6,600)
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内容

中世真言密教において重要な意味をもつ舎利・宝珠信仰の本質とは何か。祈雨法(雨乞いの修法)・請雨経法の歴史と信仰をひもとく中から浮かび上がる、龍神信仰との結びつきを詳らかにし、『御遺告』宝珠譚から不動・愛染・如意輪の三尊宝珠信仰にいたる、中世真言密教の展開過程にある最大の謎を理解する鍵を提供する。中世宗教史に新たな展望を拓く力作。

プロフィール

スティーブン・トレンソン
広島大学大学院総合科学研究科准教授
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)

主な著作
“A Study on the Combination of the Deities Fudō and Aizen in Medieval Shingon Esoteric Buddhism”, Dynamics in the History of Religions (Brill Series), Forthcoming 2016;“Cutting Serpents: Esoteric Buddhist Dimensions of the Classical Martial Art of Drawing the Sword", Analecta Nipponica, 4, 2014; "Shingon Divination Board Rituals and Rainmaking", Cahiers d'Extrême-Asie, 21, 2013; 『醍醐寺における祈雨の確立と清瀧神信仰』 (ルチアドルチェ、松本郁代編『儀礼の力——中世宗教の実践世界』2010年);「神泉苑における真言密教祈雨法の歴史と普如竜王の伝説」 (『アジア遊学』79, 2005年); 「論雨経法と孔雀経法の研究——神泉苑における孔雀経法実修説への疑問」『佛教史学研究』46, 2, 2003年)

目次

図版目次
凡 例

序 章
 一 本書の課題と目的
 二 本書の構成

第一部 請雨経法の歴史

第一章 インドと中国密教の祈雨法
 一 インド密教の祈雨壇法
 二 中国における密教祈雨法の展開
第二章 日本における請雨経法の確立
 一 飛鳥・奈良時代の祈雨事例
 二 神泉苑祈雨法の登場
   (1) 空海の祈雨
   (2) 神泉苑の祈雨霊場化
   (3) 請雨経法の確立過程
第三章 十世紀における祈雨孔雀経法の実修例
 はじめに
 一 神泉苑における祈雨孔雀経法の事例
   (l)仁安元年の例
   (2)聖宝の祈雨
   (3)観賢の祈雨
   (4)観宿の祈雨
   (5)義海の祈雨
   (6)嘉承元年七月五日の事件
 二 その他の祈雨孔雀経法の実修例
   (1)延喜二十二年と天暦二年の事例
   (2)寛空の祈雨無験伝承
   (3)息災法の孔雀経法
 おわりに
第四章 十世紀〜十一世紀における請雨経法の展開
 一 天台宗の僧による祈雨法
 二 救世と元杲の請雨経法
 三 仁海の祈雨経歴
 四 請雨経法と五龍祭
 五 深覚の祈雨とその背景
 六 深覚と仁海
 七 『孔雀経』による祈雨の確立
 八 請雨経法と小野流
第五章 請雨経法の途絶と醍醐寺における祈雨
 はじめに
 一 請雨経法衰退の要因
   (1)請雨経法の準備
   (2)請雨経法の実修期限
   (3)白川院の対祈雨法態度
   (4)範俊の祈雨無験
 二 醍醐寺における祈雨
   (1)醍醐寺における祈雨の登場
   (2)醍醐寺における祈雨の定着
 おわりに
第六章 鎌倉時代における請雨経法の復興と終焉
 一 請雨経法の復興
 二 請雨経法の展開と終幕
 三 内裏における祈雨の如法愛染王法
 四 水天供の確立と隆盛
結 論
 付録 祈雨法実修例の一覧

第二部 請雨経法の実修と龍神信仰

第一章 中世日本における請雨経法の実修
 一 請雨経法の基本的特徴
 二 請雨経法の道場の荘厳
 三 請雨経法の行法
 四 請雨経法の舎利・宝珠・龍神信仰
第二章 『御遺告』の「如意宝珠権現」
 一 『御遺告』の宝珠譚
 二 如意宝珠の「権現」をめぐって
結 諭

第三部 中世真言密教龍神信仰の展開

第一章 醍醐寺の龍神信仰
 はじめに
 一 中世の清瀧神信仰
 二 清瀧神信仰の歴史的展開
   (1)龍神としての清瀧神
   (2)清瀧神と龍女
   (3)権現としての清瀧神
   (4)清瀧権現と円光院
   (5)清瀧権現のジェンダー
   (6)清瀧神と伝法灌頂
 おわりに
第二章 真言密教の龍神信仰と室生山
 はじめに
 一 室生山への真言密教の流入
 二 室生山の二系譜の龍神信仰
 三 鎌倉期室生山の真言宗小野流系の龍神信仰
   (1)『宀一秘記甲』の所説
   (2)『御遺告大事』の三尊信仰
 おわりに
第三章 中世真言密教龍神信仰の変奏
 はじめに
 一 避蛇法
   (1)即身成仏の実践法
   (2)鎮護国家の至極
   (3)蛇・龍・煩悩の信仰
 二 調伏する宝珠
 おわりに
終 章

あとがき
引用文献
索引(人名・書名・事項)
英文概要
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